ウマ娘 プリティーダービー GTR最速伝説 作:frostvernt
■ライン視点
デビュー戦。
もうすぐデビュー戦が始まる。
コースに立ち、私、ブルースカイラインはずいぶん遠くに来たものだと思った。
群馬で生まれて、そのままずっと群馬の。。。峠でしか走ったことがなかった。
家から少し離れたところに、公共のコース場があったが、ついぞ訪れることはなかったなぁ。
そんな私が今、東京のコース場でデビュー戦をしようというのだ。去年の私が聞いたらどう思うだろう。
へー。と興味がないか、それともそんな時間は無い。と怒るか。そんなところだろうか。
トレーナーは気負わずに行けと言った。
無茶言ってるなと思う。周りを見るとどのウマ娘も緊張でカチコチだ。ジュニア級の初めの方ならそんなものだとトレーナーは言っていた。
まぁ、私は大丈夫だ。レースは初めてだが『レース』の経験なら豊富だ。ここにいる誰よりも。シンバシルドルフや他のスターウマ娘たちよりもだ。
緊張はない。焦りもない。
絶対に勝てる保障はない。絶対の自信もない。
でも、それだけだ。『いつものように』自分の限界を目指してアクセルを踏み込むだけ。
ゲートに入る。未だに慣れない。
ゲートの中に入って、ゲートが開くのを待つ。『カウントダウン』をしてくれたらいいのに。
ゲートが開く。普通に出る。他のウマ娘はバラバラだ。緊張してたんだな。可哀想に。
他のウマ娘の心配をしている場合ではない。初めの頃よりだいぶ走りやすくなった。
でも、芝に完全に適応したわけじゃない。ギアチェンジ走法の最適化も終わってない。
減速のタイミングで他のウマ娘が前に出ていく。私は追い込みの位置へ。作戦通りだ。
今回の作戦は追い込みだ。後ろでゆっくり走り、最後に外からぶち抜く。わかりやすい。
後ろから走る。回転数を上げながら外に向かう。外に出てギアを上げていく、回転数を上げたり、下がったりする。
内側のウマ娘が鬱陶しそうにする。煽っていると思われただろうか?ごめんね。これ仕様なんだ。
コーナーに入る。そのままだ、『アウト』にいるから。気にする必要はない。回転数を上げていく。
だが、これはダメかもしれない。ギアチェンジ走法とコースがあっていない。
走ってみてわかった。加速区間が必要だ。次から中距離を目指そう。
これは間に合わないかもしれない。関係ない。
アクセル全開だ。回転数を上げる。
冷静に考えているように見えるが、心は燃え滾っている。
頭が燃え上がると命がいくつあっても足りなかったからね。慣れだよ慣れ。
そのままゴールを駆け抜ける。2着だ。
1着の娘はスタートもよかったし、ずっと冷静に的確に動いていた。いい走りだ。
勝てなかったのは悔しい。でも走れる。走れている。
私は確かな手ごたえを感じていた。