俺の親友はスカートを履くらしい   作:ガンガンいこうぜ!

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関係ないですけど、特定の個人や何かを判別できなくなる病気があるらしいですね。
関係ないですけど。


俺は親友と年越しをするらしい

ピンポーン

来客を知らせるチャイムがリビングに響く。

俺はソファに寝っ転がっていた体を起こし、おもむろにドアへ向かう。

ドアを開けると、ダウンコートに手袋、首にマフラーといった防寒着フルセットを着た瑞希が、袋を両手で抱えながら立っていた。

 

「おう。瑞希来たか。……で?その袋は?」

 

「白夜の家で年越ししたいって言ったら、お母さんとお姉ちゃんが持ってけって」

そう言う瑞希は困ったように眉を下げているが、その顔は緩んでいた。

 

「そっか。まあ上がれよ」

瑞希から袋を預かり、リビングへと持っていく。

 

「しっかし驚いた。いきなり俺の家で年越ししたいって言うんだから。家族とか大丈夫なのか?」

なんか向こうの家族に申し訳ない気がしてきた。

 

「大丈夫だよ。お母さんとお姉ちゃんに話したらニコニコしながら行ってきなさいって。お父さんは泣きそうになってたけど

ならいいか。

 

「ほーん」

そんな話をしているとリビングに着いた。

俺は机に袋を置き、袋を開ける。

中にはウナギやニラの他に、しょうがアボカドエビなどの統一性のない様々な食材が中に入っていた。

 

「おースゲー色々入ってる」

気前良いな瑞希の家族。

あ、

 

「やっば。そば買ってくるの忘れてた」

 

「そこに入ってない?」

 

「いや、なさ……そうだね。近くのスーパーで買ってくるわ」

俺は椅子にかかっていたコートとマフラーを巻く。

 

「え、いやボクが買ってくるよ」

 

「いや、いいよ。俺が行くって。瑞希はこたつにでも入ってゆっくりしてて」

 

「まあ、じゃあお言葉に甘えて……」

その言葉を聞いて安心した俺は、財布を持って家を出た。

 

***

 

「寒いな……」

外に出ると、さっきまで降っていなかった雪が降っている。

積もるかな。これ。

積もったら雪だるま作りたい。

ふと、視線を感じて隣の家を見た。

そこには、紫色の髪をポニーテールでまとめている容姿端麗な少女が俺を見ていた。

その顔は表情が抜け落ちており、その容姿も相まって本当に人形みたいだ。

少女は俺を見つめたまま動かない。まるで金縛りにあっているようだ。

 

 

誰もいなかった。

視線を感じたのは気のせいだったみたいだ。

 

「疲れてんのかな。俺」

白い息を吐き、冬が来たことを感じながらスーパーに向かった。

 

***

 

「ただいまー」

 

「おかえりー」

手を洗い、買ってきたそばをキッチンに置く。

 

「あ、もうガ〇使始まってんだ」

テレビを見るため、自分に近い位置にあるこたつの入口に入る。

 

「うん。……白夜。そこの位置テレビ見えずらいでしょ。こっち来なよ」

瑞希が自分の隣をポンポンと叩く。

 

「あーじゃあ、お言葉に甘えて」

俺は今いる場所から瑞希の隣へと移動する。

 

「もうすぐ受験だな」

 

「そうだねー白夜は推薦だっけ?」

 

「ああ。小論文書くのが億劫だ」

 

>ホウセイアウトー!

 

「でも、その分早く終われるじゃん。一般は勉強しなくちゃいけないし」

 

「いや、お前は余裕だろ。俺より頭いいし」

瑞希に呆れた目を向ける。

 

「てへ」

俺の目線に対して、瑞希はペロっと舌を出しおどけたような顔を作った。

似合ってんのがムカつく。

俺は瑞希の頬に手を伸ばし、頬を摘まむ。

柔らか……え?ナニコレ?スライムみたい。

 

「ひゃくや?ほこってる?はやまるからいうしてー」

許してという言葉が聞こえたので、頬から手を放す。

 

「お肌が……」

頬を撫で、こちらに非難の目を向ける瑞希。

 

「そんな強かったか?」

ちょっとつまんだ感覚だったんだが……

 

「強かったよぉー!お詫びに年越しそばのエビ天増やせー!」

 

「ごめんごめんて。わかったから叩くなー!」

 

***

 

「瑞希ー。そばできたぞーって寝てるのか……」

はしゃぎ過ぎたからか、瑞希は疲れて寝てしまった。

あいつ、よく深夜アニメリレーしてるって言っていたからこういうのに慣れてると思ったんだけどな。

こたつで寝るのも健康に悪いし……俺の部屋で寝かすか。

年越しそばは……麺と汁分けて保存して明日食べるよう。

年越したそばになるけど誤差だろ。多分。

キッチンで年越しそばを分解し、冷蔵庫で保存してから瑞希をお姫様抱っこで運ぶ。

かっる……しっかり飯食ってんの?

あまりの軽さに驚きながら、瑞希を俺の部屋へと運ぶ。

部屋に入り、瑞希をベットへと寝かす。

 

「おやすみ、瑞希」

その言葉と共に部屋を後にしようとしたが、後ろから何かに引っ張られた。

そのまま何かに引っ張られて、ベットの中に引きずり込まれる。

 

「いかないで……」

そんな寝言と共に、俺の服を弱弱しく掴む瑞希。

どんな夢見てるんだか……

瑞希を抱き寄せ、背中を優しくなでる。

何を怖がっているんだか……瑞希が必要としてる限り、俺はいなくならないのに。

ふと、部屋にある時計を見た。

長針が12の数字を越えていた。もう、年を越えたみたいだ。

 

「ハッピーニューイヤー。瑞希」

瑞希の耳元でそっと囁く。

俺は瑞希の体温を感じながら意識を落とした。




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