I will always love you!   作:リアム

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Sitting side by side.

 

It is difficult to plan what to do next.

 

宝塚記念が終わった。

昨日はレースからインタビュー、ウイニングライブまで大盛り上がりだったのに、一夜明けた今はもう思い出話として語られるだけで静かだ。

きっと明日になれば、明後日になればもっと語る人はいなくなる。皆の思い出になって、昨日感じた熱狂はもう手に入らない。後から見る映像では絶対に得られない、3分に満たない特別。

学園に戻る為、デイヴィッドと共に電車に乗る。

窓の外に映る早送りされる世界と、レールの上を走る音だけが響いてたっぷりの睡眠から目覚めた筈なのに眠くなる。

 

「……あの、トレーナー」

 

一つしか音のなかった世界に新しい音が入る。突然の事に驚いて、声を裏返らせながら返事をする。

 

「あの、あの、ね。言いたい事が、あって」

「あぁ!何でも言ってくれ、対応できる事なら何でもするよ」

「じゃあ……次の……レースについて、話し、たい」

 

デイヴィッドから放たれた言葉。

俺が何か出たいレースはあるか?と聞いて、特にないと返されていた問いの聞いた事のない違う答え。

デイヴィッドは膝の上で両手をギュッと握って、昨日よりもずっと緊張した雰囲気を醸し出しながら、髪の毛で顔を隠す。

そんなに緊張しなくて良いのにと思うけれど、デイヴィッドにとってこれから言おうとする言葉はきっと一世一代の大勝負と変わらない言葉なのだろう。

 

「うん。教えて、デイヴィッドの気持ち」

「あ、あの……目指している、有馬記念の前。に、親分と……走り、たい……」

「そっか。親分はダートを走るウマ娘だよ、デイヴィッドの苦手なコースを得意にしている。頑張れる?」

「G1、勝った。それだけの力を……作って、貰った。だから、今の、わたしなら……親分とも、一緒に、走、れる。ダートだって、関係、ない……!」

「そっか。じゃあ、まずは相手と走れるかどうかスケジュールを確認しないと。それで、もし大丈夫なら、親分とのレースを全力で頑張れる様に、俺は手伝うだけだ」

「……う、ん!有難う、トレーナー!」

 

もしもの話だ。

デイヴィッドが親分、シンコウウインディさんと走るとなったら9月か10月くらいになるだろう。

タイミングとしては南部杯があるが、流石に日本のダートを苦手としていて、練習も全然していない事を考えればダートを専門としている「親分との勝負」という土俵には恐らく立てない。そう考えると、シリウスステークス辺りが挑戦の場としては良いかもしれない。けど、距離が福島民友カップよりも長いのがネックだ。せめてマイル、苦手をゴリ押せる可能性のある短距離。ラジオ日本賞、ながつきステークス、東京盃、エニフステークス。そういえば、野良レースという手もあるのか。

 

「ん"ん"ん"ん"〜〜〜!!!!!どうすっかなぁ〜!!!!!!」

「あ、え?あの、あ……」

「うえ!?あぁ!ごめん!……皆さんも!五月蝿くして申し訳ありません……!」

 

色々考えて思考がごちゃごちゃになった中でデイヴィッドの声が聞こえて、思わず反射的に立ち上がる。

立ち上がって視界の中に他のお客さんの顔が映る。

顔に熱が溜まって東西南北に頭を下げてから座り、顔を手で覆う。担当するウマ娘の適性とは違う場所を目指す時、こんなにも難しいのかと叫びたくなる。

 

「……頑張ろうなぁ……デイヴィッド……」

「え?うん……頑張る、ね」

 

分かり易く不審者ですという様子の俺を慰める為か、控えめに握られた手から伝わる熱にとても安心した。

 

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