木原数多の異世界生活 作:ポテトチップス
なんだここは
身体を起こしてあちこちを見渡すが、ここは学園都市とは思えない景観だった。まるで中世ヨーロッパのようで、古びた建物、農具で畑を耕している農民、露店で商売をしている夫婦などがいた。
自分の身体を触って確かめると怪我は一つもない。あの一方通行と殴り合い、髪の毛を毟り取られ出血していたが、それすら癒えている。
「ったく…とんでやがんなアレイスター! 理論の理の字も分からねーぞ!」
参ったという感じに掌を額に乗せて空を仰ぎ見る。雲一つなく、心地よい風で木々が揺れていた。気温はここに来る前より少し暖かく、木陰で横になれば気持ちよく昼寝をすることができそうだ。
「科学者のくせに科学を否定するとは…なんたる科学者だよ。見ろよテメェら! 聖書ってのは飛び出す絵本ってのは本当見てぇだなぁ」
一人でくつくつと笑う。黒い翼を持った糞生意気な小僧に吹き飛ばされたときはどうなるかと思ったが、非化学というのも馬鹿に出来ないようだ。
農民たちが見たのは、白衣のポケットに両手を突っ込み、口を三日月に歪ませ、左頬に肌とは違う色(農民たちはタトゥーを知らない)が付着し、金髪の男が高笑いしている姿だった。
★転生前の話その1
上司の命令で薄着で茶髪の少女を捕獲していたところ、男性が窓からダイナミック入場してきた。男性が自分の部下を次々と殺害していく姿がカッコよく「惚れちゃいそうだぜぇ」と告白したが、返事は「スクラップにしてやるぜぇ! 糞ヤロウがぁ!」と振られてしまった。
自分の気持ちを伝えるために拳を使って会話を始める。最初は自分の気持ちが伝わっていたが(優勢だったのだが)、自分の気持ちが伝わることがなく(自分が用意した対抗策が無効化されてしまい)、強い拒絶をされてしまう(髪の毛を毟り取られる)。
学園都市にいた理系の大学生が証明した好きの定義を応用し告白したが、それ以外の準備をしていなかった(研究者であり武闘派ではなく、対抗策を無効化された)ため、精神的に余裕を無くしてしまう。持ち前の頭脳で体勢を立て直すが、そこに修道服を着た少女がやってきた。少女は捕獲していた少女に近づき場の雰囲気を壊してきた(仕事の邪魔をしてきた)。
少女を追い出そうとするが、男性に抱き着かれて動揺してしまう(妨害された)。男性にもう一度気持ちを伝えてみたものの(顔を殴りまくったが)、男性は喉が張り裂ける勢いで自分の名前を呼んでくれた。
再び拳で気持ちを伝えあう。拳だけでは気持ちは伝わらないと思い、懐にしまっていたプレゼントを渡した(爆弾を投げつけた)。爆風で自分も怪我をしてしまったが、これは決まったと感じ取り、高笑いする。
男性は頬を赤くし、こちらに熱い視線を向けてきた(殴られた痕と殺意の視線)。男性は片手でこちらの顔を掴み背中に黒い翼が生える。これはラブコールだ、何らかのシグナルでこちらに想いを伝えようとしているのかと思い、見つめ返すと上空に吹き飛ばされた。
目が覚めたら異世界に来ていた。
もしよろしければ感想・評価・お気に入りよろしくお願いいたします。