ウマ娘 プリティーダービー GTR最速伝説   作:frostvernt

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初投稿にレース描写なんてできるわけないんだ。悲しいね


第1話 RUNNING IN THE 90'S

■トレーナー視点

 

幽霊だとしても、もう1度見てみたものだ。それほど衝撃的だった。

 

アナウンスの声が聞こえる。

俺は意識を現在に戻した。

次の出走者の名前を読み上げているらしい。

 

そして、見た。

あの娘だ。あの日見た幽霊。

 

もしかしたら間違いかもしれない。顔は見ていないし、髪色だけで判断するのは危険かもしれない。だが、周囲の出走者の寸評する声を聞き流しながら、俺は彼女を見ていた。

 

位置について。よーい、ドン

 

合図とともにウマ娘たちが飛び出す。ばらついたスタート。

彼女の出は悪くない。いいスタートを切り、減速してバ群の中に埋もれていく。

 

そのままレースが進む。バ群の中、中段にいる彼女は掛かっているのだろうか。

走りにくそうに位置を前後させている。そのうえ途中で入る減速のせいか、だんだん位置が下がっているように見える。

 

そして、そのまま走り抜けた。

バ群から抜け出すのに失敗し、バ群がばらけた後も順位に大きな変化はなかった。

脚は残っていたようだが、速度がいまいち。。。というより、終盤途中で挟んだ減速のせいで間に合わなかったというべきか。

 

先ほどのレースと同じように順位が高いものや、見るべきものがあったウマ娘にトレーナーが向かっていく。彼女のレースは決して、良いものに見えなかった。9頭立ての7番手だった彼女のもとに向かうトレーナーはいない。

 

彼女は顔を下げ、レース場から立ち去ろうとしている。

俺は駆け出した。彼女だ。間違いない。レース中の不自然な減速。それが、幽霊な彼女にかぶって見えた。

 

「そこの君!」

レース場を出た彼女に声をかける。しまった。。。名前を聞き逃していた。

だが、幸いなことに周りに誰もいなかったおかげか、彼女が振り返ってくれた。

 

「なんだ。。。なんでしょうか?」

途中で言い換えたのが分かる。

 

「私は桜井といいます。トレーナーをやっている者です。」

彼女に見えるようにトレーナーバッチを指さす。

 

「トレーナーさんなのは見ればわかります。私に何か御用ですか?」

「君をスカウトしたい。」

即答だった。そのために追いかけてきたのだ。

 

彼女は少し面食らったようだが、口を開こうとするのを止め、何かを抑えるように問いかけた。

「スカウトする理由がわかりません。」

 

確かに先ほどのレースを見て彼女をスカウトしようというトレーナーはいないだろう。

私も幽霊のことがなければ、見ていなかったかもしれない。

だが、今は違う。俺は担当こそ持ったことがないが、ベテランだ。リギルのサブトレーナーだったこともある。

近くで見ればわかる。レース後と思えないほど落ち着いている。ジュニア期のウマ娘とは思えないほどだ。

 

そして体つき。。。変な意味ではない。

俺の目には鍛えられているように見える。他のトレーナーではわからないだろう。

鍛え方がアンバランスなのだ。バランスが悪くなることはよくある。

ケガで入院しているとき、患部に負担をかけないようにできるトレーニングだけをしたとき。

遠征や、休養でもバランスが少し崩れることはよくある。

 

そして、もう一つ感じたことがある。

なんというか直感なのだが、芝を走りなれていないように感じる。

先ほどのレースも、芝のレースをダート走者が。というより、ダートのレースを芝走者が?走っているような違和感があった。

 

「いや、私には君に実力があるように見える。先ほどのレースで何となくしかわからなかったが、今はそう思っている。」

私はそう返す。

 

「そうですか・・・」

彼女は何かを考えているようだ。

 

「今すぐに決めてくれ、というわけでもないよ。」

確かに自分は今怪しいかもしれない。幽霊のことを話すべきか?

 

 

「少し考えさせて頂いても宜しいですか?明日までで良いので・・・」

結局、彼女は保留を選んだようだ。

 

「わかった。では、また明日・・・カフェテリアでどうかな?」

「私はそれで構いません。」

 

ヨシ!次にはつながりそうだ。。。名前だ!名前を聞いておかなければ。

「そういえば君の名前は?」

「知らないのに声を掛けたのか?」

彼女がジト目になる。呆れて猫が剝がれかけている。まずかったかもしれない。

 

「はぁ。まぁいいです。私の名前はーーー。」




ようやく名前を出せます。
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