「ヒイロ、これ…」
龍亜から手渡された星札を受け取ったヒイロは遊星とともに自分の手持ちの星札を確認する。
星宿で6の星札を手に入れた遊星2と4と6で合計12となり、セカンドステージ突破が確定した。
ヒイロもまた、9と3と5、そして龍亜から手に入れた7があり、セカンドステージ突破が確定している。
「いくぞ、遊星。決闘門へ」
「待って、ヒイロ、遊星も…。決闘門へは、行かない方がいいと思うんだ」
「龍亜…」
「D1GPは世界一の決闘疾走者を決める大会じゃない。ゴドウィンが何か邪悪な儀式に決闘疾走者を利用してるんだ。ボクたちのように…だから…」
きっと、そこへ行ったらゴドウィンの思うつぼかもしれない。
龍亜も龍可も、その儀式の目的はわからない。
だが、決闘竜で自分たちを洗脳し、ヒイロと決闘疾走させたことから考えると、とてもろくなことをするとは思えない。
そんな危険な場所に2人を行かせたくない。
「龍亜…」
不安な表情を見せる龍亜に遊星は視線を彼に合わせるように地面に座り、彼の両肩に手を置く。
何も心配することはないと伝えるように笑顔を見せる。
「そうだとわかっていても、俺にはそこへ行く理由がある。お前が龍可を救いたいと願ったように、俺にもそこに助けたい仲間がいるんだ。決闘門の向こうで…だから、行くんだ」
「遊星…ねえ、ヒイロは!ヒイロは行かないよね?だって…」
ヒイロの言葉が正しければ、こうして自分たちを助けた時点でもうヒイロにはこの事態に首を突っ込む理由はないはず。
このまま一緒に逃げてくれたら、そう思ってしまう。
「龍亜…」
「龍可…」
「…行くんだよね?ヒイロ…」
「ああ…この世界の俺が言っている。まだ、俺にはやることがこの世界にあることを」
確かに龍亜と龍可を救うという役目は終えたかもしれない。
だが、二人を苦しめたゴドウィンは健在で、なおかつ骸骨騎士も存在する。
彼の儀式そのものを止めない限り、まだ戦いは終わらない。
「お前たちは最古島、いや…シティから離れろ。少なくとも、この事件が終わるまでは」
「ヒイロ…」
「じゃあな、龍亜、龍可。幸せにな」
背を向け、ストライクチェイサーに乗ったヒイロはモーメントを起動させる。
アクセルを踏もうとしたとき、龍可が駆け寄る。
「…いってらっしゃい、ヒイロ」
背伸びをした竜可の唇がヒイロの頬に触れる。
柔らかな感触が当たった個所に触れたヒイロは嫌がる様子はなく、龍可の頭を撫でた。
「ああ…行ってくる。行くぞ、遊星」
ヒイロと遊星のDホイールが決闘門へ向けて走り去っていく。
その様子を二人はじっと見つめていた。
セカンドステージ始まりの場所にして終わりの場所でもある決闘門。
その前でヒイロと遊星は合計12となるようにデュエルディスクに星札を置く。
12の星札を認識した決闘門が開き、その先の道が2人の視界に入る。
「工場の迷宮…この先にゴドウィンとセクトが…?」
「いくぞ、遊星。奴らに時間を与える必要はない…。だが」
「ヒイロ…?」
「何をこそこそしている?道化師。姿を見せろ」
「ヒヒヒヒ!初めてですよ、これほどしっかり隠れているのに、気づかれるとは」
ヒイロの言葉が正しいといわんばかりに、歯を見せて笑う悪魔のようなヘッドパーツのDホイールとそれに乗ったイェーガーが影から姿を見せる。
ニヤニヤ笑うイェーガーに対して、ヒイロは表情一つ変えない。
「ここにいるということは、お前の役目はここに来る邪魔者の排除。特に、俺たちのような決闘竜を持つ決闘疾走者以外の排除、そうだろう?」
「ご名答。最も、邪魔者というのはセカンドステージ参加者には限りませんがね」
指を鳴らすとイェーガーの頭上に数多くのカードが出現する。
通常モンスターカードのイラストには人間の上半身が描かれており、どれも生々しいデザインだった。
「アンドレ、ダービー…」
「なぜボマーや、ファーストステージ参加者たちまで!?」
「人質は多くあるにこしたことはありませんからね。それに、彼らは人質以外にも役立つ」
「遊星、お前は先に行け。俺は奴を倒してからいく」
「ヒイロ…だが?」
「早くしろ、伊集院を助けに行くんだろう?それに…奴には借りがある。2人のな」
決闘疾走の中で龍亜と龍可の記憶を見たとき、二人に決闘竜を渡してこの事件に巻き込んだピエロの男はイェーガーだということがわかっている。
ゴドウィンの命令で動いたことはわかっているが、それでも彼もまた倒さなければならない相手だということには変わりない。
「…分かった。負けるなよ」
遊星が走り去り、それを見送ったヒイロは鋭い視線をイェーガーに向ける。
「はて…あなたもまた、ここを進む資格のある人間。そんなあなたが私と戦う理由はないはずですが?」
「俺にはある。俺に勝ったなら、俺の決闘竜はくれてやる。その条件なら、やりたくなるだろう?その代わりに、俺が勝ったなら、人質を全員解放してもらう」
「ほぉ…」
嘲笑するような笑いをやめたイェーガーはヒイロが見せる2枚の決闘竜のカードを見つめる。
やがて、何かを決めたかのようにニヤリと笑う。
「よろしい、決闘疾走をして差し上げましょう!私イェーガー、そしてデステニー・クラウンが!ゴールはこの迷宮の先にある祭壇、そこにゴドウィン様がお待ちしておりますからね」
イェーガーがDホイールの画面を操作すると、逃げ道をふさぐかのように決闘門が閉じていく。
二人が並び、5枚のカードをドローする。
「「決闘!!」」
決闘疾走開始の合図と同時に両者のDホイールが発進する。
先に出たのはヒイロで、イェーガーとの差が広がっていく。
「ほぉ…私のデステニー・クラウンを上回るスピード…ですが!!」
デステニー・クラウンの画面下に備え付けられているボタンを押すと、急激にモーメントの出力が上昇していき、それによってイェーガーが一気に加速してヒイロを追い越す。
「加速装置か…」
「最新鋭Dホイールに搭載が検討されているDブーストでございますよ!!これで…私が先攻です!!」
イェーガー
手札5
LP4000
ヒイロ
手札5
LP4000
「私の先攻。私は手札から魔法カード《手札断殺》を発動。お互いに手札を2枚墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローします」
「手札交換か…」
手札から墓地へ送られたカード
ヒイロ
・C:Hネオン
・トリック・ガード
イェーガー
・道化傀儡の奇術団
・儀式魔人カースエンチャンター
「そして、私は手札から《儀式の準備》を発動。このカードはデッキからレベル7以下の儀式モンスター1体を手札に加え、そのあとで墓地の儀式魔法1枚を手札に加えることができます。私はデッキから《道化傀儡王パントミーメ》と墓地の《道化傀儡の奇術団》を手札に加える。そして、手札から《道化傀儡の奇術団》を発動。手札とフィールドのモンスターを儀式素材として、手札の《パントミーメ》の儀式召喚を行います!そして、墓地の《カースエンチャンター》は自らを除外することで儀式素材となることができる。私は手札の《デモリッシャー》と墓地の《カースエンチャンター》を儀式素材とします!」
上空に出現する魔法陣が描かれたトランポリン。
そこに2体の儀式魔人が現れ、大きく跳躍するとともに肉体が分解され、一つとなっていく。
それをトランポリンの魔法陣の光が生み出す柱が飲み込み、その光から飛び出したのは角のついた帽子と太い縁の丸眼鏡をかけたピエロというべきモンスターで、彼を守るように6つの球体が浮かんでいた。
「これが私のエースモンスター、《道化傀儡王パントミーメ》です!!」
道化傀儡王パントミーメ レベル7 攻撃1600
「そして、私はカードを2枚伏せてターンエンド。さあ、あなたのターンです」
イェーガー
手札5→0
LP4000
場 道化傀儡王パントミーメ(《儀式魔人カースエンチャンター》、《儀式魔人デモリッシャー》の影響下) レベル7 攻撃1600
伏せカード2
ヒイロ
手札5
LP4000
場 なし
「2体の儀式魔人を素材か…」
「ヒヒヒ、お気づきのようですね?儀式魔人は自らを素材とした儀式モンスターに力を与える。《カースエンチャンター》の力により、《パントミーメ》が表側表示で存在する限り、シンクロモンスターの効果は無効となり、更に《デモリッシャー》の力により、《パントミーメ》は相手の効果の対象にならないのです」
《道化傀儡王パントミーメ》の背後に現れる2体の儀式魔人の幻影。
それらは6つの球体のうちの2つに入り、その中から彼を助けている。
「対シンクロか…」
元の世界のイェーガーのことをヒイロは思い出す。
彼とデュエルをしたことはないが、実際に戦ったことのあるクロウは彼の対シンクロ戦術に苦戦したという。
目の前のイェーガーも戦い方は違うとはいえ、対シンクロ戦術を使うという点では変わりないといえる。
「俺のターン」
ヒイロ
手札5→6
「俺は手札から魔法カード《サイボーグ・サプライ》を発動。その効果により、俺はデッキからレベル4以下のサイボーグモンスター、《C:Hアンノウン》を手札に加える。そして、《アンノウン》を召喚」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500
「《アンノウン》の効果。手札の《C:Aアンデッドブレイカー》を《アンノウン》に装備する。これにより、《アンノウン》の攻撃力は1000アップする」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500→2500
「攻撃力2500ですか…ですが、力だけで突破できるほど、決闘疾走は甘くありませんよ。私は永続罠《嘲笑する道化師》を発動。私のフィールドに道化傀儡儀式モンスターが存在する限り、あなたはエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター以外、攻撃できません」
「なら俺は装備状態の《アンデッドブレイカー》の効果により、レベル4の《アンノウン》にレベル3の《アンデッドブレイカー》をチューニング。屍を切り刻む刃よ、戦士に鎧を与え、冥府の番人とせよ。シンクロ召喚。現れろ、《C:Hゾンビバスター》」
C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600
「ヒーヒッヒッヒッ!!来ましたね、《ゾンビバスター》。ですが、《パントミーメ》が存在する今、《ゾンビマスター》の効果は無効です」
「だが、攻撃力は《ゾンビバスター》が上。《ゾンビバスター》で《パントミーメ》を攻撃!」
チェーンソーを起動させた《C:Hゾンビバスター》が自身をあざ笑う道化師に向けて真正面から切りかかる。
「ヒーッヒッヒッ!そう!今のあなたにはそれしかない!《パントミーメ》の効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行うとき、ダメージステップ終了時までそのモンスターの攻撃力と同じになる!これが《パントミーメ》の力、究極形態模写(セカンドオリジナル)です」
《道化傀儡王パントミーメ》の姿が《C:Hゾンビバスター》となり、お互いのチェーンソーがぶつかり合う。
「そして、《パントミーメ》は相手のシンクロモンスターとの戦闘では破壊されず、相手のシンクロモンスターの効果も受けない。よって、《ゾンビバスター》は破壊されます。ですが、それでは面白くない。よって、私は永続罠《悲劇の喜劇》を発動。このカードが存在する限り、相手モンスターは戦闘では破壊されません。そして、お互いのモンスターが戦闘破壊されなかった場合、戦闘を行った相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
相手のシンクロモンスターを残し、一方的にダメージを与える状況。
これにより、イェーガーは数多くの決闘疾走者を自らの餌食とし、封印した。
「さあ、《パントミーメ》の力を受けなさい!どこから来たかわからぬ石ころ!!」
《C:Hゾンビバスター》の姿を模した《道化傀儡王パントミーメ》が戦っていた相手からすり抜け、チェーンソーがヒイロを襲う。
同時に、Dブーストによって急加速したDホイールから得た力によってフィールが強まる。
「ぐううう…!!」
ヒイロ
LP4000→1400
「ヒヒヒヒ!!不用意に攻撃しなければ、このようなダメージを受けることなどなかったのです!さあ、まだあなたのターンですよ!」
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
イェーガー
手札0
LP4000
場 道化傀儡王パントミーメ(《儀式魔人カースエンチャンター》、《儀式魔人デモリッシャー》の影響下) レベル7 攻撃1600
嘲笑する道化師(永続罠)
悲劇の喜劇(永続罠)
ヒイロ
手札6→2
LP1400
場 C:Hゾンビバスター(《儀式魔人カースエンチャンター》の影響下) レベル7 攻撃2600
伏せカード2
「ヒーヒヒヒ!私のターン!」
イェーガー
手札0→1
「さあ、《パントミーメ》!再び《ゾンビバスター》を攻撃しなさい!」
再び姿を変えた《道化傀儡王パントミーメ》がチェーンソーを振るう。
「この攻撃を受ければ、あなたは…」
「罠発動。《波動障壁》。相手の攻撃宣言時、俺のフィールドのシンクロモンスター1体をリリースし、相手フィールドのモンスターをすべて守備表示に変更する」
《C:Hゾンビバスター》がその姿を消すとともに、イェーガーのフィールドに波紋が発生する。
波紋を受けた《道化傀儡王パントミーメ》が元の姿に戻るとともに、両腕を前で交差させて守りを固める。
道化傀儡王パントミーメ レベル7 攻撃1600→守備2400
「そして、攻撃モンスターの元々の守備力分のダメージを相手に与える」
「くっ…!おのれ、石ころの分際で!!」
イェーガー
LP4000→1600
「私はこれで、ターンエンド!」
イェーガー
手札1
LP1600
場 道化傀儡王パントミーメ(《儀式魔人カースエンチャンター》、《儀式魔人デモリッシャー》の影響下) レベル7 攻撃1600
嘲笑する道化師(永続罠)
悲劇の喜劇(永続罠)
ヒイロ
手札2
LP1400
場 伏せカード1
「俺のターン!」
ヒイロ
手札2→3
「俺は手札から速攻魔法《皆既日食の書》を発動。フィールド上の表側表示モンスターをすべて裏守備表示に変更する」
「何!?今フィールドにいるのは《パントミーメ》のみ…!」
「そのモンスターを裏守備にしてもらう」
《道化傀儡王パントミーメ》がその姿を裏向きのカードへと変化させる。
「俺は罠カード《シンクロ・スピリッツ》を発動。俺の墓地のシンクロモンスター1体を除外し、除外したモンスターのシンクロ素材一組を墓地から特殊召喚する。俺は《ゾンビバスター》を除外し、墓地の《アンノウン》と《アンデッドブレイカー》を特殊召喚」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500
C:Aアンデッドブレイカー レベル3 攻撃1000(チューナー)
「そして、《アンデッドブレイカー》の効果。自らを俺のフィールドのC:H1体に装備させる」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500→2500
「そして、《嘲笑する道化師》の効果はお前のフィールドに道化傀儡儀式モンスターが存在する場合にのみ使える。バトルだ。《アンノウン》で裏守備表示の《パントミーメ》を攻撃」
アーマーを装備していないものの、自分の身を顧みずに手にしているチェーンソーの出力を全開にした《C:Hアンノウン》が裏守備となった道化師に先ほどの恨みと言わんばかりに切りかかる。
シンクロモンスターではなく、守備表示である《道化傀儡王パントミーメ》には攻撃を耐える力はない。
(《嘲笑する道化師》の効果…ここで使ったとしても!)
チェーンソーで切り裂かれた《道化傀儡王パントミーメ》が消滅する。
「俺はこれで、ターンエンド」
イェーガー
手札1
LP1600
場 嘲笑する道化師(永続罠)
悲劇の喜劇(永続罠)
ヒイロ
手札3→2
LP1400
場 C:Hアンノウン(《C:Aアンデッドブレイカー》装備) レベル4 攻撃2500
「よくも私のエースモンスターを…」
ライフを削られ、エースモンスターを破壊されたことでイェーガーは怒りをにじませる。
脳裏に浮かぶのはこのD1GP開始の準備をしていたころのこと。
イェーガーはゴドウィンの命令に従い、各地から決闘疾走者をかき集めてきた。
決闘神官や決闘巫女、そして糧となるもの。
それらを集める中、ふと浮かんだ疑問をゴドウィンに直接ぶつけたことがある。
ジャックはともかく、必死に集めた有象無象の中に仮に決闘竜の適合者が現れたとしても、彼らがゴドウィンの計画を邪魔する存在にならないかと。
それに対して、いくつか保険は用意しているとしか、ゴドウィンは答えなかったが、思いがけない言葉をもらった。
イェーガー、というよりも彼の父祖は五千年にもわたってゴドウィンに仕え続けてきた。
彼の懐刀として、表と裏で活躍を続け、今のイェーガーが歴代最高だとゴドウィンに称賛された。
同時に、ゴドウィンの疲れの言葉も聞いた。
(五千年か…正直、掃きだめの石ころの中からダイヤの原石を探すという行為に、ウンザリしてきたところなのです)
(ゴドウィン様…いくらダイヤの原石を見つけたとしても、研磨しエレガントにカットされてこそ、初めて価値が出るもの…最初から掃きだめの中から見つける必要などなかったのです…)
ゴドウィンの命令だったとはいえ、彼から預かった2体の決闘竜。
それらをあの兄妹に渡したときに感じた悔しさ。
なぜ、忠臣である自分ではなくこんなゴミが選ばれるのか。
なんで自分は選ばれないのか。
「決闘竜は…貴様のような石ころではなく、私こそがふさわしいのですよ!私のターン!」
イェーガー
手札1→2
「私は墓地の《道化傀儡の奇術団》の効果を発動!私のフィールドにモンスターが存在しないとき、手札の道化傀儡儀式モンスターを相手に見せることで、墓地のこのカードを除外し、デッキから《道化傀儡の奇術団》1枚を手札に加えることができる!私が見せるのはこのカード!」
確かにエースは《道化傀儡王パントミーメ》だが、倒されたとしても次がある。
それが女王、《道化傀儡女王パントアネット》。
「新しい儀式モンスターか…」
「そして、墓地の《道化傀儡の奇術団》を除外し、デッキから新たな《道化傀儡の奇術団》を手札に加える!そして、私のフィールドに《道化傀儡トークン》1体を特殊召喚する。このトークンのレベルはこの効果で見せた儀式モンスターと同じになる!」
道化師の格好をしたマネキンがフィールドに現れ、顔に大きく8の数字がペイントされる。
道化傀儡トークン レベル8 守備0
「そして、手札に加わった《道化傀儡の奇術団》を発動!レベル8の《道化傀儡トークン》をリリースし、現れなさい!新谷な道化傀儡よ!《道化傀儡女王パントアネット》!」
優雅な赤いマントと杖、女王の王冠を装備し、《道化傀儡王パントミーメ》に似たピエロ服をした泣き顔の仮面の女性がフィールドに現れる。
道化傀儡女王パントアネット レベル8 攻撃2700
「《パントアネット》は《パントミーメ》と同じく、シンクロモンスターの効果を受けず、シンクロモンスターとの戦闘では破壊されない。そして、1ターンに1度、相手のフィールドのシンクロモンスター1体、または相手のエクストラデッキに存在するモンスターの中からランダムに選ばれたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できます!さあ、あなたのエクストラデッキから引き抜いて差し上げましょう!決闘竜を!!」
イェーガーが指を鳴らすと同時に、《道化傀儡女王パントアネット》もその動きをまねるかのように指を鳴らす。
すると、エクストラデッキから強制的に排出された《異海龍マリンフォース》が球体となって彼女の周囲を旋回する。
「《パントアネット》は自らの効果で装備したカード1枚につき、攻撃力が800アップします」
道化傀儡女王パントアネット レベル8 攻撃2700→3500
「更に、自らが装備している装備モンスターの中にシンクロモンスターが存在し、墓地に道化傀儡儀式モンスターが存在する場合、装備しているシンクロモンスター1体を蘇生制限、そして召喚条件を無視し、効果を無効にして特殊召喚できる!さあ、現れなさい!《異海龍マリンフォース》!!」
球体となっていた《異海龍マリンフォース》が解放されるが、顔をピエロの仮面で隠され、力を封じられた状態で主のはずのヒイロに立ちはだかる。
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
道化傀儡女王パントアネット レベル8 攻撃3500→2700
「これが…決闘竜。見事な姿…。決闘疾走終了後にはあなたの持つ残り1枚もいただきますよ!バトルです!《パントアネット》で《アンノウン》を攻撃!さあ…《喜劇の悲劇》の効果の前に、散りなさい!」
両手に魔力を集中させた《道化傀儡女王パントアネット》がそれを炎に変換して、《C:Hアンノウン》に向けて放つ。
「俺は墓地の罠カード《トリック・ガード》の効果を発動。このカードを墓地から除外することで、このカードを墓地から除外することで、このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする」
発射された炎が《C:Hアンノウン》に当たらず、コース上に着弾する。
イェーガーの脳裏に浮かぶのは最初に発動した《手札断殺》の時の様子だ。
「(その効果で墓地に《トリック・ガード》を…敗北ギリギリのところまで発動を控えていたということですか)ですが、《マリンフォース》の攻撃は止められませんよ!いきなさい!《異海龍マリンフォース》!!」
上空へ飛ぶ《異海龍マリンフォース》の手から放たれる激流が《C:Hアンノウン》を貫き、ヒイロにも襲い掛かる。
「くうう…!」
ヒイロ
LP1400→1300
「フフフ…これで、あなたのフィールドのモンスターは全滅です。私はこれで、ターンエンド!」
イェーガー
手札2→1
LP1600
場 道化傀儡女王パントアネット レベル8 攻撃2700
異海龍マリンフォース(《道化傀儡女王パントアネット》の影響下) レベル8 攻撃2600
嘲笑する道化師(永続罠)
悲劇の喜劇(永続罠)
ヒイロ
手札2
LP1300
場 なし
「ヒヒヒヒ!!手札は2枚のみでフィールドにカードはなし!そして、《嘲笑する道化師》の効果により、あなたはエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター以外の攻撃は禁じられている!もうあなたに勝ち目はありません!」
「黙っていろ…まだ、俺のターンは…!?」
イェーガーに言い返そうとするヒイロだが、突然頭に激痛が走る。
(なんだ…これは…!?)
脳裏に浮かぶのはアーククレイドルのような空に浮かぶ城。
その城は滅亡した未来のネオドミノシティではなく、古びた機械仕掛けの城で、一つの巨大な建物といえる存在だ。
その城が見守る中で、決闘竜たちが戦っていた。
シグナーの竜を模した6体の決闘竜、そして《冥界龍ドラゴネクロ》をはじめとした6体の決闘竜。
《閃珖竜スターダスト》を中心とした6体の決闘竜は光を率い、《冥界龍ドラゴネクロ》ら6体の決闘竜は黒い瘴気を放ち、闇を担っているように見えた。
そして、その闇の陣営の中には《異海龍マリンフォース》、そして《旋風龍クリアウィング》の姿もある。
「光と闇…」
戦いを見つめるヒイロの目に映ったのは《妖精竜エンシェント》の頭上に存在する女性の決闘神官の姿。
彼女は相対する《異海龍マリンフォース》を包むかのように両腕を広げて呪文を唱えると、《異海龍マリンフォース》がまとっていた闇が虹色の光によって浄化されていった。
「…ロ、ヒイロ!おい、ヒイロ!何をぼさっとしてやがる!!」
「クロウ…?」
外からの声で正気に戻ると同時に、ヒイロの視界が元に戻る。
ヒイロ達の後ろにはクロウの姿があり、彼はブラックバードで追いかけている様子だった。
「クロウ!?なぜおまえがここにいる!?」
「星札を12集めたからよ!でも…開かねえから、強引に突破してやったぜ!」
クロウが見せたのは?の星札で、好きな数字になるワイルドカード。
遊星に敗れ、一発逆転を狙ったクロウは賭けに勝利して見事にセカンドステージを潜り抜けた。
だが、決闘門にたどり着き、デュエルディスクにセットしても何も反応がなかった。
そこでクロウは無理やり突破すべく、決闘門付近の一番高い場所からブラックバードの高い飛距離だけを頼りに飛び込んだ。
最も、着地のことまでは考えておらず、召喚したBF達の助けによってかろうじて着地できた状態だ。
「ヒイロ!これはどういうことだ!?なんで運営がお前の邪魔をしている!D1GPはどうなった!?」
「話はあとだ。待っていろ、あの邪魔者を片付ける」
「この私を邪魔者だと!?無礼にもほどがありますよ、石ころめが!!いいですか?次のターンであなたは負ける!」
「それは、このターンで決着がつかなかったらの話だ。俺のターン!」
ヒイロ
手札2→3
「俺は手札から魔法カード《デザイア・シンクロ》を発動。相手フィールドにのみモンスターが存在する時、墓地のC:AとC:Hを1体ずつ、効果を無効にして特殊召喚する。俺は《アンデッドブレイカー》と《アンノウン》を特殊召喚」
傷だらけとなり、愛用のチェーンソーとともによみがえる《C:Hアンノウン》。
どんなに傷を負っても、闘志は決して消える様子はない。
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500
C:Aアンデッドブレイカー レベル3 攻撃1000(チューナー)
「そして、その2体のモンスターのみを素材とし、シンクロ召喚を行う!」
(ヒヒヒ…いいでしょう。それで、《旋風龍クリアウィング》をシンクロ召喚すればよろしい。そして、《マリンフォース》でも《パントアネット》でも攻撃すればいい。ですが…その瞬間、私の手札の《道化傀儡の誘惑》が発動し、攻撃対象が《パントアネット》に変更されるとともに、《クリアウィング》の攻撃力が半分になる)
これで、攻撃力が自らの効果でアップした《旋風龍クリアウィング》の攻撃を受けてもイェーガーのライフは350残る。
そして、《道化傀儡女王パントアネット》はシンクロモンスターの効果を受けず、シンクロモンスターとの戦闘では破壊されないため、《喜劇の悲劇》の発動条件を満たし、3950のダメージがヒイロを襲う。
「さあ、出しなさい!あなたの決闘竜を!」
「俺はレベル4の《アンノウン》にレベル3の《アンデッドブレイカー》をチューニング。大地の守護を担いし妖精の竜の力を今こそ示せ!」
「何!?」
「シンクロ召喚、現れろ、《妖精竜エンシェント》!」
ヒイロによってシンクロ召喚された《妖精竜エンシェント》の姿に、クロウとイェーガーの目が留まる。
「そのカードは…あの兄妹の!?」
「ああ…そうだ」
龍可からのキスの余韻が残る中、龍亜と龍可からカードが渡された。
「これは…」
「これを、私たちの代わりに連れて行ってほしいの」
「ボクたちじゃ、何もできないかもしれない。でも…それでも、何かがしたいんだ!だから!!」
「そして、このカードがお前を倒す!俺は速攻魔法《超融合》を発動!」
「《超融合》!?そんなカードが!?」
二人から託されたカードを手にし、改めてデッキを見直していた時にいつの間にデッキに入っていたカード。
自分の世界から来たのか、それとも何らかの理由で既に手にしていたカードか。
だが、今はそれを気にしている余裕はない。
「ああ…このカードは手札1枚を捨てることで、フィールド上のモンスターを素材に融合召喚を行う。そして、このカードの発動に対して、相手はカード効果を発動できない。俺は《マリンフォース》と《エンシェント》を融合!世界のはざまに眠りし龍と大地を守りし妖精竜、今こそ光と闇の果てに一つとなる。融合召喚。現れろ、《エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル》!」
《妖精竜エンシェント》が放つ光を浴び、道化の仮面から解放された《異海龍マリンフォース》が彼女とともに上空に現れた融合の渦の中へ消えていく。
そして、その中から虹色の光を宿し、妖精の羽根を手にした《異海龍マリンフォース》が姿を現す。
右腕にはヒイロの、左腕には龍可のかつてのシグナーの痣が刻まれていた。
エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル レベル10 攻撃3300
「こいつが…決闘竜が融合した姿かよ…そんなカードまであるのかよ、ヒイロのやつ」
「《エンシェント・マリン》の効果。このカードの融合召喚に成功した時、デッキまたは墓地からフィールド魔法を1枚手札に加えることができる。俺はデッキからフィールド魔法《アームド・フィーバー》を手札に加える
融合モンスターが現れたのは想定していないイェーガーだが、この手札に加わったフィールド魔法にニヤリと笑う。
「おバカですねぇ。そのフィールド魔法はC:Hが存在してこそ初めて真価を発揮するカード。この状態で何の役に…」
「俺は《エンシェント・マリン》の効果を発動。1ターンに1度、墓地のレベル7または8のドラゴン族シンクロモンスターまたはパワー・ツールシンクロモンスターの名前と効果を得る。俺は《妖精竜エンシェント》を選ぶ」
「墓地の決闘竜の力を!?」
「もう効果はわかっているな?俺は手札からフィールド魔法《アームド・フィーバー》を発動。そして、フィールド魔法を発動したことで《エンシェント》の効果を発動。デッキからカードを1枚ドローする」
ヒイロにとって、この《妖精竜エンシェント》から与えられたこのドローが運命を分ける。
デッキトップに指をかけるヒイロはじっと前を見据える。
勢いよく引き抜いたカードにヒイロは笑みを浮かべる。
「来たぞ、イェーガー…」
「なんですと!?」
「俺は《エンシェント》のもう1つの効果を発動。フィールド魔法が存在する時、1ターンに1度、フィールド上の攻撃表示モンスター1体を破壊する。俺は《パントアネット》を破壊する!」
「南無三!!私は《嘲笑する道化師》のもう1つの効果を発動!このカードを《パントアネット》の身代わりにします!そして、このターン、私が受ける戦闘ダメージは0になる!!」
《嘲笑する道化師》がフィールドから消え、攻撃の制約がヒイロから消える。
だが、その代わりに透明なバリアがイェーガーを包んでいた。
(石ころめに《パントアネット》までも…しかし、このターンをしのげば…!)
「俺は手札から装備魔法《エターナル・ヒーロー》を《エンシェント・マリン》に装備する。このカードはエンシェント、マリンフォース、パワー・ツール、ライフ・ストリームシンクロモンスターまたは融合モンスター専用の装備カードだ。このカードを装備したモンスターの攻撃力は俺の墓地または除外されているシンクロモンスター1体につき、攻撃力が500アップする」
エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル レベル10 攻撃3300→4800
「いくら攻撃力を上げようとも、私にダメージは…!」
「バトル。《エンシェント・マリン》で《パントアネット》を攻撃!妖精靭尾(フェアリー・テイル・ウィップ)!」
虹色の水で形成した《妖精竜エンシェント》のような鋭い尾による薙ぎ払いがイェーガーのフィールドを襲う。
尾は刃そのもののように鋭く、《道化傀儡女王パントアネット》を切り裂いた。
「まだ…まだですよ!私は《嘲笑する道化師》の効果でダメージは…」
「《エターナル・ヒーロー》を装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える」
「なん…です、とぉ!!」
いつの間にかイェーガーの前に現れた《エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル》が虹色の輝きを放つ。
その光の中でイェーガーのDホイールが粉砕され、イェーガーはコース上に投げ出された。
「ゴドウィン様万歳ーーーーー!!!」
イェーガー
LP1600→0
嘲笑する道化師
永続罠カード
(1):自分フィールドに「道化傀儡」儀式モンスターが存在する場合、相手フィールドのEXデッキから特殊召喚されたモンスター以外は攻撃できない。
(2):自分フィールドの「道化傀儡」儀式モンスターが相手によって破壊されるとき、代わりに自分フィールドに存在するこのカードを墓地へ送ることができる。この効果を発動したターン、戦闘で発生する自分へのダメージは0となる。
道化傀儡王(ジェスター・パペット・キング)パントミーメ(漫画オリカ・調整)
レベル7 攻撃1600 守備2400 儀式 闇属性 魔法使い族
「道化傀儡の奇術団」により降臨。
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。ダメージステップ終了時までこのカードの攻撃力は戦闘を行う相手モンスターと同じになる。
(2):このカードは相手Sモンスターの効果を受けず、Sモンスターとの戦闘では破壊されない。
悲劇の喜劇
永続罠カード
(1):相手フィールドのモンスターは戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、バトルフェイズ時、お互いのモンスターが戦闘で破壊されなかった場合に発動できる。戦闘を行った相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。
道化傀儡の奇術団(ジェスター・パペッド・サーカス)(漫画オリカ・調整)
儀式魔法カード
「道化傀儡」儀式モンスターの降臨に必要。
(1):自分の手札・フィールドのレベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、手札から「道化傀儡」儀式モンスター1体を儀式召喚する。
(2):自分フィールドにモンスターが存在せず、このカードが墓地に存在する場合、自分の手札に存在する「道化傀儡」儀式モンスター1体を相手に見せることで発動できる。墓地のこのカードを除外し、デッキから「道化傀儡の奇術団」1枚を手札に加える。その後、自分フィールドに「道化傀儡トークン」1体を特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。この効果を発動したターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
道化傀儡トークン
レベル? 攻撃0 守備0 トークン 闇属性 魔法使い族
「道化傀儡の奇術団」の効果で特殊召喚される。
(1):このカードのレベルは「道化傀儡の奇術団」の効果で相手に見せた儀式モンスターの元々のレベルと同じになる。
トリック・ガード
通常罠カード
(1):自分または相手の攻撃宣言時に発動できる。その攻撃を無効にする。
(2):このカードが墓地に存在し、相手の攻撃宣言時にこのカードを除外することで発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
道化傀儡女王パントアネット
レベル8 攻撃2700 守備2700 儀式 闇属性 魔法使い族
「道化傀儡の奇術団」により降臨。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1):相手フィールドに存在するSモンスターまたは相手のEXデッキに存在するモンスター1体をランダムに選択して発動できる。そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。このカードの攻撃力は(1)の効果で装備したカード1枚につき800アップする。
(2):(1)の効果で装備しているSモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを蘇生制限および召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。この効果は自分の墓地に「道化傀儡」儀式モンスターが存在しない場合、発動できない。
(3):このカードは相手Sモンスターの効果を受けず、Sモンスターとの戦闘では破壊されない。
道化傀儡の誘い
通常罠カード
自分フィールドに「道化傀儡」儀式モンスターが存在する場合、このカードは手札から発動することもできる。
(1):自分フィールドのモンスターが相手モンスターの攻撃対象となった時に発動できる。攻撃対象を自分フィールドの「道化傀儡」モンスター1体に変更する。その後、攻撃モンスターの攻撃力をターン終了時まで半分にする。
デザイア・シンクロ
通常魔法カード
(1):自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在する場合にのみ発動できる。自分の墓地に存在するレベル4以下の「C:H」モンスターと「C:A」モンスターを1体ずつ特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。その後、この効果で特殊召喚されたモンスターのみをS素材としてSモンスターのS召喚を行う。
エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル
レベル10 攻撃3300 守備2100 融合 光属性 ドラゴン族
「エンシェント」「マリンフォース」Sモンスター+ドラゴン族Sモンスターまたは「パワー・ツール」Sモンスター
このカードはルール上、「マリンフォース」モンスターとしても扱う。
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの融合召喚に成功した時、自分のデッキ・墓地に存在するフィールド魔法1枚を対象に発動できる。そのカードを手札に加える。
(2):1ターンに1度、自分の墓地に存在するレベル7・8のドラゴン族Sモンスターまたは「パワー・ツール」Sモンスター1体を対象に発動できる。次の相手ターン終了時までこのカードはそのモンスターの元々のカード名・効果と同じカード名・効果を得る。
(3):自分の墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分の墓地に存在するレベル8以下の「エンシェント」「マリンフォース」「パワー・ツール」Sモンスター1体を特殊召喚する。
エターナル・ヒーロー
装備魔法カード
「エンシェント」「マリンフォース」「パワー・ツール」「ライフ・ストリーム」Sモンスターまたは融合モンスターにのみ装備可能。
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカード名のカードはフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。
(1):装備モンスターの攻撃力は墓地・除外状態の自分のSモンスター1体につき500アップする。
(2):装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動する。破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。
(3):このカードを装備したモンスターがフィールドから離れたことで、このカードが墓地へ送られたときに発動できる。デッキから「エターナル・ヒーロー」以外の「エターナル」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「はあはあはあ…」
Dホイールを止め、コース上に転がるイェーガーをにらむヒイロは突破口となった《超融合》、そして《エンシェント・マリン・ドラゴン-エターナル・ソウル》のカードを見つめる。
(なぜ…かは今は問わない。今ある力をすべて使って、終わらせるだけだ)
「ヒイロ、お前さっきのカードは何なんだよ、それに、なんでほかにも決闘竜を…」
「その話はあとだ、まずは…」
クロウの質問に答えることなく倒れているイェーガーの胸倉をつかむ。
気絶しているようで、左手で頬を叩く。
「ん、あ…あ…」
「答えろ、ゴドウィンが何をしようとしているか、そして…お前が人質にしている奴らの解放の手段を」
「ヒ、ヒヒヒ…そんなこと、私が答えるはずがない、でしょう…!」
「だろうな、クロウ」
「んだよ」
「走りながらでいいなら答える。だから、手伝え」
「ヒ…ヒ?」
数分後、イェーガーはロープで縛られたうえでブラックバードの後部からローブでつながれていた。
最初は乗り気でなかったクロウだが、イェーガーの所業を聞いたことで考えが変わったようで、既に準備満タンの状態だ。
「んじゃあ、行くか。本当に答えてくれるんだよな」
「ああ…。あとは、イェーガー」
「は…?」
「答えを言いたければ、早く言うことをおすすめする。死にたくなければな」
ポンと肩に手を置いて話した後で手が離れると、イェーガーの身体から先ほどまで感じていた痛みが消えていく。
受け身をし、ピエロのような身のこなしができるとはいえ、さすがのイェーガーもここまでの大きなダメージによる転倒はこれまでなく、外傷が多かったが、それがすべて最初からなかったかのように消えていた。
「な…なぜ、傷が治って」
「加減はするな、クロウ。いつも通りの走りで行け」
「はいよー、いつも通りな…って、お前の知っている俺の走りって、お前の世界の俺のことだろ」
少し気の抜けた会話の後で、ブラックバードがいきなり猛スピードで発信し、縛られたイェーガーの身体がコース上にひきずられ、叩きつけられる。
「ひええええええええええ!!!!」
「安心しろ、死ぬほど痛いだけで死ぬことはない。死にかけたら治してやるが…答えるまではずっとこのままだ」