「よし…ここの星札は俺のものだな」
アドルフを撃破し、11の星札を手に入れたアンドレは1の星札を手に入れるために走り出す。
最古島の西側にあった11に対して、1は東側のため反対方向にある。
もしかしたら、ジャンに手に入れてもらった方が早いかもしれない。
そして、こちらでも近くの星宿で星札を手に入れておけば、二人で勝ち上がれる可能性が高まる。
「俺たち二人はそろってファイナルステージに勝ち上がって見せる。俺のジャンのWユニコーンでな」
「そういうことだ…。俺は訳あってこの島に残っている決闘竜の管理をしていてな、だからここにいる」
「管理、という言葉には嘘がないようだが、こうして現れるということは、俺に素直に渡すつもりはない…みたいだな。骸骨騎士の手に渡るよりはマシ、とは思わないか?」
ヒイロ本人は骸骨騎士がゴドウィンの言う通りの悪しき存在とは思っていない。
セクトを暴走させたことについては許せないが、押し付けられたとはいえ、決闘竜から2人を救う手段となりえる《異海龍マリンフォース》をもらったのは事実。
仮に骸骨騎士とゴドウィンが対立関係であることが正しいとするなら、ゴドウィンのいうパワーゲームに勝利するためには、少なくとも遊星かヒイロがここの決闘竜を手に入れた方が彼にとって有益だろう。
「ふっ…生憎、俺はひねくれものだからな。この決闘竜を従えるに足る存在か、否か…それを俺が見極めてやる」
ブレオがヒイロに見せたカードはこの星宿の決闘竜のカード。
プリズム状のパーツが腕と両腰についている白と青と黒のトリコロールのドラゴン。
そして、それぞれのパーツには爪による裂傷のような傷跡が刻まれている。
「紹介してやる。こいつは《旋風龍クリアウィング》。俺に勝って、手に入れて見せろ」
(何だ…?こいつからは闇の瘴気を感じない。既に何らかの手段で解放済みということか?)
わずかに感じた違和感を胸に、ヒイロはブレオに従うかのようにスタートラインに立つ。
「言っておくが、1回戦のような手抜きは無しだ。わかっているな?」
ヒイロの脳裏に浮かんだのは1回戦でブレオに勝利した時のことだ。
あの時、ブレオの墓地には《スキル・サクセサー》があり、勝利したタイミングはブレオのターンのバトルフェイズで、《サンダーストーム・ユニコーン》を《C:Hナックルドリーマー》で迎撃した瞬間だ。
確かに、《スキル・サクセサー》を発動したとしても、破壊されたことには変わらないものの、戦闘ダメージを抑えて敗北を避けることくらいはできた。
また、《サンダーストーム・ユニコーン》には破壊されたときに墓地の馬のシンクロモンスターを復活させる効果があり、それが使われたことを考えると、そこからの勝負はわからなかった。
デッキの残り枚数を考えると、ヒイロが敗北した可能性も大いにあり得る。
「あの時は事情もあったからな。だが、安心しろ。もうそんな手ぬるいことはしない。今回は本気でいかせてもらうぜ」
「「デュエル!!」」
ヒイロ
手札5
LP4000
ブレオ
手札5
LP4000
「先攻は俺がもらう。俺は手札からフィールド魔法《アームド・フィーバー》を発動。その効果で、俺は1ターンに1度、俺のメインフェイズ時にデッキから3体のC:Aを選択し、その中からランダムに1枚のカードを特殊召喚し、それ以外をデッキに戻す。俺が選ぶカードはこの3枚だ」
・C:Aウォーターサプライヤー
・C:Aアンデッドブレイカー
・C:Hガンフォックス
ブレオのDホイールに表示された3枚が裏向きになってシャッフルされた後で横一列にならぶ。
ブレオは迷うことなく真ん中のカードにタッチをし、そのカードがヒイロの手に渡り、フィールドに飛び出す。
C:Aアンデッドブレイカー レベル3 攻撃1000(チューナー)
「そして、俺は手札から魔法カード《プレイヤーズミッション:トレジャーハント》を発動。手札のC:H1体を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする」
手札から墓地へ送られたカード
・C:Hサイファー
「そして、俺は手札の《C:Hアンノウン》を召喚」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1600
「レベル4の《アンノウン》にレベル3の《アンデッドブレイカー》をチューニング。屍を切り刻む刃よ、戦士に鎧を与え、冥府の番人とせよ。シンクロ召喚。現れろ、《C:Hゾンビバスター》」
C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600
「さらに俺は手札から魔法カード《ダーティ・リボーン》を発動。俺のフィールドのサイボーグシンクロモンスター1体のコントロールをターン終了時まで相手に渡す。俺は《ゾンビバスター》のコントロールをお前に渡す」
《C:Hゾンビバスター》がヒイロにうなずいた後で跳躍し、ブレオのそばに立った。
「そして、その効果でコントロールが移ったモンスターよりも合計レベルが低くなるようサイボーグを2体まで墓地から守備表示で特殊召喚する。俺は墓地の《サイファー》を特殊召喚する」
《C:Hゾンビバスター》と入れ替わる形で出現する《C:Hサイファー》が相手フィールドにいる仲間に対してニヒルな笑みをうかべて見せた。
C:Hサイファー レベル6 守備2000
「更に、俺は手札から速攻魔法《シンクロ・トライセンド》を発動。相手フィールドのシンクロモンスター1体よりもレベルが1つ高いシンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。俺は《ゾンビバスター》よりもレベルが1つ高い《異界龍マリンフォース》を特殊召喚する」
異界龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
「そして俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド。ターン終了と同時に、《ダーティ・リボーン》の効果が終了し、《ゾンビバスター》は俺のフィールドに戻る」
ヒイロ
手札5→0
LP4000
場 異界龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600
C:Hサイファー レベル6 守備2000
伏せカード1
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札5
LP4000
場 なし
「いきなり1ターン目に2体のシンクロモンスターを含めて3体の上級モンスターか…。まぁ、決闘竜を複数従えようって馬鹿野郎なら、それくらいしないとな!!俺のターン!」
ブレオ
手札5→6
「俺もフィールド魔法を発動させてもらうぜ…。フィールド魔法《方界次元領域》」
フィールド魔法発動と同時に空が青から紫へと色を変え、ビルや土もまた紫色に染まっていく。
更に、上空には赤黒い渦が出現し、同時にブレオの瞳が紫色に染まる。
「ぐ、うう…!久々の決闘疾走だ…。体、もつかな…?」
(ブレオ…?)
「このフィールド魔法の発動処理時に、俺はデッキから方界カード1枚を手札に加える。俺は《流星方界器デューザ》を手札に加える。そして、俺は手札に加えた《デューザ》を召喚!」
球体上の体がいきなり光学迷彩を解いたかのようにフィールドに現れると、自らの全長よりも長い両腕を展開して浮遊する。
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
(方界…ユニコーンデッキじゃないのか?)
「《デューザ》の効果。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから方界カード1枚を墓地へ送ることができる。俺は《方界合神》を墓地へ送る。更に、手札の《A・ジェネクス・バードマン》の効果。自分フィールドのモンスター1体を手札に戻すことで、手札のこのカードを特殊召喚できる」
フィールドに出たばかりの《流星方界器デューザ》が再び両腕を格納して姿を消し、入れ替わるように《A・ジェネクス・バードマン》が現れると同時に近くのビルが崩れる。
A・ジェネクス・バードマン レベル3 攻撃1400(チューナー)
「何…?」
ビルの中から現れたのは手札に戻ったはずの《流星方界器デューザ》の姿だった。
「墓地の《方界合神》の効果さ。表側表示の方界モンスターが戦闘で破壊されるかフィールドを離れたとき、墓地から除外することで、手札・デッキから新たなレベル4以下の方界モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。その効果で、デッキから新たに特殊召喚したのさ。そして、《デューザ》の効果。デッキからもう1枚の《方界合神》を墓地へ送る」
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
「レベル合計は7…。シンクロ召喚か」
「そうさ。早くみたいだろうからな、決闘竜を。俺はレベル4の《デューザ》にレベル3の《バードマン》をチューニング…。幻惑の光を翼に宿し、螺旋の風で敵を貫け。シンクロ召喚。現れろ、《旋風龍クリアウィング》」
2体が禍々しい紫の光となってシンクロ召喚を行うと、上空に現れたのは先ほどブレオが見せた決闘竜。
それを見た《異界龍マリンフォース》は警戒するかのように攻撃の構えを見せた。
旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500
(それにしても、こいつが従える決闘竜がお前だなんてなぁ…。あの時を思い出すぜ…)
ニヤリと笑みをうかべるブレオだが、決闘竜を召喚しただけで終わるつもりは毛頭ない。
「俺は再び《方界合神》の効果を発動。こいつを除外し、デッキからもう1体の《デューザ》を特殊召喚。そして、《デューザ》の効果により、デッキから《方界業》を墓地へ送る」
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
「そして、墓地の《方界業》の効果。このカードを墓地から除外し、デッキから新たな方界モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから《方界胤ヴィジャム》を手札に加える。そして、手札に加えた《ヴィジャム》を召喚」
《流星方界器デューザ》と同じように、いきなりフィールドに現れる羽根のついた黒い一つ目の卵。
卵の上部にひびが入ると、そこから一つ目のついた触覚が生えてくる。
方界胤ヴィジャム レベル1 攻撃0
「そして、手札から魔法カード《シンクロ・クリード》。フィールドにシンクロモンスターが存在するとき、デッキからカードを1枚ドローできる。更に、フィールドにシンクロモンスターが3体以上存在する場合、更にもう1枚デッキからカードをドローできる」
フィールドに3体のモンスターが存在し、《流星方界器デューザ》を残して6枚の手札を維持する。
それと共にヒイロが気にしているのは攻撃力0の《方界胤ヴィジャム》だ。
(攻撃力0のこのモンスター…何かがある)
「バトル。《クリアウィング》で《マリンフォース》を攻撃」
「攻撃力の劣る《クリアウィング》で攻撃だと…?」
攻撃を仕掛けようとする《旋風龍クリアウィング》のパーツから放出される緑色の粒子。
その粒子がまとわりついた《異海龍マリンフィース》が苦しみ始める。
「《マリンフォース》!?」
「《クリアウィング》が特殊召喚された効果モンスターと戦闘を行うとき、そのモンスターの効果を無効にし、そのモンスターの元々の攻撃力分攻撃力がターン終了時までアップする。《マリンフォース》の効果は通用しないぜ!!」
旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500→5100
「いけ、《クリアウィング》!螺旋光槍(スパイラル・ライトスピア)!」
粒子にとらわれた《異海龍マリンフォース》に対して回転しながらドリルのように突撃する《旋風龍クリアウィング》。
胴体を貫き、回転を維持したままブレオのフィールドへと戻り、残った《異海龍マリンフォース》が爆散する。
「ぐおおおお!!!!」
決闘竜の一撃を受け、さらには大きなダメージを受けたヒイロ。
強烈なフィールは体を槍で貫かれた感覚で、激痛が収まらない。
ヒイロ
LP4000→1400
「へへ…ごっそりライフが減ったな」
「く…俺は罠カード《シンクロ・リベンジェンス》を発動。戦闘で俺のシンクロモンスターが破壊されたとき、破壊されたシンクロモンスターをエクストラデッキに戻し、そのモンスターの元々の攻撃力分、俺のライフを回復する…」
ヒイロ
LP1400→4000
「まだ攻撃は続く。《ヴィジャム》で《ゾンビバスター》を攻撃」
「今度は《ヴィジャム》か…」
攻撃力0にも関わらず、真正面から突っ込んでくる《方界胤ヴィジャム》を《C:Hゾンビバスター》が容赦なくチェーンソーで両断する。
両断されたモンスターの殻が粉々に砕け散るが、それは再び集結し、傷一つない《方界胤ヴィジャム》の姿へと戻る。
「《ヴィジャム》が破壊されない…それに、ダメージもないだと…」
「《方界次元領域》は変わったフィールドでな、戦闘で発生するお互いへの戦闘ダメージは0になる。だが、戦闘でモンスターが破壊された場合、そのモンスターのコントローラーは破壊されたモンスターのステータス分の戦闘ダメージを受ける。これについては《方界次元領域》の効果では無効化されない。そして、参照されるステータスは攻撃表示なら攻撃力、守備表示なら守備力だ。だから、《マリンフォース》が破壊されたとき、お前は2600の戦闘ダメージを受けたのさ。そして、《ヴィジャム》は戦闘で破壊されず、攻撃力も0。よって、俺への戦闘ダメージも0になる。そして、《ヴィジャム》は戦闘を行ったダメージステップ終了時、永続魔法扱いとして俺の魔法・罠ゾーンへ移動する。そして、戦闘を行った相手モンスターに方界カウンターを1つ置く」
「何!?」
《方界胤ヴィジャム》の殻の中にあった瘴気がチェーンソーに残留し、それが増殖して《C:Hゾンビバスター》を襲う。
チェーンソーを手放し、鉤爪で払おうとしても何も意味がなく、瘴気に飲み込まれた《C:Hゾンビバスター》が石化していく。
「これは…」
「方界カウンターが乗ったモンスターは攻撃できず、効果も無効化される。そして、メインフェイズ2に《ヴィジャム》の効果。自らの効果で魔法・罠ゾーンに移動している《ヴィジャム》を特殊召喚。ただ…これでターンエンドとはいかないよなぁ?手札から魔法カード《魂の解放》を発動。互いの墓地のカードを合計5枚まで除外できる。俺はお前の墓地の《アンノウン》、《ゾンビバスター》、《トレジャーハント》、《ダーティ・リボーン》、そして、《シンクロ・リベンジェンス》を除外する!」
墓地から排出される5枚のカードをヒイロは回収し、その様子をブレオがニヤリと笑いながら見つめる。
「どうも、逆転を狙ったキーカードだったようだな!だがこれで、無駄になったようだな、俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ヒイロ
手札0
LP4000
場 C:Hゾンビバスター(方界カウンター1) レベル7 攻撃2600
C:Hサイファー レベル6 守備2000
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札6→3
LP4000
場 旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃5100→2500
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
方界胤ヴィジャム レベル1 攻撃0
伏せカード2
方界次元領域(フィールド魔法)
「俺のターン!」
ヒイロ
手札0→1
「《アームド・フィーバー》の効果。俺が選択するのは、この3体」
・C:Aガンフォックス
・C:Aプロペラオウル
・C:Aビルドディアー
「苦し紛れな選択だな…さあ、出してこい、このカードを!」
ブレオによって選択される右側のカード、《C:Aガンフォックス》がフィールドに飛び出す。
自らの主であろう《C:Hサイファー》のそばに立ち、対峙する3体のモンスターを前に身構える。
C:Aガンフォックス レベル2 攻撃800(チューナー)
「レベル6の《サイファー》にレベル2の《ガンフォックス》をチューニング。シンクロ召喚。現れろ、現世と浮世を欺く銃士、《C:Hミラージュガンナー》」
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃2600
「《マリンフォース》を使わず、《ミラージュガンナー》を出したか!だが、そのモンスターでは、《クリアウィング》は倒せないぜ!」
「《ミラージュガンナー》の効果。1ターンに1度、墓地のC:A1体を装備できる。俺は墓地の《ガンフォックス》を装備する」
地面に出現する黒い魔法陣から射出される愛用の銃を手にした《C:Hミラージュガンナー》が不敵な笑みをうかべて《旋風龍クリアウィング》に銃口を向ける。
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃2600→3000
「そして、俺は手札から魔法カード《シンクロ・クリード》を発動。フィールドに3体のシンクロモンスターが存在することで、俺はデッキからカードを2枚ドローする」
いくら攻撃力を高めたとしても、《旋風龍クリアウィング》を前には無意味であることも、《方界胤ヴィジャム》の妨害を受けることも分かっている。
「(奴に対して力押しはできない。だが、突破口はあるはずだ)バトル。俺は《ミラージュガンナー》で《デューザ》を攻撃」
「させないぜ、俺は罠カード《方界降世》を発動。相手の攻撃宣言時、デッキから《ヴィジャム》を特殊召喚し、強制的に《ヴィジャム》と戦闘させる!」
《C:Hミラージュガンナー》が放つ弾丸をいきなり出現した《方界胤ヴィジャム》が受け止める。
銃弾で殻が砕かれるも、例のごとく元の姿へと修復され、瘴気が攻撃モンスターを縛り付けていく。
「せっかくのシンクロモンスターだが、彼にも方界カウンターが乗る。そして、効果は無効化される」
《C:Hゾンビバスター》と同じく石化する《C:Hミラージュガンナー》。
これでヒイロのフィールドで攻撃可能なモンスターは失われた。
C:Hミラージュガンナー レベル8 方界カウンター0→1
「はは、無駄な攻撃だったな!」
「俺は手札から魔法カード《テイク・オーバー5》を発動。デッキの上から5枚のカードを墓地へ送る。カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
デッキから墓地へ送られたカード
・C:Hネオン
・セカンド・サイボーグ
・C:Aウォーターサプライヤー
・貪欲な瓶
・ディメンション・スピード
ヒイロ
手札0
LP4000
場 C:Hゾンビバスター(方界カウンター1) レベル7 攻撃2600
C:Hミラージュガンナー(方界カウンター1、《C:Hガンフォックス》装備) レベル8 攻撃3000
伏せカード1
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札3
LP4000
場 旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
方界胤ヴィジャム レベル1 攻撃0
方界胤ヴィジャム(永続魔法)
伏せカード1
方界次元領域(フィールド魔法)
「俺のターン!」
ブレオ
手札3→4
「無様な姿になったお前のモンスターをすべて排除してやる!俺は永続魔法扱いの《ヴィジャム》を俺のフィールドに特殊召喚する!」
方界胤ヴィジャム レベル1 攻撃0
「そして、《デューザ》と2体の《ヴィジャム》を墓地へ送り、手札から《方界獣バスター・ガンダイル》を特殊召喚!」
3体の方界モンスターがオレンジの光のブロックの集合体へと変化し、増殖・合体していく。
そして、その姿を3つの黄金の塔が合体したかのような姿をした三つ目の要塞へと変貌していく。
方界超獣バスター・ガンダイル レベル4 攻撃0
「《バスター・ガンダイル》はこの効果で特殊召喚に成功した時、攻撃力が3000アップする。そして、このカードは1ターンに3回攻撃できる」
方界超獣バスター・ガンダイル レベル4 攻撃0→3000
「3回攻撃できる攻撃力3000のモンスターだと!?」
今のヒイロのフィールドにいる《C:Hゾンビバスター》と《C:Hミラージュガンナー》の攻撃力の合計は5600。
《方界次元領域》の効果で、2体が戦闘破壊されただけでヒイロの敗北が決まる。
おまけに、何らかの手段でそれを防いだとしても、待っているのは《方界獣バスター・ガンダイル》による2回のダイレクトアタック。
ただし、それはどちらのモンスターの効果も無効化されていなければの話だ。
(《旋風龍クリアウィング》の効果は効果を既に無効化されているモンスターに対しては意味がない。だが、攻撃力3000の《バスター・ガンダイル》であれば、どちらも倒せる。これで勝負は決まる)
「欲深い奴にふさわしい末路だな。その1体で満足すればいいものを!」
本来であれば、闇の瘴気によって使用者の正気を奪う決闘竜。
どのような手段かは知らないが、その瘴気を受けずに制御できる決闘竜を手にしていることはそれだけで大きな力と言える。
それが人の手に余るものだと知らずに、更にもう1つの決闘竜を手に入れようとする彼をブレオは理解できない。
「欲深いか…。かもな」
「何?」
「はっきり言って、俺が助けたいと思っている二人は本来は関係ない他人だ。俺はただの異邦人だからな…」
たとえ、この世界の死んだヒイロの願いを受けたとしても、別世界の人間である自分が本来、この世界に関わるべきではないだろう。
にもかかわらず、介入して、ただ似ているだけの他人二人の運命をどうにかしようとしている。
それは傲慢、欲深いといわれても仕方ないかもしれない。
「だがな、今の俺はそれがしたい。俺の感情に、心に従うだけだ。攻撃して来い、俺を倒せると思うならな」
「なら、望み通りに…!《バスター・ガンダイル》で《ゾンビバスター》を攻撃!」
3つの塔にエネルギーが凝縮されていき、三つ目から発射されるエネルギーの奔流。
絡み合う螺旋のような軌道を描くそれは《C:Hゾンビバスター》を貫き、爆散させてヒイロを襲う。
「うわあああああ!!!」
ヒイロ
LP4000→1600
「さあ、次は《ミラージュガンナー》だ!」
再びエネルギーを塔に集約させた《方界超獣バスター・ガンダイル》の三つ目が石化している《C:Hミラージュガンナー》に向けられる。
そのエネルギーを保持したまま《C:Hミラージュガンナー》へと突っ込んでいく。
「罠発動!《シンクロ・ライブラリー》!俺のフィールドのモンスターが戦闘を行うとき、墓地の俺のシンクロモンスターをすべて除外し、ダメージステップの間のみ、除外してモンスター1体につき、攻撃力を300アップさせる。俺は《ゾンビバスター》を除外する」
幻影として現れた《C:Hゾンビバスター》が《C:Hミラージュガンナー》をかばい、その巨体を受け止める。
石化している《C:Hミラージュガンナー》がわずかに残った力で右腕の自由を取り戻し、銃弾を《方界獣バスター・ガンダイル》にゼロ距離射撃を行う。
コアを撃ちぬかれた巨塔が砕け散り、その破片がブレオを襲う。
「ぐおおおお!!」
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃3000→3300(ダメージステップの間のみ)
ブレオ
LP4000→1000
「《バスター・ガンダイル》の元々の攻撃力は0。よって、《ガンフォックス》による効果ダメージは発生しない」
「窮鼠猫を噛む…か、やってくれたな、ヒイロ・リオニス!だが、相手によって破壊された時、《バスター・ガンダイル》は効果を発動!墓地の方界モンスターを3体まで特殊召喚する。現れろ、《デューザ》、そして2体の《ヴィジャム》!」
砕かれた破片がコース上に散らばり、それらが再び3つの塊に集約すると、元となった3体のモンスターの姿へと戻った。
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
方界胤ヴィジャム×2 レベル1 攻撃0
「そして、デッキ・墓地から方界カード1枚を手札に加える。俺は墓地から《方界降世》を手札に加える。そして、特殊召喚された《デューザ》の効果。デッキから《方界波動》を墓地へ送る。首の皮1枚つながったな。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ヒイロ
手札0
LP1600
場 C:Hミラージュガンナー(方界カウンター1、《C:Hガンフォックス》装備) レベル8 攻撃3000
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札4→2
LP1000
場 旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
方界胤ヴィジャム×2 レベル1 攻撃0
伏せカード2
方界次元領域(フィールド魔法)
(伏せカードおよび手札の内1枚、《方界降世》)
ライフは逆転しているものの、それでもブレオが有利なことには変わりなく、復活した《方界胤ヴィジャム》となおも健在な《旋風龍クリアウィング》がヒイロの行く手を阻む。
だが、これは決してヒイロの状況が好転したということにはならず、方界カウンターが乗った《C:Hミラージュガンナー》が動けないことにも変わりない。
「(次の攻撃、必ず奴は《方界降世》を使ってくる。戦闘で奴らを止めるのは危険だ。なら…)俺のターン!」
ヒイロ
手札0→1
「墓地の《テイク・オーバー5》の効果。墓地のこのカードを除外し、カードを1枚ドロー。そして、《アームド・フィーバー》の効果を発動!俺が選択するのはこの3枚のカードだ」
・C:Aサウンドキャット
・C:Aプロペラオウル
・C:Hビルドディアー
「そんなに性懲りもなくC:Aを増やしたところで、何の意味もないだろ!なら、俺は右のカードを選ぶ!」
「お前が選んだのは《サウンドキャット》だ」
C:Aサウンドキャット レベル3 攻撃400(チューナー)
「そして、俺は手札から永続魔法《プレイヤーズ・サロン》を発動。そして、《サウンドキャット》の効果。フィールドに存在するこのカードを《ミラージュガンナー》に装備する」
石化した《C:Hミラージュガンナー》に立てかけるようにギターを置いて立ち去る《C:Aサウンドキャット》。
それと同時に、ヒイロが発動した《プレイヤーズ・サロン》が淡く光る。
(装備に反応する永続魔法…?)
「《プレイヤーズ・サロン》の効果。俺のフィールドのC:Hに装備カードが装備されたとき、このカードの上にアームドカウンターを1つ置く:
プレイヤーズ・サロン(永続魔法)アームドカウンター0→1
「そして、このカードに乗っているアームドカウンター1つにつき、俺のフィールドのC:Hの攻撃力を200アップさせる」
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃3000→3200
「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ヒイロ
手札1→0
LP1600
場 C:Hミラージュガンナー(方界カウンター1、《プレイヤーズ・サロン》の影響下、《C:Hガンフォックス》《C:Aサウンドキャット》装備) レベル8 攻撃3200
伏せカード1
プレイヤーズ・サロン(アームドカウンター1)(永続魔法)
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札2
LP1000
場 旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600
方界胤ヴィジャム×2 レベル1 攻撃0
伏せカード2
方界次元領域(フィールド魔法)
(伏せカードおよび手札に内2枚、《方界波動》《方界降世》)
「よっぽどその《ミラージュガンナー》が大事なようだな!俺のターン!ドロー!!」
ブレオ
手札2→3
「だがいい加減目障りだ。さっさと消えてもらおうか!俺は永続罠《追走の翼》を発動!この効果の対象は《クリアウィング》!これで、《クリアウィング》は戦闘および相手のカード効果では破壊されない。そして、《クリアウィング》がレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うとき、戦闘を行う相手モンスターをダメージステップ開始時に破壊し、ターン終了時まで破壊したモンスターの元々の攻撃力分、攻撃力がアップする!これで、たとえ効果が無効になっているモンスターであっても、レベル5以上であれば突破できる」
《追走の翼》から放たれる緑色の光を受けた《旋風龍クリアウィング》の体が緑色のオーラに包まれていく。
なおも抵抗を続けようとする《C:Hミラージュガンナー》を見下ろしながら、周囲を旋回し始めた。
「念には念だ、手札から魔法カード《方界波動》を発動!俺のフィールドの方界モンスター1体の攻撃力を倍にし、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にする。力を奪え、《デューザ》!」
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃3200→1600
流星方界器デューザ レベル4 攻撃1600→3200
「これで、せっかくの《ミラージュガンナー》ももう風前の灯火、このバトルフェイズでお前の敗北が決まる!さあ、《クリアウィング》!《ミラージュガンナー》を攻撃しろ!同時に、《追走の翼》の効果!この風で貴様のモンスターは葬られる!」
旋回飛行する《旋風龍クリアウィング》のパーツから放たれる竜巻が石化した《C:Hミラージュガンナー》を襲う。
旋風の中で、《C:Hミラージュガンナー》は粉々に砕け散る。
旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃2500→5100
「俺は墓地の《サイファー》の効果を発動!俺のフィールドのC:Hシンクロモンスターが相手によって破壊されたとき、墓地のこのカードを除外し、破壊されたモンスターを守備表示で復活させることができる。もう1度現れろ、《ミラージュガンナー》!」
何かの反応に気づいた《旋風龍クリアウィング》がその反応を感じた星宿に目を向ける。
その頂上には自由の身となった《C:Hミラージュガンナー》の姿があった。
C:Hミラージュガンナー レベル8 守備2300
「そして、この効果で除外された《サイファー》は次の俺のターンのスタンバイフェイズ時に手札に加わる。更に、俺は墓地の《ディメンション・スピード》の効果を発動!俺のフィールドに墓地からシンクロモンスターが特殊召喚されたとき、墓地のこのカードと除外されている俺のカード1枚を入れ替える。俺は《ディメンション・スピード》を除外し、除外されている《トレジャーハント》を墓地へ戻す。」
「だが、たとえ復活させたところで装備カードのない今の《ミラージュガンナー》に《クリアウィング》の攻撃は防げない!そして、《方界次元領域》の効果で、《ミラージュガンナー》が戦闘破壊されたとき、お前はそのモンスターの守備力である2300のダメージを受ける!悪あがきだな!!そして、無駄だが《クリアウィング》の効果も発動だ!これで、《ミラージュガンナー》の効果は無効となり、《クリアウィング》はさらにパワーアップする」
旋風龍クリアウィング レベル7 攻撃5100→7700
今度こそとどめを刺すべく、《旋風龍クリアウィング》が回転しながら突撃していく。
「俺は速攻魔法《緊急装着》を発動!装備カードを装備していないC:HにデッキからC:A1体を装備カードとして装備させる。俺は《シノビラクーン》を装備させる!
突撃が命中するギリギリのところで《C:Hミラージュガンナー》が姿をくらます。
「何!?」
「《シノビラクーン》を装備した《ミラージュガンナー》は1ターンに1度、戦闘およびカード効果では破壊されない。更に、相手モンスターとの戦闘で発生する俺へのダメージも0になる」
「くっ!だが、まだ《デューザ》の攻撃が残っている!」
地上に姿を現した《C:Hミラージュガンナー》に向けて、《方界波動》の力によってエネルギー出力を向上させた《流星方界器デューザ》が回転しながら突っ込んでくる。
《C:Hシノビラクーン》から託された忍び装束の力をこれ以上使うことができず、切り裂かれた《C:Hミラージュガンナー》が消滅する。
「《方界次元領域》による戦闘ダメージはダメージステップ終了時だ。《シノビラクーン》がいない今のお前に、それを防ぐ手段はない!これで終わりだ!!」
回転を止めない《流星方界器デューザ》がヒイロに向けて突撃していく。
「俺は墓地の《トレジャーハント》の効果を発動。俺のフィールドのC:Aを装備したモンスターが戦闘で破壊され、俺が戦闘ダメージを受ける時、代わりに墓地のこのカードを除外できる」
透明なバリアがかろうじてヒイロを敗北へ向かう一撃から守り抜く。
「そして、《ミラージュガンナー》が破壊される前に装備カードを装備したため、《プレイヤーズ・サロン》にアームドカウンターが1つ乗る。更に、墓地の《ネオン》の効果。墓地のこのカードと破壊された《ミラージュガンナー》をデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする」
プレイヤーズ・サロン(永続魔法)アームドカウンター1→2
「だが、これでお前のフィールドからモンスターはいなくなった。何一つ、俺の勝利は揺るがない!俺はこれで、ターンエンド!」
ヒイロ
手札0→1
LP1600
場 プレイヤーズ・サロン(アームドカウンター2)(永続魔法)
アームド・フィーバー(フィールド魔法)
ブレオ
手札3→2
LP1000
場 旋風龍クリアウィング(《追走の翼》の影響下) レベル7 攻撃7700→2500
流星方界器デューザ(《方界波動》の影響下) レベル4 攻撃3200
方界胤ヴィジャム×2 レベル1 攻撃0
追走の翼(永続罠)
伏せカード1
方界次元領域(フィールド魔法)
(伏せカードおよび手札の内1枚、《方界降世》)
ヒイロを守るモンスターはフィールドになく、手札も0。
スタンバイフェイズ時に《C:Hサイファー》が手札に戻るとしても、それだけでは自体は何も変わらない。
(おそらく、これがラストターンだ…)
デッキトップに指をかけ、上空の《旋風龍クリアウィング》を見る。
見ていると、急にヒイロの脳裏に景色が浮かぶ。
(なんだ、これは…?)
真っ暗な空と燃え上がる大地。
そこで、《魔王龍ベエルゼ》と《煉獄龍オーガ・ドラグーン》と共に地上の人々を襲う、黒い瘴気で身を包んだ《異海龍マリンフォース》の姿。
人々を水で押し流していった直後に景色が急に変わり、同じような場所で対峙する《妖精竜エンシェント》が放つ光によって瘴気が消えていく《異海龍マリンフォース》の姿。
(今の景色は…?)
視界が元に戻り、先ほども景色のことに思考が傾きかけていた自分を修正する。
幸い、あの景色を見てから時間は経過していない。
「(今はこの決闘疾走に勝つことだけだ!)俺のターン!」
ヒイロ
手札1→2
「スタンバイフェイズ時、除外されている《サイファー》は手札に戻る。そして、俺のフィールドにモンスターが存在しないとき、《サイファー》はリリースなしで召喚できる」
「装備を変え、姿を変えてまた現れるのか!!」
《C:Hミラージュガンナー》としての装備を失い、傷だらけになっている《C:Hサイファー》。
損傷している義肢で応急修理で再起動させており、スパークしているのを気にせずに相手に目を向ける。
C:Hサイファー レベル6 攻撃2000
「そして、俺はデッキから《ブーストタイム》を墓地へ送り、手札から魔法カード《ブーストチェンジ》を発動。俺のフィールドの装備カードを装備していないシンクロモンスター以外のモンスター1体をリリースし、エクストラデッキからそのモンスターと同じレベルのサイボーグシンクロモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。現れろ、《C:Hオーバーブースト・ランナー》」
突然フィールドに現れた《C:Hランナー》が疲れを見せる《C:Hサイファー》の肩に手を置き、静かにうなずく。
その様子を見た《C:Hサイファー》の口元が緩むと同時に姿を消すと、《C:Hランナー》の体にバイクのマフラーを模したパーツが両腕と両足に装着された赤いアーマーが取り付けられた。
C:Hオーバーブースト・ランナー レベル6 攻撃2100→2500
「《オーバーブースト・ランナー》の効果。装備カードを装備していないこのカードをリリースすることで、相手フィールドに表側表示で存在するモンスターの効果を無効化する!」
マフラーから炎を放ち、《C:Hランナー》がDホイール以上のスピードで走り出す。
そのスピードのままブレオのフィールドのモンスターたちに強襲を仕掛け、モンスターたちは傷を負っていく。
闇の瘴気やパーツからの光が襲おうとも、そのスピードを捉えることができず、傷を増やすばかり。
だが、それだけのスピードはリミッターを解除しているが故に出せることで、やがてアーマーが限界を迎えたことで、《C:Hランナー》が消滅する。
ブレオのフィールドのモンスターたちは撃破こそされていないものの、効果を発動できないほど傷ついていた。
「こんなものがどうした!?《方界次元領域》の効果で《ヴィジャム》を倒しても戦闘ダメージは0。おまけに攻撃力3200の《デューザ》と《追走の翼》の効果を受けた《クリアウィング》もいるんだぞ!」
「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動!その効果により、俺は墓地の《オーバーブースト・ランナー》を再び特殊召喚する!」
アーマーがボロボロのまま再び現れる《C:Hランナー》。
だが、彼女はまだ走れるといわんばかりに姿勢を屈め、合図を待っていた。
C:Hオーバーブースト・ランナー レベル6 攻撃2100→2500
「そして、俺は手札の《プロペラオウル》の効果を発動。このカードを《オーバーブースト・ランナー》に装備する」
プレイヤーズ・サロン(永続魔法) アームドカウンター2→3
C:Hオーバーブースト・ランナー レベル6 攻撃2600→2700
「そして、《オウル》を装備した《オーバーブースト・ランナー》の効果。このカードをリリースし、自らと装備したC:Aのレベルの合計以下のレベルを持つC:Hをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!レベルの合計は8。再び現れろ、《C:Hミラージュガンナー》」
プロペラを手にした《C:Hランナー》が再び走り出す。
走る彼女の体が緑色の光となって霧散し、再集結するとそれは《C:Hミラージュガンナー》へと変貌した。
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃2600→3200
「そして、俺は墓地の《シンクロ・ライブラリー》の効果を発動。俺がレベル8以上のシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、墓地のこのカードを除外することで、除外されている俺のカードを3枚まで墓地かデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする」
除外状態から墓地へ戻したカード
・C:Hゾンビバスター
・C:Hアンノウン
・シンクロ・リベンジェンス
「《ミラージュガンナー》の効果。墓地の《ガンフォックス》を装備カード扱いとして自分に装備し、攻撃力をアップ」
C:Hミラージュガンナー レベル8 攻撃3200→3600→3800
プレイヤーズ・サロン(永続魔法) アームドカウンター3→4
「くっ…だが、まだ…」
ブレオの視線が自らの伏せカードに向けられる。
(セットしているカードは《方界降世》、デッキにはまだ《ヴィジャム》がいる。これで、《ミラージュガンナー》が《デューザ》を攻撃対象にしようとも…)
「俺は《プレイヤーズ・サロン》の効果を発動。アームドカウンターを4つ取り除き、俺のフィールドのC:H1体をデッキに戻す。俺は《ミラージュガンナー》をデッキに戻す」
ヒイロの言葉を受け、大きく跳躍した《C:Hミラージュガンナー》がその姿を消す。
「せっかくシンクロ召喚して呼び戻した《ミラージュガンナー》を!?」
「そして、そのモンスターと同じレベルで名前の異なるシンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはC:Hとしても扱う」
「《ミラージュガンナー》のレベルは8…まさか!!」
「そうだ!俺が呼び出すのは《異海龍マリンフォース》!!」
コース上に突然点にまで届くほどの水柱が発生する。
その中から《異海龍マリンフォース》が飛び出し、自らを撃破した《旋風龍クリアウィング》と対峙する。
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
「そして、この効果でシンクロモンスターをデッキに戻した場合、《マリンフォース》は墓地か除外されているC:A1体を装備できる。俺は《ガンフォックス》を《マリンフォース》に装備」
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600→3000→3200
プレイヤーズ・サロン(永続魔法) アームドカウンター4→0→1
「バトル。俺は《マリンフォース》で《クリアウィング》を攻撃」
攻撃命令を受けた《異海龍マリンフォース》が攻撃の構えを見せ、同時に《旋風龍クリアウィング》が旋風を起こすべく回転を開始する。
「《クリアウィング》を攻撃!?」
「言っておくが、《追走の翼》は無意味だ。《ブーストチェンジ》を発動したターン、俺のC:Hシンクロモンスターはカード効果では破壊されない。C:Hとしても扱い《マリンフォース》も同じだ」
「なら俺は罠カード《方界降世》を発動!デッキからもう1体の《ヴィジャム》を特殊召喚し、そのモンスターと強制的に戦闘してもらうぞ!!」
3体目となる《方界胤ヴィジャム》がフィールドに現れ、旋風が消えた《旋風龍クリアウィング》を守るべく立ちはだかる。
方界胤ヴィジャム レベル1 攻撃0
「たとえカード効果で破壊されないとしても、《ヴィジャム》の呪縛からは逃れられない!」
《異海龍マリンフォース》が放つ水流を受けた《方界胤ヴィジャム》が砕けるも、中に宿していた瘴気が《異海龍マリンフォース》に襲い掛かる。
だが、瘴気は水のオーラに弾かれ、《異海龍マリンフォース》を捉えることができない。
「何!?いったい、どうして…!?」
「これ以上、お前にそんな勝手はさせない!俺は手札の《海の申し子コロ》の効果を発動!手札のこのカードを墓地へ送ることで、お前は俺のフィールドのマリンフォースシンクロモンスターの元々の攻撃力分ライフを回復する」
「俺のライフを!?」
ブレオ
LP1000→3600
「そして、俺のマリンフォースシンクロモンスターはこのターン、相手のカード効果を受けない。そして、《マリンフォース》は1度のバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃できる」
海賊のバンダナを頭に着けたコロが両手で旗を振り、そこから放たれる光が《方界胤ヴィジャム》の瘴気を消し去っていく。
自由となった《異海龍マリンフォース》は両手に力をため、再び視線を倒すべき敵に向ける。
「くっ…!」
「《方界次元領域》の効果で、お前が受ける戦闘ダメージは《クリアウィング》と同じ2500。そして、装備している《ガンフォックス》の効果により、破壊された《クリアウィング》の攻撃力分のダメージも受けてもらう!龍化激流!」
両手から放たれる水が龍となり、力を発揮できない《旋風龍クリアウィング》を襲う。
撃ちぬかれた《旋風龍クリアウィング》が消滅し、咆哮する水の龍はブレオに襲い掛かった。
「ぐおおおおおおお!!!!」
ブレオ
LP3600→1100→0
プレイヤーズミッション:トレジャーハント
通常魔法カード
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1):手札の「C:H」1体を墓地へ送ることで発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
(2):自分フィールドに存在する「C:A」を装備しているモンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊され、そのコントローラーが戦闘ダメージを受ける時、代わりにこのカードを墓地から除外できる。
ダーティ・リボーン
通常魔法カード
(1):自分フィールドに存在する「サイボーグ」Sモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターのコントロールをターン終了時まで相手に移る。その後、自分の墓地からレベルの合計が対象となったモンスターのレベルよりも低くなるように、「サイボーグ」モンスターを2体まで守備表示で特殊召喚する。
旋風龍クリアウィング
レベル7 攻撃2500 守備2000 シンクロ 闇属性 ドラゴン族
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、このカードが特殊召喚された相手の効果モンスターと戦闘を行うときに発動する。そのモンスターの効果を無効化し、ターン終了時までこのカードの攻撃力を戦闘を行う相手モンスターの元々の攻撃力分アップする。
シンクロ・リベンジェンス
通常罠カード
(1):自分フィールドのSモンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊されたときに発動できる。そのSモンスター1体をEXデッキに戻し、そのモンスターの元々の攻撃力分、自分LPを回復する。
(2):自分フィールドのSモンスターがその攻撃力よりも高い攻撃力を持つ相手モンスターと戦闘を行うとき、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。攻撃モンスターの攻撃力をターン終了時まで元々の攻撃力分アップする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。
方界次元領域
フィールド魔法
(1):このカードの発動処理時、自分はデッキから「方界」カード1枚を手札に加えることができる。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いのプレイヤーはレベル5以上のモンスターをリリース無しで召喚できる。
(3):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いのプレイヤーが直接攻撃以外で受ける戦闘ダメージは0になる。
(4):フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊した時に発動する。破壊したモンスターの攻撃表示の場合は攻撃力分のダメージ、守備表示の場合は守備力分の戦闘ダメージをそのモンスターのコントローラーは受ける。この戦闘ダメージは「方界次元領域」の効果を受けない。
プレイヤーズ・サロン
永続魔法
このカード名のカードはフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。
(1):自分フィールドの「C:H」モンスターが装備カードを装備する度、このカードの上にアームドカウンターを1つ置く。
(2):自分フィールドの「C:H」モンスターの攻撃力はこのカードの上に乗っているアームドカウンターの数×200アップする。
(3):このカードの上に乗っているアームドカウンターを4つ取り除くことで発動できる。自分フィールドに存在する「C:H」1体をデッキに戻す。その後、その効果でデッキに戻したモンスターと元々の名前が異なり、同じレベルのSモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはルール上、「C:H」モンスターとしても扱う。この効果で「C:H」Sモンスターをデッキに戻した場合、以下の効果を適用する。
●自分の墓地・除外状態の「C:A」モンスター1体を装備カード扱いとしてこの効果で特殊召喚されたモンスターに装備する。
ディメンション・スピード
通常罠カード
(1):このカードは発動後、装備カード扱いとして自分フィールドのSモンスター1体に装備できる。この効果でこのカードを装備したモンスターは相手の効果の対象にならず、戦闘では破壊されない。
(2);このカードが墓地に存在し、自分の墓地に存在するSモンスターが自分フィールドに特殊召喚されたとき、墓地に存在するこのカードを除外し、除外状態の自分のカード1枚を対象に発動できる。そのカードを墓地へ戻す。
ブーストチェンジ
通常魔法カード
(1):自分の手札・デッキに存在する「ブーストタイム」を墓地へ送ることで発動できる。自分フィールドに存在するSモンスター以外のモンスター1体をリリースし、そのモンスターと同じレベルの「C:H」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。このカードを発動したターン、自分フィールドの「C:H」Sモンスターはカード効果では破壊されない。
C:Hオーバーブースト・ランナー
レベル6 攻撃2100 守備1800 シンクロ 地属性 戦士族
「C:A」チューナー1体+「C:Hランナー」
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1):「C:A」装備カードを装備していないこのカードをリリースすることで発動できる。相手フィールドに表側表示で存在するモンスターの効果を無効化する。
(2):「C:A」装備カードを装備しているこのカードをリリースすることで発動できる。その時装備していたカードとこのモンスターのレベルの合計以下のレベルを持つ「C:H」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
シンクロ・ライブラリー(漫画オリカ・調整)
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールド上に存在するモンスターが戦闘を行う場合に発動する事ができる。自分の墓地に存在するSモンスターを全てゲームから除外する。そのモンスターの攻撃力はダメージステップの間、除外したカードの枚数×300アップする。
(2):自分がレベル8以上のSモンスターのS召喚に成功した時、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。ゲームから除外されている「シンクロ・ライブラリー」以外の自分のカードを3枚まで墓地に戻すか、デッキに加える。その後、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
海の申し子コロ
レベル1 攻撃0 守備0 チューナー 水属性 天使族
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「マリンフォース」Sモンスターが存在するとき、手札のこのカードを墓地へ送り、そのモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力分、相手はLPを回復する。対象となったモンスターはこのターン、相手の効果を受けない。また、そのモンスターは1度のバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃できる。
(2):自分フィールドのレベル7以上のSモンスターが戦闘または相手によって破壊された場合に発動できる。墓地に存在するこのカードを手札に加える。
決闘疾走が終わり、《異海龍マリンフォース》の攻撃を受けたブレオのDホイールが停止する。
大きく損傷したDホイールを降りたブレオがそれを背もたれにしてその場に座り込み、そのそばでヒイロはDホイールを止める。
「はは…馬鹿なことをする。どっちにしても結果は同じだが、《デューザ》を攻撃してもよかっただろ…?」
「俺はまだ、《クリアウィング》を破壊していない。決闘疾走で勝利をしても、それではまだ足りない。倒すことで、証明したかっただけだ」
「そうか…完敗だよ…」
ヘルメットを外し、空を見上げるブレオ。
だが、ブレオの目に映る右手は灰化し始めていて、腕をおろすと右手が形を失っていた。
「その体は…」
「この肉体は…《クリアウィング》に挑み、破れた人間のもの…。俺は、肉体を移し変えながら、番人をしていたのさ…。で、こいつの体の持ち主、ブレオも…ここで《クリアウィング》を手に入れようとして、死んだってわけだ。遠い昔の、話だがな」
「なら、奴の仲間のジャンとアンドレは…?」
「記憶を書き換えただけだ…もう、あいつらも俺のことを忘れているさ。ゴドウィンの命令でな…。おっと、勘違いするなよ、あいつの思惑に乗せられるつもりは毛頭ない。こいつを使える人間を探していた、それだけだ」
番人はまだ形を保っている左手で《旋風龍クリアウィング》を握り、ヒイロに向けて投げる。
「持っていけ…これで、番人としての俺の役目は、終わりだ…。ああ、やっと終われる…」
どんどん番人の体が灰となり、それに消えていく。
その様子をヒイロは何も言わずに見つめていた。
「何千年も、こんなことをしてりゃあ、つかれるってもんさ…。こうして、俺を打ち負かして、手に入れてくれる奴がいてよかった…。ま、ここから、いろいろ大変だろうが…任せたぜ、今世の決闘神官…いや、異界の、決闘神官さんよ…」