TSした上に『負完全』の妹   作:Minus-4

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 感想・評価・ここすき等ありがとうございます。それらを眺めてニヤニヤする怪しい人になってます。お陰様で笑顔です。

 そろそろいちばん書きたいところに突入できそうでワクワクしてます。絶対書くの大変ですけどね。




第7箱「待っていてね」

 

 

 さて、そろそろめだかくんと善吉くんは時計台の上で王土くんと互いの思想を押し付け合っている頃合いかな。いやー、なんだか感慨深いものがあるね。めだかボックスの真骨頂はここからなんだから。

 

 ……なのだが。

 

「投書されてる苦情の数多過ぎでしょ……」

 

 おいおい、冗談だろ?今生徒会室に私しかいないんだけど?阿久根くんと喜界島くんはどこほっつき歩いてんだ……。

 

 ていうか原作でめだかくんはこの量の投書を阿久根くんと喜界島くんに任せようとしてたの? 正気か? この量を丸投げは流石に……いや、信頼の裏返しとも取れるか。取れるか? いやまあ、喜界島くんは分からないにせよ、阿久根くんは喜んでやりそうだな。信者だから。

 

 元はと言えばそもそも十三組(アブノーマル)の奴らが悪いんだよ。最初に『十三組の十三人(サーティーン・パーティ)』に選ばれてない時点で負け犬だろうが。諦めの悪い奴らだな。しかも腹いせにやる事が苦情と陳情の投函? 精神年齢がガキなんだよ。

 

「はぁ……こんな事しても虚しいだけだろ……」

 

「いいや、()()()()()()()()。これら一つ一つが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだからな!」

 

「うわあビックリしたあっ!?」

 

 めだかくんいつからそこにいたんだ!? あっ両手を肩あたりまで上げてため息ついてたの真似してる! かわいい!

 

「んふふ……いやー遂に私もここまで来たかー!」

 

「どうしたんだよ杵築、いきなりテンションぶち上げて……そもそも何をそんなに喜んでるんだ?」

 

「めだかくんが私の真似してくれた事だけど?」

 

「お前は真似する側だろ……」

 

 そうかなあ? まあ真似事は得意だけどさ。じゃなくて、今はそんな事どうでもいい。折角の原作合流チャンス、ファンとしては逃すわけにはいかないだろうよ。

 

「ところで二人はなんでそんなにボロボロなの? 新たに現れた敵に対抗するために一夜漬けでとんでもないトレーニングを敢行してそのまま朝イチで対決してきたみたいな見た目だけど」

 

「おう大正解だ。ほんの少しのズレもなく、まんまそのままの展開だったよ。それより杵築……悪い事は言わねえからお前は関わるな

 

 …………え? いやいや、え? 流石に……聞き間違いだよな?そうだよなうんそうに決まってるあはは!

 

「いや、ちょっと言い方が悪かったか。今回の一件は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うむ。それに、その一件だけにかまけて通常業務を疎かにするわけにも行かん。ゆえに、雪と阿久根書記、喜界島会計には通常業務をお願いしたいのだ」

 

 ……どうやら、聞き間違いじゃないらしい。だけどな、お二方。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……知ってるよ、二人が何に巻き込まれているのかなんて。時計台の地下にある研究所の件……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() それくらい分かるさ」

 

「「ッ!?」」

 

 んふふ、驚いてる驚いてる。だって本来私が知っているはずがないもんな。そもそも本当は私存在しないし。おぅふ、掴み掛からないでよ善吉くん。そんなにがっつくと女の子にモテないぜ?

 

()()()()()()()()()()()()()()!? まさか杵築お前、()()()()()()()()()()──」

 

「違う違う。一旦落ち着けって善吉くん。私は別に異常(アブノーマル)側ってわけじゃないよ。ほら、クラスも一組でしょ?」

 

 落ち着いてくれるかな? 落ち着いてくれないと困る。研究所に突入する前に仲違いして無駄な体力を使うとかなりまずいからな。

 

「落ち着け善吉。私は以前都城王土を含んだ、合計六人の『十三組の十三人(サーティーン・パーティ)』と対面しているが、そのどれもが雪と同じ雰囲気は纏っていなかった……それに、雪は恐らく特別(スペシャル)だろう。何を間違っても異常(アブノーマル)ではない」

 

「えー? 私は普通に普通(ノーマル)だと思うけど。ちょっと剣道ができるだけの普通の女の子だよ」

 

 特別(スペシャル)は流石に買い被りすぎだ。仮にそうだったとしたら、私のクラスは十か十一か十二だっただろうよ。

 

 あっそうだ、それっぽい理由でっち上げて地下研究所に着いて行かないと行けないんだった。危ない危ない、取り残される所だったよ。

 

「それで私がフラスコ計画について知っていた理由だけど……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それでその時言われたんだよ」

 

「なるほど、雲仙二年生が個人的に……それは動体視力の訓練の際に話したのか?」

 

「そそ。ちなみにその時お悩み相談もされてね、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』って。お悩みとして受理してるから反故にはできないんだよね。だから私は今、二人を放っておいて他の仕事をする事ができない」

 

 どうだろうこの嘘。今考えたにしては上出来ではないだろうか。だから二人とも、そんな苦虫が口の中で暴れ回ってるみたいな表情はやめてほしいな。

 

「……念のため、もう一回だけ聞くぞ杵築。こっから先は暴力上等の実力行使による生徒会執行になる可能性が高い。それでもお前は俺たちに着いてくるか?

 

「当然。てか二人とも心配しすぎなんだよ。確かに私は至って普通の生徒会副会長代理で、普通の普通(ノーマル)で、吹けば飛ぶような普通の零細剣士だけどさ。友達を助けるのに理由なんていらないだろ

 

「……あー分かったぜ杵築! 今から後悔してももう遅いからな、この世の地獄への突貫日帰りツアーだ! 言っておくが杵築、乗り遅れたりしたら普通に置いて行くからな!! それでいいよなめだかちゃん!!」

 

「ああ、構わん! いつの間にか勘違いしていたが、()()()()()()()()()()()()()、雪! 折角フラスコ計画について知っている友がいるのだから、貴重な情報をみすみす腐らせるわけにも行くまい!」

 

 よーし、完璧。自分で自分の手腕に惚れ惚れしちゃうよ。これが自惚れってやつか、また一つ賢くなった。

 

「よし、では行くぞ善吉、雪!! これより我ら生徒会は、目安箱への投書に基づき生徒会を執行する!!」

 

「「応ッ!!」」

 

 さて、ようやくだ。ここからが『めだかボックス』だ。

 待っててね、お兄ちゃん。

 

 


 

 

 場所は移り、時計台地下にある研究所の入口……通称『拒絶の扉』の前にやって来た。そしてそこにいたのは、原作通りに異常(アブノーマル)な双子である対馬(つしま)左脳(さのう)対馬(つしま)右脳(うのう)だった。

 

 前々から思っていたのだが、左脳くんってなんかお兄ちゃんに似てるよな。髪の色とか。髪型は全然似てないけど。

 

 さて、二人の息ピッタリの説明によると、この扉は6桁の暗証番号により閉ざされており、しかも一人通るたびに暗証番号がリセットされるため、通れる確率は100万分の1とかいうイかれたドアなのだとか。私はもう知ってるけどね。

 

 実はこのドア、私には()()()()()()。私は善吉くんの誕生日を知らないからな。ちくしょう、私は友達の誕生日も満足に祝えないのか……。

 

 なんて考えているうちに、めだかくんはさっさと扉を開いたあと、これまたさっさとヒントを出してから先に進んでしまった。やっぱこの子やばいな。ちょっと理解できない。

 

「さあて次は君らの番だ」

 

「チャレンジしてみなよ一組(ノーマル)ども!」

 

「ほら煽られてるよ善吉くーん、なんとかしてよー」

 

「何とか出来るんだったらとっくに何とかしてるっつーの……!」

 

 あっやべっ、完全にミスったな。というのも、善吉くんがこういう反応をする時は心に余裕が無い時だ。そんでこのまま放置してると大概ヤバめの失敗をする。うわー……やっちまった。

 

 右脳くんと左脳くんによれば開錠のチャレンジは何度やっても構わないらしいが……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だって、このままここで待ってれば事は済むからね。

 

 ほら来たぞ、善吉くんには私の言葉なんかより彼らの言葉の方がよっぽど堪えるだろう?

 

「やれやれ、意外と諦めがいいんだね人吉くん」

 

「……やっほー、阿久根くん、喜界島くん」

 

「二人とも……どうしてここに!?」

 

 馬鹿だなあ善吉くんは。そんな事考えないでもすぐに分かりそうなものなのにね。まあそういう所が彼らしい所で、キャラクターとしての魅力でもあるんだけど。

 

 ちなみに二人がここまで来た理由は、原作通りに半袖くんから事情を聞いたかららしい。もともと生徒会室にいる事を知っていた私も全く気づかなかったので、相当本気で隠れていたんだと思う。

 

 なんて事を考えているうちに、喜界島くんが扉を突破した。ついさっきまでかなり離れた場所にいたのに、めだかくんが出したヒントをちゃんと耳で拾えてるのは素直に賞賛だ。流石は水泳部のエース。

 

「……さて阿久根くん。()()()()()

 

「ああ、杵築さん。生憎この門番たちの茶番に付き合う趣味はないからね!」

 

 そう言うと阿久根くんと私はそれぞれ近い方にある燭台を手に持った。これから拒絶の扉をぶん殴ってこじ開けるためだ。

 

「まずは控えめに!!」

 

「百万回ほど頑張ってみようか!!」

 

 ……よしストレス解消タイムだ! 最近激務が続いてまともに剣道出来てなかったし、このうざったい扉をぶっ壊してスッキリしよう!

 

 眼前に(そび)え立つ拒絶の扉を全力で殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って──ありゃ、76回しか殴ってないのにもう壊れちゃった。

 

「あれー? 152回くらい必要かと思ってたのにな……」

 

「俺がチャレンジした回数が76回で、杵築さんがチャレンジした回数も同じく76回だったからね。二人合わせてわずか152回のチャレンジで扉は開かれた!」

 

 なるほど、二人で殴るとそうなるのか。なかなか上手い事できてるな。よっし、ストレスもほどほどに解消できたし、さっさと進もうか!

 

「じゃあ行こ、善吉くん……どしたのそんな目で私のこと見て」

 

「いや……やっぱり杵築が普通(ノーマル)ってのは無理があるよなって思ってただけだよ」

 

「それは俺も思ったね。本気の俺の打撃と同等の威力が出せる女子なんてそうそういない」

 

「二人とも、そんなに難しく考えることないって。要するに中の上ってことだよ。幸いなことに運動神経だけはいいしね」

 

「そういうことじゃないんだけどなあ」みたいな顔をしながら、二人とも首を傾げていた。なんだよ、なんか文句でもあるのか。言っとくけどな、私のことは私が一番分かってんだぞ。

 

「……まあそれはさておき、だ。行こうか人吉クン、杵築さん。茶番は終わり本番の始まりだ。めだかさんと喜界島さんが待ち侘びているぞ。俺達は全員揃って生徒会だ!

 

 ぱちぱちぱち。いやーいいこと言うね阿久根くん。新たな戦いの始まりに相応しい、素晴らしい言葉を私たちに送ってくれた。これでやる気も出るってもんだ。

 

 よし、景気付けも済んだことだし、死なないように頑張るぞ。

 えいえいおー。

 

 






 右脳くんと左脳くんが全然喋ってませんが許してください。

 感想・評価・ここすき等よろしくね。

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