推しの結婚式に出たいだけの人生だった……_:(´ཀ`」 ∠): 作:かりん2022
匿名でも後書きのお題箱でも全然いいので、感想頂けたら更新頑張ります!
私は転生者だ。
呪術の世界に転生したと突き止めた時、私は困惑した。
ーーえっ 私、詰んでない?
戦闘も陰謀も出来んぞ。こちとら教祖様やGLGにキャーキャーいう事しかできない猿だったのである。
生まれ変わった所で、イカれてなんかないし、持っている術式だって可愛いを生み出すだけだ。
原作知識を教えて、というのも考えたが、メロンパンならそれに対応してくるだろう。
必死に必死に考えて、最後に浮かんだ事は。
結婚式に出てぇな、だった。
何せ、私は前世で二人の結婚式の引き出物(違います)を宝物としていたのだ。
今世でも是非引き出物を手に入れたい。
しかし、二人は恐らく結婚しない。
何故だ。
男同士では子供が出来ないからだ。
最強コンビの子供とか絶対可愛い。見たい。愛は全ての呪いに勝るのだ。
幸い、私には最適な術式があるではないか!
神よ、ありがとうございます!
それから、私の方針は定まった。
お小遣いを貯めて、投資で稼ぎつつ、占い師の勉強を開始。
呪専に近い場所で夏油傑の目撃情報を探し、行きつけのお店を探し、そこに占い師として参加し、チャンスを待った。何せ、夏油傑は目立つ。なんとかなるだろう。
4月から頑張って探し、7月には行きつけのお店を見つけ、チャンスを伺うこと五ヶ月。ようやく夏油傑に会えた。
私の最高傑作の夢卵と結婚式のご祝儀3万円を渡す事に成功する。
ふはははははははは!
あとは逃亡生活である。
五条悟の親友を利用するとはそういう事だ。
もちろん、可愛いは正義だよ? 害にはならんと確信してるよ?
でも、呪術に五条悟を巻き込むのだ。これは追われる。
小さな可能性だけれど、呪術師の名家に喧嘩売って安穏としていられるほど図太くもない。なのになんでやったかって?
推しの出来ちゃった婚良くない? 私はいいと思う。
これからの騒動を妄想するだけで、ご飯3倍はイケる。いや、妄想は妄想に過ぎないんだけど、さっくりゴミ箱行きの可能性もあるんだけど、夢を見るのは自由ではないか。
遊んでる場合か、というご意見もあるだろう。
天内の護衛事件とか、情報リークとか考えたけど、やっぱり私にはどうにも出来なくて。メロンパン怖いし、証拠もないし。
ただただ、可愛いに全てを託すしかなかった。
私の術式は、あれである。
パワー○フガールズの作り方みたいな奴である。
お砂糖、スパイス、素敵なものいっぱい、そして術式を合成するのだ。
レシピで結構色々できるが、一番重要なのは愛だ。
うむ。我が推しカップル(カップルではない)には何の問題もないな!
術式が目覚め、なんとなく理解してから、苦節十年。
私は親にねだって買ってもらったパワーストーンに呪力と欲望を込め続けた。
最初の卵は強力になるという予感があったから、最初から全力投球だ。
そして、集めた素敵な物と合成して、夢卵を作った。
更に三年、夢卵に呪力を込める。
これは、離れていた期間十年と、友情を育んだ三年になぞらえている。
もちろん、卵は夏油傑と五条悟専用である。そこは縛った。
本当は、最強コンビの体の一部などあれば尚良いのだが、流石にそこまで要求するのは酷であろう。警戒されてしまう。
卵が出来た後は、罠に掛かるのを待ちつつ、灰原と七海の分の卵も作っていたというわけだ。
さて、高跳びするか。
オタ活は海外でも出来るのだ。便利な世の中である。
推しよ待っていてね。十年後、覚悟が決まったら私は戻ってくる。君らの結婚式に参加する為にな……!
なんちゃって中卒占い師が邪な決意を抱き、海外行きの飛行機に乗っているその時、傑は五条家に持ち帰られて絞られていた。
「悟。よ、養子の話、冗談だよね? そんなに大事かな」
「あのさ。さとゆ……バカみたいな名付けしやがってそこもあれなんどけど、さとゆって呪術的に俺とがっつり繋がってるんだけど。悪意があったら呪殺もいけてたんじゃないかって位。当然だよな、お前の呪力も籠ってるんだし、お前呪力強いし」
「えっ」
そこまでとは思っていなかった傑は、顔色を青くする。
「軽率な真似したな。一応、俺、良いとこの出だしさ、なんも無しってのは無理なんだ。事前に相談してくれれば良かったんだけど」
「でも、私は悟の髪の毛とかそういった物は入れてないよ」
「それだけ腕のいい術師だってこと。勿論、さとゆとすぐゆに俺らの血を与えれば繋がりは更に強くなる」
「そんな……悟。私、謝ってすむことじゃないかも知れないけど」
「そうだな。でも、出来るだけ無茶な事されないようにするから、傑は殊勝に反省してる振りしておけ」
「振りじゃなくて、本当に反省してるよ……。軽率だった。ごめん」
「ほんとにな」
「あの子達は、処分されてしまうのかい?」
「繋がってるって言ったろ。それは危ないからしない」
それは逆に言えば、処分もできないということだ。
「ほんとにごめん、悟」
「もういいよ、俺のこと祝おうとしてくれたんだろ? その術師も悪意はないみたいだし、多分。本人確保できれば良かったんだけど」
「占い師の衣装で顔を隠していて、顔を見ていないんだ」
「傑の呪力と俺の呪力が混じってて、六眼でも相手の呪力あんまり良くわかんねーんだ。とりあえず、占い師の行方は追う」
「ごめんよ……」
「ほら、そんな顔すんな。本当にファンかもしれないし」
そうはいっても、そう思っていない事は丸わかりであった。
だって好意で渡しただけなら、逃げる理由がないし、こんな特級クラスの呪具を渡してお金まで渡してくるなんて意味がわからない。
隠し撮りするというのも、悟に悟らせずにできるという自信の表れかもしれない。
「あ、養子の件、いいよな? 俺の養子になる以上、家の判断で結婚とか五条家の依頼とかもしてもらう事になると思うけど。不便な思いさせると思うけど……」
「そういう事なら、両親には私から話すよ。五条家に誠心誠意仕える。本当にごめんね。私、全然わかんなくて下世話な騒ぎを起こして……」
「それ以上謝ると怒るぞ」
傑が落ち込む最中、そっと五条は席を外した。
そして、部屋を出た瞬間、隠しきれずにガッツポーズした。
もちろん悟は調べている。
さとゆとすぐゆ、確かに繋がりはあるし、悟や傑に何かあれば身代わりに二人が壊れる。だが、逆はないし、繋がりを通して遠距離操作できるし、何ならすぐゆを通して呪霊操術も使える。
食事の他、互いの互いへの友情を込めた呪力を糧とする為、傑とずっと友達でいる必要があるが、そんなの全然デメリットではない。
傑をそういう相手として考えた事はなかったが、嫌なわけでは全くない。むしろ逆。
あれはまさしく、特級呪具なのだ。
ちゃんと危害は加えず、得にしかならないとの制作者の縛りも得ている。
五条家は悟以外にパッとした術師はいないし、傑は一般出なのでその術師の血が子供(もちろん、養子として適当な相手に政略結婚させるつもりだ)に受け継がれるかは怪しいが、それでも傑だけでも十分利になるのは間違いがない。
親友が一緒にいてくれるだけで嬉しい。しかも五条家に大きな借りを作らせた。
五条は陰謀術数は好きではないし、得意でもない。
でも、一応、名家の子息であるわけで。
極上のヒヨコが口の中に乗り込んできたら、そのまま食べても誰に責められる筋合いもない。お年頃のちょっとした好奇心として、味見をしたって許されるかもしれない。
うっきうきの悟は、魔窟御三家の嫡男である。
そうして、おとなしく名乗り出ていれば参加できたし保護も得られたかもしれないものを、逃げたばっかりに推しの結婚式(儀式)への参加を逃した中卒占い師だった。
追っ手? 掛かります。
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マシュマロ
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