霧の都、ブラッドベリ―のとある地域。
シルヴァリオスによって結成された『ランタン』。瘴霧の魔王から人々を守る自警団だ。しかしそれは、始祖シルヴァリオスの栄光を保ち続けるための自作自演のものだった。瘴霧の魔王はシルヴァリオスへの怨念の集合体であり、それをシルヴァリオス自身が倒し続ける事によって、その栄光を維持してきたのだった。
黎明亭の給仕、リコットもその犠牲となった。そのままでは倒す事のできない瘴霧の魔王を斬るために、シルヴァリオスによって怨念の集合体をその身を依り代として受肉させられた。通常はそれをシルヴァリオスがリコットごと斬り捨てて終わるハズだった。しかし、リコットは怨念の集合体に同化せず、自己犠牲の精神で怨念の集合体の意識をまとめ上げ、逆にシルヴァリオスを倒してしまったのだ。
しかし、術者であるシルヴァリオスを倒したが、リコットの身体は完全に魔獣となってしまい、もはや喋る事もできなかった。何を言っても、ただの怪物の唸り声にしかならない。リコットはそんな魔獣として町を彷徨っていた。
そんなある時、何やかやあってリコットとドライツェーンが対峙した。
「
ドライツェーン
「私は彼との対話を希望します」
「
「ガウガウ~、ガウウゥ!!(ああ、可愛い女の子を発見。でも、考えてみると今の僕は服を何も着ていない。全裸だ。あんな可愛いコに全裸を見られるなんて、興奮するじゃないか~ww)
リコットは興奮と嬉しさのあまり、思わず両手を上げて万歳する。
「
ドライツェーン
「そんな、私はただ対話をしたいだけなのに・・・」
「ガウ~、ガウガウ~!!(違うよ~、僕も対話をしたいんだ~!!)」
「強い興奮状態にあるようです。恐らく戦闘態勢に入ったと見て間違いないでしょう」
「ガウゥ~、ガガガウ~!!(まずい、このままじゃ勘違いしたまま殺されちゃう!!)」
リコットは対話をする手段を考えた。言葉による対話ができないのなら、文字を書いて筆談をすればいいのではと思ったが、自分のゴツイ手ではとてもペンは握れないと思い諦めた。
そこで、最後の手段として身振り手振りで何とか伝える方法を考えた。もやはこれしか手段は残されていなかった。
リコットはまず自分を指さし、それからドライツェーンを指さした。
「ガゥガウゥ、ガガ~ウ~・・・(ボクはあなたと・・・)」
ドライツェーン
「私はあなたを・・・?」
それからリコットは自分の口を指でツンツンとつついてから、再びドライツェーンを指し示した。
「ガウ~!!(対話したい!!)」
ドライツェーン
「食べたい!?」
「ガウ~ウゥ!!(違~う!!)」
リコットは思わず、両手で地面を強く叩く。
ドライツェーン
「そんな、人を食べようとするなんて。やはり人間と魔獣は分かり合えないのね」
「
ドライツェーン
「仕方がない、こうなった以上、自分の身を守るために戦うしかない! 援護して、エウメニデス!」
「了解しました! 戦闘レベル、
そうしてドライツェーンとリコットは戦う事になってしまったのだった。
おしまい。