僕の恋、或いはピストルスターについて   作:Hikey

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明日デートです。
追記:会ってもちゃんと好きか分からなかったのでまた今度改めて振ってもらう約束をしました。




3年前のクラスメイトと恋の立証

 

 

 最近、悩んでる事があるんだ。僕って君の事が好きなのかな? …………そんな道端にウナギが落ちてるのを見つけた時みたいな目を向けるのはやめてくれない? これでも真面目に悩んでるんだ。

 

 ほら、君と僕って学生時代の2年間隣の席だっただけで、特に友達って訳でも無かったじゃん。それでも、世間話だけで他の女子の30倍くらいは会話してたんだけれど。いや、本当だよ、大半が殆ど話した事もない。

 僕はこう見えて結構惚れっぽくてさ、君みたいな可愛い子がクラスにいるとそれだけで目で追っちゃうんだ。話してくれたりしたらそれだけでしばらく頑張れちゃうレベル。でもそれって恋というよりはアイドルを見てる感じで、結局こっちが一方的に知ってるだけで当たり前に連絡先も交換せずそのまま卒業したりするんだ。まあ僕は僕で卒業したらすぐに忘れるから、目の保養でもいないとダメなくらい学校がストレスだったのかもしれないけれど。

 

 とにかく、席が隣だったから今までより少しだけ話す機会は多かったけれど、僕は推しとLINEも交換せずに卒業した。それが3年前の話。この間も言ったけれど君とちゃんと友達にならなかった事は学生時代で2番目に後悔してるんだ。……1番は何かって? 折角出来た友人を失った事だよ。まあこの話はまた今度。

 

 いつもなら卒業したら忘れるはずなのに、君の事は不思議と頭から離れなかった。もちろん、失った友人の事を2年程引きずっていた事や職場に目の保養が無かった事も関係しているだろうけれど。

 面白い事に、夢での出演回数は10年の片思い相手や失った友人を抑えて君が1位だった。そう、夢で推し活してたみたい。夢が深層心理の全てを現しているわけじゃ無いだろうけど、中々興味深い話だと思わない?

 

 そんなこんなで最近になっても君を忘れられなかったから、バイト募集の名目で3年ぶりにいきなりLINEした訳だけど。当然断られて話は終わるだろうと思ってたんだ、寧ろそれを望んでた。夢を諦めさせて欲しい。同時にこの先夢を見る権利を無くすとしても、少しだけでいいから現実でいて欲しくなってしまった。

 なのに随分悩んで話し掛けた末に死にそうになったよ。だってそのうち話が終わったらきっともう二度と関わる事も権利も無くなると思って、分かってたはずの事が悲しくてやりきれなかった。膨らませる前から弾けるシャボン玉に想いを寄せて悲しむ奴がどこにいるんだろう、自分の事ながら呆れてしまうな。

 

 そんな僕の思惑とは裏腹に君は会話を続けてくれたし、なんやかんやで一緒にゲームもして、ゴリ押したらこうして会ってくれた。これが一月以内の事なんて今でも信じ難いよ。うん、今日で丁度1ヶ月。

 

 それで例えば、今ここで君と手を繋ぐとする。……いや例え話だってば。君の体温と柔らかさや肌の滑らかさが伝わってくる。僕は幸せだな、と思う。キモイはやめてよ、泣くから。

 でもじゃあこれって風俗で女を買うのと何が違うんだろう。愛を前提にしない行為に温もりを満たす以上の意味を感じないんだけれど、それと何が違うんだろう? ……もう少し上品な表現? ええと……じゃあアイドルの握手会かな。そういう、一時的な繋がりじゃないものを、君に求めていたらそれは君が好きって言えるんじゃないだろうか。

 

 だから、僕は君と手を繋ぐ理由を温もり以外に自分の中にあるのか確かめなくちゃいけないんだけど、それがどうにもわからくて。いや、あるにはあるんだけれど、それが本物だとどうして言えようか悩んでしまってね。

 それで僕は君に告白するべきか悩んでいるんだ。……ん? そんなのもう告白しているようなものだって? あは、卑怯だったかな。僕なりの誠実さに基づいて君に話をしたつもりなんだけれど。

 

 




確定的に明らかなようであっても、人間は考える事を止めてはいけない。向き合う姿勢こそが誠実さである。
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