推しの結婚式に出たいだけの人生だった……_:(´ཀ`」 ∠): 作:かりん2022
春。春。春っ!! はーるーでーすーよー!!
日本では出会いと別れの季節。
そうっ!!
灰原と七海が出会い、天内護衛事件がある季節っ!!
……どうする? 私!!
というのも、ねぇ。
夢卵、壊れたっぽい。
かんっぜんに忘れてたわ。
せっかく作った子達が……十年も掛けた子が……
そうだ、甚爾に一回殺されかけるんだった。
わかったようでいて、わかってなかった。
呪具、捨てられてないといいけど。
やっぱり直しに行ったほうがいいかな。いいよね。
そういうわけで、私は里帰りをすることに決めたのだった。
日本よ! 私は帰ってきた!
さて、自宅をちょっと伺いますよ。
「あ、お母さん、久しぶり」
「ちょっと、あなた何をやったの? 家に家宅捜索が入ったんだけど」
私はガチャギリした。
さて、とりあえず呪専近くを歩いてみる私である。
うーん、七海と灰原、東京は金髪も珍しくないし、夏油様みたいに目立ったりはしないよなぁ。
夏油様は捕まるだろうし、一番会いたくないのは五条悟だ。
あの占い師やってたデパートで考えていると、声が聞こえてきた。
「諦めて帰りましょう、灰原」
「でも、あんなに弱ってる傑さんを放っては置けないよ」
!?
えっ 夏油さんって呼んでたはずでは!?
私は、聞き耳を立ててみた。
「すぐゆとさとゆ、あんなに可愛がっていたのに」
何それ聞きたい。
「そこの子達! 私と取引をしないかい!?」
気がつけば、私は声を出していた。
「貴方は?」
「あんたらは私の事を黙ってる。そして、そのさとゆとすぐゆの写真を渡す。私はあんたらに夢卵をあげる。今回は修理キットもつけちゃうよ! あっ夢卵はあんたらで育てなよ」
「「!??」」
男の子は、すぐに私に写真をくれた。
かーわーいーいー!!
何この犯罪級愛らしさ!!!
五条夏油さとゆすぐゆで親子じゃん! 親子じゃん!!
私が悶えていると、灰原は私をせかした。
「修理キットがすぐに必要なんです。お願いします!」
「ああ、もちろんだよ」
私は、トランクを一つそのまま押し付けた。
「その中に修理方法は入っているよ」
「あの、お礼は。あなたの目的は何ですか?」
「私の目的(結婚式出席)は、遥か遠い所にあるのさ……その為にはいくつもの高い壁を突破(日本の法律とか現実とか)しないといけない……。だからね、これはその布石なのさ」
「何かさせたいことがあるんですか?」
「あるとも(推しの結婚)!」
「それは、一体」
「それは十年後のお楽しみだね(あっそうだよ日本が混乱に陥ってたらワンチャン結婚の機会あるかも)」
そうして、私はささっと逃げたのだった。
「待ってください!」
灰原は、私に声をかけ……
「私が……私が弱いから、さとゆとすぐゆを守れなかったんだ……理子ちゃんも、黒井さんも……」
「傑……呪術師は、さ。こういう仕事だから、力が及ばない事とか、間に合わない事とかあるよ」
「だからしょうがないって言いたくない。言いたくないんだ……!」
そこに、灰原たちが駆け込んだ。
「製作者から! 修理キット貰ってきました!」
「「!!!」見せて」
修理キットの水晶を鍋にいれ、素敵なものを鍋に入れて水を入れて煮込む。
いい具合になったら、火を止めて壊れた呪具をそこに沈める。
端的に言えば、修理方法はそんな簡単なことだった。
「傑、こんなことしてたのか?」
「うん。悟も好きなもの持ってきて。私との思い出の物とか。思いの籠ったもの」
沖縄旅行が役に立った。
思い出の品をぽいぽいと放り込んでいく。
短くても、最近でも、大切な思い出の数々。
思いを込めて、込めて、金の水飴のような状態になると、そうっと、さとゆとすぐゆを沈めた。
「すぐゆ!」
「さとゆ……」
「すぐゆ!」
「さとゆ! さとゆ! さとゆ!」
ぎゅうっと抱き合う二人に、傑はボロボロと涙を流し、悟はその肩をそっと抱いたのだった。
「ありがとう、灰原、ありがとう七海」
ボロボロと涙を溢しながら礼を言う傑に、灰原は両手を振る。
「う、運が良かっただけですから」
「いえ、灰原がずっとあそこで張ってなければありえませんでした。それに私はついて言っただけです」
そして、七海は戸惑ったように告げた。
「変わりとってはなんですが、相談があるのですが」
そうして、夢卵をドンっと置いた。
「貰っちゃいました、夢卵。どうすればいいですか?」
「あー。どうするって言われても。使ってみたら?」
「ちなみに、金額をつけるとしたら」
「さとゆに金額つけるとしたら50億かな。まだ持ち主のいない夢卵……でも、5000万は最低金額」
七海は頭を抱えた。
「でもまあ、僕らも使うって約束ですからね!」
「あ、これ、硝子さんの分です。お願いしておきました。愛の結晶じゃない場合かなり弱くなるそうですが」
「あいのけっしょう」
「多人数なら多人数なほど、絆が深ければ深いほどいいそうです」
「ふーん。ま、これで仲間ハズレにならなくてよくなったな。私に貸しがあるって得だぞ、灰原、七海」
めでたし、めでたしと言いたいところだったのだが。
「すぐゆの様子がおかしい?」
「テレビをみていたら、急に……」
灰原が心配そうに言う。
「拍手の音に反応しているようでした」
「拍手……! そっか、ありがとう」
悟は、何事か考えながら、礼を言うのだった。
「傑」
真っ暗な部屋。自室に帰ろうとしたら、悟がベッドに座っていて驚く傑。
「悟、一体どうしたんだ? ここは私の部屋だよ」
「お前、しばらく休め」
「……何を言っているのかな」
「拍手が怖いんだろ」
「そんな事はない!!」
叫んで、そして、その声の大きさに自ら動揺する。
「これは五条家としての命令だ。休暇取ってもらう」
「何を馬鹿な。私は強くならないといけないんだ! 誰よりも誰よりも!」
「傑。二度は言わない。お前はもう夏油じゃないんだ。呪術師の家に入ったんだから、そこはしっかりしろ」
「っ」
「すぐゆがおかしい」
「すぐゆが!? また何かケガを」
「そうだよ。お前の心の怪我の大部分を、代わりに負ってるんだ。お前が回復するのが一番早い」
「そ、うか……。参ったな」
「傑。俺はすぐゆがいてくれて良かったと思う。もうさ、あんな思いしたくねーし」
「私、悟に迷惑を掛けてばかりだね」
「なあ、傑」
悟は、傑の顔を両手で包む。
「俺はさ。お前と最強やってるの、すごく好き。ずっと一緒にいたい。お前は違うの?」
「それは、私もそうだけど」
「俺らはさ。さとゆとすぐゆと俺とお前と、四人で最強なの。ハッピーセットなの。一個でも欠けたらハッピーセットじゃなくなるんだよ」
「……わかったよ」
一方その頃、占い師は再度外国へ高跳びしていた。
そしてそれから十年、何事も無く時が過ぎる事となる。
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マシュマロ
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