I will always love you! 作:リアム
Support from you, the stranger.
最後のミーティングを終え、トレーナーと別れ与えられた部屋に入る。シンとした世界の中窓を開け空を見上げる。
立地の問題か、純粋に明るさの問題か普段住んでいる寮よりも星が見える。
「明日だ……」
投票の結果が出てからは、いつもより何倍、何十倍も早く時間が進んで気付けばもう3時間後、12時になれば本番の日になる。
この身体は、トレーナーに考えて貰ったトレーニングをしてきたわたしは強くなれただろうか。G1という一番凄い場所に立つわたしは、通用するだろうか。
いいや。考えるのは辞めよう。わたしはただトレーナーに鍛えて貰った力でぶつかるだけ。
「……ドキドキ、するね」
あの時もそうだ。結果発表の日。
トレーナーが驚いて、泣いて、笑っていた。それを見てわたしも同じ感情が遅れてやってきた。画面を見て驚いて、泣きそうな程嬉しくって、笑った。
舞台に立つだけでもとんでもない名誉。でも、目指すのは一番。
「よしっ……!」
頬を軽く叩いて、まだ前日だけど気合いを入れる。
後はシャワーを浴びて休もう。
明日、完璧を超えるパフォーマンスをする為に。
暗い世界。最近は普通の夢を見る事が多かったのに、久し振りに見た世界に身体が悴む。
早く覚めろ、助けて、と願いながらしゃがみ込む。
痛くない、痛くない、直ぐに伝わってくる痛みを誤魔化す為に頭に「痛くない」を叩き込む。
こういう時、しっかりした夢を見る自分の体質が嫌いになる。
だけど、今日は違う。
いくら経っても身体は痛くならないし、心は苦しくならない。夢から覚める事も無いけれど、痛くないなら、苦しくないならとても素晴らしい夢だと言える。
「……あ、れ」
タタン、タタン、と軽い音がして頭を上げる。
視界の中に映る霧がかった様にボヤけたイキモノに見える「それ」。
それ、いや「その子」はわたしの目の前で立ち止まると尻尾に見える部分を揺らす。
ボヤけて微かな輪郭を捉えるのがやっとだけれど、わたしが見た事もない動物。きっと、夢の中だから見た事のある動物が混ざってしまっているのだ。
その子は立ち上がったわたしの身体に顔を押し付ける。
わたしがその子へ触れても感覚は伝わってこないけど、感じている温もりは確かだ。
「あ、りがとう……応援、してくれた、ね」
顔を寄せる。
夢の中、動物に応援をされるなんてファンタジーも良い所だけどわたしは背中を押して貰った。
明日、2200メートル、先頭で走り抜けて優勝する。
「ぼくを、愛してくれた、優しくしてくれた皆へ走れる様になったぼくを……!」
その子に向かって宣言の様な意気込みを口にする。
その瞬間、頭がボヤけて力が抜ける。眠りの質が変わったのかもしれない。
最後まで明るい茶色をした子はわたしの側にいてくれる。
ぼくは、頑張るよ。
振り絞った声は届いただろうか。
うん。がんばれ、頑張れ。
何となく、そんな言葉が聞こえた様な気がした。