アズールアーカイブ   作:あましずく

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せんせーの悪ふざけ

某月某日

 

ミレニアム生徒の様子見のために足を運び、

生徒皆が楽しそうな生活をおくっている事を確認して私自身も元気を貰い、

幸福な気分で帰路につこうとしている、私はシャーレの先生と呼ばれている者だ。

 

と、突然シッテムの箱から通信を知らせるアラームが頭に届いた。

このタブレットは不思議なもので、時折こうしてOSであるアロナの言葉や情報なんかを

脳に直接送ってきたりできるのだ、仕組みは私もわからないんだけどね。

 

通信に応答することに承認をするイメージを浮かべると、

それに応えるように何やら焦ったようなアロナの声が聞こえてきた。

 

<<先生!先生!何やらおかしなことが起こってるみたいですよ!>>

 

【どうしたんだいアロナ、随分慌てているね?】

 

事件だろうか?生徒が暴れてるだけならそう言うだろうし、

おかしなこととは一体何だろう?

 

<<シャーレの地下、クラフトチェンバーのあるフロアに侵入者です!!>>

 

侵入者・・・?またワカモだろうか?盗聴器を仕掛けにコタマだったり?

 

【どこの生徒かな?】

 

<<違うんです!女の子?女性?ではあるみたいなんですが完全に知らない子なんです!

データベースを調べても、どの学校の生徒にも一致しません!それにこれは・・・>>

 

生徒ではない・・・?一体どういうことなのだろう?

 

<<と、とにかくカメラでの映像を映しますので画面を見てください!

先生は誰だかわかりますか・・・?まるで、突然この部屋に現れたみたいです!>>

 

鞄からシッテムの箱本体を取り出すと防犯カメラの映像が映し出された

暗くてよくわからないが確かに女の子?のようだ・・・けどなんだろうこれ?

身体の周りに何か大きなものが浮かんでいるようなシルエットが見える

翼・・・のようにも見えるが、何か大きな筒のようなものも見える。

 

【アロナ、もう少し明るくできないかい?】

 

<<部屋の明かりを突然つけるのは相手を刺激してしまいそうですし、

カメラを暗視モードにして明るさに補正をかけますね!はいできましたよ!>>

 

【ありがとうアロナ、さて一体誰が・・・】

【・・・・!!?】

 

こ、この娘は!?もしかしてアンカレッジ!?アンカレッジなのか?

 

<<先生、その反応ですとどなたか知っている方なんですか?>>

 

【知っている、知っているけど・・・!】

【彼女は私がやっているスマホゲーにでてくるキャラクターだよ!?】

 

そう、私が数ヶ月前からプレイしているスマホアプリ『アズールレーン』、

以前やっていた『クラブふわりん』は課金額が多くなりがちでユウカによく怒られてしまうからと別のゲームを探して出会ったゲームだった。

これが本当に運営は大丈夫なのだろうか?というくらいお金のかからないゲームで、

対人要素なんかも無いのでマイペースでプレイするのにはちょうど良かった。

私は先生だから女学生がヒロインのようなゲームはちょっと抵抗があるけれど、

女の子が嫌いなわけじゃない、人並みに性欲もある、・・・学生たちには言えないけど。

それになんといってもメカやロボットは大好きなのでこのゲームに出てくる艤装も嗜好に合った。

そんなこんなで暇をみてはプレイを継続していたのだ。

 

し、しかし一体なぜ!?そのゲームのキャラが現実に!?・・・いやまって?

 

【あ、アロナ、彼女はあの部屋に突然現れたってこと?】

 

<<はい!本当に突然現れました!映像が残っていましたよ!これです!>>

 

録画データに写っているものを見て、私は確信してしまった。

彼女が出現・・・いや「生まれた」その瞬間に光を放つクラフトチェンバーの姿を見て。

 

【あ、アロナ・・・やらかした】

【これは私のせいだよ・・・】

 

<<どどいうことですか!?先生一体何を?>>

 

【彼女はきっと・・・】

【私がクラフトチェンバーで作ってしまった子だ】

 

<<え、ええええーーっ!?クラフトチェンバーにそんなことが!?>>

 

そうして私はつい先日してしまった、

今となっては取り返しのつかない『悪ふざけ』を思い出していた。

 

 

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うーん、今日もデイリー終わって遠征見守るだけになったね。

おぉ、もうすぐ特別計画艦の研究が終わってお迎えができそうな子がいるね!

まだ初めて半年も経っていないから、すごく強そうなこのエーギルとかいう子なんかは

まだまだ先にはなりそうだけど、いつか手に入るのが楽しみだ!

 

それにしても、この特別計画艦の入手方法って特殊だね・・・

開発ドッグというところに色んな資材を投入したり、何故か経験値を稼がないといけなかったり。

資材を入れて物を開発するってのはクラフトチェンバーに似てるけど。

 

【・・・】

【・・・・・・!】

 

ちょっと試しに・・・試してみるだけだから!!あわよくば!メカ!ロボット!!

そうして私はクラフトチェンバーに様々な資材を試しに入れてみることにした。

 

メンタルキューブの代わりに、神名文字のカケラとかでいいだろうか?

経験値の代わりに、最上級レポートとかでも入れてみようかな!

あと何かBDとか適当に色々入れてみよう・・・!!

 

【さて、何かできたりするのかな!?】

 

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そんなことが数日前にあった、しかし当然何かができることもなく

ちょっとした悪ふざけはただの失敗になった、・・・と思っていたのだ、今日までは。

 

【滅多なことをするものではないね・・・。】

 

<<せ、先生~・・・。あれ?その子ですが何やら目が覚めて動き始めましたよっ!?>>

 

ええっ!?本当に生きてる感じなのっ!?等身大フィギュアみたいなものかと思ってたけど!

いやそれでも生徒に見せられないと思ってたけど!

 

映像を見る、彼女は不思議そうな表情を浮かべて微睡んでいるような印象だったが

パチリと大きく瞬きをすると身体を起こそうとし始めたようだった。

 

<<ああっ・・・!転んでしまいました!!>>

 

''「きゃんっ!」''

 

あ、痛そう。

すごく混乱しているような表情で不安そうに彼女は自らの足を撫でている。

 

<<先生、いったい彼女は・・・>>

 

【もしかしたら、うまく立つことができないのかも・・・】

 

あっ、また立ち上がろうとして!

うわっ!今グギってなった!痛そうすぎる!見るのが辛い映像になってきてしまった!

だけど懸命に立ち上がろうとする彼女のあまりにも必死な姿から目を離せなかった、

気づけば固唾をのんで(頑張れ・・・っ!)と応援しながら見守ってしまっていた。

 

そうして5分程度だろうか。苦しそうな顔をしながら何度も立ち上がろうとしている彼女がついに立ち上がることに成功したようだ。

しかし、今にも泣きそうな顔で、いや・・・実際に涙を流している。

愛らしかった顔が今はとても辛そうに、見るからに震えて、暗闇の中で独り。

 

 

【アロナぁっ!!今すぐ帰るよ!!ナビ!お願い!】

 

<<わかりました!交通状況をサーチ!最速のルートで先生をシャーレに届けます!>>

 

そうして私は愛車のアクセルを強く踏み込むのだった。

 

 

 

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