なんとか間に合いました。
存分に褒めてください。
ただ本当に急いで書いたんで作り甘いかもしれません。
さてさて、あれからどうなったかだが。
めだかくんは善吉くんのアドバイスを鵜呑みにし、甲賀卍谷よろしく分身の術──もといフェイントの嵐を炸裂させた。確かにこれなら、スーパーボールとは違って高千穂くんは直前まで反応できないはずだ。
だが善吉くんは一つ、大きなミスを犯している。それは
反射であるという事は、つまり直前とか直後とかそういう問題ではないのだ。だって攻撃は反射で避けれるし、防御も反射で出来るのだ。丁度今、めだかくんの腕を掴んだように。
そしてめだかくんの腕を掴んだ次の瞬間「錯覚とかフェイントとか関係ねーの♪」と言いながら、めだかくんの腕に膝蹴りをかまして関節をひっくり返した。うわあ……想像してたより痛々しいな。
「めっ……めだかちゃ……」
「来るなあああああ!!」
うお声でっか……善吉くんは心配して駆け寄って来てくれただけなんだから、そこまで怒らなくてもいいのにね。まあ余裕がないのは分かってるんだけどさ。
……うーわ、ちょっと流石に引くなあ。腕一本折られてるのにそこからUSB取りに行くとか……少なくとも、人間のやることじゃない。しかも、
高千穂くんの分析によれば……めだかくんは
そりゃそうだよな。反射神経があるのだとしたら、首をへし折られかねないキックも避けようとしていなければ
高千穂くんが
まあ善吉くんに言わせれば、これはめだかくんの怪物性の一端にすぎないらしいが……彼曰く、こんなものはめだかくんにとっては根性論だとか。流石にそれはどうなんだろう? 同じ人間なのかな?
「……えらく得意げだが、しかしその程度のこと、聞かれたら教えてやったのだ。取り立てて秘密にした覚えはないぞ」
「がっはっは! そーかそーか気前のいい女だ! だが! これでお前と俺の優劣ははっきりついちまったな?」
高千穂くん、言い過ぎ言い過ぎ。過言って奴だよ。まだまだこんなものはめだかくんにとって数ある
「だってそうだろ? 反射神経がありすぎる俺となさすぎるお前じゃあ!
……………………ぅえ?
いや待ってよ高千穂くんこっち見ながらそんなこと言わないで。うわどうしよう高千穂くんにとってはめだかくんより私の方が魅力的に見えてるってこと!? うひゃーテンション上がるけどすっげえ恥ずかしいどうしようこれ。
……よし善吉くん、
「うちの雪を口説くのは全てが終わった後にしてくれ……」
「ん? いやいや、俺としてはほんのリップサービスのつもりだったんだが……」
「
「落ち着け杵築さん! 絶対思ってる意味ではないから!」
「あーもう、こうなると杵築は役に立たなくなるんだよな……中学の頃下駄箱にラブレターが入ってた時もこんなんでしたし……阿久根先輩」
「どうしたんだ人吉クン、いきなり改まって……そんなことより!早く杵築さんをどうにかした方が──」
「こいつはもう放っておきましょう。どうせ暫くしたらいきなり冷めます。中学の頃もそうでしたからね……急に何かを思い出したみたいに正気に戻るんですよ」
「中学の頃……いや待てまさか、
「杵築は転校してきたんですよ、中3の時にね。なんで阿久根先輩とは入れ替わりのすれ違いなんです。だから知らないのも無理はない──」
「ふう、落ち着いた」
「……ね? いきなり冷めるんですよ」
「何というか……それはそれで酷い話だな……」
ふう、何とか顔の火照りも治まった。確かに高千穂くんのキャラは好きだが、それはそれとして今って大事な戦闘中だからな。ここで恋愛脳になるほど色ボケでもない。ていうか元々私は男だからな。今や完全に死に設定だが。
「んで、今はどういう状況?」
「お前……まあいい。今はめだかちゃんが靴下を脱いで裸足に──裸足!? 三人とも! もっと離れるぞ!
おっと、もうそんな所まで話が進んでたのか。危ない危ない、危うく
高千穂くんは気づいていないが……今からめだかくんが放つのは『最速』とか『最高』とか『最強』とか、そういったものとは一切の関係がない。確かにこの場面において切れる手札で『最適』ではあるが、結果は寧ろ『最悪』で『最低』と言わざるを得ない。
『必ず勝つ! ただし相手よりも圧倒的に深い傷を負いながら』。それがめだかくんが今から放つ必殺技──
「あれ?」
「音が」
「遅れて」
「聞こえる──」
「かっ……がはっ……!!」
素早く動いて分身するのではなく、
いくら高千穂くんの反射神経が優れていようと、そもそも
それと、観察していて分かったことだが……めだかくんが剣道の試合中に使ったのは、多分出力を抑えた黒神ファントムだ。
その後すぐにめだかくんは血まみれになって倒れてしまったし、高千穂くんも血を吐いて倒れてしまった。研究データの入った128GBのメモリは壊れてしまったが、そんなことを気にしている暇なんて無いほどに高千穂くんは強敵だったということだろう。
……さて、せっかく間近で理屈を解説してもらったんだ。この後起き上がってくる高千穂くんに試してみるか。えーっと確か、不規則な垂直跳びでタイミングをずらしてから、相手の隙を狙って突撃だっけ。
よし、多分そろそろ起き上がるだろ。
とーん、とーん。
「……杵築さん? 一体何を……」
と ー ん 、と ー ん 。
「……おい杵築さん。冗談だよな?」
と ー ん 、 と ー ん 。
「ッ!! やめろ杵築! マジで死ぬぞお前!」
と ー ん っ 、 どん──ぅわっ!?
「あがっ!?」
えっ足引っかけられた!? こんないいところで!?
「いたた……もー誰だよ足引っかけたのー! 折角出来そうだったのに! 高千穂くんが起きあがっちゃったらどうするのー!」
「……私だよ、雪」
あっえっ、めだかくんが? なんで?
「何でも何も……友達が自ら怪我をしに行くのを私が見逃すと思っていたのか? 私に目がついているうちは意味のない自傷など許さん」
「目がついているうちって、そりゃあいつもってことじゃねーか……」
「だからそう言っているのだ善吉。雪はどうにも危なっかしいからな。少しくらいは落ち着いてほしいものだ。血気盛んというのも困りものだな」
「黒神さん、お母さんみたいなこと言うね……」
めだかくんが私のお母さん……それはそれでいいかもしれないが、絶対教育方針厳しいよな。気づいた頃には怪物になってたりして。
「じゃない!! このままじゃ高千穂くんが起きちゃう……あれ? 起きてこない……?」
「起きてくるはずがないだろう……本気の黒神ファントムだからな」
いやいや、原作では黒神ファントムを受けてもギリギリ立ち上がって……
「めだかくん……まさかとは思うけど、
「いや、したぞ? あの試合で自らの未熟さを実感したからな、お兄様の助力抜きで出来る限りのことはさせてもらった」
やっっっっべえやっちまった!!!! どうする? どうする? どうする!? このままじゃめだかくんが
……かくなる上は、私が一発殴って確認するしかないか。
うんそうだなそれしかないよなそうしよう!!
「オラッ!! キック!!」
「……雪、何をしている? 当たらなかったから良いが、友を足蹴にするものではないぞ。それに私は大怪我をしているのだし……」
「いやごめん、これを避けられないようだったらめだかくんを保健室に送ることも考えたんだけどね、避けられるなら心配いらないねあははさあ次の階行こうぜ!!」
「一体どうしたのだ、雪のやつは……」
「さあ……俺たちが聞きたいくらいだよ……」
良かった!
「……めだかくん立てる?」
「ああ。私は生徒会長だからな。それくらい余裕だ」
生徒会長ってそんなに万能だっけ? まーいいや。とりあえず、次のことを考えないとな……何てったって、
……まあでも、善吉くんなら心配いらないか。
雪ちゃんはやたら惚れっぽいロリ体型です。最高。
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