暗号解読回。
潜木との和解が終わった後、生徒会の面々はすぐさま
現在は禊によって、オールジョーカーズに一体何があったのかを説明しているところである。
『──というわけで、めだかちゃんはものすごく凶悪な見た目をしたロリから、もしこの第二回漆黒宴で優勝した場合、鶴喰梟とかいう人を殺した犯人を
「なるほど……つまり人吉会長が言っていたオールジョーカーズの弱点とは封印──加えて、
「あーうん、前半は少し違うが後半は正解だよ、虎居。黒神めだか、鶴喰鴎、
善吉は今の今まで語っていなかった、オールジョーカーズの弱点を語った。理由としては主義・油断・興味・エトセトラ──挙げれば
が、しかし。一人だけ騙られていない者がいることに、
「ねえねえお兄ちゃん、
『おや、そこに気がつくとは、流石の
「こんなシスコンに私やられたのかー……」
『もう君わざとやってない?』
シスコンなどと、社会的に見れば不名誉な呼称を潜木がしてきたので、禊は「
潜木はさめざめと泣いた。
「
『いやね、そんなに難しく考える必要なんか無いんだよ。名札になってないってことはつまり、
「……それなら、どうして抵抗しなかったんだろう。今のあの子、拘束とか束縛とかすごい嫌ってるから、絶対滅茶苦茶暴れると思うんだけど」
『そこで凶悪ロリの
禊はへらへらと笑いながら、軽い感じでそう言ったが──しかし、潜木がそこに口を挟んだ。
「こいつはこんな軽い感じで言ってるけどなー、あんまりアレを舐めてかかると痛い目見るのだ。比喩とかじゃなくて、滅茶苦茶痛い目に逢うからなー……ぶっちゃけ私が敗退したのだって、ほとんどあいつのせいなんだよなー」
『──ということらしいぜ。ちなみに潜木さん、きみが僕達にとって有用なことをしても、封印は解いてあげないからね』
「……ちぇー。なんだよ、伝え損じゃんか」
どうやら「
「ということは……めだかちゃんも
『めだかちゃんに関しては違うけど、
「なるほど……確かに
『鰐塚ちゃん、今この戦闘機に
禊はそう言いながら、潜木に13本目の「
「おい!!」
『おーっと手が滑ったー。でも原因は鰐塚ちゃんにあるから、僕は悪くない』
「鰐塚とかいうの! どうしてくれるのさー! これで私の封印年数は650年なのだ!!」
「なっ、くっ……! 私としたことが、また何かやってしまったのでしょうか……!」
「お前なー!!」
「……こんなに狭いんだから、あんまり暴れないで欲しいんだけどな……痛っ」
贄波の呟きは喧騒でかき消されてしまい、誰の耳にも届くことはなかった。
「……あの、そろそろいいか? めだかちゃんが俺達に残した暗号の答え合わせをしても」
「うん、もうこのままだと潜木くんが一生『
「1000年……1000年? あはっ、あはは……死こそが救済なのだ……」
「殺された私が言うのもなんだけど、ここまでされると流石に哀れだね……」
とばっちりにとばっちりを重ね、潜木に刺さっている「
流石にここまでされていると、怨みなんかはすっかり無くなってしまうようで、むしろ殺された二人は潜木を哀れに感じ始めていた。
それが禊の狙いであるかと言われると、全くそんなことはないのだが。
「ところで名瀬くん、既に戦闘機は目的地に向かっているみたいだけど、名瀬くんはどこに行けばいいのか知ってるの?」
「知ってるに決まってんだろ。ただ、そこに着くまでしばらく時間がかかる──だからまあ、謎解きゲームでもやりながら、快適な空の旅を楽しんどけ」
名瀬なりの気遣いで、ネタバレは一切なしである。
「よし、そろそろいいかな──それじゃあこの暗号文を解読していくとしよう」
善吉はポケットからめだかが残した暗号文を取り出し、戦闘機の後部座席に共に乗っている8人に向かって見せつけた。
「さて、ここで重要になるのは
「うん。希望の希に、平仮名の『う』って書いて──『こいねがう』。でしょ? 善吉くん」
「……江迎くん、よく知ってたねこんなの。ぼくはこんな読み方があるなんて、今の今まで知らなかったよ」
「ま、普通に生きてたら知ってるわけないからな……というわけで、読み方も分かったところだし、ここからは分かりやすく
善吉は先ほど黒神基地から拝借しておいたメモ帳とペンを取り出し、すらすらと流暢な字でひらがなを綴った。
「……よしっ、こんなもんだろ」
「句読点を取って改行したのは、説明しやすくするためで意味はない。さて、鰐塚。これを見て何か気付かないか?」
「えっ!? いきなりそう言われましても……って、ああああっ!! 暗号文の中に自分が尊敬してやまない箱庭学園きっての美男子である阿久根殿のご尊名である『あくねこうき』の6文字があるではありませんかあああああっ!!」
「お前っ!! 静かにするのだ早急に!! このままだと私の封印年数が1050年に……!!」
「……まあそれは置いておいて、だ。しかし『あくねこうき』の6文字があったとは言っても、このくらいの長さの文章なら十分あり得る確率──」
善吉はそこで一度言葉を区切り、ペンで阿久根の名前を塗り潰し始めた。突然妙なことを始めたので、その場にいる全員が困惑したが、しかしこの直後に、善吉の意図を理解することとなる。
「──だったら、
「俺はお前達を信頼しているからもう言っちまうけど
「当然──『
「『
「『
「『
「そして最後に『
「す、すごい……ですが、人吉会長。これは、どう見てもランダムに選出したとしか思えない人選なのですが……」
「まあ普通に見たらそうだろうな。だが、この六人には紛れもない
善吉は得意げにそう言うと、今度は文字を並べ替えて、生徒の名前を漢字で書き始めた。
「……うーん、漢字にして並べ替えても、文字数が揃っているわけでもありませんし、同じ漢字が使われているというわけでも無いようですが……」
「それではいよいよ最後のヒントだ。奇しくもついさっき漢字使いの叶野が使っていたが、『さんずい』ってのはつまり『
善吉によって、最後のヒントが与えられる。そして最後に答えを掴んだのは、意外にも球磨川禊だった。禊はまるで初めから一人で解いたかのように、自慢げに語る。
『善吉ちゃん。つまりきみは、この六人の共通点は「
「曜日って……あーっ! 本当だ!! それぞれ『火』『
「でも、
「『月』がない? そりゃ大変だ、だったら『
善吉はまるで煽るかのように、そんなことを口にする。そうしてその直後、その場にいる全員が同じ結論に至ったのだった。
「いや、そんなまさか……」
「漆黒宴の三次会会場って……」
「もしかして……月ぃ!?」
善吉はその言葉に、返答しなかった。が、しかし、その沈黙は肯定を意味する物であった。
──所変わって、ここは赤道直下、黒幕島・黒神宇宙開発センター。
黒神めだかと残り三人の婚約者、そして月曜氷会の兎洞武器子は
ただ一人、封印されなかった球磨川
「うがああああっ!!!! 離せええええええっ!!!! このやろおおおおおおおおっっ!!!!!!!!」
「……黒神さん、あの子どうにかしてくれませんか……?」
「うん……無理だな。あれは自由を望む咆哮だ──故に、私にはどうにもできん」
「あなたで無理なら、どうすればいいんですか……」
──駄々をこねて、絶叫していた。
潜木が勝手にギャグキャラ化してて困る。もう仲良しじゃん……。
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