I will always love you! 作:リアム
I declare to you.
「えぇ!?ウインディちゃんとレースで走りたいのだ!?」
お弁当を机に広げて、向かい合った親分は大きな声を上げる。その声に驚いたのかわたし達と同じ様にお弁当を食べていたクラスの皆から視線が向く。
親分は一瞬周りを確認して、咳払いをすると今までの驚いた顔から困った顔に変わる。
「で、でも、前も話した通り、ウインディちゃんと子分とでは走るレースが違うのだ」
「うん。だ……から、たくさん、沢山、練習。します」
「そこまでしなくても……どうしてなのだ?」
「僕は、アナタが、好き。だから、一緒に走って、競い合いたい、と、思った。場所は違くても、僕だってG1バになりました。今なら、アナタと競える、力がある」
「誘ってくれるのは嬉しいけど、そんな事を言ってくれるくらい子分はウインディちゃんの事、好きだったのだ……?」
「?はい。ずっと、ずっと、大好きです」
「だっ!?も、もう!子分はしょうがないのだ!まぁ!確かに、G1を勝った今の子分ならウインディちゃんと競ってもきっと走れるのだ!」
親分がわたしの言葉に少し照れた様な反応をする。わたしの言葉で、何が気になったのかは分からないけれど、レースを一緒に走りたいという願いを聞き入れてくれた事に脚の先からふわふわとした気持ちになる。
わたしがダートを走った時の福島民友カップは、言ってしまえば自分のスタミナを過信して無理矢理ゴールまで押し込んだ走り方だった。
でも、次のレースでそんな事は出来ない。
ダートを専門としているG1バに対してあんな付け焼き刃な事なんて出来ない。日本のダートに対して自分の中で例える事の出来ない違和感があったとしてもそれを克服しなければいけない。
会話の為に止まっていたお弁当を食べる手をもう一度動かす。頭の中でどうすれば良いかを自分なりに考える。
「子分?大丈夫なのだ……?顔がすっごい怖いのだ」
「え、はい。大丈夫、です」
「それなら良いのだ」
頬に手を当ててムニムニと摘む。こうするとなんとなく表情が柔らかくなる気がする。
そんなわたしを見て親分は笑って、子分は面白い奴なのだと言った。
お弁当に残っていた最後のおかずを口に入れて、咀嚼する。飲み込んで、気が早いと理解しつつも言いたかった言葉を口にする。
「負け、ませんから」
「その言葉、デイヴィッドがウインディちゃんに言うのは100年早いのだ!」
思い立ったが吉日なのだ〜!
そう言って、携帯で誰かにメッセージを送るウインディちゃんを見ながら「どうか、叶います様に」と、心の底でソッと祈った。