久々に日間ランキング22位とか乗りました。
評価をくれた人に感謝です。
「わっ……わたっ、私っ、私のロケットが……?」
「あー……まあそんなに落ち込まないでよ。壊れただけなら、まあスキルでどうにかなるし」
ごめんねえ、私には予想できてたし、なんなら戦闘機が突っ込んでくること知ってたけど……だけどやっぱりド派手な方が面白いじゃん?
というわけで球磨川
「私のロケット……初任給で買ったロケットが……」
おいおい武器子さん、まるで月氷会の初任給が1兆7000億円以上あるみたいな言い方はやめなさい。流石にそれはヤバすぎる。
「ロケット……じゃないっ! 今は仕事に集中しろ、私……!」
おお、すごい精神力だ。私だったら三ヶ月は寝込むなあ、約2兆円がおじゃんになったら。つーか、3000億円が端数になるのってヤバいね。
なんて、私が武器子さんの一挙手一投足に一喜一憂している間に、善吉くんとめだかちゃんはがっしりと腕を組んでいた。ま、久々の再会だしね。二人とも嬉しいだろ。
当然、私の隣にも
「それにしても、善吉くんも派手好きだよねえ。いやまあ、ロケットを潰しちゃえば月に行けないってのはそうなんだけど」
「本当にねえ。なまじ効率的で効果的な分、こっちとしても咎めづらいってのがなー。実際に私、あのままだと月に行くことになってたし」
武器子さんは「あなた方なら訓練なしでも月くらい余裕」って言ってたけどさあ、こちとらはスキルがなければ
「あっ、見て見て
「あー、本当だ。吹き飛ぶまで秒読みってとこかな──」
なんて、
……?
ああ、そっか。そういえば善吉くんがめだかちゃんに「結婚してくれ」って言うシーンか、ここ。
──見逃した……!
「しかしいい気になるなよ、善吉よ。これが勝負なら私の勝ちだぞ。プロポーズしたのは私の方が先──
うーん、いいなあこういうの。青春……と言うには少々大人び過ぎているけど、そこがめだかちゃんの良いところだし。
さて、それじゃあ
「さて、そういうわけで
「さっきから誰と話してるの? 知り合い?」
──そう言って
それじゃあ、さっきまで前にいた奴は誰?
私が恐る恐る振り返ると、さっきまでそこにいた
──杠ちゃんの
なんなんだよマジで……全員が全員強化されてるし! なんか
……とか言ってる場合じゃないな。このままここでうかうかしていてもいいんだけど、そうすると武器子さんが善吉くんを殺す。
恐らく、
問題なのは、武器子さんが本気で人を殺そうとすると、
だが迷っている暇はない。私は即座に行動を開始しようとして──そこに横から声がかけられた。
「やい、そこの。まさか我輩の『警告』を忘れたわけではあるまいな?」
「知ったことかよ!!」
私は
──体は動かず、その場に倒れ伏した。
そこに追い打ちをかけるように、
杠ちゃんが
「ッ──……!? ぅ…………」
「ごめんなさい。でも、あなた邪魔なので!」
元々の杠ちゃんの
てゆーか、
「『スキルを使うな』・『暴れるな』・『騒ぐな』……
「警告使い」……破った場合のペナルティは、
つまり今の私は、スキルが使えず体が動かず声が出せない……文字通りに、
おまけに私がもたついたせいで、善吉くんが武器子さんに槍で貫かれてしまった……でも彼はこの先名札にされたおかげで復活できる……はずだから、本当に申し訳ないけど耐えてほしい!
「……さて、球磨川
……は?
いや、いやいや。だってさっき、私のことを封印できなかったじゃん。多分
「できなかったのではなく、
え? そんなのアリ?
「アリだ。というわけで、
ははっ、この凶悪ロリ、絶対いつかメタクソに泣かしてやるからな……。
私は最後にそんなことを考えて、封印された。
ちぇ、先手を打たれちゃったか。本当なら死んじまった善吉くんと
いやはや、
とはいえ善吉くんはよくやった──めだかちゃんが恋心を思い出したとなると、漆黒宴もここから荒れるぜ。
しかし僕がけしかけたこととはいえ、人吉くんは本当にめだかちゃんが好きだったんだねえ……。
ま、死体を封印されちまったら球磨川くんでも手が出せないだろうし、当然僕だって手を出さない。こりゃ参ったね。
これはもう、人吉くんと
だってあいつらと僕って、少し仲がいい程度だし。
うん。特訓もつけてあげたけど、それだけだしな。
他には……ご飯を作ってあげたり、勉強を見てあげたりもしたっけ。二人とも戦いに明け暮れていたせいで、学力がギリギリだったんだよなあ。
努力が実を結んだのを見て、柄にもなく焼肉も奢ってやったし。
そうだな。
その程度の仲だ。
……わっはっは。
しょーがねー急いで復活してやるか。
よく考えたらこんなの全然物足りねー封印だし、あのガキに宇宙の厳しさを教えてやらねーと気が済まないからさ。
「えー、ご覧の通りと言いますか、月面基地に向かうためのロケットはしゅっ、しゅう……修復っ、ふっ不可能っ、な、修復不可能なほどっ、破壊、されてしまってえ……! うぅ……」
……善吉を槍で突き殺した武器子は、約2兆円のロケットが壊されたこと、そしてその直後に(致し方なく)善吉を殺害して生徒会の怨みを買ったことから、ロケットの修復が絶望的であることを察して静かに泣いた。
「……月氷会殿。もう会場を月にこだわることはなかろう。むしろお互いさっさとケリをつけたいはずだし、漆黒宴三次会──決勝戦は
「……待て。貴様まさか、
「人質ならそちらも取っているから
凶悪ロリは潜木の方を見ながらそう言う。当の潜木は、先ほどから無言を貫いている禊の方を見ていたが。
「……まあいい。それで決勝戦と言ったが、残っている三人のうち、誰が戦うのだ? まさか
「三人同時に決まっているであろう。当然ながら、三対一のバトルを申し入れているわけではないぞ。麻雀や大富豪のように着順を競う
かなり強気で場を取り仕切る凶悪ロリは、そこで一度言葉を区切るが、すぐさま再び話し始める。
「当然ながらトップを取った者が漆黒宴の優勝者だ。もしも
「……確認だが、本当に三人同時なのか?」
「だからそうだと言っているであろう。それが何か──」
「いや、それで間違いないのだとすれば、随分と楽な決勝戦だと思ってな。」
──黒神めだか、まさかの挑発である。交戦的な笑みをもって放たれたその言葉を受け、三人の
「……くくっ、楽かどうかはやってみれば分かるだろうよ。ところで、そちらから何か出したい条件はないのか?」
「ない。貴様のような奴に出す条件など、私は持ち合わせていない──ただし
三人の婚約者達はめだかの言葉を聞き終えるとほとんど同時に、来ていた宇宙服を脱ぎ捨ててそれぞれの私服姿になった。
「そしてこれから
桃園がそう宣言し、そして。
第二回漆黒宴、決勝戦が始まる。
ロケットが……。
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