「悪を為す、バルバロスの名の下に」
バルバロス海賊団はバルバロスの意向により『一日一悪』を団規として活動している。
毎日の夕食は、団員皆で食卓を囲みながら、その日に行った悪行を報告し合うのが日課になっていた。
バルバロス「では、本日の悪行の報告をしてもらう。まずは、海原の斥候から」
斥候「はい、今日は国語の教科書の作者の写真に落書きをしてやりましたw」
すると潮流の砲手がフッと笑う。
砲手「何だそりゃ、そんなのただのガキのいたずらじゃねえか」
斥候「ええー、じゃあ砲手さんは何をしたんですか?」
砲手「私はもっと人の迷惑になる事をしてやった。それは、シャドウバースの1番くじを全部買い占めてやったぜ!」
斥候「おおー、さすがは砲手先輩。買い占めだなんてメッチャ悪いですねw」
砲手「だろ?」
副船長「なかなかやるじゃねえか。普通、そういう商品って一人5点までとか、購入制限があるけど、そういうの無視して買い占めやがったのか?」
砲手「いや、それが他の商品はMAX5点までだったのに、シャドウバースだけ制限がなくてよ。だから楽勝だったぜ」
副船長「おいおい、それじゃただの売れ残りの産廃商品を処理しただけの神客じゃねえか。むしろそれは善行だぜ」
砲手「なんだと、私が善行だと・・」
荒波の副船長に言われ、潮流の砲手はかなり落ち込んでしまう。
バルバロス「ほらほら、流れを変えるよ。次の報告は誰だい」
するとマリンレイダーが言った。
マリン「仕方がねえ。私が手本を見せてやるよ」
副船長「ほう、お前の成長を見せてもらうぜ」
マリン「私は駄菓子屋に行ったんだ。すると、ヤッターめんという10円の駄菓子から、何と100円の金券が当たったんだ」
斥候「おおー、いいっすねえ。10円の駄菓子で100円分の商品と引き換えられて超ラッキーじゃないっすかw」
マリン「そうだろう。実際、周りにいたガキ共も目を輝かせて私の金券を見つめていた。しかし、私はその金券を破り捨ててやった!」
斥候「ええー、マジっすか、やべえ、キレてやがる。マリン姉さん、マジパねえっす!」
マリン「ふはは、ガキ共のうろたえた視線が実に快感だったぜ」
するとバルバロスが小さく笑いながら言った。
バルバロス「マリンレイダー、お前もまだまだ青いな」
マリン「えっ、どうしてですかお頭!?」
バルバロス「確かに、ガキ視点から見れば相当イカレたヤバい行為に見える。しかし、店主の視点から見たらどうだ? 100円分の商品の引き換えを放棄した神客だ。見方によっちゃ、お前の行為も善行なんだよ」
マリン「くっ、そんな落とし穴があったとは・・」
バルバロス「ふっ、悪の道は遠く険しいんだぜ」
そうしてマリンレイダーも玉砕した所で副船長が言った。
副船長「仕方ねえ、俺が教えてやるよ。擁護の余地のない、本物の悪行ってやつを」
皆が副船長に注目する。
副船長「俺は今日、たまたま立ち寄ったコンビニがガラガラで、しかも店員が奥の棚で品出しをしていた。そこで、店員の隙をついて、チ〇コのカラーコピーをとってやったぜ!」
砲手「うわっ、きったねえ。てめえ、何言ってやがんだ、今は晩メシの最中だぞ!」
副船長「食事の最中に汚い話をする、これも悪よ。1粒で2度美味しい悪行だったぜ」
すると、バルバロスの表情が険しくなった。
バルバロス「悪いが副船長、そいつはナシだぜ」
副船長「え、どうしてですかい、お嬢?」
バルバロス「悪行の中にも絶対にやっちゃいけねえ悪行ってのがあるんだ」
副船長「ですから、チ〇コのコピーの何がいけなかったんですか!?」
バルバロス「いいか、その手の行為は店にバレたら、とんでもねえ額の請求が来る。下手すると一発で人生が終了するほどのな。もし店にバレたらどうする? そんな金払えねえぞ。そうなったらもう、お前には船を降りてもらうしかねえ」
副船長「お嬢・・」
バルバロス「いいか、俺はこれからもお前たちと一緒に航海を続けたいんだ。だから、バレたら大金を請求されたり、逮捕されちまうような行為は絶対にするんじゃねえぞ!」
副船長「すまねえ、お嬢~(ToT)」
バルバロス「分かったらもういい。次からは気を付けた上で悪行に励めよ」
団員一同「はい!!!」
そうしてバルバロス海賊団は今日も平穏に航海を続けるのだった。
おしまいw
おまけ☆
斥候「ところで、お頭はどんな悪い事をやったんですか?」
バルバロス「ああ、今日は何もやってねえ」
斥候「えっ、何も悪い事をやってないって、団員だけにやらせて自分が何もしないって、そりゃないですよ」
バルバロス「いいや、何もやってねえ事自体が悪い事なんだぜ」
斥候「どういう意味ですか、お頭!?」
バルバロス「働き盛りのいい年の若者が、働きもせず何もしなかった。どうだ、悪いだろ?」
斥候「おおー、メッチャ悪いっす、まさに目から鱗。さすがです、お頭ーww」
ちゃんちゃんw