ウマ娘 プリティーダービー GTR最速伝説   作:frostvernt

4 / 9
ようやく、本格的にスタートです。


第2話 ブルースカイライン登場!

 

翌日。

待ち合わせより少し早く桜井は学園のカフェテリアで待っていた。

コーヒーを飲みつつ、ノートPCに情報をまとめていく。

そこに一人のウマ娘が近づいていく。

 

「お待たせしましたか。」

そのウマ娘 ブルースカイラインが尋ねた。

 

「いや、担当がいないもので暇でね。こうしている。」

桜井がそう答える。

 

「ならいいのですが。」

ブルースカイラインが席に着いた。

 

「ああ。敬語は不要です。普段と同じ話し方で構いませんよ。」

昨日も最後の方は明らかに猫が剝がれていた。

 

「どうぞ。今日来てくれたお礼のようなものです。」

支払いは持つが、ウマ娘は健啖家が多い。この子はどうだろうかと思いつつメニューを渡す。

 

メニューを受け取りつつ、

「そう?そいつは助かるね。店員さーん。紅茶セット。うま娘チーズケーキと紅茶のホットで。」

メニューから顔を上げると、店員を呼びながらそう答えた。そのまま、ケーキセットを注文する。

 

「トレーナーさんも普段通りで構いませんよ。」

 

バレたか。

「職業病みたいなもんだ。」

桜井はバツの悪そうな顔をして答えた。

 

紅茶セットが届くのを見計らってから口を開く。

「今日は来てくれてありがとう。食べながらでいいから聞いてほしい。簡単に自己紹介したいんだが。」

「俺は桜井恭介。トレーナーだ。去年までチームのサブトレーナーをしていた。担当を持つようになるのは今年からだ。」

 

「はい。どうも。私はブルースカイライン。ラインとでも呼んでください。知り合いはそう呼ぶので。」

ラインが、紅茶に砂糖を入れながら答えた。

 

「ありがとう。とは言っても何から話したものか・・・何か聞きたいことはあるか?」

 

「普通に、なんで私をスカウトしようと思ったか。じゃないの?」

 

まぁ、そうなるな。最初に言った方がいいかな。

「君に実力があると思ったのは本当だ。色々あってそういうのに詳しくてね。あと・・・」

「あと?」

 

「人違いだったら申し訳ないが、数日前の夜に君が走っているのを見た。」

 

「んー。そんなの・・・あぁ、あれか、見られちゃってたか。」

 

「門限がどうの。というのは置いといて。第四倉庫の近くのコースで走ってたのはラインであってるんだよね?」

 

「門限は黙っといてもらえると助かるかな。第なに かはわからないけど、学園の端の方の倉庫近くのコースを使ってるよ。」

 

良かった。どうも人違いではないらしい。

七不思議扱いされてることを言うべきだろうか。

 

「数日前そこを通ることがあってね。その時、君が走ってるのを見て・・・」

 

「遅かったでしょ。」

 

「おs、んんん???」

あれ合ってるのか?俺の記憶だとラスト3ハロン33秒ぐらいのスピードが出てたんだが?

 

「あの、コースは他のコースと違って走りやすいんだけどね。それでも、あんまりスピードが出ないんだ。平坦だしね。」

 

「コース?・・・ウレタンのことか?ゴムみたいな。」

 

「そうそう。それそれ。」

 

それ、ヒトミミの陸上用だぞ。なんでトレセンにあるのか解らん施設だ。だから誰も使わんのだが。

だから、芝のレースで違和感あったのか。

 

「後、遅くなかったと思うぞ。というより早かったと思う。」

 

「そうなの?」

 

そうなのって。。。

いや、何となくわかってきた。こいつ知識がないタイプだ。昨日のレースでも定石とか知らなそうな感じだったしな。

 

「コースが違うから何とも言えんが、芝のコースなら3ハロン34秒で速い方だ。というかジュニア級ならめちゃ速だ。」

 

「3ハロン・・・ってどれくらいだっけ。」

 

思わずズッコケそうになった。何で知らないんだ。

「何で知らないんだ・・・」

おもわず声に出てしまったらしい。

 

「授業サボってて・・・」

 

おい。

「ったく。1ハロンで200mだ。だから600くらいだな。」

 

「だったら、そんなに早くないんじゃないの。時速60kmぐらいでしょ。」

 

「それで充分速いんだよ!レースでその速度で走れれば、ふつう勝てるの!」

 

「あ。そういうものなんだ。」

 

そういうものって。。。こいつなんでトレセンにいるんだ?

「まぁ。話を戻すが、あの時の君の走りを見てたのもある。それでスカウトを決めたわけだ。」

 

とりあえず話を戻す。

「そうなんだ。でも私、芝だとあんなに速く走れないよ?」

 

「そんな気がしてたが、大丈夫だ。ウレタンからの転向なんてさすがに経験はないが・・・これでも、もともとはチームで転向組のトレーニングを見ることが多かったんだ。君の力になれると思う。」

「君の速さに惚れ込んだんだ。ラインが走る手助けをさせてほしい。」

正直なところ、確信はない。だが、自分の経験を信じることにする。

それに、彼女の速さが適正の問題なら解決したい。彼女のあの走りに魅了されたのは間違いないのだから。

 

「うん。私はいいよ。」

 

あっさり頷いた。大丈夫か。あんまり解ってないんじゃないか?

「そんな顔しなくても大丈夫だよ。私だって、あのコースで速く走れるのは一般的じゃないことぐらいわかってるし。それに。」

 

それに?

 

「それにOKなのは私の方。トレーナーが私をOKするかは別だけどね。」

 

ピンときた。

「・・・走り方のことか?」

 

「察しが良くて助かるね。あの平地だと隙だらけな走りのことよ。」

 

「正直なところ見てみないと分からんな。」

 

「そう。なら見てもらえる?トレーナーさんはこの後お暇かしら?」

 

「ああ。こちらこそお願いしたい。」

 

 

その後、走るところを見せてもらった。芝のコースだがこの前の夜ほどではないが速かった。

走り方も分かった。彼女の弱点も。

何とかなりそうだ。いや、自分の経験にかけて、何とかして見せる。それがトレーナーというものだしな。

ラインと契約の握手をしながら、俺は自分の胸に火が付いたことを感じていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。