I will always love you!   作:リアム

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ある日。日本の何処かにある牧場へ、一頭のサラブレッドが新しい仲間に加わりました。
栗毛の身体を促されるままに周りとは少し離された馬房に入れられ、無地のパネルに新しい名前が入りました。
サラブレッドの名前は「デイヴィッド」。
馬主欄には富豪だった男の名では無く、物好きによって結成された「カランコエの歌」という支援チームの名前が表記されていました。
 


 Once more.

 

A dreamy time.

 

リアムはゆっくりと呼吸をして、目を閉じる。

今、この瞬間に自分でプレイしたゲームの中にいるデイヴィッドの育成が終わった。

何回か目標を達成出来ずにやり直しになり、何ヶ月もの時間が掛かったが同じ内容だったとしても矢張り人がプレイしたのと、自分でプレイしたのでは気持ちの入り方が違う。

残ったポイントを見様見真似で消費して育成を終了する。Aランクと評された自分のデイヴィッドに付ける二つ名を選ぶ。

一番上に表示された「優しい夢をもう一度」という他とは違う雰囲気のものが目に入り、これがあの子に合うと思って選択する。

 

ストーリーの中で彼女は宝塚記念と有馬記念を勝利した。

うちの牧場にいた馬でも二つのタイトルを合わせて数回だけ手が届いた栄誉。

そんな凄い事を成し遂げてしまったデイヴィッドに対しての尊敬と、もし、生まれる場所を間違えず正しい歴史を歩めたのならあの喝采の中にいたのかもしれないという“もしも”。

だからこそ、もしもだろうが思わず泣いてしまった。

アサカワさんがウマ娘というゲームに対して「夢だとしても、見たかった現実を見る事ができる」と言っていた気がする。

その言葉を借りるなら、正しくデイヴィッドのストーリーは俺の夢だとしても見たかった、デイヴィッドが元気に地面を駆ける姿を見る事ができた。

 

幸せになって欲しい。

ずっとずっと健康で生きていて欲しい。

皆に祝福をされて欲しい。

あの子と、一緒に生きたい。

 

全ての夢を魅せて貰った。

 

「デイヴ」

 

あの子の笑顔

あの子の努力

あの子の走り

あの子の平穏

あの子の成長。

 

昔、デイヴィッドが生きていた頃、支援してくれていた人にも見て欲しい。

もしかしたら、デイヴィッドが女の子、ゲームのキャラクターになるなんて受け入れ難い人もいるかもしれない。

それでも、デイヴィッドが生きる未来の一つにこんなものもあるのだと、知って欲しい。

 

「なぁ、ハヤタさん。デイヴィッドのストーリーを読んで、とても感動したんだ。それで、感謝を伝えたくて、こういったのはゲームの会社に送っても良いのだろうか」

「へ?嫌、どうだろうなぁ……あっ、調べてみたらご意見BOXっつうもんはあるな」

「感想もご意見に含まれるか?」

「どう……なんだろう、な……」

 

大の大人が二人で悩んで、結局「辞めておくか」と笑い合う。ご意見なんて言葉に含まれる程、崇高なものでは無い。

だから俺は、ハヤタさんとアサカワさんと三人で時折話題に出して、思い出話を話し合うくらいで丁度良いのだと思う。

 

「あっ、デイヴのサポートカードと、新衣装?を沢山出してくれってご意見とかどうだ?」

「成る程。面白い、が。流石に迷惑だろう」

「それもそうか」

 

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