NARUTO-カルタ新伝- 卑の意志を継ぐ者   作:新名蝦夷守

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予定ではあと2,3日後に更新できるかなと思っていたのですが、皆さまの応援によりテンションが上がって早く書き上げることができました。

では早速続きをどうぞ。






006.結成!新米下忍の第一班

 翌日。

 アカデミー校門前。

 

「いいかカルタ。もう俺たちは木ノ葉隠れの忍びになったんだからな。アカデミーの時みたいに自由気ままにやっていちゃダメなんだ。ルールや掟は絶対守れよ」

「もうそれは耳にタコができるくらい聞いたよ……カカシから。まぁ、うちのリビングに飾ってる掛け軸には『掟は破るためにこそある』って書いてあるけどね。家訓なのかな?」

 

 カカシがいつも通りの半目で口うるさい母ちゃん(カルタのイメージ)みたいなこと言ってるなぁと、ジト目でテキトーな返事を返すカルタ。

 ちなみに羽衣家の母ちゃんは甘やかし専。口うるさいのは婆ちゃん。怖いのは爺ちゃんなのだが、基本的に皆自由人なのはカルタを見ていると納得できるところ。家庭内のヒエラルキートップには婆ちゃんが君臨し怖い爺ちゃんも婆ちゃんには頭が上がらない。

 

「どんな家訓だそれ」

「知らなーい。あ、でも爺ちゃんの書斎には『糖分』って書かれた掛け軸もあるよ」

「なんだそりゃ」

 

 実はその掛け軸には、元々超絶甘党で激甘兵糧丸を自作して毎日おやつとして食べていた爺ちゃんが健康診断の数値が悪くなった際に婆ちゃんから厳しい食事制限を受けて糖分不足を補うために目から補給すると言って書いた書物……という頭の悪いエピソードがあるのだが、幸か不幸かカルタは知らなかった。

 

 そんな何の得にもならない話をしていると、手を振りながらタッタッタと小走りで近付いてくるまふゆが見えた。

 

「あ、おはようまふゆちゃん!」

「おはようカルタくん、カカシくん。2人とも早いねー」

「忍びたるもの時間厳守は当然だ。集合時間に間に合わないなどあれば依頼人からの信用はガタ落ち。更には里の信用問題にも関わってくる」

「そ、そうだね! 気をつけます……」

「ふ、2人ともお堅いなー。まだ集合時間までたっぷりあるじゃん」

 

 全然余裕でしょーと、なぜか少し笑みを引き攣らせながら言うカルタに僅かばかりの疑問を覚えたカカシだったが、たしかに集合予定時刻午前9時までまだ30分ほどあったため深く考えないことにした。

 このように余裕を十分に持って集まっている3人は新米下忍としてかなり優秀なのかもしれない。

 

 それからしばらく雑談が続き、集合時間のキッチリ5分前に木の葉を風で巻き上げながらその場に現れたのは千手日間。今日から3人の先生であり直属の上司であった。

 

「皆、おはよう! うむ。3人とも集合時間の前にはキッチリ揃っているとは感心感心」

 

 それじゃあ、少し早いが皆揃ったことだし行こうか。と歩き始めようとした日間に土煙を立てながら近付いてくる小さな影がひとつ。

 その近付いてくる影の顔を視認すると日間は怪訝そうな表情を浮かべ、その場にいるカルタの顔と走ってきている人物の顔を見比べた。

 

 ちなみにその様子にまふゆは混乱し、カカシは全てを悟って呆れた表情でため息をついていた。

 

「セーフっ!」

 

 カチンという音と共に校門前に設置されている時計の長針が動き、それと同時にズザァーッと4人の前にヘッドスライディングで現れたのはもうひとりのカルタだった。

 今までこの場にいたカルタとの違いを挙げるとするならばその服装だろうか。

 

 元々いたカルタがアカデミーのときにも着ていた動きやすそうな普段着と表現するならば、ヘッドスライディングしてきたカルタは白と灰色の迷彩柄をした和装に脇差サイズの刀を腰に差してこの世界の忍びの戦闘着の一種を着用していた。

 

「キッチリまだ3分前! 大丈夫だよねっ!?」

 

 そう言って土をはたき落としながら立ち上がり見上げる時計が指す時刻は8時57分。

 

「なるほど! 先にいたカルタくんは影分身だったのか! 遅刻をしたときのための保険という訳か」

「カルタお前……」

「「……てへ」」

 

 笑って誤魔化すな!と、カカシの拳骨がまずは今までいた影分身体カルタにゴチンと入り煙と共に消え、2発目はパチンと乾いた音を立てながら平手打ちで今来た本体カルタの頬にキレイな紅葉を咲かせていた。

 

 ルールや時間厳守の大切さをあれほど語っていたカカシが実際にはズルをしていたカルタに対して怒るのも無理も無い。

 しかしそのようなやりとりを知らなかった日間は(仮に知っていたとしても同じだっただろうが)流石に暴力はやり過ぎだとカカシに注意をしようとしたときにカルタが小さな声で何かを発しているのが耳に入った。

 

 その言葉に耳を傾けると下を向き叩かれた頬を押さえながら「ぶったね…」と微かに言っていた。

 普段叩いても殴っても仮に蹴ってもケラケラして笑い流しているカルタの見慣れない姿にカカシも『しまった。やり過ぎた……謝るか。いつもの勢いで叩いちゃったけど遅刻はしていない訳だし』と少しの動揺も込みで瞬時に反省をする。そして「ごめん、カルタ今のはやり過ぎた」と言いかけたときに。

 

「二度もぶった…!」と言いながらカルタが顔を上げ、カカシと目があった。そして更に続けて「親父にもぶたれたことないのに!」と悲壮感を出しながらカカシを見つめる。

 

 目の奥には隠しきれていない笑いがあった。

 

 その笑っている瞳の奥と間を空けながら言うにつれて興が乗って来て段々とセリフが芝居染みてくるカルタに謝る気が失せたカカシは「やっぱ、お前嫌いだわ」といってひとり先に歩き出してしまった。

 

 そんなどこまでが本気でどこからがふざけていたのかわからないコントのような2人のやりとりを見せられたまふゆはずっとアワアワして思考が止まっており、日間はとりあえず今はまふゆを落ち着かせて目的地に向かいながらカルタが何故影分身を先に集合場所に送っていたのかを確認することにしようと、まだ固まっているまふゆとまだ頬を押さえながら止まっているカルタに歩き始めるよう促すのだった。

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 顔写真の撮影や忍者登録にあたり必要な提出書類の作成が終わる頃にはお昼時となっており、日間の提案でカルタたちは皆で近くの定食屋へと来ていた。

 

「さて! 女将さんが言うには料理が来るまでまだまだかかるようだから、まずは自己紹介からだな!」

 

 案内された席は個室で周囲とは仕切られており、繁盛している店内の騒音はほぼ遮断されていた。

 名前、得意忍術、食べ物の好き嫌い、休日の過ごし方くらいでいいか。

 

「俺は千手日間(ひゅうま)。板間のじっちゃんの孫で、初代様と二代目様の大甥に当たる。得意忍術は医療水遁と奈良一族の影を操る秘伝忍術だ。好きな食べものはサツマイモの味噌汁。嫌いな食べものは無い! 休日は日々鍛錬に充てている。以上だ!」

 

 日間の能力はサポート特化と言っても過言ではない能力であり、それが上層部が重要施策の第1号の新米下忍たちを担当させる大きな理由であった。

 とは言うものの戦闘能力が他の忍びに劣るなどということは全くなく上忍という階級に見合う以上の戦闘能力も有する里内でもかなり優秀な忍びであることに間違いはなく、逆説的に言えばほぼ戦時下の現在では戦場に出ていて欲しい人材をカルタたち下忍の教育係に当てているということはそれだけ里の上層部はカルタたちに期待と施策の成功に重きを置いているということに他ならない。

 

「次、まふゆくん」

「は、はいっ! 雪まふゆ、10歳です。雪の一族宗家の出です。得意……というほどの忍術ではありませんが、アカデミーで褒められた術は変わり身の術です。あと今は水分身の術しかできませんが、水遁忍術の練習をしています。好きな食べものは……は、ハンバーグと焼きそばで少し苦手なものはピクルスと紅しょうがです。お休みの日にはお母さんとお料理することもあります」

 

 雪の一族は、水遁を得意とする一族で血継限界である氷遁を扱える者も輩出する古くからの忍び一族である。

 この世界線では、扉間の策略もあり木ノ葉隠れの創設時に一族総出で里内に移住してきている。

 そんな血筋のまふゆも一族の宗家に見合った才能を有しており、チャクラ保有量も同年代平均を大きく上回っており、今回のアカデミー早期卒業の件も合わさって早く立派なくノ一となって雪の一族の名を上げて欲しいと一族(特に老人衆)からの期待も高い。

 

「では次、カカシくん」

「はたけカカシです。得意な忍術って言われてもなぁ……。好きな食べものか……ま、自分で作って旨かったのは茄子の味噌汁。嫌いな食べものは……まぁ教える気はない。休日何してるって言われてもなあ……その日によっていろいろだ」

 

 カカシの父が、第2次忍界大戦で他国から木ノ葉の白い牙と畏れられたはたけサクモであるということは既に周知の事実だが、はたけ一族に関しては知らないことも多いかと思う。

 はたけ一族は森の千手一族の遠縁にあたり、一族の大半は農業で生計を立てている農民だった。両一族の関係性は古くから良好ではたけ一族は食料や兵糧の提供をし、千手一族は有事の際に防衛に手を貸す持ちつ持たれつの関係だった。

 しかし、はたけ一族の中でもたまに忍びの才能を持って生まれるものが一族の守り人として平時は外敵から身を守っていた。そして、はたけ一族の忍びは雷遁を得意としていた。

 

「最後にカルタくん」

「羽衣カルタです! 羽衣一族の現族長がじいちゃんになるので一応本家? なのかなと思います。得意忍術は影分身の術です。好きな食べものは色々あります。嫌いな食べものはらっきょう漬けです」

 

 そう言ったカルタはらっきょう漬け(そのコトバ)を発するだけでも相当苦痛だったのか苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。『アイツだけは食べものとは認めないッ!』という心の声が力が入り多少赤くなった表情から滲み出ていた。

 

 その表情も数秒も続くと流石に「休みの日は?」と日間に話の先を促され、今度は顔色を青くしながら「や、休みの日は……」としばらく言い淀んだ後。

 

 じいちゃんとばあちゃんにシゴカレテマス。

 

 そう言いながらその情景を思い出したのか、膝から地面に崩れ落ちながらそう語るカルタの背景にはマンガならば『ズーン』という太文字と合わせて縦線が入りそうなくらい気分が沈んでいた。

 そんなカルタの異常な様子に他の3人は、一体どんな修行を?とドン引きしていた。

 

 そんなカルタが回復するには注文した昼食が届くまで時間がかかった。

 飲み物が運ばれてきた後に次々と美味しそうな料理が届けられ、机の上に一品一品増えていく度に皆の表情も明るくなっていった。

 

 そして全ての料理が揃い。

 

「まずは第一班結成おめでとう! これからよろしく! 乾杯っ!」

「「「乾杯!」」」

 

 日間の音頭で乾杯をし、皆で美味しい料理に舌鼓するのであった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

『忍界コソコソ噂話』

カカシくんが何故「やっぱ、お前嫌いだわ」とまで口に出たかというと彼は父子家庭で記憶があるかないかくらいのときに彼はお母さんを亡くしているんですよね。

そしてカルタは爺ちゃん婆ちゃんも同居しているとは言え母子家庭で父ちゃんがいない。

そんな片親同士で生まれたときから父ちゃんがおらず、当然あるわけもない「親父にもぶたれたことない」ということをネタにしているカルタへの不謹慎という気持ちとネタにしてしまえるくらい前を向いている(片親であることを気にしていない)という羨ましさから出た言葉なんじゃないかなと作者は想像していますよ。

 

カカシくんの性質変化が雷、水、土の理由は「はたけ→農家→豊作を願う→雷が田に落ちて豊作になる」そんなイメージかなという解釈のもと、はたけ一族の人口構成比率はこんな感じかなと思いました。

なのでカカシくんやサクモはドラゴンボールのナメック星人でいうところのネイルのような戦闘タイプですね。

 

最近のカルタの修行は約20キロの亀の甲羅を背負って森の中を縦横無尽に飛び回りながら鬼ごっこをしたり(鬼役は爺ちゃん)、池で泳いだり水面を走ったりしているみたいですよ。そしてそれが終わって屋敷についたら座学の時間(先生役は婆ちゃん)みたいです。英才教育って怖いですねー。

 

 

《次回》

「初めての実戦演習!上忍師千手日間の実力」

絶対読んでくれよな。

 

 

 




こんにちはあるいはこんばんは
とにかく明るい蝦夷守です。

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皆さまの登録と高評価による後押しにより、元々書く予定の文章量とスピードがバグりました!あざざます。

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