トリニティ総合学園庭園部へようこそ!   作:一生ホームアローンマン

1 / 62
ミカ絆でおいたわしくて見てらんねえよってなったので書き始めました。ミカを笑顔にしたいですがそこまで辿り着く前に公式でなんかありそう。

ミカメインの基本エデン条約ストーリー沿いになる予定です。主人公1年次スタートで駆け足気味に1年やって2年生から原作開始、2年中盤からエデン条約編突入って感じになると思われます。そのためややオリ設定が多くなるかと。あとその辺の都合上ミカメインと言いつつミカはたまにしか出ません。先生も稀にしか出ません。トリニティ生以外あんまり出ません。ゲヘナ生は大体敵です。

そんな感じでよろしければどうぞ。


1年生編
1話 歩き出したモザイクアート


 

 

 

ただあなたに伝えたいんだ

 

俺とあなたが同じ気持ちで、助けてくれて、すごく嬉しかったんだ

 

誰もが諦めろと、仕方ないよねという中で、あなただけが俺を肯定してくれた。あなたと一緒なら地獄の底に転がり落ちても構わなかったのに

 

だから、一緒に行こうって、そう言ってくれなかったこと

 

それだけは少し、恨んでいます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、既に人間関係が固まっている……!」

 

 はい二人組作って~と言われて見事に一人余ったような気分であった。眠たくなるような入学式を終え、授業のシステムの説明など事務的なあれやこれやも終わり、部活勧誘の時間。

 

 俺こと軽部(かるべ)ワカナ、気づけばよくわからん謎の世界、キヴォトスとかいう所らしいけど、そこで学生の身分を与えられていた。でっけえ猛禽類系羽根付き金髪やや巨乳ロリなどという、わりと属性モリモリの俺なのだが、異世界特有の右も左も美少女だらけ、ケモミミケモシッポや自分と同じく羽根付きの生徒もそんなに珍しくなく案外埋もれていた。

 

 いや、なぜかお嬢様学校のトリニティ総合学園に入学することになっていたため、庶民どころか元男の所作は普通に浮いていたのかもしれない。JKの群れに溶け込めてるなんて思うのはうぬぼれか。

 

 見事にボッチである。

 

 最後の手段としてボッチと組んでくれそうな先生もいない。ロボの教員というか事務員みたいな人(?)は言うこと言ってさっさと帰ってしまったし。周囲のお嬢様方は数人あるいは十数人で連れ立って和気藹々と教室の外へ出かけていく。離れたとこに中等部とか初等部もあるらしく内部進学生が多いのだとか。

 

 知らなかった……そんなこと。

 

 呆然としていた俺を気にかけてくれたのか、同じく新入生の阿慈谷(あじたに)ヒフミちゃんが色々教えてくれた。優しい、可愛い、好き……。童貞特有の秒惚れでもう一生ついていこうかなと思ったが、他のクラスから何人かのお友達がやってきてそちらと合流してしまう。

 

 一緒に回りませんかと誘ってくれたが、無理です。知らない女の子複数人に囲まれるとか無理。何もない荒野で一人ぼっちより教室の人混みでぼっちの方が心に効くのです。ああ、いや、そのーと適当に濁して離脱した。

 

 ヒフミちゃんもそのお友達もいかにもお嬢様お嬢様しているというわけではないが、なんというか普通に育ちが良さそうなオーラを放っていてつらい。混ざれる気がしなかったのだ。

 

 そんなこんなでただ一人くっそでっけえトリニティ総合学園高等部本校舎に取り残されている。適当にとぼとぼ歩いてたどり着いた屋上へ向かう階段で、うへぇと息を吐きながらスカートをケツに敷いて座り込んだ。

 

 生徒作成っぽい微妙な素人っぽさがある割に、やたらと上質な紙を使った部活紹介パンフ1部だけがわずかな道標だ。この学校、授業の仕組みも単位制でBDによる映像授業がメイン、通信制の学校とか大学みたいにめちゃめちゃ自由度高いらしいのだが、部活紹介・勧誘も私大のアレみたいな感じのようだ。部活やサークル各々がブースを構え部員がファンネルになって新入生にチラシをめちゃくちゃ押し付けてくるやつ。

 

 現世ではコロナで下火になったと聞いたけど、ここではそういうこともない様子。まあお嬢様学校とうぇーいの大学生の違いか奇声が響き渡ってるようなこともなく、階下の窓の外からはわずかに楽しげなざわめきが聞こえるのみだ。

 

 マジでなんの説明もなく放り出されたので特に世界を救う使命とかがあるわけでもない。美少女ハーレムを築こうとかそういう気持ちは無くもないがそもそも今俺ロリだし、なんか知らんけどこの世界男が存在しないっぽいし、いても男とどうこうする気もしないし。何をしていいかなんにもわからない状態で一人。困る。

 

 さらに黙っていたら死ぬというわけでもなく、学生寮に自分の部屋もあって、引きこもり続けて最低限の暮らしをすることもできるっぽい感じではあった。気持ち的にはそうしたい。でも、それでどうなる? 

 

 部屋においてあった入学関係の書類見て、入学式のスケジュールに合わせてドキドキしながら出てきたのはなんのためか。人と話すのはすこぶる苦手だが、別にずっと一人ボッチで居たいわけじゃない。それを思えば高校の部活、いいじゃないか。

 

 ゆる~い感じのとこに入って、なんとな~く一緒にいる友だちを作って、ぐだぐだ駄弁ったり一緒にご飯食べたりして、そういうのでいい。そういうのがいい。前世もそんな感じでわりと灰色気味だったが穏やかではあった。今回もそういう居場所になんとか収まりたいもんだ。……そのための最初の一歩が本当に本当にしんどいんだけどね。

 

 

 

 既に心折れそうになりつつもとりあえずパンフを見ると、裏表紙に簡易な地図。校舎周りに様々な部活のブースが並んでいるのが見て取れる。ひとまず名前を見て気になった部活の紹介をパラパラめくって眺めていくことにする。

 

 まずスペースがでっかくて目立つ正義実現委員会。……えっなにそれは、カルト教団? ネーミングが怪しすぎるだろ常識的に考えて……。目次から紹介記事を探して見てみれば、風紀委員会と警察と軍隊を兼ねたようなもんらしい。

 

 テレビのニュースとかで学校が自治区を管理してるみたいな話は聞いたけどマジなのね。なぜかみんな持っててヒフミちゃんすら肩にぶら下げてた銃は飾りじゃなかったんだ。無課金初期装備でござる、みたいなノリで自室に置いてあったおもちゃみてーなハンドガンを一応鞄に入れてあるが、もうちょっとまともな武器を装備するべきかもしれない。

 

 正義実現委員会……なげーな、略称正実の紹介にも普通に銃撃戦が頻発してそれ鎮圧しますみたいに書いてある。一番いい装備でも素人の俺なんかあっという間に死にそうだ。

 

 ……この世界なんかおかしくない? 

 

 まあ、とりあえず正実はナシだ。ヤバそうが過ぎる。銃・セーラー服・美少女みたいなのロマンではあるけど自分でやりたいとは思わない。もっと地味でのんびりしてそうな感じのはないのか? 

 

 シスターフッド。お姉さまいけません……! みたいなやつだろうか? ちょっと興奮してきた。紹介ページを見れば修道服姿のお姉さん方。そっちのシスターか~。活動は慈善活動やボランティア、大聖堂を本拠に活動……なるほどこっちはマジの宗教団体。なんかこう欧米の普通の教会みたいな感じ? よくわからんけど正実に比べたら怪しくはないのかな。写真のお姉様方は皆美人だし。

 

 でも基本みんなちゃんとしたシスター服なのにミニスカの人とか、スカート履き忘れてますよみたいなムチムチボディの人も居てやはりどっかおかしい。それに宗教というとどうしてもちょっと引いてしまうところがある無宗教一般現代日本人の俺。

 

 ぼっちを避けるためにこういうとこ入ってボランティア、みたいなのは国によっちゃ普通なのかもしれないし、やってみたら案外楽しいのかもしれないが、どうしてもなんかヤダが先に立つ。次に行こう。

 

 救護騎士団。保健委員みたいなもんかな? やっぱり名前が妙だが。そういえば神○町だかにそんな感じの謎の建物があった気がする。これも宗教系のなんかなんだろうか。パラパラめくれば青髪の美人さんが理知的な笑みを浮かべている。

 

 うむ、おっぱいがでけえ……。さっき入学式で見た生徒会、ティーパーティーとかいう集団も美人ぞろいで、特にふわふわしたピンクの人おっぱいでかかったし顔が良かったし。そんなん見てたらさあ、心のなんかがイライラするぜ……! 

 

「救護騎士団に興味がお有りですか?」

「ふぃぃっ!?」

 

 突然耳元で声をかけられ、びっくりして振り向けば同じ新入生の鷲見(すみ)セリナちゃん。クラスで自己紹介したから顔と名前はぎりぎりなんとか分かる。その胸は言うなればほんのり豊満ちょうどいいサイズ。

 

 穏やかな笑顔が向けられ、危うくまた好きになりそうになる。そんな風に俺を見るってことは俺のこと好きなんだろ! とか童貞回路が発動してしまいそう。だが待て、おかしい。さっきまで階段の周囲には誰もいなかったし人が近づいてくるような気配も皆無だった。周りが気にならなくなるほど集中してたわけでもない。急に背後に湧いて出たとしか思えないぞ? なにこの子怖い! 

 

「私も救護騎士団に入ろうと思ってるんです。せっかくなので、一緒に行きませんか?」

「ぁ……いえその、まだ考え中~っていうか」

 

 冷や汗タラタラの俺を特に変わらずニコニコ見つめるセリナちゃん。しかし一度違和感を覚えてしまうとなにか裏があるようにしか思えない。一体どんな地獄に連れて行かれてしまうんだ。絵とかツボとか買わされるのか?

 

「そうですか。部活はたくさんありますし、せっかくですから色々見てみるといいですよ」

「そ、そうしますぅ……」

 

 それでは、と普通に階下へ向かう階段をコツコツと足音を立てながら降りていくセリナちゃん。なんだったんだ。いや、やっぱり単に俺がボケっとしてただけだろうか。心のなんかがすっかりしぼんでしまった。

 

 まあともかく救護騎士団はやめておこう。しばらく前に免許講習でやったAEDの使い方もすっかり忘れてるくらいだから向いてないぜ。ボランティア精神とか利他の心みたいなのもそんなないし、普通にもっと楽しそうなのがいいな。

 

 大きな扱いをされてる部活はこれくらいで、あとは中小規模なのかな? 割かれている地図上のスペースがだいぶ違う。どちらかといえばこっちが本命だろうか。のんびりしてそうでいい感じなとこ……。

 

 茶道部、華道部、馬術部、射撃部、紅茶部、純文学部……。色々あるな。地味っぽくてこういうのでいいんだよと言いたくなるが、いやこの辺は違うかな。どれもこれもおハイソな空気が滲み出てやがるぜ~……。

 

 あと文学部っぽいのが純文学・現代文学・古典文学・推理小説・ミステリ研究会で分かれてるのはなんなの? しかも部活ブースも纏まってなくてそれぞれめっちゃ離れてるし。古代中国ばりの四分五裂の内乱でもしたの? 図書委員会も別にあるし……。運動系の部活よりはこういうのの方がよさそうだが、知的な文学少女の人々とゆったり楽しくみたいな感じには絶対ならなそうな気がするぞ。

 

 他には鼓笛弓術剣道部とかいう囲碁サッカー部みてえな謎の部活とか、短い説明だけでも生物(兵器)部にしか見えない生物部とかパンジャン部とかビッグブラザー様*1愛好会とか明らかにヤバそうな組織もちらほら。

 

 正実とは別に存在したトリニティ自警団とやらが正実とはるか離れたところでちっちゃいブース構えてるし、いやこれ手書きか? 完成原稿に手書きでこっそり書き加えたのか? 誰か気づけよ。紹介記事もないしなんなんだ? 自警団という名前の割になんかヤバい組織なのか? それとも同じ治安維持組織なのに確執があるの? やっぱ正実が名前通りのヤバい集団なの? 

 

「トリニティ情勢は複雑怪奇……」

 

 放り込まれた状況に、早くも打ちのめされた俺は誰もいない階段で壁に身を預けぐったりする。コンクリのひどく冷たい感触にほろりと涙がこぼれた。このわけわからん世界で孤立無援。果たして安住の地など存在するのか。逃げ出した先に楽園などありはしないのだろうか。

 

 パンフの表紙のティーカップを持って微笑むいかにもなお嬢様、なぜかシマエナガを持っている謎の金髪ケモミミロリ、アイドルみてーなキラキラスマイルを浮かべるふわふわピンク。よくわからん3人だけがトリニティ総合学園へようこそと言ってくれていた。

 

*1
目力強めの水色フクロウ。モモフレンズの一員。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。