ウマ娘 プリティーダービー GTR最速伝説 作:frostvernt
ブルースカイラインというウマ娘の走りは独特だ。
まず、バ場適正。
ウレタンが得意という聞いたこともない適正だが、幸いなことにパワーはある。
芝もダートも走れるだろう。芝では芝生に足を取られ、ダートだとバランスを崩しがちという問題はあるが。。。
単純に慣れの問題だろう。これは問題ない。俺が対応できる範囲だ。芝に慣れるようにトレーニングを積んでいく。
次に走法。
こちらが曲者だ。トレーナー契約をして走りを見た。本人の考えてる通りの走りと言っていいだろう。
彼女は歩幅と回転数を決めて走るのだ。
他のウマ娘もピッチとストライドの走法を調整して走る者もいるが、彼女の場合 それが顕著だ。
走り始めは歩幅が少ない状態で走り始める。そして回転数を上げていく。
その後だ。回転数をある程度上げると、歩幅を伸ばすのだ。
その時、歩幅を伸ばしたタイミングで回転数が落ちる。それが彼女のレース中の減速の正体だ。
そこから回転数を上げていくと以前の歩幅より速く走れるのだが、またある程度回転数が増えると歩幅を伸ばす。
彼女はギアチェンジ走法と言っていたが、まさに車のギアそのものだ。
減速がデメリットのように聞こえるが、これこそが彼女の速さの根源と言っていいだろう。
最大限加速した彼女は圧巻のストライドを圧倒的なピッチでぶん回し始める。
そうなると手が付けられない。まだ芝に慣れきっていないのに、3ハロン33秒を切りやがったのだ。笑うしかない。
この3か月間で芝にだいぶ慣れた。というよりも本人はまだ違和感があると言っているが、すでに2000mのレコードタイムで走っている。
デビュー戦ぐらいなら十分勝てるレベルだ。
もちろん問題はある。彼女の癖といえる減速と加速、バ群の中ではうまく調節ができず、これが選抜レースで勝てなかった原因だろう。
兎にも角にも走ってみるしかない。ラインに経験と知識がない以上、レースで試してみないと分からないといったところか。
デビュー戦は来月の東京芝1600mにした。
ラインなら十分に勝てるレースになる。
本来レースは相談しながら決めるものなんだが。。。あいつはレースとか知らんと抜かしやがった。
とりあえずクラシック走ろうという雑な方針を決めやがって。。。
俺は頭を押さえる。
そして、その時のことを思い出すのであった。
契約後のこと。
俺は正式にトレーナー契約を結んだラインと目標を決めるためのミーティングをしていた。はずだった。
「目標はどうするんだ?」
「目標?」
「まぁ。目指すレースだな。ダービーとか天皇賞とか。調整があるからジュニアクラスの朝日杯なんかはしんどいかもしれないが、ラインの走りなら、クラシックでも狙えるはずだ。」
「うーん。レースあんまり解ってないのよね。とりあえず皐月賞とダービーと桜花賞?でクラシック3冠狙いみたいな?」
おまえ。。。
「桜花賞じゃなくて菊花賞だ!この歴史的バ鹿モンが! 」
お前真剣にクラシック目指してるウマ娘に謝ってこい。
「あんまりレースには興味ないんだもん。強いレースで走りたいとは思うんだけど。」
ミーハーかよ。
「とりあえず余裕を持たせつつクラシックを目指す感じ行くか。。。」
「よろしくー。」
適当すぎる。
「それにしてもお前、レース知らなくて何でトレセン来たんだよ。」
「走りたかったから。」
・・・ウマ娘としては正しい。。。のか?
「お前、トレセン学園の生徒会長の名前言ってみろ。」
「バ鹿にしないで。確か皇帝でしょ。皇帝。コウテー。。。シンバシルドルフ?」
「シンボリだ!この歴史的バ鹿モンが! 」
お前無敗の3冠バになんてことを!
「仕方ないじゃない!レースを見るより自分で走る方が好きだったの!」
「・・・まぁ。それはウマ娘としてある意味正しいのかもしれんが。。。」
「テレビで1回見たけど、全然私の方が速かったし!」
「ハハハ。ワロス。」
確かにこいつ無駄に速いから、笑えんかもしれんな。
「なぁ、他に知ってる奴いないんじゃないか?」
もしかしたら、最近のウマ娘なら知ってるかもしれん。
「・・・1人だけ。。。マルゼンスキーさんよ。」
少し驚いたが納得できる人選だな。
「意外なようで、バ鹿みたいに速いところはお前と同じか。」
「ええ。数回しか見れなかったけどすごく速かったわ。彼女なら・・・」
「なら、マルゼンスキーと同じように朝日杯に出てみるか?」
「さっき、厳しいって言ってなかった?」
「まぁ厳しいかもしれないが、レースに絶対はないっていうし。相手次第だからな。勝てないわけじゃない。」
「ならいいわ。どうせなら勝ちたいもの。」
シンボリさんをネタにしているわけではないです。彼女のレースへの無知っぷりを書きたかったんです。。。