めだかボックスの14巻〜16巻の範囲がマジで大好きなのでしばらく進みは遅くなります。その代わりに更新頻度は上がります。よろしくお願いします。
『あれ、喜界島さんまだ帰ってなかったの? そろそろ下校時間だよ』
めだかと善吉が戦い──もとい、一方的な蹂躙劇が
『ちなみに僕はまだ調べ物があるから帰らない予定だけど、喜界島さんはどうするの?』
「私、私は……」
喜界島の頭に浮かぶのは、つい先ほどまでの──
めだかが無茶振りをして、呆れながらも善吉がそれに答え、張り合うように阿久根も張り切り、球磨川三兄妹がなんやかんやで上手くやりつつ、喜界島本人も置いていかれぬよう、みんなと足並みを揃えて歩いて行く。
そんな、仲のいい生徒会が好きだったのだが。
「どうしよう、禊ちゃん……私、みんなについていけないかもしれない」
だから、喜界島がこう口にしてしまったのもしょうがないことだろう。友達同士の喧嘩が見たいだなんて奇特な奴はそういない。
「黒神さんに巻き込まれたいって思ってた。だけどこれは違うよ、理解できない。喧嘩してる黒神さんと人吉も、冷静な阿久根さんも人吉に肩入れする名瀬さん達の気持ちも──」
『だったら喜界島さん。
本来とは違い、妹がいることによって少しだけ面倒見が良くなっている禊は、喜界島の話を途中で遮って、自らに
喜界島は話を途中で奪われた形になるが、この際それは構わないようで、禊の話を聞く姿勢を固めたようだった。
『心底、本当に、誰が見たって誰が聞いたって
「……いつも禊ちゃんがやってるみたいに?」
『微妙に傷つく物言いだけれど、そういうことさ。例えば「親にやっとけって言われたから」とか「女の子のスカートの中身を
「ドン引きされるような理由を提案してるっていう自覚、あったんだね……てっきり本気で言ってるのかと思ってたよ」
『いいや? あれはまるっきり本気で言ってるけど』
改心したとはいえ球磨川禊、下衆の極みである。喜界島は話を聞いておきながら「相談する人間違えたかも……」と、薄々思い始めていた。
『本当はね、僕はこの争いを静観するつもりだったんだよ。僕が放っておいても、
「……もしかして、その二人も?」
『
「うん、それは同感……で、
そう喜界島が聞いた途端に、禊は珍しく苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
『いや、それがね。僕も気になって
「嘘……ってどうして分かったの? やっぱり、兄妹の勘? みたいなのが働くのかな」
『いいや、これは普通に推理だよ。だってあの子、基本的に
大方
『そう、それで僕は結論から言ってしまうと、きみが望むなら、
「……ふふっ、なにそれ? 私だって鍛えてるから、もしかしたらとーっても強くなってるかもしれないんだよ?」
『その時はその時さ。僕は男の子なわけだから、女の子には特別優しくしてあげないとね』
「相変わらず人の心に入り込むのが上手いね、球磨川くん」
『ッ!!』
突如として禊と喜界島の会話に割り込み、斬り込んだのは『
既に禊の首の辺りを狙って刀が振り抜かれているが……禊はそれをなんとも気持ち悪い動作で避け、これまた気色悪い振り向き方をして宗像の方を見た。
『……やあ宗像くん。どうしたんだい、わざわざ僕みたいなのに構うなんて。僕はこの争いをうやむやにして「なかったこと」にしたいだけなんだけど』
「
『そんなこと言って、本当は僕に仕返ししたいだけなんじゃないの? ほら、大昔に僕が螺子伏せてあげたことがあっただろう』
「まさか、僕はそんなこと全く気にしていないよ。怪我をしていた時に不意打ちされたことなんてね。それに、すでに改心した君を憎しみ恨む理由なんて一つもない──」
と、言いつつも、宗像は返す刀で再び禊を斬りつけようとする。それどころか、いつか善吉と戦った時のように、多種多様な武器を用意し始めた。
『混沌よりも這い寄る
一見魅力的に見えるこのカードは、その実消化試合の要素が強い。理由は簡単、
現在宗像は
しかし禊は本日生じた因縁により、赤からは通常の治療さえ期待できないというのが本当のところだ。
つまりこの勝負、禊の負け以外の結果が存在しないのだ。違いといえばそれが訪れるのが早いか遅いかのみであり、結果が変わることは万が一にもない。
しかし彼は
というわけでウルトラジャンプ派の球磨川
「ウルトラジャンプ……ああ、本当に面白かったもんな──
「さっすが善吉くん! やっぱりきみはぼくの親友だよ本当に! ちなみに善吉くんは何部が好き?」
「ああ、俺はやっぱり4部が好きかな……鶴喰くんは?」
「……………………」
ああ、この子が
「あのー、さっきまで強キャラみたいな笑顔を浮かべてたきみが鶴喰鴎くんであってる? 喋らなくてもいいから、そうなら頷いてほしいな」
「……………そうだよ、私が鴎だ」
「あれ、喋れるんだ……記憶違いかな……でももう決めたことだしいっか」
「えっと、
お腹に小太刀をあてがって……よし、おっけー。
「えいやっ」
「なっ、えっ
「ああ、これはちょっとスキルで
「
おっ、善吉くん大正解。やっぱり長年めだかくんの隣にいただけあって、ものすごく察しがいいね。
おっと、そろそろできるかな……よし、できた。
「というわけで善吉くん。ぼくも君を手助けしようかと思って──」
「いや、いやいやいやいや……お前そのままなんの説明もなしに話し続けるつもりかよ!?」
「え? ああ、これね。鴎くんは女の子がいると喋れなくなるって
「なんて?」
「
「なんで!?」
あれ、意外と不評? うーん、おかしいな……これなら問題は一瞬で解決するのに。
「あのさ、念のため聞いておくけど……元の体にはいつでも戻れるんだよな? 球磨川──禊の『
「あー、ないない。ぼくのはほら、あくまで『書き換える』だけだから……逆に善吉くんを女の子とかにもできるよ。やってみる?」
「いや、いい……遠慮しとく」
ふーん。善吉くんは女の子になってもかっこよさそうだけどな。まあいいって言ってるし。
「それで、この場合私はきみのことをなんて呼べばいいのかな?」
「あっ再起動した」
本当に女の子じゃなければ問題ないんだ……面白いね、鴎くん。
「まあ今は男だし、
「それじゃあ
「ああ、うん……合ってたんだ……善処するよ。はい、握手」
「……? どうして手を差し出しているのかな」
え? あれ、通じてないのかな。だって鴎くん、善吉くんのお友達なんでしょう? 少なくとも、外から話を聞いていた感じだとそう聞こえたんだけど。
「というわけで、ぼくと鴎くんももうお友達でしょ。そうじゃないって思ってるんだったら、今からお友達になろうよ。はい、だから握手」
「……女子の手を握れって?」
「ぼくは男子だよ。見たら分かるでしょ……ああもうじれったい! はい握手! これからお友達ね!」
というわけで手を取って強制的に握手。これでもうお友達だ、後からなしとは言わせないよ。
「あー、うん……よろしく──ところで人吉くん」
あっ、こいつ恥ずかしがって話逸らしたな。まあ別にいいけど……もうちょっとお話ししようよ。
「友達といえば、三年十三組の宗像先輩ときみは、仲のいい友達なんだっけ?」
「ん? まあそうだな。夏休み明けてからあの人にはよく遊んでもらってるけど?」
「ちょうど妹──弟さんもいることだし聞いてみたいんだけど、もしも宗像先輩と球磨川先輩が互いに万全のコンディションで戦ったら、果たしてどちらが勝つと思うかな?」
なんだその質問……まるで
「んー、どうだろうな。宗像先輩って
善吉くんはそう言うとぼくの方を向いて、話の続きをするように促してきた。
うん、そうだね。お兄ちゃんのことならぼくに任せておきなさい。ぼくは胸を張り、まるでお兄ちゃんの自慢をするかのように話し始めた。
「
「……つまり?」
「つまり、十中八九どころか100%越えの確率で──お兄ちゃんが宗像くんに無惨にぶっ殺されて、無意味に終わるだけだよ」
──後から喜界島くんから聞かされて知ることだが、果たしてぼくの発言はおおよそ真実そのものだったらしく。
ちょうどこの時。
お兄ちゃんと宗像くんは、殺意と
男だったり女だったりする
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