I will always love you! 作:リアム
Thank you to everyone.
レース結果が発表され、興奮冷めやらずといった様子で珍しいダブルセンターでのウイニングライブが行われる。
グラジオアイビーの力強い声、デイヴィッドの儚さの中に芯のある声が混ざり合って素晴らしいステージとなった。
ライブが終わり、少しの休憩を挟みながらウイナーズサークルに新たな舞台が整えられ優勝者インタビューが始まる。優勝者であるウマ娘が立つ台は二つ。それだけでも充分に珍しい光景だった。
「それでは、只今より有馬記念の優勝ウマ娘インタビューを行います」
アナウンスが響き、割れんばかりの拍手が湧き上がる。
そして、身なりを整えた2人のウマ娘が姿を現し、台の上に立つ。オレンジの髪をポニーテールにしたウマ娘は立つのが難しい台の上でも立ち慣れた様子で、明るい栗毛のインナーカラーが入ったショートカットのウマ娘は少し緊張した様子でアナウンサーの声を聞いている。
「それでは、グラジオアイビーさんから一言お願いします」
「えぇと、まずは沢山の応援とファン投票有難う御座いました。ワタシ的にはいつも通り、いいや。いつもより上手く走れたのですが、まぁ、やられたーって感じです。勝負に絶対はないし、ワタシが毎回勝つなんて確率も夢物語みたいなものだ。だけど、ワタシ含め皆頑張った!完全燃焼だ、有難う!」
いくつかの義務的なやり取りが終わり、最後に求められたコメントにグラジオアイビーは慣れた様子でコメントを終えると、最後に高く手を挙げる。そうすれば、グラジオアイビーのファンは沸き立ち、方々から「おめでとう」「こちらこそ有難う」と声が届く。
「では、次に、デイヴィッドさんお願いします」
「はい。私もまずは応援と、投票を有難う御座いました。話すのがまだ苦手なので、一言だけ……I will always love you too.見てくれてましたか?」
少し前まで、クールな様子を見る事が多かったウマ娘が見せた柔らかな笑み。インタビューを見ていたファンはその表情に心を奪われる様な心地で釘付けになる。
インタビューが終わりグラジオアイビーにはトロフィー、デイヴィッドには優勝レイが渡され、記念撮影となるがお行儀良く直立のまま動かないデイヴィッドを見かねたグラジオアイビーは、デイヴィッドの立つ狭い台に無理矢理割り込むとトロフィーを片手で持ち上げながら、デイヴィッドの肩へ腕を回す。
「ほら、笑え!良い顔してんだからよ!」
「……そ、そうですか」
立ち辛そうに身体を動かしながらデイヴィッドはグラジオアイビーを真似するように胸の位置に手を挙げ、もう一度笑う。
最後は微笑ましく終わった有馬記念であった。