TSした上に『負完全』の妹   作:Minus-4

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 ダイジェストその2です。
 現時点で原作との違いがあるので、そこに関しての補足的な回になります。




第59箱「今期中に叩き潰す」

 

 

「いやしかし、それにしても──最初は問題児ばかりでどうしようかと思っていたが、存外に清い心の持ち主ばかりであったな」

 

「うんっ、そうだね。それはそうとめだかちゃんは、わざと選挙に負けてあの五人を生徒会長に据えることで、安心院(あんしんいん)さんの目論見を崩す……っていうのが作戦なの?」

 

 第三回オリエンテーションであるテーブルトークRPG大会の後片付けをしながら、つい先日にようやく友人となっためだかと喜界島は会話していた。

 

「いや、そういうわけにもいかんのだ、もがなちゃん。どんな勝負でも()()()()()()などという行動を取るわけにはいかんからな。だからまあ、本気で勝ちにはいくさ」

 

 めだかは先ほど候補生達に出した最後の課題である「百代目生徒会長の襲名」を思い返しながら、そう答えた。

 

 脳裏に浮かぶのは、安心院(あじむ)なじみの存在。

 

「それに、無限コンティニューが可能な安心院(あじむ)なじみ相手に、そんなに短絡的な作戦を取るわけにもいかない、というのは文化祭の後に話したな?」

 

「うん。あの人は百年先でも二百年先でも生き続けているはずだから、継続的に安心院(あんしんいん)さんを封じ込め続けなきゃいけないんだよね」

 

「言い方は悪いが、そうなるな。フラスコ計画などという非人道的な実験を、再び始められようものなら目も当てられない。故に、永久的にあやつを──その作戦を封じ込めておかねばならん」

 

 めだかは片付けた備品を段ボールにまとめて入れてから、それを持って立ち上がり、再び話を始めた。

 

「問題なのはあやつは今()()()()()()()だということだ。私達を使っての暇つぶしに飽きれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……確かに、禊ちゃんの封印だって六本から一本にまで減っちゃってるしね。というか気になってきたんだけど、()()()()安心院(あんしんいん)()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「はは、それについては以前語っておったよ。本当かどうかは知らんがあやつは私と同じで、それが()()()()()()だから──あっ

 

「……? どうしたの、めだかちゃん。突然驚いたような声を出して固まっちゃって」

 

 しかし突如としてフリーズしためだかは、喜界島の問いかけに反応することなく、何か一つのことについて思考している様子だった。

 

 しばらくして、ようやく動き始めたかと思えば、今度は突然顎に手を当てたまま、生徒会室の中をうろうろと歩き始めた。

 

「えーっと……どうしたの? めだかちゃん」

 

「いやなに、少し考え事をな。まあ安心院(あじむ)なじみだから()()()()()()()()()で流していたんだが──どうして()()()()()()()()(ゆき)()姿()()()()()()()()のだ?

 

「え? いやそれは、負安心モードだからだって、文化祭の後に安心院(あんしんいん)さんが言ってたんじゃ──」

 

「見た目まで変える必要はないだろう。というよりこの場合、見た目だけ変えて中身が安心院(あじむ)なじみのままである理由がない。なんというか、その辺りちぐはぐな印象を受ける」

 

「ちぐはぐ? 例えばどんなところが……とか、聞いちゃったりしちゃってもいいのかな」

 

「別に構わんよ。むしろこれは、今のうちに共有しておいた方がいいかもしれん。安心院(あじむ)なじみは、()()()()のことを負安心モードと呼んでいたが……()()()()()()()()?」

 

 めだかは歩き回るのをやめ、喜界島の方を向いてそう問いかける。この場合の問いかけはいわゆる自問自答のようなもので、喜界島に答えを求めたものではない。

 

()()()()()。だってあやつは()()状態を負安心モードなどと(のたま)ってはいるが、できることが通常時と何も変わっていないではないか

 

「──あっ! 確かにめだかちゃんの乱神モードとか廃神モードだと、結構明確に差が現れるけど、負安心モードは何も変わっていないような……?」

 

「そうだ。だからこそ、その辺りに()()()(ゆき)()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう語っためだかは生徒会長の椅子に腰を据えて、割と真剣に考えに(ふけ)った。それを見て喜界島も会計の椅子に座る。

 

「……もしかすると、()()()()可能性もあるのかもしれないな。だからこそ、(ゆき)の体なのかも──それなら先ほどの理論の補強にもなりそうだ」

 

「めだかちゃんめだかちゃん。どういう可能性か、それも教えてもらってもいい? さっきから質問ばっかりで、本当に申し訳ないんだけど……」

 

「ああ、気にするなもがなちゃん。この程度のことは別に大したことではない──それで、そうだな。安心院(あじむ)なじみと(ゆき)が同類なのではないかと思ってな」

 

「同類、って……これまたどうして? 私から見たら、あの二人は結構違うように見えるんだけど」

 

 そうだなあ、とめだかはできるだけ伝わりやすいような言葉を吟味してから、喜界島へ向けて、可能な限り分かりやすく説明を始めた。

 

「とは言っても、根拠がそこまで多いわけでもない。あくまで私が見た範囲での話にはなるが、あの二人にはどちらも()()()()()()()()()()()()()という特徴がある」

 

「えっと……安心院(あんしんいん)さんは、まあ長生きしてるし、そういうところがあるとも思うけど、(ゆき)ちゃんはそんな感じでもなくないかな?」

 

「いや、これまで関わってきた感じから察するに……意外とそういうタイプだぞ、(ゆき)は。なんというか、そうだな……まるで未来をその目で見てきたかのように動くのだ

 

 記憶に新しいのは、()()()()()()()()()()()()の時の(ゆき)安心院(あじむ)なじみだ。

 

「あの時、(ゆき)は確かに直前まで茫然自失の状態だったのだ。私が直に確認したから間違いではない」

 

「あれ? でも(ゆき)ちゃん、なんなら私達のすぐ後に関門を突破して追いついて来ていたけど……」

 

()()だ。なんというか、()()()()()()()()()()()んだよ。意識を失っている状態から目覚めて、あのレベルの謎解きをやらされたとして、そんなの高貴や喜々津候補生ですら、できるかどうか怪しい」

 

 喜界島は宝探し(トレジャーハンティング)の時の暗号を頭に浮かべて、自分も同じようなことができるだろうか、と考えて、どう考えても無理なので考えるのをやめた。

 

「その時、私の隣に安心院(あじむ)なじみもいたのだがな、あやつは(ゆき)()()()()()()()()()であるかのような反応をとっていたのだ。そんなの、()()()()()()()()()()()()()()のでもなければ説明がつかん」

 

「つまり、あの二人はスキルか何かで未来を知っている可能性があると……そういうこと?」

 

「さすがに未来を知っているとまでは言わんが、やはり何かしらのからくりはあるのだろうな。それこそ、私達に気が付かれずに取れるような何らかの手段が」

 

めだかはそこで再び考え込み、しばらくしてから「よし」と一人でに呟いて、先にかけていた腰を上げた。

 

「……考え、まとまったのかな、めだかちゃん?」

 

「ああ、まとまったよ、もがなちゃん。正直なところ、はっきりとした狙いはまだそこまで分からんが……しかし私がやるべきことは分かったよ。どんなものかは知らんし、不気味なことこの上ないが──」

 

 

安心院(あじむ)なじみの目論見は、今期中に叩き潰す!!」

 

 

 黒神めだかは拳を強く握り、力強くそう宣言した。

 生徒会戦挙当日、12月24日──箱庭学園最大の祭である聖夜祭は、もうすぐそこである。

 

 

 






 次回でダイジェスト気味なのは最後です。

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