「貴様…!俺との決闘疾走で死んだのではなかったのか!?」
ヒイロの言葉に半信半疑だったジャックだが、立ち上がってヒイロの視線の先にいるゴドウィンの姿を見たと同時に叫ぶ。
ジャックはあの決闘疾走で確かにDホイールとともに転落していくゴドウィンを見た。
あの高さから落ちて、何かに捕まることもできなかった彼が生きているはずがない。
「覚えておけジャック、ありえないことは…ありえないだ」
「ふっ…実験台との決闘疾走など、我が計画の肩慣らし程度にすぎぬ」
「何!?」
決闘竜を召喚し、し烈なぶつかり合いをして命を削ったにもかかわらずあまりにも余裕めいた言葉。
だが、ゴドウィンから感じるプレッシャーはあの時の決闘疾走の時以上に感じられた。
「ジャック、ヒイロ!!」
「遊星…」
ヒイロ達の下へ、遊星とセクトが戻ってくる。
セクトの身なりはそのままだが、兜を脱いでいて、声色がサテライトで出会った時のものとなっている。
その様子と遊星の後ろに乗っているアキの姿から遊星の勝利を確信する。
「一体何があった!?なぜ、ゴドウィンがここにいる!」
「死んでいなかった…それだけのことだ」
「すべては究極神を手に入れるため。すべては我が五千年の計画の手ごまにすぎぬ」
「でもよぉ、究極神はアニキと俺の光のフィールで封印した!もうお前の計画は終わりだろう!?」
遊星との決闘疾走の中で正気に戻ったセクトはセイバルで骸骨騎士から聞いた話を遊星に伝えていた。
決闘疾走が生み出すエネルギーは究極神の封印を弱めることにつながる。
だが、闇の力が強まると光の力も強まる。
真の決闘疾走者が生み出す光のフィールによって、究極神を封印することができると。
そして、闇に打ち勝ったセクトは遊星とともに光のフィールを生み出し、究極神の封印を成し遂げた。
「それはどうかな…?究極神はまだ息づいている…」
ゴドウィンの身体から放たれる闇の瘴気。
遊星のDホイールから降りたアキは空を見て、ゴドウィンの言葉の真偽を見た。
「そんな…日食が…」
「何!?」
日食が終わらない太陽を遊星は見る。
漆黒の太陽がまだ終わらぬ戦いを冷徹に告げる。
「既に究極神の復活は止められぬ。阻止限界点を超えたのだ。天錠覇王と地錠覇王の決闘によって解錠覇王が決まった。この時こそが、我が五千年待ち続けたとき。今この時こそ、究極神を御しやすい!!」
手を広げ、目を閉じたゴドウィンが呪文を唱え始め、それに連動してセイバルが揺れる。
「これは…古代決闘語!!」
《閃珖竜スターダスト》を手にするための儀式のときに見た言語であり、アキが決闘巫女としての記憶の中で見た言語。
呪文にこたえるかのようにセイバルの地から発生するエネルギーがゴドウィンに吸収されていく。
鳴動が収まり、力を得たゴドウィンの髪と目は漆黒に染まり、顔には文様が刻まれた。
「おお…これこそが五千年追い求めてきた力…。我は神となった!!」
右手を広げると同時に闇の瘴気が発生し、それが1枚の白紙のカードへと変化する。
「最後の親孝行だ、実験台よ。神となった我にすべてのカードを献上せよ」
「ふざけるな!貴様に我がカードを渡すなど…!逆に俺が貴様の…」
「やめろ、ゴドウィン!!」
「なんだ…なんだ、これは!?」
戦おうとしたジャックの身体が地に伏せ、力が抜けていく。
立ち上がることのできないジャックが落とした《琰魔竜レッド・デーモン》のカードからイラストとテキストが消えていく。
「これは…いったい、どういうことなのだ!?」
「決闘竜を含めて、貴様らが信じるカードはそもそも、究極神より生まれしものだ。創造主に引き寄せられるのは当然のことよ。そして、決闘者たちの魂の研鑽は、我が復活の儀式のための最高の晩餐にすぎぬ!」
「究極神から生まれたカードを持つ決闘疾走者の魂は、ゴドウィンに支配されているも同然か」
「その通りだ!さあ、いただくとしよう!!魂ごと、カードを!!」
白紙のカードから放たれる波動が遊星たちを襲い、セクトとアキもその場に座り込む。
手にしていたすべてのカードが白紙となっていく。
波動はセイバルを飛び出し、際限なく拡散していく。
「この世界すべての決闘疾走者よ、魂とともにカードを我にささげよ!!」
ゴドウィンの命令は究極神からの命令。
支配者からの絶対的な言葉と波動が世界中の決闘疾走者のカードを白紙にし、魂の力が奪われていく。
際限なく集まる力にゴドウィンは狂喜する。
「みなぎる…みなぎるぞ!!人間どもに拡散されし力が時を経て、より強大となって我の元へ!!」
「ゴドウィン!決闘疾走だ!!」
「生み出したものなら、自分が何をしてもいい…その勝手は許さない」
「貴様を倒し、すべてのカードを取り戻す!」
すべての決闘疾走者とカードを支配する波動。
それを受けたはずなのに宣戦布告する遊星とヒイロ。
息切れする様子のない二人をゴドウィンがにらむ。
「そんなの…アリ、なのかよ?」
「もし、これが儀式の契約だというなら、ゴドウィンの敗北によって…契約の破棄につながるはずよ…」
「不動遊星、ヒイロ・リオニス…解錠覇王と我の理の外にいる決闘疾走者…。貴様らには我が力が及ばぬか。だが、決闘疾走であれば話は別だ。貴様らの魂とカードを手にすることで、我が復活の儀式は完了する!!」
モーメントの音が響くとともに上空から降りてくる竜の頭を模したDホイール。
空中に浮かぶそれに乗り込んだゴドウィンは遊星とヒイロがDホイールに乗るのを待つ。
「ゴドウィンのDホイールが…浮いている!?」
「いえ、Dホイールだけじゃないわ。セイバルも…」
周囲に浮かぶ岩石や倒壊した建物の破片。
それらが重力を無視するかのように浮かんでいた。
「神の力を手にしたことで、事象すら我が支配下となったということだ」
事象を制御し、カードを奪われたジャックたちにできることはない。
あるとしたら、遊星とヒイロがゴドウィンを倒すこと。
自らの手で下すことができない屈辱にジャックは拳を地面にたたきつけた。
「そういうものは飽きるほど見てきた。始めるぞ、遊星。こいつをいつまでも図に乗らせると不愉快だ」
「ああ…いくぞ、ヒイロ!!」
「「決闘!!」」
遊星とヒイロのDホイールが走り出す。
どちらも最初からアクセル全開で走るが、すぐに2人は敵との差を知ることになる。
宙に浮くゴドウィンのDホイールは2人のDホイールをはるかに上回るスピードで飛び、そのスピードはおそらくはD1GPのサーキットを走っていたら容易に周回遅れにできるほどだ。
「何を驚いている?超古代文明であるセイバルで生み出されしこのオーパーツ、五千年前の遺物とはいえ、貴様ごときのDホイールに後れを取るものではない」
ゴドウィン
手札5
LP4000
遊星&ヒイロ
手札
遊星5
ヒイロ5
LP4000
「我の先攻。我の手札が5枚以上存在する場合、《邪神官チラム・サバク》はリリースなしで召喚できる」
下半身が数多くの大蛇となっている青黒い肌の神官が現れる。
蛇の視線はいずれも敵である遊星とヒイロに向けられていた。
邪神官チラム・サバク レベル8 攻撃2500
(邪神官だと…?)
ジャックと決闘疾走をしていた時にゴドウィンが使っていたのは天輪デッキ。
《天穹覇龍ドラグアセンション》の力を最大限に生かすため、手札を増やすことを重視したデッキとしては、この手札5枚以上の時にアドバンテージを持つそのカードは相性がいいかもしれない。
だが、ゴドウィンは究極神を手にしている。
もはや彼の切り札は《天穹覇龍ドラグアセンション》ではない。
「我はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ゴドウィン
手札5→3
LP4000
場 邪神官チラム・サバク レベル8 攻撃2500
伏せカード1
遊星&ヒイロ
手札
遊星5
ヒイロ5
LP4000
場 なし
「(《チラム・サバク》はおそらく…究極神召喚のための布石。このモンスターはまだ影に過ぎない)先に行かせてくれ、ヒイロ。俺のターン!」
遊星
手札5→6
「このカードはエクストラデッキのウォリアー、またはスターダストシンクロモンスターを相手に見せることで、手札から特殊召喚できる。《ジャンク・マイスター》を特殊召喚」
遊星の背後に《閃珖竜スターダスト》の幻影が現れ、その中から翼を模したスラスターをつけたドラゴンのような機械が飛び出してくる。
ジャンク・マイスター レベル4 守備2300
「このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからジャンクカード1枚を手札に加えることができる。俺は《ジャンク・チェンジャー》を手札に加え、そのまま召喚する」
ジャンク・チェンジャー レベル3 攻撃1500(チューナー)
「《ジャンク・チェンジャー》は召喚・特殊召喚に成功した時、俺のフィールドのジャンクモンスター1体のレベルを1つ変動させることができる。俺は《ジャンク・マイスター》のレベルを5にする。レベル5の《ジャンク・マイスター》にレベル3の《ジャンク・チェンジャー》をチューニング。星海を切り裂く一筋の閃光よ!!魂を震わし世界に轟け!!シンクロ召喚!!《閃珖竜スターダスト》!!」
閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
「《スターダスト》で《チラム・サバク》を攻撃!流星閃撃!!」
「迎え撃て、《チラム・サバク》!」
《閃珖竜スターダスト》のブレスと《邪神官チラム・サバク》の蛇から放たれる炎。
それらが互いの敵を貫き、焼き尽くそうとする。
「本来なら相討ちだが…」
「《スターダスト》の効果。1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を1度だけ破壊から守るバリアを張ることができる。波動音壁!!」
炎は《閃珖竜スターダスト》が生み出すバリアに阻まれ、ブレスで貫かれた《邪神官チラム・サバク》が爆散する。
「ふっ…その程度。《チラム・サバク》はこの程度では死なぬよ」
「何!?」
爆散した肉体がゴドウィンのそばで集合していき、再び元の《邪神官チラム・サバク》の姿へと戻る。
「《チラム・サバク》は戦闘で破壊され墓地へ送られたとき、墓地から守備表示で特殊召喚できる。そして、この効果で特殊召喚されたこのカードはチューナーとなる」
邪神官チラム・サバク レベル8 守備0(チューナー)
「くっ…!俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ゴドウィン
手札3
LP4000
場 邪神官チラム・サバク レベル8 守備0(チューナー)
伏せカード1
遊星&ヒイロ
手札
遊星6→3
ヒイロ5
LP4000
場 閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
伏せカード2
「我のターン」
ゴドウィン
手札3→4
「我は手札より魔法カード《トレード・イン》を発動。手札のレベル8のモンスターを墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする」
手札から墓地へ送られたカード
・邪神官チラム・サバク
「もう1体の《チラム・サバク》…!」
「罠カード発動。《戦線復帰》。我の墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる。我は墓地に眠るもう1体の《邪神官チラム・サバク》を特殊召喚」
邪神官チラム・サバク レベル8 守備0
「これで…儀式の準備は整った」
「何!?」
いくら1体はチューナーとはいえ、《邪神官チラム・サバク》のレベルは8で、合計は16。
レベル12を超えるモンスターは存在しないはず。
「奴の言う通りだ、遊星」
「ヒイロ…?」
「もう奴は…召喚条件を整えている」
「ふふふ…自分フィールドの表側表示のレベル5以上で同じレベルの、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。我は2体の《チラム・サバク》を供物とする!!」
チューナーとなっている《邪神官チラム・サバク》が8つの光の球体となり、もう1体の《邪神官チラム・サバク》に吸収される。
吸収し、力を得た《邪神官チラム・サバク》の肉体がオレンジ色の炎へと変わり、それが徐々に大きくなっていく。
「混沌の次元より沸き出でし力の源!!原点にして全ての頂点!!この現世でその無限の渇望を暫し潤すがよい!!神降せよ!!《アルティマヤ・ツィオルキン》!!」
おおきくなった炎はドラゴンのような姿となり、それはセイバルをはるかに上回る巨体となっていた。
(《アルティマヤ・ツィオルキン》…また、見ることになるとはな)
アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 守備0
「我は手札より永続魔法《ナイトメア・シャッフル》を発動。このカードを発動中、我はカード効果で自らの墓地のカードを確認することは許されない。そして、我の墓地に存在するカード1枚をランダムに選択して魔法・罠カード扱いとして《ナイトメア・シャッフル》に隣接する魔法・罠ゾーンにセットする。そして、我のターンのスタンバイフェイズごとに、この効果でセットしているカードを墓地へ送り、再び墓地からランダムにカードを魔法・罠カード扱いとしてセットする。なお、この効果でセットしているカードは《ナイトメア・シャッフル》とともに墓地へ送ることで発動でき、発動条件を満たしていない場合はこのターン、我が相手に与えるすべてのダメージが0となる」
(ゴドウィンの墓地に存在するのは《チラム・サバク》2体と《戦線復帰》…。セットするカードが《戦線復帰》になる確率は3分の1。こんな運任せのカードを…)
「我は《ナイトメア・シャッフル》の効果により、カードをセットする。同時に《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果。1ターンに1度、我がカードを魔法・罠ゾーンにセットした時、エクストラデッキからパワー・ツールまたはレベル7・8のドラゴン族シンクロモンスター1体を特殊召喚できる。我はエクストラデッキより《月華竜ブラック・ローズ》を特殊召喚!」
《アルティマヤ・ツィオルキン》の口から放たれる赤いブレスの中から《ブラック・ローズ・ドラゴン》に似たドラゴンが飛び出してくる。
胸部にはアキのシグナーの痣のような模様が刻まれていて、瞳は赤く染まっていた。
月華竜ブラック・ローズ レベル7 攻撃2400
「《ブラック・ローズ》…」
本来の持ち主であるアキの目に映る、ゴドウィン手に落ちた自らのエース。
故にこのモンスターが遊星にとって危険のカードなのが分かる。
「《ブラック・ローズ》の効果。このカードの特殊召喚に成功した時、または相手がレベル5以上のモンスターの特殊召喚に成功した時、1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を手札に戻す。貴様の《スターダスト》には消えてもらう」
《月華竜ブラック・ローズ》から放たれる薔薇の嵐が《閃珖竜スターダスト》を包み、吹き飛ばしていく。
1度だけ破壊から守るバリアを展開できるそのモンスターでは、バウンスには対応できない。
「神に刃を向けし報いを受けよ!愚か者め!!《月華竜ブラック・ローズ》で攻撃!散華の鎮魂歌!!」
《月華竜ブラック・ローズ》の口から放たれる炎が無防備な遊星に襲い掛かる。
炎は遊星を焼くとともに地表を砕き、遊星とヒイロの足場を奪う。
「うわあああああ!!」
遊星&ヒイロ
LP4000→1600
「アニキ、ヒイローーーー!!」
「くそっ…!」
足場がない2台のDホイールが転落していく。
神の事象は敵である二人にガレキと同じ慈悲を与えることはない。
「つまらぬ…この程度で終わりか…」
太陽に焼かれて落ちたイカロスのように、愚かにも髪の領域に踏み込もうとした人間には似合いの末路。
敗者にふさわしい姿をただ見つめる。
「不動遊星、ヒイロ・リオニス…」
「アニキとヒイロが負けるなんて…アリえねえ…」
たとえ空であろうと、決闘疾走では走り続けられない決闘疾走者は敗北しかない。
遊星の脳裏に骸骨騎士の最期の言葉が浮かぶ。
(レクスを…闇から救ってくれ。決闘神官、不動遊星…)
弟であるゴドウィンを救うため、五千年の時を生き続けた男。
その意思が遊星を覚醒され、同時にDホイールのアクセルを踏み込む。
放出されるフィールのエネルギーが翼となり、Dホイールに飛行能力を与える。
「遊星!!」
「アニキ!!」
「ああ、そうだ…遊星。そういえば、あの時もそうだったな…」
落ちるヒイロの脳裏に、アーク・クレイドルでの遊星とZ-ONEのデュエルの光景がよみがえる。
あの時はダークネスとの戦いですべてを見ることはできなかったが、あの時も遊星は空を飛んでいた。
ヒイロもまた、ストライクチェイサーにフィールを集中させていく。
同時に前方へと放出されたフィールのエネルギーが道を作り出し、ストライクチェイサーをそのうえで走らせる。
「ハハハハ!そうだ、我と戦うのであれば、貴様らも飛んでもらわなければな!!」
「俺が直接攻撃によって戦闘ダメージを受けたとき、このカードは手札から特殊召喚できる。《スターダスト・パラディン》を特殊召喚…!」
《スターダスト・ドラゴン》を模した鎧姿をした、遊星に似た髪型をした騎士が現れる。
そして、手にしている青白い刃の剣から放たれる光が遊星を包む。
「そして、俺が受けたダメージの数値分、ライフを回復する」
スターダスト・パラディン レベル5 守備2100
遊星&ヒイロ
LP1600→4000
「更に俺は罠カード《スターダスト・アクセラレーション》を発動。俺フィールドにスターダストモンスターまたは《スターダスト・ドラゴン》の名が記されたモンスターが存在する時、手札・デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚できる。俺はデッキから《ライトニング・シンクロン》を特殊召喚」
《ライトニング・ウォリアー》をそのまま小さい子供にしたようなデザインのモンスターが現れる。
左腕にはスマートフォンが埋め込まれていて、出現と同時にそれを操作し始めた。
ライトニング・シンクロン レベル3 攻撃1200(チューナー)
「こざかしい…。だが、神は我のフィールドに他のシンクロモンスターが存在する限り、攻撃対象にも効果の対象にもならぬぞ。我はカードを1枚伏せ…」
「お前のメインフェイズ2に、《ライトニング・シンクロン》の効果を発動!お前のフィールドに特殊召喚されたモンスターが存在し、俺のフィールドにシンクロモンスターが存在しないとき、このカードを含む俺のフィールドのモンスターを素材にシンクロ召喚を行うことができる」
「我のターンにシンクロ召喚を…?」
「俺はレベル5の《スターダスト・パラディン》にレベル3の《ライトニング・シンクロン》をチューニング。再び現れろ、《閃珖竜スターダスト》!!」
閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
「…《ブラック・ローズ》の効果は1ターンに1度のみ、ここで使うことはできぬ」
「更に、シンクロ素材となった《ライトニング・シンクロン》の効果。フィールドのこのカードを素材に戦士族かスターダストシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、俺はデッキからカードを1枚ドローし、手札1枚を墓地へ捨てる」
手札から墓地へ送られたカード
・スターダスト・シンクロン
「我はこれで、ターンエンド」
ゴドウィン
手札4→2
LP4000
場 月華竜ブラック・ローズ レベル7 攻撃2400
アルティマヤ・ツィオルキン レベル1 守備0
伏せカード2(うち1枚《ナイトメア・シャッフル》の影響下)
ナイトメア・シャッフル(永続魔法)
遊星&ヒイロ
手札
遊星3→2
ヒイロ5
LP4000
場 閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
伏せカード1
《閃珖竜スターダスト》を残し、ライフダメージも実質的にゼロとなったが、それでもゴドウィンのフィールドには《アルティマヤ・ツィオルキン》と彼の下僕となった《月華竜ブラック・ローズ》がいる。
ヒイロがレベル5以上のモンスターの特殊召喚を行った瞬間、効果が発動する。
「俺のターン」
ヒイロ
手札5→6
「俺はこのまま、バトルフェイズに突入する。俺は《スターダスト》で《ブラック・ローズ》を攻撃。流星閃撃!」
ヒイロの命令に従い、《閃珖竜スターダスト》がブレスを《月華竜ブラック・ローズ》に向けて放つ。
ブレスは《月華竜ブラック・ローズ》を貫き、ゴドウィンが乗るDホイールに襲い掛かる。
ブレスの直撃を受けたゴドウィンがDホイールとともに吹き飛んでいくが、上空で軌道修正をして飛行を続ける。
ゴドウィン
LP4000→3900
「この程度か、解錠覇王の決闘竜よ。我は罠カード《輪廻萌芽》を発動。我のフィールドに《アルティマヤ・ツィオルキン》が存在し、我のフィールドのモンスターが相手によって破壊されたとき、我はカードを1枚手札からセットすることができる。そして、セットと同時に《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動。現れよ!!《琰魔竜レッド・デーモン》!!」
琰魔竜レッド・デーモン レベル8 攻撃3000
「《レッド・デーモン》!!おのれ、ゴドウィン…!!」
自らの切り札たる《琰魔竜レッド・デーモン》を使うゴドウィンにジャックは拳を握り締める。
「まずいぜ…確かに《レッド・デーモン》の効果による破壊は《スターダスト》なら大丈夫だけど、破壊されない効果が使えるのは1回だけ。そのあとの攻撃に対しては防ぎきれねえ!!」
「それに、《ナイトメア・シャッフル》の効果で、ゴドウィンは自分のターンのスタンバイフェイズ時に墓地のカードをランダムに1枚セットできる。手札に魔法カードや罠カードがなかったとしても、確実に《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果を使える」
《月華竜ブラック・ローズ》と《琰魔竜レッド・デーモン》を使ってきたことを考えると、ゴドウィンのデッキにはほかにも《煉獄龍オーガ・ドラグーン》と《魔王龍ベエルゼ》などが入っていると思われる。
「(龍亜と龍可から決闘竜を受け取っておいて正解だった…。2人の手の中のままだったら、奴に奪われていた)お前がモンスターを特殊召喚したことで、手札から速攻魔法《サモン・ストリーム》を発動。バトルフェイズ中に相手がエクストラデッキからモンスターを特殊召喚した時、その中から最も高いモンスターのレベルと同じになるように、俺はデッキからモンスターを2体以上、効果を無効にして、守備表示で特殊召喚できる。《琰魔竜レッド・デーモン》のレベルは8。よって、デッキから《C:Hスミス》、《C:Aアローフェアリー》、《C:Hサイファー》を特殊召喚」
C:Hスミス レベル1 守備0
C:Aアローフェアリー レベル1 守備600(チューナー)
C:Hサイファー レベル6 守備2000
「メインフェイズ2に、俺はレベル6の《サイファー》にレベル1の《アローフェアリー》をチューニング。古の時代より、大地に豊穣をもたらす妖精の王よ、破壊と創造の力をここに示せ。シンクロ召喚。現れろ、《妖精竜エンシェント》」
妖精竜エンシェント レベル7 守備3000
「そして、俺は手札から魔法カード《シンクロ・クリード》を発動。その効果により、フィールドに3体以上シンクロモンスターが存在することから俺はデッキからカードを2枚ドローする。そして、俺は手札からフィールド魔法《エターナル・サンクチュアリ》を発動。同時に、《エンシェント》の効果。俺が自分のターンにフィールド魔法を発動した時、デッキからカードを1枚ドローする。そして、《エターナル・サンクチュアリ》の効果。1ターンに1度、エクストラデッキに存在するレベル7・8のドラゴン族モンスター、またはパワー・ツールシンクロモンスター1体を相手に見せることで、このターンもう1度だけモンスターを通常召喚できる。俺はエクストラデッキの《機械竜パワー・ツール》を選ぶ。更に、《エンシェント》の効果。1ターンに1度、フィールド魔法が存在する場合、フィールド上の攻撃表示モンスター1体を破壊できる。俺は《琰魔竜レッド・デーモン》を破壊する。森葬の霊場」
発動された《エターナル・サンクチュアリ》のカードから放たれる光が《琰魔竜レッド・デーモン》を襲う。
光を浴びた《琰魔竜レッド・デーモン》のそばに《妖精竜エンシェント》が近づき、何かを伝えた後で《琰魔竜レッド・デーモン》は消えてしまった。
「ほぉ…」
「更に俺は手札から《C:Hアンノウン》を召喚」
C:Hアンノウン レベル4 攻撃1500
「そして、《アンノウン》の効果。装備カードを装備していない自らに手札の《アンデッドブレイカー》を装備カード扱いとして装備する。そして、《アンデッドブレイカー》の効果。このカードがC:Hの装備カードとなっているとき、装備を解除して特殊召喚できる」
C:Aアンデッドブレイカー レベル3 攻撃1000(チューナー)
「レベル4の《アンノウン》にレベル3の《アンデッドブレイカー》をチューニング。鋼の逆鱗よ、敵を切り裂き、大地を砕け。シンクロ召喚!《機械竜パワー・ツール》」
機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃2300
「そして、《機械竜パワー・ツール》に装備魔法《集中防御盾》を装備。このカードを装備している限り、お前は《パワー・ツール》以外との戦闘やダイレクトアタックで俺たちにダメージを与えることはできない。そして、《パワー・ツール》の効果。俺のターンにこのカードが装備カードを装備した時、デッキからカードを1枚ドローする」
2体の決闘竜をフィールドに増やし、さらには《琰魔竜レッド・デーモン》を撃破した。
それでもまだ手札は4枚あり、ヒイロにはまだ通常召喚の権利が残っている。
「そして、俺は手札から《エンシェント・エクスクルーダー》を召喚」
薄いピンク色のローブ姿をしていて、緑色の長い髪をした大人の女性が右手にカースド・ニードルを手にしてフィールドに現れる。
エンシェント・エクスクルーダー レベル4 攻撃1400
「《エンシェント・エクスクルーダー》の効果。自分フィールドに存在するモンスターの数以下のレベルを持つチューナーモンスター1体を手札・墓地から特殊召喚できる。俺のフィールドに存在するモンスターの数は4体。よって、俺は墓地の《ジャンク・チェンジャー》を特殊召喚」
ジャンク・チェンジャー レベル3 攻撃1500(チューナー)
「《ジャンク・チェンジャー》の効果。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、俺のフィールドのジャンクモンスター1体のレベルを1つ変動させる。俺は《ジャンク・チェンジャー》のレベルを1つ増加させる。レベル4の《エンシェント・エクスクルーダー》にレベル4の《ジャンク・チェンジャー》をチューニング。世界をつなぐ広大な海の水底に眠りし龍よ、静寂を守るため、今一度甦れ!シンクロ召喚!現れろ、《異海龍マリンフォース》!!」
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ゴドウィン
手札2→1
LP3900
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル1 守備0
伏せカード1(うち1枚《ナイトメア・シャッフル》の影響下)
ナイトメア・シャッフル(永続魔法)
遊星&ヒイロ
手札
遊星2
ヒイロ6→0
LP4000
場 閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
機械竜パワー・ツール(《集中防御盾》装備) レベル7 攻撃2300
妖精竜エンシェント レベル7 守備3000
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
伏せカード4
集中防御盾(装備魔法)
エターナル・サンクチュアリ(フィールド魔法)
「すげえ…1ターンで3体の決闘竜を…」
場に残すわけにはいかない《琰魔竜レッド・デーモン》を除去し、かなり有利な場面で遊星にバトンタッチできる状態にしたヒイロの動きにセクトは舌を巻く。
これだけの状態であれば、《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒すことができるという確信を抱く。
この状況の中、ゴドウィンは肩を震わせ、笑い始める。
「何がおかしい…?」
「フフフフ、愚か者め…《アルティマヤ・ツィオルキン》を前にこれほどの決闘竜を並べるなど…これが貴様らを敗北へ陥れる!!我のターン!!」
ゴドウィン
手札1→2
「《ナイトメア・シャッフル》の効果。この効果でセットしているカードを墓地へ送り、再び墓地のカード1枚をランダムにセットする。セットされたことで、《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動!現れよ、《魔王龍ベエルゼ》!」
魔王龍ベエルゼ レベル8 攻撃3000
「そして、我は手札から永続魔法《生まれし者の義務》を発動。さあ、究極神より生まれし者よ、その務めを果たせ!」
発動と同時にヒイロ達の4体の決闘竜たちが苦しみ始める。
「どうした!?《スターダスト》!!」
「《マリンフォース》…《エンシェント》、《パワー・ツール》…《クリアウィング》…」
フィールドに現れていない《旋風龍クリアウィング》も震えているように見え、《アルティマヤ・ツィオルキン》の肉体に決闘竜たちの印が刻まれていく。
「このカードは発動したターン終了時に墓地へ送られる。そして、発動したターン我は通常召喚を行えず、我のフィールド上のドラゴン族Sモンスター以外のモンスターは効果を発動できない。だが、それと引き換えに《アルティマヤ・ツィオルキン》はフィールド上のすべてのレベル7・8のドラゴン族シンクロモンスターとパワー・ツールシンクロモンスターの効果を得る!」
「何!?」
ゴドウィンのフィールドにいる《魔王龍ベエルゼ》と、ヒイロと遊星が召喚した4体の決闘竜。
そのすべてが《アルティマヤ・ツィオルキン》の力となっていく。
「そして、我は手札よりフィールド魔法《愚かな森-パール・チェチェン》を発動」
発動と同時に浮遊するがれきから次々と蔦が現れ、急激に成長していく。
蔦はジャックとセクトの腕を、アキの脚を拘束する。
「何だ、このフィールドは!?」
「見せてやろう、我が神の決闘(ディアク・クィエン)を!!《妖精竜エンシェント》の力を発動。フィールド魔法を発動したことにより、我はデッキからカードを1枚ドローする。そして、もう1つの効果。フィールド魔法が存在する時、1ターンに1度、フィールド上の表側攻撃表示モンスター1体を破壊できる。我は《スターダスト》を破壊する」
「俺は《スターダスト》の効果を発動。《スターダスト》の守りの力を《マリンフォース》へ!!」
《妖精竜エンシェント》の力によって襲い掛かる蔦が来る前に《閃珖竜スターダスト》は《異海龍マリンフォース》をバリアで包み、自らは蔦に貫かれて消滅する。
「仲間を守る道を選ぶか…だが、我もそれにチェーンして《スターダスト》の力を使わせてもらった。《アルティマヤ・ツィオルキン》にバリアを展開している。そして、《パワー・ツール》の力を発動。貴様の《集中防御盾》を《アルティマヤ・ツィオルキン》の装備カードとさせてもらう」
「くっ…!」
仲間たちを守る盾が奪われ、改善したと思われた状況が一気に悪化する。
そして、《機械竜パワー・ツール》から奪った力はほかにもある。
「更に《パワー・ツール》のもう1つの力を発動。装備魔法カードを装備したことにより、我はデッキからカードを1枚ドローする。そして、我は《愚かな森-パール・チェチェン》の効果。我のフィールドに《アルティマヤ・ツィオルキン》が存在する場合、我はデッキからカードを2枚ドローすることができる」
奪い取った決闘竜の力、そしてフィールド魔法によって4枚にまで増えるゴドウィンの手札。
これはゴドウィンにさらなる動きをもたらす。
「カードを1枚伏せ、我は手札から速攻魔法《決闘竜の飛翔》を発動。我のフィールドに存在するドラゴン族シンクロモンスター1体をリリースすることで、我のフィールドに存在する魔法・罠カードをすべて手札に戻す」
《ナイトメア・シャッフル》と《愚かな森-パール・チェチェン》を含めたゴドウィンのすべての魔法・罠カードが消えていく。
「そして、この効果によってフィールドから離れたカードの数だけ、我は手札の魔法・罠カードをセットする。我のフィールドから離れたカードは4枚。よって、4枚のカードをセットする。その後、この効果でセットしたカードの数だけ、我は墓地とエクストラデッキよりレベル7または8のドラゴン族シンクロモンスター、またはパワー・ツールシンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。ただし、《決闘竜の飛翔》の効果でリリースしたモンスターと同じ名前のモンスター以外ではあるがな」
「何!?」
「よみがえれ、《琰魔竜レッド・デーモン》、《月華竜ブラック・ローズ》、《煉獄龍オーガ・ドラグーン》、《玄翼竜ブラック・フェザー》」
琰魔竜レッド・デーモン レベル8 攻撃3000
煉獄龍オーガ・ドラグーン レベル8 攻撃3000
月華竜ブラック・ローズ レベル7 攻撃2400
玄翼竜ブラック・フェザー レベル8 攻撃2800
「一気に4体の決闘竜を召喚するだと!?」
「これが…神の決闘…」
効果が無効となっているとはいえ、せっかく処理した《琰魔竜レッド・デーモン》と《月華竜ブラック・ローズ》だけでなく、さらに2体の決闘竜まで現れてしまった。
これで状況がわからなくなった。
「安心するがいい。この4体は効果を失っている。よって、《レッド・デーモン》の効果と《ブラック・ローズ》の効果はここでは発動しない。だが…我はセットされているカード、《生まれし者の義務》を再び発動。これにより、《アルティマヤ・ツィオルキン》は再びすべての決闘竜の効果を得る。更にフィールド魔法《愚かな森-パール・チェチェン》を再び発動。バトル。我は《レッド・デーモン》で《機械竜パワー・ツール》を攻撃。極獄の絶対独断!!」
《琰魔竜レッド・デーモン》の灼熱の炎を宿した拳が《機械竜パワー・ツール》の装甲を貫き、爆散させる。
爆発の衝撃はヒイロと遊星だけでなく、《異海龍マリンフォース》にも襲い掛かる。
遊星&ヒイロ
LP4000→3300
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2800→2100
「《マリンフォース》の攻撃力が!!」
「《煉獄龍オーガ・ドラグーン》よ、存在を許されぬ決闘竜を破壊せよ!煉獄の混沌却火!!」
《煉獄龍オーガ・ドラグーン》の口に集中するエネルギーが黒い炎となって放出され、《異海龍マリンフォース》を焼き尽くしていく。
「だが、《マリンフォース》は《スターダスト》の力で守られている!
「だが、ダメージは受けてもらう。そして、《愚かな森》よ!《エンシェント》から力を奪え!」
遊星&ヒイロ
LP3300→2400
妖精竜エンシェント レベル7 守備3000→2100
「《月華竜ブラック・ローズ》で《妖精竜エンシェント》を攻撃。散華の鎮魂歌」
《月華竜ブラック・ローズ》の身体から生み出されるイバラが鞭のように振るわれ、《妖精竜エンシェント》にたたきつける。
その一撃で《妖精竜エンシェント》は浮かんでいるがれきに激突すると同時に消滅した。
「そして、《ブラック・フェザー》で《マリンフォース》を攻撃。黒怒尖闘撃」
咆哮する《玄翼竜ブラック・フェザー》が傷ついた《異海龍マリンフォース》に向けて突撃する。
弾丸のような体当たりによって穿ちぬかれたそのドラゴンは消滅し、ヒイロ達を衝撃波が襲う。
「く、ううう…」
「うわあああ!!」
遊星&ヒイロ
LP3300→2600
「だが…これで奴に攻撃モンスターはいない…」
モンスターをすべて失ったヒイロ達に勝ち目があるかはわからないが、それでもこのターンだけは生き延びることはできた。
「ふふふ…他愛もない。これでは…む?」
ゴドウィンの余裕に満ちた表情がフィールドに発生する波紋によって固まる。
その波紋の中から《妖精竜エンシェント》と《機械竜パワー・ツール》、そして《異海龍マリンフォース》が健在の状態でその姿を見せる。
機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃2300
妖精竜エンシェント レベル7 守備3000
異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600
遊星&ヒイロ
LP2600→4000
「馬鹿な…ライフとモンスターが元に戻るだと!?」
「罠カード《ミラージュ・ルーラー》だ。相手のバトルフェイズ時に俺のフィールドのモンスターが全滅したバトルフェイズ終了時に発動できる。破壊されたすべてのモンスターを墓地から特殊召喚して、ライフをバトルフェイズ開始前の状態に戻す、その後で発動の代償としてライフを1000支払う」
遊星&ヒイロ
LP4000→3000
「くっ…だが、貴様がレベル5以上のモンスターを特殊召喚したならば、《ブラック・ローズ》の力を使うまで!貴様の《エンシェント》を手札に戻してもらう!」
「罠発動。《シフトチェンジ》。その効果により、《ブラック・ローズ》の効果の対象を《マリンフォース》に変更する」
《妖精竜エンシェント》をかばって黒薔薇の嵐を受けた《異海龍マリンフォース》がフィールドから消えていく。
「…《生まれし者の義務》はターン終了と同時に墓地へ送られる。この効果は誰にも無効にすることはできない。だが、我は手札の《戻り鬼クチパチ・ババール》の効果を発動。手札のこのカードを墓地へ送ることで、我がフィールドに表側表示で存在するカード1枚をデッキの一番上に戻すことができる。我は《生まれし者の義務》をデッキの一番上に戻す。これで、我は次のターンに再び《生まれし者の義務》を発動できる」
デッキトップへと戻っていく《生まれし者の義務》。
《アルティマヤ・ツィオルキン》の支配から決闘竜たちは自由となったが、それでも猶予は1ターンのみ。
「そして、我は墓地の《クチパチ・ババール》の効果。我のフィールドに《アルティマヤ・ツィオルキン》が存在する場合、墓地に存在するこのカードを除外することで、我がフィールドのドラゴン族シンクロモンスター1体の攻撃力分のダメージを貴様に与える。我のフィールドには攻撃力3000の《琰魔竜レッド・デーモン》がいる。よって、貴様らに3000のダメージを与える!」
「今の遊星とヒイロのライフは3000!この一撃を受けたら、2人のライフが尽きるわ!!」
「アニキーーー!!」
《戻り鬼クチパチ・ババール》の力を受け、再び灼熱の炎を拳に宿した《琰魔竜レッド・デーモン》。
「俺は罠カード《シンクロ・ディフェンスユニット》を発動。このカードは発動後、装備カード扱いとして俺のフィールドのシンクロモンスター1体に装備する。装備モンスターが存在する限り、戦闘・効果ダメージが発生する時、このカードを装備したモンスターの攻撃力分ダメージを減らすことができる。俺は《パワー・ツール》にこのカードを装備する」
《機械竜パワー・ツール》の両腕に大型のシールドユニットが出現し、そこから発生する大出力のビームシールドが《琰魔竜レッド・デーモン》の拳を受け止めた。
遊星&ヒイロ
LP3000→2300
「我はセットしている永続魔法カード《ナイトメア・シャッフル》を再び発動。その効果により、墓地のカード1枚をランダムにセットする。これで、ターンエンド」
ゴドウィン
手札2→0
LP3900
場 アルティマヤ・ツィオルキン(《集中防御盾》装備) レベル1 守備0
琰魔竜レッド・デーモン(《決闘竜の飛翔》の影響下) レベル8 攻撃3000
煉獄龍オーガ・ドラグーン(《決闘竜の飛翔》の影響下) レベル8 攻撃3000
月華竜ブラック・ローズ(《決闘竜の飛翔》の影響下) レベル7 攻撃2400
玄翼竜ブラック・フェザー(《決闘竜の飛翔》の影響下) レベル8 攻撃2800
伏せカード4(うち1枚《ナイトメア・シャッフル》の影響下)
ナイトメア・シャッフル(永続魔法)
愚かな森-パール・チェチェン(フィールド魔法)
遊星&ヒイロ
手札
遊星2
ヒイロ0
LP2300
場 妖精竜エンシェント レベル7 守備3000
機械竜パワー・ツール(《シンクロ・ディフェンスユニット》装備) レベル7 攻撃2300
伏せカード1
集中防御盾(装備魔法)
シンクロ・ディフェンスユニット(装備カード)
エターナル・サンクチュアリ(フィールド魔法)
「遊星、《パワー・ツール》と《エンシェント》は残した。だが、《ナイトメア・シャッフル》の効果でセットしたカードには気をつけろ」
「ああ…奴の伏せカードの中にはおそらく、《戦線復帰》か《輪廻萌芽》がある」
手札がない以上は《輪廻萌芽》を発動する心配はない。
だが、《戦線復帰》の場合は下手に《月華竜ブラック・ローズ》を破壊するわけにはいかない。
「俺のターン!」
遊星
手札2→3
「俺は《パワー・ツール》の効果を発動。《アルティマヤ・ツィオルキン》に奪われた《集中防御盾》を取り戻す!」
「我のデッキの一番上には《生まれし者の義務》が存在する。目的はドロー効果か」
「そうだ、《パワー・ツール》は1ターンに1度、自分のターンに装備魔法カードを装備した時、デッキからカードを1枚ドローできる」
遊星はデッキトップに指をかけ、次のゴドウィンのターンで起こることを想像する。
(次のターン、奴は《生まれし者の義務》を発動する。確実に《集中防御盾》を奪い、《レッド・デーモン》の効果を使う。《スターダスト》がいない今、それから身を守る手段はない)
だが、その場合フィールドには《アルティマヤ・ツィオルキン》だけが残る状態となり、決闘竜がいないそのモンスターを守る者は存在しない。
そのことはゴドウィンも分かっているだろう。
それに、1枚は《ナイトメア・シャッフル》の効果でセットしているとはいえ、4枚もの伏せカードが存在する。
遊星は《機械竜パワー・ツール》がもたらすカードを引く。
「俺は、《エンシェント》の効果発動!フィールド魔法が発動しているとき、フィールド上の攻撃表示モンスター1体を破壊する。俺は、《煉獄龍オーガ・ドラグーン》を破壊する!森葬の霊場!!」
ガレキから次々と生えてくる蔦が《煉獄龍オーガ・ドラグーン》に襲い掛かり、串刺しにして消滅する。
「ふん…!愚かな、我には向かおうなど!我は罠カード《戦線復帰》を発動!その効果により、墓地からよみがえるがいい、《煉獄龍オーガ・ドラグーン》!」
死んだはずの煉獄の龍が再びフィールドに舞い戻る。
そこで遊星は自分の選択ミスを確信する。
「《決闘竜の飛翔》の制約はもはや《オーガ・ドラグーン》には存在しない。故に、《オーガ・ドラグーン》は自らの効果を使用できる」
「《オーガ・ドラグーン》は手札が0枚の時、1ターンに1度、相手の魔法・罠カードの発動を無効にし、破壊する。当然、次のターンに《生まれし者の義務》が来れば、《アルティマヤ・ツィオルキン》は同じ効果を得る。ゴドウィンの手札は…0枚だ」
「くっ…!」
遊星は手札、そしてセットされているカードに目を向ける。
「そして、決闘竜に歯向かうことは《アルティマヤ・ツィオルキン》に刃を向けることと同じ。故に、裁きを与えよう。我は罠カード《裁きの大災害》を発動。我のフィールドにレベル10以上のドラゴン族シンクロモンスターが存在し、墓地またはエクストラデッキからレベル7または8のドラゴン族シンクロモンスター、パワー・ツールシンクロモンスターの特殊召喚に成功したターンに発動でき、相手フィールドのモンスターをすべて破壊する!」
「何!?」
《アルティマヤ・ツィオルキン》が咆哮するとともに発生する激しい衝撃波。
それが《妖精竜エンシェント》を砕き、《集中防御盾》を展開する《機械竜パワー・ツール》にも襲う。
「《集中防御盾》を身代わりに、《パワー・ツール》を守る!そして、《集中防御盾》はシンクロモンスターの身代わりになった場合、次の自分のターンのスタンバイフェイズ時にデッキからカードを1枚ドローできる」
《集中防御盾》を失い、無防備となった《機械竜パワー・ツール》にできることはダメージを軽減することと、1度だけなら盾となること。
「そして、我はその後で手札の魔法・罠カード1枚をセットするか、我のフィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。我は、《ナイトメア・シャッフル》の効果によってセットしたカードを墓地へ送る」
「なんでだよ!?そんなことをしたら、《ナイトメア・シャッフル》の効果で再度セットすることは…」
「奴はもはや、《ナイトメア・シャッフル》は不要…そういうことだろう」
そして、《戦線復帰》を発動時に墓地のカードを確認したゴドウィンは既に何のカードがセットされているかわかっている状態だ。
墓地へ送るとしたら、フィールドに存在していても意味のないカードということになる。
遊星は自分がセットしているカードを見つめる。
(《ハーモニック・ジオグラフ》…。このカードがあれば…)
自分フィールドにいるチューナーと、お互いのフィールドと墓地のシンクロモンスター2体以上をレベル2のモンスターとして扱ったうえでシンクロ召喚を行うカード。
《煉獄龍オーガ・ドラグーン》に警戒をかいくぐり、発動することができれば、《アルティマヤ・ツィオルキン》に届く。
(俺のエクストラデッキにはレベル6の《グラヴィティ・ウォリアー》、レベル10の《サテライト・ウォリアー》がいる。これがあれば…)
「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。このカードは墓地のモンスター1体を特殊召喚できる。俺は墓地の…」
「《オーガ・ドラグーン》の効果発動。《死者蘇生》を無効にする」
《煉獄龍オーガ・ドラグーン》の尾に貫かれ、効果を使えずに散る《死者蘇生》。
だが、これでこの効果をこのターン使うことはできない。
「俺は《シンクロ・ディフェンスユニット》の効果を発動!このカードを装備しているシンクロモンスター1体をリリースし、墓地に存在するそのモンスターよりもレベルが1つ高いシンクロモンスター1体を特殊召喚する。甦れ、《閃珖竜スターダスト》!」
閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
「そして、俺は手札から罠カード《スターダスト・ブースター》を発動。俺のフィールドにスターダストシンクロモンスターが存在する時、このカードをモンスターカード扱いとして自分フィールドに特殊召喚する。そして、このカードは俺のフィールドに存在するモンスターが1体のみの場合、手札から発動できる!」
純白の装甲で身を包んだ《ワンショット・ブースター》というべき罠モンスターがフィールドに現れようとした瞬間、ゴドウィンは笑みを見せる。
「よもや、それで我の布陣を突破できると思ってはいまいな?」
「何!?」
「我は速攻魔法《ダブル・サイクロン》を発動。このカードはお互いのフィールドの魔法・罠カードを1枚ずつ破壊する。我は《ナイトメア・シャッフル》と貴様の伏せカードを破壊する!」
《ナイトメア・シャッフル》とともに竜巻によって砕かれる遊星の起死回生の一手。
この状況に遊星の表情は固まってしまった。
スターダスト・ブースター レベル1 守備0(チューナー)
「どうやら、私の考えは正しかったようだな。これで貴様の勝利は消えた」
ニヤリと笑うゴドウィンは今の遊星の様子を見て勝利を確信する。
シンクロ召喚しようとしない様子を見ると、遊星のデッキには今の状態で召喚条件を満たすシンクロモンスターは存在しないと見える。
(すまない…決闘竜たち…すまない、みんな…俺は…)
ヒイロとともに思いを背負いながらも、ゴドウィンに勝つことができなかった。
遊星にはもはや、勝利の可能性が見えていない。
「遊星…」
自らのターンではないヒイロには遊星にできることはない。
ヒイロとしても、今のゴドウィンのフィールドを突破する方法は思いつかない。
そんな中、ヒイロの右腕に熱が生まれる。
「これは…」
右腕に発生する赤い光。
竜の心臓の痣が再びヒイロの腕に出現するとともに、そこから発生する光が《閃珖竜スターダスト》へと飛んでいく。
「グオオオオオ!!」
「《スターダスト》…」
光を受けた《閃珖竜スターダスト》が振り返って遊星を見つめる。
そして、遊星の目に映ったのは今決闘疾走をしている場所ではない別の空の光景。
セイバルを背にした《アルティマヤ・ツィオルキン》とそれに立ち向かう《閃珖竜スターダスト》をはじめとした6体の決闘竜、そして彼らとともにいる6人の白いローブを身にまとった神官と巫女の姿。
「なんだ、この光景は…《スターダスト》が見せているのか?」
「ふっ…ついに戦意を喪失したか」
走らせているだけで、何もしない愚かな解錠覇王をゴドウィンは嘲笑する。
ならば、もう彼に神の前にいる資格はない。
「おとなしく我の贄となるがよい、さらばだ!不動遊星!!」
《アルティマヤ・ツィオルキン》が咆哮し、同時に遊星を捕食すべく動き出す。
だが、その神の道を巨大な火柱がふさぐ。
「何!?これは…!!」
(邪魔…を、す…るな…!!)
「何だと!?」
見覚えの炎と聞き覚えのない声。
ゴドウィンは《アルティマヤ・ツィオルキン》によって従えたはずの《琰魔竜レッド・デーモン》を見る。
彼の胸部から服従の印である紋章が消えていた。
《琰魔竜レッド・デーモン》だけではなく、フィールドにいるほかの決闘竜たちも紋章が亡くなっている。
「何をしている貴様ら!貴様らに自由を与えた覚えはないぞ!!」
(服従…し、た…覚え…も、ない…)
《月華竜ブラック・ローズ》が薔薇の嵐を起こし、《煉獄龍オーガ・ドラグーン》と《玄翼竜ブラック・フェザー》がブレスで攻撃する。
更には墓地へ落としたはずの《機械竜パワー・ツール》と《妖精竜エンシェント》、《魔王龍ベエルゼ》、《異海龍マリンフォース》までもが姿を現し、遊星を守っていた。
「なんだ、これは…何が、起こっている…?」
ジャックにはなぜこの状況が起こっているのかわからなかった。
遊星がカードを発動したわけでなければ、ヒイロも何かをした様子もない。
だが、わかるのは《琰魔竜レッド・デーモン》が戦っていることだ。
「ジャック、あなたも感じているでしょう?彼らの、決闘竜たちの想いが…」
「決闘竜たちの…想い…?」
「俺も、感じるぜ。だって、《ベエルゼ》は…確かに、俺のモンスターだから」
骸骨騎士によって与えられ、自身の心の闇を増幅させた《魔王龍ベエルゼ》。
忌むべきモンスターだろうが、それでもあの時、確かにこのカードで遊星たちと戦った。
そして、《閃珖竜スターダスト》によって浄化されたことでほんの少しだけだが、闇だけではない何かを感じた。
その何かがあるから、《魔王龍ベエルゼ》も戦っている。
「《レッド・デーモン》…」
かつての自分なら、祈る二人を無視していただろう。
だが、力がない今のジャックにできるのは彼らと同じ祈ることだった。
同じころ、セイバルの入り口となっている祭壇でイェーガーから見て奇妙なことが起こっていた。
「一体、何を…?」
両腕を拘束され、身動きが取れないイェーガーは周囲の、クロウと、クロウの脅迫によって解放された決闘疾走者たちの様子を理解できなかった。
上空には日食によって黒く染まった太陽と《アルティマヤ・ツィオルキン》や決闘竜たちの姿、崩壊するセイバルが肉眼でも見え、上空から落ちてくるセイバルのガレキに目もくれず、彼らは胸に手を当てて祈っていた。
下手をすれば、このガレキたちによって下敷きになってしまうかもしれないのに。
「聞こえたということだろう、決闘竜と…奴と戦う者の声が」
「鬼柳京介…!」
「ボクたちも聞こえたよ!!」
「《エンシェント》の…決闘竜たちの声が…」
遅れてDホイールで祭壇にやってきた鬼柳と龍亜、龍可。
彼らもクロウ達とともに祈る。
龍可の脳裏にはヒイロと、ヒイロとともに戦う《妖精竜エンシェント》たちの姿が浮かぶ。
(お願い、ヒイロ…。あの人に、力を貸してあげて…)
「これは…《スターダスト》の記憶、なのか…?」
究極神と戦う6人と人間と6体のドラゴン。
自らの相棒の記憶と口にした遊星だが、なぜかこの光景に既視感を抱いている自分を感じていた。
実際に、彼らの容姿がジャックたちとそっくりだったこともあるかもしれない。
「究極神をここまで強大としたのは、人間の持つエゴ」
「力を引き出す儀式は、究極神の力を高めてしまうからな」
「愛する者を守るため、力を求めるのは当然。人の性は悪ではない」
「今は、それどころではない」
「早く、封印しなければ…」
「そうだ、皆の力をスターダストの結集させ、究極神をこのセイバルへ封印する。それが、我ら5人の光の決闘神官、そして決闘巫女の使命」
《閃珖竜スターダスト》のそばにいる決闘神官が遊星の前へとやってくる。
その容姿は遊星とよく似ている。
そして、白紙のカードを差し出す。
「1万年の時を超え、儀式と向き合う今世の決闘神官よ、己の為すべきを為せ」
「俺の為すべきこと…!」
カードを受け取った遊星の視界には遊星を守るべく《アルティマヤ・ツィオルキン》と戦う《琰魔竜レッド・デーモン》たちの姿が見える。
同時に脳裏に浮かぶのは祈りをささげるアキ達の姿。
「思い出した…いや、皆の祈りが思い出させてくれた。《スターダスト》の1万年前の姿を…」
「皆の祈り…一万年前、下僕どもといい貴様と言い、わけのわからぬことを!!」
「俺はフィールドの《スターダスト》をリリースし、フィールドの《スターダスト・ブースター》をデッキに戻す!」
フィールドの《スターダスト・ブースター》が緑色の巨大なチューニングリングとなり、《閃珖竜スターダスト》の身体を包むと、急速に回転を始める。
「《スターダスト》は自らをリリースし、フィールドか墓地の俺のチューナーモンスター1体をデッキに戻すことで、1万年前の姿を取り戻す!」
チューニングリングから力を取り戻した《閃珖竜スターダスト》の身体が緑色の光を放つ。
そして、遊星がデュエルディスクに置いた真っ白なカードにイラストとテキストが刻まれていく。
閃珖原竜スターダスト・オリジン レベル8 攻撃2500(チューナー)
「《スターダスト》の効果!俺のターンに自らの力でシンクロ召喚されたとき、このカード以外のフィールド上のすべてのモンスターを破壊する!!」
1万年前の姿となった《閃珖竜スターダスト》の光が波動となってフィールドに襲い掛かる。
波動を受けた決闘竜たちは姿を消し、波動を受けた《アルティマヤ・ツィオルキン》が苦しそうにうなり始める。
「ぐおおおおお!!ふざけるな!!我は墓地の《輪廻萌芽》の効果発動!!墓地のこのカードは《アルティマヤ・ツィオルキン》の装備カードとなる!そして、このカードを装備した《アルティマヤ・ツィオルキン》は1ターンに1度、破壊されぬ!!」
「けど、これでもう《アルティマヤ・ツィオルキン》を守るモンスターはいねえぜ!!」
「そして、この効果を発動後、お互いの墓地に存在するレベル7・8のドラゴン族シンクロモンスター、そしてパワー・ツールシンクロモンスターを召喚制限、蘇生制限を無視し、可能な限り俺のフィールドにレベル1で攻撃力と守備力が0、効果を無効にした状態で特殊召喚する!」
《アルティマヤ・ツィオルキン》の支配を脱し、かつての使命を思い出した《琰魔竜レッド・デーモン》、《月華竜ブラック・ローズ》、《機械竜パワー・ツール》、《妖精竜エンシェント》が優勢のフィールドに現れる。
彼らだけではなく、遊星の背後には幻影となっている《煉獄龍オーガ・ドラグーン》、《異海龍マリンフォース》、《玄翼竜ブラック・フェザー》、《魔王龍ベエルゼ》、さらには墓地には存在しないはずの《冥界龍ドラゴネクロ》の姿もあった。
琰魔竜レッド・デーモン レベル8→1 攻撃3000→0
月華竜ブラック・ローズ レベル7→1 攻撃2400→0
妖精竜エンシェント レベル7→1 攻撃2100→0
機械竜パワー・ツール レベル7→1 攻撃2300→0
「愚かな!貴様のフィールドに復活したとて、次のターンに《生まれし者の義務》を発動すれば…」
「まだ終わりじゃないぜ、1万年前の姿を取り戻した《スターダスト》はシンクロモンスターであり…チューナーモンスターだ!!」
「何!?」
「俺はレベル1となった4体の決闘竜にレベル8の《スターダスト》をチューニング!古の天空を彩る星々よ!!神雨となりて世界を祓え!!シンクロ召喚!!レベル12、超来迎!!《聖珖神竜 スターダスト・シフル》!!」
すべての決闘竜を包むように、再び緑色の輝きを放つ《閃珖竜スターダスト》がその光で仲間たちを包み込んでいく。
それによって生まれた新たな姿は6枚の翼を生やした《シューティング・スター・ドラゴン》というべきものとなっていた。
聖珖神竜スターダスト・シフル レベル12 攻撃4000
「《スターダスト・シフル》だと!?神がうろたえるなどと…!!」
存在しないはずの決闘竜とそれを見て動揺を見せる《アルティマヤ・ツィオルキン》。
自分が敷いたはずのレールを外れ、ありえない存在を生み出した遊星に動揺するゴドウィンの目のは遊星が見た6人の姿があり、彼らが遊星を守るように立ちはだかる。
「《スターダスト・シフル》。これが…不動遊星の、決闘疾走者たちの想いの結晶…」
《アルティマヤ・ツィオルキン》に匹敵するか、それ以上に感じるそのモンスターの中からかすかに感じる《琰魔竜レッド・デーモン》の力。
遊星とつながりを持つ決闘竜たちの力すべてが集約していた。
これはジャックには想像できない、枷と称したものの可能性。
そして、この力の解放も、ここまで勝ち抜いてきたことも、絆の力の証明といえよう。
「認めるしかないようだな…不動遊星」
「いくぜ、ゴドウィン!《スターダスト・シフル》で《アルティマヤ・ツィオルキン》を攻撃!」
もはや決闘竜が存在しない《アルティマヤ・ツィオルキン》へは攻撃を通すことができる。
《聖珖神竜スターダスト・シフル》の口に集中する光が閃珖となって《アルティマヤ・ツィオルキン》に襲い掛かる。
忌々しい光にゴドウィンの表情がゆがむ。
「おのれ!!だが、《輪廻萌芽》によって得た効果はまだある!我のフィールドに存在するモンスターが《アルティマヤ・ツィオルキン》1体のみで戦闘を行う時、戦闘を行う相手モンスターと同じ攻撃力となる。そして、相手フィールドのセットされているカード1枚を破壊する!これで貴様も道連れと…」
「《スターダスト・シフル》の効果!1ターンに1度、相手モンスターの効果を無効にする!」
「何!?」
反撃で放たれる《アルティマヤ・ツィオルキン》のブレスが光の粒子となって消えていく。
そして、粒子は拡散していき、蔦が少しずつ消えていく。
「そして、フィールド上のカード1枚を破棄する。俺は《愚かな森-パール・チェチェン》を破壊する!珖波動反撃(ソニック・シャイン・リバース)!!」
フィールド魔法が消滅し、ブレスが《アルティマヤ・ツィオルキン》を貫いていく。
「く…神が!!《決闘竜の飛翔》の効果を発動!我の手札が0枚の状態で、我の墓地に決闘竜が存在する時、墓地のこのカードを除外し、我はデッキからカードを1枚ドローする!そして、このターン我が受ける戦闘ダメージは0となる!」
最後の一手によって首の皮一枚つながるゴドウィンの決闘疾走。
だが、もう彼のフィールドにはカードは存在しなかった。
ナイトメア・シャッフル(アニメオリカ・調整)
永続魔法カード
このカード名のカードはフィールド上に1枚しか存在できず、発動中自分は効果以外で自分の墓地に存在するカードを確認できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分は墓地に存在するカードをランダムに1枚選択し、魔法・罠カード扱いとしてこのカードに隣接している魔法・罠ゾーンにセットする。
(2):自分スタンバイフェイズ時に発動する。(1)または(2)の効果でセットされているカードを墓地へ送る。その後、自分は墓地に存在するカードをランダムに1枚選択し、魔法・罠カード扱いとしてこのカードに隣接している魔法・罠ゾーンにセットする。
(3):このカードと(1)または(2)の効果でセットされているカードを墓地へ送ることで発動する。このカードの効果はこの効果で墓地へ送られたカードの効果と同じとなる。発動条件を満たしていない場合はこの効果は発動せず、ターン終了時まで自分が相手に与えるすべてのダメージが0となる。
スターダスト・パラディン
レベル5 攻撃1600 守備2100 効果 風属性 戦士族
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分が相手モンスターの直接攻撃で戦闘ダメージを受けた時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、自分が受けた戦闘ダメージの数値分だけ自分のLPを回復する。
(2):このカードを「スターダスト」またはドラゴン族SモンスターのS素材とするとき、このカードのレベルを3または4として扱うことができる。
スターダスト・アクセラレーション
通常罠カード
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動できない。
(1):自分フィールドに「スターダスト」モンスターまたは「スターダスト・ドラゴン」のカード名が記されたモンスターが存在する場合に発動できる。手札・デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分はS召喚以外の方法でモンスターを特殊召喚できない。
(2):自分メインフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、自分フィールドにレベル8の「スターダスト」Sモンスターが存在する場合に発動できる。このカードをモンスターカード(機械族・風・星1・攻0/守0・チューナー)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れたとき除外される。
ライトニング・シンクロン
レベル3 攻撃1200 守備1000 チューナー 光属性 戦士族
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。
(1):相手メインフェイズ時、自分フィールドにSモンスターが存在せず、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターを素材としてS召喚を行う
(2):フィールド上に存在するこのカードをS素材として戦士族または「スターダスト」SモンスターのS召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキからカードを1枚ドローする。その後、手札を1枚墓地へ捨てる。
サモン・ストリーム
速攻魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のバトルフェイズに、相手がEXデッキからモンスターを特殊召喚した場合に発動できる。その特殊召喚されたモンスターの中から最もレベルの高いモンスター1体を選び、レベルの合計がそのモンスターの元々のレベルと同じになるように、デッキからモンスターを効果を無効にして、守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはターン終了時にデッキに戻る。
エターナル・サンクチュアリ
フィールド魔法カード
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のEXデッキに存在するレベル7または8のドラゴン族Sモンスター、または「パワー・ツール」Sモンスター1体を相手に見せることで発動できる。このターン、通常の召喚に加えてもう1度だけモンスターを召喚できる。この効果を発動したターン、自分はS召喚以外の方法でEXデッキからモンスターを特殊召喚できず、この効果で見せたモンスターと同名モンスターを特殊召喚しなかった場合、ターン終了時に自分は2000LPを失う。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、フィールドに存在するこのカードを除外することで発動できる。ターン終了時までお互いの墓地に存在するドラゴン族Sモンスター、「パワー・ツール」Sモンスターはこのカードの元々の持ち主の墓地に存在するモンスターとして扱う。
集中防御盾(アニメオリカ・調整)
装備魔法カード
(1):装備モンスター以外の自分のモンスターが戦闘を行う時、または相手モンスターが直接攻撃を行う場合、戦闘で発生する自分へのダメージは0となる。
(2):装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。
(3):フィールドのこのカードが、Sモンスターに装備された状態で装備モンスターの破壊の代わりに破壊された場合に発動する。次の自分のスタンバイフェイズに、自分はデッキから1枚ドローする。
決闘竜の飛翔(漫画オリカ・調整)
速攻魔法カード
このカード名のカードの効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」が存在する場合、自分フィールドのドラゴン族Sモンスター1体をリリースして発動できる。自分フィールドに存在する魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。その後、この効果で手札に戻した数と同じ数まで手札から魔法・罠カードを選んで自分フィールドにセットする。その後、この効果でセットしたカードの数まで、自分の墓地・EXデッキからこの効果でリリースしたモンスターとは名前の異なるレベル7・8のドラゴン族Sモンスターまたは「パワー・ツール」Sモンスターを可能な限り特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
(2):自分の手札が0枚で、自分の墓地にレベル7・8のドラゴン族Sモンスターまたは「パワー・ツール」Sモンスターが存在する時、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分はデッキからカードを1枚ドローする。そして、このターン、戦闘で発生する自分へのダメージが0となる。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。
戻り鬼クチパチ・ババール(漫画オリカ・調整)
レベル1 攻撃0 守備0 効果 闇属性 悪魔族
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分メインフェイズ時またはバトルフェイズ時、手札に存在するこのカードを墓地へ送り、自分フィールドに表側表示で存在するカード1枚を対象に発動できる。そのカードを元々の持ち主のデッキの一番上に置く。
(2):自分メインフェイズ時、自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」が存在する時、墓地に存在するこのカードを除外し、自分フィールドに存在するドラゴン族Sモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。
エンシェント・エクスクルーダー
レベル4 攻撃1400 守備1800 効果 光属性 魔法使い族
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドの表側表示モンスターの数以下のレベルを持つチューナー1体を自分の手札・墓地から特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):自分メインフェイズに、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エターナル」魔法・罠カード1枚を手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
愚かな森-パール・チェチェン(漫画オリカ・調整)
フィールド魔法カード
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のモンスターの攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力と守備力は、その与えた戦闘ダメージの数値分ダウンする。
(2):自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」または「究極幻神アルティミトル・ビシバールキン」が存在する自分メインフェイズ時に発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。
シンクロ・ディフェンスユニット
通常罠カード
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分フィールドのSモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。このカードを装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。
(2):このカードの効果でこのカードを装備しているモンスターが存在する限り、自分が受ける戦闘・効果ダメージは、その装備モンスターの攻撃力分ダウンする。
(3):このカードを装備している自分フィールドのSモンスター1体をリリースして発動できる。自分の墓地から、リリースしたモンスターよりレベルが1つ高いSモンスター1体を特殊召喚する。
輪廻萌芽(漫画オリカ・調整)
通常罠カード
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」が存在し、自分フィールドのモンスターが相手によって破壊されたときに発動できる。自分の手札の魔法・罠カード1枚を自分の魔法・罠ゾーンにセットする。
(2):自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」が存在し、このカードが墓地に存在する時、墓地に存在するこのカードを装備カード扱いとして自分フィールドの「アルティマヤ・ツィオルキン」1体に装備できる。このカードを装備したモンスターは以下の効果を得る。この効果は(1)の効果を発動したターン、発動できない。
●このカードは1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されない。
●1ターンに1度、このカードが戦闘を行う時、自分フィールドに存在するモンスターが「アルティマヤ・ツィオルキン」1体のみの場合に発動できる。ターン終了時までこのカードの攻撃力は戦闘を行う相手モンスターと同じになる。その後、相手フィールドのセットされているカード1枚を破壊する。
生まれし者の義務
永続魔法カード
(1):自分フィールドに「アルティマヤ・ツィオルキン」が存在し、お互いのフィールドにドラゴン族Sモンスターが存在する場合にのみ発動できる。ターン終了時まで「アルティマヤ・ツィオルキン」はフィールド上に存在するレベル7・8のドラゴン族Sモンスター、「パワー・ツール」Sモンスターの効果を得る。このカードを発動するターン、自分はモンスターを通常召喚できず。自分フィールド上のドラゴン族Sモンスター以外のモンスターは効果を発動できない。
(2):ターン終了時に発動する。このカードを墓地へ送る。この効果は無効化されない。
裁きの大災害
通常罠カード
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル10以上のドラゴン族Sモンスターが存在し、自分がEXデッキ・墓地からレベル7・8のドラゴン族Sモンスター、「パワー・ツール」Sモンスターを特殊召喚に成功したターンにのみ発動できる。相手フィールドに存在するモンスターをすべて破壊する。その後、自分は以下の効果を選択して適応することができる。
●自分の手札に存在する魔法・罠カード1枚をセットする。
●自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。
閃珖原竜スターダスト・オリジン
レベル8 攻撃2500 守備2000 シンクロ・チューナー 光属性 ドラゴン族
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分・相手メインフェイズまたはバトルフェイズ時、自分フィールドの「閃珖竜スターダスト」1体をリリースし、自分のフィールド・墓地に存在するチューナーモンスター1体をデッキに戻すことで、このカードはEXデッキからS召喚扱いで特殊召喚できる。この方法でS召喚したターン、このカードは攻撃できない。
(1):このカードが自分のターンに自身の効果によりS召喚に成功した場合に発動する。このカード以外のフィールド上のすべてのモンスターを破壊する。その後、自分フィールドにお互いの墓地に存在するレベル7・8のドラゴン族Sモンスター、「パワー・ツール」Sモンスターを召喚制限・蘇生制限を無視して可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、攻撃力と守備力は0となり、レベルは1となる。この効果を発動するターン、自分はS召喚以外の方法でモンスターを特殊召喚できず、1度しか攻撃宣言できない。
(2):相手メインフェイズに発動できる(同一チェーン上では1度まで)。このカードを含む自分フィールドのモンスターを素材としてS召喚を行う。
ハーモニック・ジオグラフ
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドにチューナーが存在する場合、相手のフィールド・墓地のSモンスターを2体以上対象として発動できる。
対象のモンスターと自分フィールドのチューナー1体のレベルを2として扱い、自分フィールドのチューナー1体と対象のモンスターのみを素材として「スターダスト」Sモンスターまたは「ウォリアー」Sモンスター1体をS召喚する。
この効果でS召喚を行う場合、素材となったモンスターは墓地へは行かず全て除外される。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はSモンスターしか特殊召喚できない。
スターダスト・ブースター
通常罠カード
自分フィールドに存在するモンスターが1体のみの場合、このカードは手札から発動できる。
(1):自分フィールドに「スターダスト」Sモンスターが存在する場合に発動できる。このカードは効果モンスター(戦士族・チューナー・光・星1・攻/守0)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う。
(2):このカードは「スターダスト」「シンクロン」「ウォリアー」Sモンスター以外のS素材とすることができず、このカードが存在する限り自分はS召喚以外の方法でEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(3):このカードをS素材としてS召喚されたモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算開始前に発動できる。その相手モンスターを墓地へ送る。