推しの結婚式に出たいだけの人生だった……_:(´ཀ`」 ∠): 作:かりん2022
フハハハハ我が人生に一点の悔いなし!
「君! いかにも友達の為のプレゼントを探してそうな君!」
傑は、デパートで占い師の格好をした女性に呼び止められた。
「いえ、探してませんけど」
「そんな! もうすぐあなたの親友の誕生日でしょ!? 唯一無二の友人に贈る、とっておきのプレゼントがあるよ! 今、テスターを募集していて、テスターになってくれるなら大特価3万円! 絆が最強になるおまけつき!」
「夢卵?」
傑は卵を見る。それは呪力を帯びていた。
「悟への罠か?」
「ないないない! そんな怖いもの知らずな。五条悟にも夏油傑にも直接的危害を齎さないと縛ってもいいよ。むしろ、とっても得になることさ! 得になることをコミで縛るよ」
「……狙いはなんだ?」
「夢卵が孵ったら、式神の写真と最強コンビが一緒に写った写真が欲しい。これは出来たらでいいよ。私は最強コンビのファンなんだ。ま、くれなくてもどっかから隠し撮りするとか買うとかしてなんとかして手に入れるけどね」
「私の写真のみならいいけど? 悟の隠しどりはやめてほしいなぁ」
「いいのかい!? やった!」
「で、その夢卵って、式神が出来るのかい? 式神はカメラに映らないんじゃ?」
「厳密にいうと違うが、まあ似たようなものさ」
そうして、傑は写真を一緒に撮る。
「尊い……」
どうやら、ファンなのは本当らしく、いそいそと携帯をしまい、卵、説明書、小袋と祝儀袋を入れた大鍋を出した。
「何これ」
「末永い二人の友情にご祝儀だよ。ま、式神が出来たら入り用になるだろうからね」
そうして、ケタケタと笑って占い師は片付けて撤収していった。
怪しい。とっても怪しい。
でもまあ、確認してからでも遅くないだろう。一応、得になるものと縛ってはいるのだ。
鍋を抱えて、傑は寮に帰った。
説明書を見る。
小袋の中にある水晶に「二人の友情」を込めて、卵と素敵なものを沢山鍋に入れて友情を込めながら一時間、鍋をかき混ぜながら煮る。水がなくなったら完成。
入れるものの例として、好きな格闘技の本や呪霊、お菓子や蕎麦、二人の思い出の品、クリスタルなど、とにかく素敵なものが良いらしい。カオスである。
小袋の中には、水晶の他に、小さな服や小さいカップなどが入っていた。
「……」
なんだろう。俄然興味が湧いてきた。
傑は、五条に市井のおまじないだと言い、二人の友情を込めてみたり、二人で買ったキーホルダーを強請ったりして、準備を進めた。
12月7日。朝。
夏油傑は、自分の好きな物と五条の好きなものを水と卵と水晶と共に大鍋に入れて、火を付けた。
ガチャガチャ音を立てながら鍋をかき混ぜる。
絶対に溶けないはずの品々は徐々に溶けていき、傑はドキドキしてきた。
しかし、直接的な害はないし、得になると縛っている。上手くいくはずだ。
金に光る、水飴のような粘度のそれは徐々に少なくなっていき、どことなく大きくなった卵が残った。卵を取り出すと、それは鍋で煮ていたのに熱くなく、しかし仄かに暖かい。
パリッと音がして、卵が孵る。
「さとゆ?」
「しゅぐゆ?」
ミニチュアサイズでふくふくとした自身と親友の写し身が互いを見つめ合っている。
ひとまず、傑の好奇心は満足した。
あとは、これの報告をどうするかだ。
「うーん……どうすればインパクトが出るかな」
この男、意外と図太くクズである。というかなんとしても冗談として公開しないとあらぬ疑いを掛けられてしまう。例えば悟が好きだとか。友人としてはそれは好きだが、あくまでも友人としての好きだ。
とりあえず、式神を裸にしておく訳にはいかない為、小袋から出した服を着せる。
しかしすごいな、呪術界。
傑は静かにドン引きしながら尊敬するのだった。
キュルル、と式神のお腹が鳴る。
「君たち、何か食べるかい?」
こくこくと頷く二人に余っていた蕎麦を食べさせ、お菓子をあげる。
もちろん自分も食べた。
そうして、部屋に連れ帰り、作戦会議である。
傑は思い出した。
そういえば、悟、酔い潰れて記憶なくしたことがあったな。
もう一度言おう。
この男、意外とクズである。
早速、傑は硝子に手伝いをお願いする事とした。
「はぁー。凄いな呪術界」
「そうだよね。私、びっくりしてしまったよ。とにかく、このしゃとゆとすぐゆを見ていてくれないかい? 私は役所に行って結婚届をもらって来る。あとリボンとブーケも買ってくる」
「まじかよ」
「硝子からブーケをプレゼントしてくれないかい? あと、そうだね。ケーキは3段にしよう。ウェディングケーキみたいに。玩具の指輪も用意した方が良いかな?」
「待って待って待って。……引き出物は?」
硝子も悪ふざけがすぎるお年頃である。この二人、もう止められない。
「そうだね。タオルに私と悟のツーショット写真を焼き付けようか。ちょうどいい呪霊がいるよ」
「仲人は私がするから、神父は夜蛾先生な。そうだ白のワンピ貸してやんよ」
「硝子www」
災いしたのは、傑も硝子も一般出で、呪術ならなんでもありと思っていたことだ。
この呪物が特級クラスなど、二人は知る由もない。
とにかく、悪ガキ達は準備を開始した。
夜7時少し前。
悟はそわそわしていた。
傑と硝子が、何の為に駆けずり回って準備しているか、もちろん悟は知っている。
だって今日は自分の誕生日で、絶対にこの時間は空けろと言われていたのだ。
夜蛾先生も6時には部屋に引っ張り込まれ、何やら準備をしていることも知っている。
そして。
「悟、入っていいよー」
「「「悟、誕生日おめでと〜!」」」
「おお、ありがと……って何してんの!?」
「何って、女装? 悟、私のプレゼントは、私だよ」
すっと結婚届を出す傑。
「本当に出したよw w w」
「悟、いつまでも私と最強でいようね♡」
「えっ」
思わず戸惑う悟にここぞとばかりに畳み掛ける。
「ひどい悟! 断るのかい!?」
「酷いな五条! あの熱い夜を忘れたってよ、夏油」
「そ、そんな……あの日、あんなに熱い夜を過ごしたっていうのに」
「いつだよ!」
「ほら、お酒飲んで酔ったあの時。で、愛の結晶がこれね♡」
「さと」
「さと」
ドンっと出されたのは小さな式神が二人。
「は!??」
サングラスを取って、勢いのあまり握りつぶしてしまう悟。
「傑、なんだこれは!?」
「私が生みました!」
硝子が機嫌よく結婚式のテーマを口ずさみながらナイフを用意する。
「責任とってケーキ入刀しろよ」
「指輪の交換が先だよー」
きゃっきゃっきゃ言いながら、二人ははしゃぐ。
「……わかった。責任はとる。でも男同士だと結婚できないから、お前養子な。あと、他の女とも子供作るのは我慢してくれ」
悟が重々しい声で告げる。
「えっ。もちろん冗談だよ、悟。まさか信じちゃったのかい? いいかい悟。男同士は子供ができないんだよ」
「夢卵っていうんだってさ。式神の卵。呪術界って本当面白いものがあるよな」
「ねー硝子」
「なー」
「二人とも、カメラ撮ってみろよ」
二人の式神は、ケーキに齧り付いている所をばっちりカメラに撮られた。
写真には可愛らしい姿が映っている。
「えーと……? それがどうしたんだい? 夜蛾先生のぬいぐるみもカメラに映るし」
「俺の呪骸は食事をせん。それで、夢卵というのはどこから入手した。俺の呪骸より凄い呪具は初めて見る。興味深い」
「傑が俺のものになるなら、この2体も俺のだよな」
「こ、怖いよ悟。そんなことしなくても、これ、誕生日プレゼントだから良かったら2体ともあげるよ。本当は私と君で一体ずつ持ってようと思ってたけど、今日は悟の誕生日なんだし。そんなに凄い呪具なのかい?」
「六眼無下限と呪霊操術を使える式神が凄くないわけないだろ」
「確かに小さい呪霊は出せるけどさ。こんなミニマム何の役にも立たないよ」
悟は二人に手を伸ばし、赫を撃つ。
「悟!??」
そこにはキリッとした顔でしゅぐゆと傑を完璧に庇うさとゆがいた。
直、部屋の壁はお亡くなりになった。
さよなら傑の部屋。
傑は状況を認識するとノータイムで呪霊を出して、喧嘩になった。
あとはいつも通りである。
だがこれは、二人の物語ではない。
自らの欲望の為にやらかした、原作知識持ちの腐女子の物語である。
ここ好き、感想頂けたら喜びます。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
今度からマシュマロ返信していくことにしたので、よろしくお願いします!
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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お題感想さん、ありがとうございます。
楽しんでいただけて良かったです。
配信では途中までしか読めなかったということで、続きをどうぞお読みください!