遊戯王5D's外伝 異界の決闘神官   作:ナタタク

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第8話 異界のドラゴン

夜が迫るシティの海沿いの道。

D1GPの会場から離れているそこは人も車もほとんどいない。

その道をヒイロを乗せたストライクチェイサーが走る。

「どこにいる、ジャック…伊集院…」

あの頭痛が見せた現実のような生々しさを覚えた光景。

あの光景とこの場所は合致しており、走る中でもフィールによる損傷やブレーキ痕などが見られる。

走る中で、ようやく人とDホイールの影が見えてくる。

「あれは…遊星と、ジャック…それから…あいつか」

訳あり気に集まっている彼らの元へ急ぐ中で、強い威圧感がそこから放たれるのを感じた。

そして、彼らの頭上に出現したのはヒイロの知るドラゴン、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に似たドラゴンの姿だった。

「《レッド・デーモンズ》…だが、この感じは…」

ヒイロの脳裏に、かつてシドとジャックがデュエルをしていた時にヒイロが放った力によって召喚されたモンスターの姿が浮かぶ。

「《琰魔竜レッド・デーモン》…」

だが、召喚されたはずのそのドラゴンはソリッドビジョンを維持できず、すぐに消滅していく。

それと共に彼らのもとに到着し、遊星たち3人がヒイロを見る。

「ヒイロ・リオニス…貴様までここに来たか」

「遊星、ジャック…鬼柳か…」

「ヒイロ・リオニス…お前も、ここに来るとはな」

クラッシュタウンで再会した時の容姿をした鬼柳の左腕に取り付けられているデュエルディスクと、消滅していくカード。

その様子から、彼が《琰魔竜レッド・デーモン》を召喚したのだとわかり、おそらくはそれと縁があるのであろうジャックが憤慨している。

「遊星、伊集院は一緒じゃないのか?」

「それは…」

「奴は決闘竜に飲まれた。そして、今は骸骨騎士の元だ」

舌打ちしつつ、説明したジャックの脳裏にセクトとの決闘疾走の光景が浮かぶ。

彼のデッキはいまだに大したことがなく、遊星と決闘疾走したほうがマシなレベルと言えた。

だが、彼が召喚した決闘竜によってすべては一変した。

ヒイロが見た幻影の中でセクトが召喚したあのドラゴンによって、自らのエースモンスターが破壊される寸前だったのだ。

(奴は戦闘でも効果でも破壊されず、戦闘か相手によってダメージを受けたとき、受けた傷の分だけ力を増す…。認めたくはないが、あのまま決闘疾走を続けていたならば、どうなっていたことか…)

その決闘疾走を止めたのは骸骨騎士で、まだその時ではないとセクトを制止するとともに、再戦の舞台を用意するから、さらに力をつけるようにと、ジャックと決闘疾走を止めようと駆けつけた遊星に言い残して去っていった。

(どういうつもりだ…?骸骨騎士。遊星や俺との決闘疾走といい、何をしたいのかわからない…)

「ヒイロ・リオニス。どうやら、お前もあいつらと同じく、決闘竜を賭けたゲームに参加する権利があるようだな。お前も、持っているんだろう?決闘竜を」

「何!?」

「貴様も…だと?」

鬼柳の言葉に二人の視線がヒイロに向けられる。

それに対して、ヒイロは一切反論することなく、骸骨騎士から渡されたカードを見せる。

「これなんだろう?決闘竜は」

アクアと同じ姿をしていて、胸部にヒイロのシグナーの痣が刻まれたドラゴン。

骸骨騎士から渡された《異海龍マリンフォース》。

「骸骨騎士から渡されたカードだ。どういうつもりで渡したのかはわからないがな。だが、そのゲームに参加すれば、何かがわかる…そうだろう?」

「ああ…。決闘竜が欲しければ奪え、仲間を取り戻したければ乗り込んで来い。すべてが知りたいなら戦え。D1GPセカンドステージの舞台…サテライトが決戦の地だ」

「フン…昔のよしみだ。あえて、貴様のゲームに乗ってやる!」

不愉快さを隠せないジャックは鬼柳たちに背中を向け、ホイール・オブ・フォーチュンに乗り込む。

そして、ゲームの相手となる3人を改めてその目に焼き付ける。

「鬼柳、サテライトが貴様の公開処刑の場だ。そこで決闘疾走者として再起不能になるほど痛めつけてやる!ヒイロ・リオニス!貴様もだ!!」

「ふっ…楽しみにしているよ。ジャック」

笑みをうかべる鬼柳に更に機嫌を悪くしたジャックはその場を後にしていく。

「鬼柳…京介。サテライトにセクトと…骸骨騎士は本当にいるのか?」

「信じるか信じないかはお前次第だ。だが、決闘竜と決闘者の強い結びつき…《魔王龍ベエルゼ》と伊集院セクトを分かつには決闘疾走しかない。貴様もそのことに気づいているだろう?不動遊星」

 

D1GPのスタジアムには予選参加者を含め、選手ごとに専用のピットが用意されており、そこで参加者は決闘疾走のために自らの相棒の調整を行う。

24時間使用できるその場所でヒイロと遊星はそれぞれのDホイールの整備を行う。

「セカンドステージの舞台はサテライトか…お前らと戦える時が近いとなると…ワクワクするな!」

たまたまクロウも整備のためにここに来ており、気さくに遊星たちに声をかけるものの、ヒイロは返事をする様子がなく、遊星は生返事で返すだけ。

「なぁ、そういやぁ俺をMデコとか馬鹿にしたあいつはどこへ行った?一緒にいるんじゃないのか?」

決闘竜のことを知るはずがないクロウの言葉はセクトのことで動揺している遊星の手を止めるには十分だった。

《魔王龍ベエルゼ》に飲まれたセクトの言葉が脳裏によみがえる。

(アニキだって…本当は俺のことを見下していただろう!?)

(俺を見下してきた奴らをこの決闘竜の力で叩き潰す!!)

セクトが遊星たちに抱いていた心の闇。

その胸に抱く劣等感が《魔王龍ベエルゼ》とリンクしたことで強大化し、遊星の言葉が耳に入らなくなるほど暴走してしまった。

(セクト…俺は、お前のことを本当にライバルだと…)

「おー、ビンゴー!ここにいるじゃん!獲物!」

聞こえてくる少年の声に、今度はヒイロの手がとまる。

同時に感じる異様ともいえる威圧感。

遊星にとって、その威圧感は《魔王龍ベエルゼ》を召喚したセクトと同じもののように思えた。

「セクト…!?」

思わず振り返る遊星の目に映るのはセクトではなく、緑色の髪の少年の姿だった。

「はぁー、ちょっと勘弁してよー。セクトなんて奴と一緒にしないでくれるー?俺は…」

「龍亜…」

「ヒイロ…?」

カランと工具を落とし、立ち上がったヒイロが口にした少年の名前。

そして、龍亜と呼ばれた少年の背後には同じ色の髪をした少女が《クリボン》のぬいぐるみを抱きしめていた。

「龍可…」

「ヒイロ、知り合いなのか…?」

いつもと少し異なるヒイロの様子に問いかける遊星だが、ヒイロは応える様子はなく、ただ目の前の双子の様子を見ているだけだった。

「やっぱりーそっくりだよ。名前も同じで顔も同じ。はぁー…お前なんかが現れたせいで、龍可ちゃんの様子がおかしいんだよ」

急激に冷めたテンションになった龍亜が殺意のこもった視線をヒイロに向ける。

元々、二人はゴドウィンにより決闘竜の適合者を探すように命じられた。

遊星がセクトを追っている際、適合者探しのために予選突破した決闘疾走者たちと決闘疾走を繰り広げていた。

戦った決闘疾走者はすべて倒し、その中で適合者といえるものがいなかったことを報告すると、次に調査しろと命令されたのが遊星とヒイロだ。

第一優先順位としては遊星だといわれたが、今の龍亜にはそんなことはどうでもよかった。

「お前ってなんだよ?死んだ人間が生き返った?他人の空似?まぁ、見た感じとか決闘疾走の様子だと、別人っぽいじゃん。これで、安心しただろ?龍可ちゃん」

「ダメ…安心できない…。なんで、私の中で…眠っててくれないの…?なんで、なんで…」

ボソボソとつぶやく龍可から放たれる闇の瘴気。

それはセクトと龍亜のものをはるかに上回るもので、さすがのヒイロの表情を変えないとしても、冷や汗を流していた。

「ヒイロ、お前は…何者なんだ?二人と、どういう関係に…」

「本当は遊星と決闘疾走しなきゃだけど…もう、こうなったらお前と決闘疾走だ!お前を倒して、龍可ちゃんを安心させてやる!!!」

「…いいだろう」

「ヒイロ!」

「お前はここで見ていろ。仲間を救うヒントを見つけるいい機会だろう」

 

スタートラインに龍亜と龍可を乗せた二人乗りのDホイールとヒイロを乗せたストライクチェイサーが並ぶ。

コースそのものの電源は入っていないため、スタートは両者のDホイールのモニターに表示されるタイマーにゆだねられる。

「死んで…ヒイロ。だめだよ、死んでないと…」

「安心してよ龍可ちゃん。こいつはちゃんと墓穴に入れてやるからさ…俺の決闘竜で」

龍可が放つ闇の瘴気を遊星とヒイロ、ついでになぜかその場にいたクロウが感じ取っていた。

本来は決闘疾走までする必要があるが、その時点で3人が適合者であることは分かり、目的は達成している。

だが、たとえゴドウィンから制裁を受けることになったとしても、ヒイロをここで葬らななければならない。

脅迫めいた使命感が龍亜の心を縛る。

「「決闘!!」」

スタートを切ると同時に龍亜と龍可のDホイールが一気に加速する。

それはストライクチェイサーやブラックバードを上回るもので、どんどん距離を開けていく。

「小型だからってバカにするなよー、こいつには最新鋭のエンジンが入ってるんだよーん」

小型な分、その大出力をよりスピードへ傾けることができる。

差が開いたまま第一コーナーを曲がり、先攻が龍亜に決まる。

 

龍亜

手札5

LP4000

 

ヒイロ

手札5

LP4000

 

「俺の先攻!俺は手札から《森の盗賊チップ》を召喚ー!」

(ディフォーマーじゃない、ということか)

デフォルメされたリスがカギをもってフィールドに現れ、龍亜を追走する。

かわいらしいそのモンスターは龍亜よりも龍可のもののようにヒイロは見えた。

 

森の盗賊チップ レベル4 攻撃800

 

「こいつは1ターンに1度、手札からレベル4以下の獣族モンスター1体を特殊召喚できるんだ!俺は《森の使いハクビ》を特殊召喚!」

《森の盗賊チップ》が両手で運んでいる鍵を地面に出現した鍵穴に差し込む。

鍵を回すとどこは扉となり、扉が開くと同時に執事のような服装をしたハクビシンといえるモンスターが飛び出した。

 

森の使いハクビ レベル2 攻撃600(チューナー)

 

「フィールド魔法がない状態でその効果を使ったターン、バトルフェイズはスキップされるけど…そもそも先攻1ターン目だし、そんなの関係なーし、ラッキー!俺はレベル4の《チップ》にレベル2の《ハクビ》をチュチュチュチューニング!!シンクロ召喚!《森の潜伏者モグリン》!」

《森の使いハクビ》が変化した2つのチューニングリングをくぐった《森の盗賊チップ》が変化する、大きなスコップを手にしている、デフォルメされたモグラ型のモンスター。

現れたばかりのそのモンスターはスコップで地面に穴を掘り、その中へと飛び込んだ。

 

森の潜伏者モグリン レベル6 攻撃2100

 

「《ハクビ》の効果発動じゃーん。このカードをシンクロ素材にして森のシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、デッキから永続罠カード1枚を手札に加えることができるよーん!俺が手札に加えるのは…《ディフォーマライズ》!そして、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

龍亜

手札5→2

LP4000

場 森の潜伏者モグリン レベル6 攻撃2100

  伏せカード2

 

ヒイロ

手札5

LP4000

場 なし

 

「龍亜、龍可…」

追いかけるヒイロの目は闇の瘴気を放ち続ける二人をじっと見ていた。

あくまでも異世界の同一人物であり、別人だということはわかっている。

だが、それでもヒイロには割り切ることができない。

あの家で知ってしまった以上は、無関係ではいられない。

「俺のターン」

 

ヒイロ

手札5→6

 

「(フィールドに姿を見せないモンスター…何か理由がある、ということか…)俺は手札から魔法カード《サイボーグ・サプライ》を発動。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、デッキからレベル4以下のサイボーグモンスター1体を手札に加える」

「サイボーグ…姿かたちだけじゃなくて、そのカードまで…」

「…俺が手札に加えるのは《C:Hネオン》。そして、このカードは相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《C:Hランナー》を特殊召喚」

ヒイロの背後に出現した黒いロングヘアーと青の分厚いジャケット姿の女性が出現する。

右腕が機械となっており、両耳はヘッドフォンが隠れた彼女の脚はDホイールに匹敵するスピードを発揮していた。

 

C:Hランナー レベル5 攻撃2200

 

「そして、手札の《アローフェアリー》の効果。このカードは手札・フィールドに存在するとき、俺のフィールドのC:Hの装備カードとなることができる。そして、装備モンスターの攻撃力を600アップ」

 

C:Hランナー レベル5 攻撃2200→2800

 

「そして、装備状態の《アローフェアリー》の効果。自らと装備モンスターを素材にC:Hのシンクロ召喚を行うことができる。俺はレベル5の《ランナー》にレベル1の《アローフェアリー》をチューニング。熱情を奏でし奏者よ、未来を焦がせ。シンクロ召喚。現れろ、《C:Hブレイブロッカー》」

 

C:Hブレイブロッカー レベル6 攻撃1800

 

「《ブレイブロッカー》の効果。このカードがサイボーグ装備カードの効果によってシンクロ召喚された場合、俺のフィールドに存在するサイボーグモンスターの攻撃力は800アップする」

 

C:Hブレイブロッカー レベル6 攻撃1600→2400

 

「更に、俺は手札から《C:Hネオン》を召喚」

 

C:Hネオン レベル3 攻撃1000→1800

 

「《ネオン》の効果。このカードの召喚に成功した時、墓地のC:A1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。俺は墓地の《アローフェアリー》を《ネオン》に装備」

シンクロ素材として墓地に落ちたばかりの緑色のクロスボウを手にした《C:Hネオン》は車椅子を操作してマニピュレーターを出すと、それにクロスボウを握らせた。

 

C:Hネオン レベル3 攻撃1800→2400

 

「これで攻撃力2400のモンスターが2体!こいつなら、一気に大ダメージだぜ!」

「まだだ…。俺は手札から速攻魔法《ウェポントレード》を発動。装備状態のC:A1体をデッキに戻し、デッキから新たなC:A1体を手札に加えることができる。《アローフェアリー》をデッキに戻し、デッキから新たに《ナックルベアー》を《ネオン》に装備する」

上空に出現した妖精が《C:Hネオン》のクロスボウを回収してその場を後にし、入れ替わるように現れた《C:Aナックルベアー》がグローブを彼女に託す。

当然のようにマニピュレーターに装着され、彼女は器用にボクサーがジャブを放つような動きを操作して見せた。

 

C:Hネオン レベル3 攻撃2400→1800→2800

 

「《ナックルベアー》の効果。レベル3の《ネオン》にレベル4の《ナックルベアー》をチューニング。屍を切り刻む刃よ、戦士に鎧を与え、冥府の番人とせよ。シンクロ召喚。現れろ、《C:Hゾンビバスター》」

 

C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600→3400

 

「1ターンで2回もシンクロ召喚かよ…このヤロー」

ヒイロのフィールドに現れた2体のシンクロモンスターをクロウは目に焼き付ける。

果たして遊星と自身のシンクロデッキと彼のサイボーグデッキのどちらが高速でシンクロモンスターを並べることができるのか。

「《ゾンビバスター》の効果。このカードはサイボーグ装備カードの効果によるシンクロ召喚かそれ以外かで別々の効果を持つ。サイボーグ装備カードの効果の場合、1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を半分にし、効果を無効にする」

この効果を通し、《森の潜伏者モグリン》を弱体化してそのまま2体のシンクロモンスターで攻撃を仕掛けることができたなら、そのままヒイロの勝利となる。

しかし、クロウにはこの状態で一気に決着がつくイメージがわかなかった。

(にしても、なんなんだ…あいつら。ガキのくせに、予選突破した決闘疾走者を次々と倒しやがったんだから…)

セクトの一件の間、クロウは二人の決闘疾走を偶然ハイウェイで目撃している。

龍亜と龍可は決闘竜をたくみに操り、次々と決闘疾走者を撃破していった実力を持つ。

そんな彼らが簡単に終わるとは到底思えない。

「無駄だよーん。俺は《モグリン》の効果を発動!相手フィールドに《モグリン》よりも攻撃力が高いモンスターが存在する場合、このカードをリリースすることができる!」

《C:Hゾンビバスター》が放つ毒の爪閃が《森の潜伏者モグリン》が存在するであろう位置に向けて放たれ、毒はコースも地面も溶かす。

しかし、溶けたコースから飛び出したのはシンクロ素材となったはずの《森の盗賊チップ》と《森の使いハクビ》で、2体とも毒を受けていなかった。

「そして、墓地に存在するレベル4以下の森のモンスター2体を守備表示で特殊召喚できるー!」

 

森の妖精チップ レベル4 守備1200

森の使いハクビ レベル2 守備600(チューナー)

 

「なら、その2体を排除するだけだ。《ブレイブロッカー》で《チック》を攻撃」

ギターを鳴らした《C:Hブレイブロッカー》がそれを斧のように振るい、《森の盗賊チップ》を襲う。

「へへ…リバースカード発動だよーん。《ディフォーマライズ》!このカードは俺のフィールドのレベル4以下のモンスターをすべてルール上、ディフォーマーモンスターとしても扱うことができる!」

「私のモンスターだけどね…」

「ジャキーン!!」

《ディファーマライズ》のカードから飛び出す2つのヘッドギアが2体の森のモンスターに装着される。

それはかわいらしい小動物たちには不釣り合いなものに見えた。

「そして、《ディフォーマライズ》の効果を受けたモンスターは機械族としても扱うことができる!」

「だが、種族を追加し、ディフォーマーになったとしても、能力値は変わらなければ意味はない。いけ、《ブレイブロッカー》」

「それが…意味があるよーん!罠発動!《DDT-ディフォーマー・ダブル・チーム》!俺のフィールドにディフォーマーかパワー・ツールが2体以上存在する時、俺のフィールドのモンスターはこのターン、戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0になる!」

ヘッドギアから展開されるバリアがギターによる一閃から《森の盗賊チック》を守る。

続けて攻撃しようとしていた《C:Hゾンビバスター》も、攻撃は無意味と考えて構えを解き、チェーンソーを肩に置く。

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

龍亜

手札2

LP4000

場 森の盗賊チップ(《ディフォーマライズ》の影響下、Dモンスター扱い追加、機械族扱い追加) レベル4 守備1200

  森の使いハクビ(《ディフォーマライズ》の影響下、Dモンスター扱い追加、機械族扱い追加) レベル2 守備600(チューナー)

  ディフォーマライズ(永続罠)

 

ヒイロ

手札6→1

LP4000

場 C:Hゾンビバスター(《C:Hブレイブロッカー》の影響下) レベル7 攻撃3400

  C:Hブレイブロッカー(《C:Hブレイブロッカー》の影響下) レベル6 攻撃2400

  伏せカード1

 

「あのガキ、ヒイロのシンクロモンスターの攻撃を簡単にいなしやがった!」

(ヒイロも龍亜も、どちらもライフを減らしていない。そして、龍亜のフィールドにはチューナーを含む2体のモンスター…。どうするつもりだ?)

次のターン、龍亜はやろうと思えばシンクロ召喚を容易に行うことができる。

そして、もしかするとそのシンクロモンスターは決闘竜かもしれない。

(だが…同じ決闘竜を持っているというのに、なぜヒイロからは闇の瘴気が感じられない…?)

決闘竜のことを知る鬼柳がそれを持っているかはわからないが、ヒイロが持っているいることについてははっきりしている。

ヒイロと彼らでは何が違うのか、今の遊星にはわからなかった。

 

「どうだーい、龍可ちゃん。あの偽物からちゃんと龍可ちゃんのモンスターを守ったよー」

「…かわいくない」

「そうは言わないでさー、俺のターン、ドロー!」

 

龍亜

手札2→3

 

「俺は手札から永続魔法《工作箱》を発動!俺のフィールドにモンスターが存在するとき、1ターンに1度、デッキから2枚の名前の異なる装備カードを選択して、その中の1枚を裏向きで相手が選択する。で、選択されたカードを手札に加えて、それ以外はデッキの一番下に戻す。俺が選ぶカードは…これとこれとこれ!」

 

・パイル・アーム

・シンクロ・サポーター

 

ストライクチェイサーのモニターに表示された2枚の装備カードが裏向きとなってシャッフルされる。

迷うことなく真ん中のカードにタッチすると同時にフィールドに出現した二本足と顔がついた工具箱の蓋が開き、選択されたカードが放出される。

「へへ…これはいい…」

「龍亜…何してるの?さっさと殺してよ、あいつ…。そうじゃないと、ヒイロが…」

「分かってるよ、龍可ちゃん。ここから、さっさと終わらせちゃうから。俺は手札の装備魔法《シンクロ・サポーター》を《チップ》に装備!このカードを装備したモンスターのレベルが1上がって、更に攻撃力も500アップ!」

 

森の盗賊チップ レベル4→5 攻撃800→1300

 

「そして、レベル5の《チップ》にレベル2の《ハクビ》をチュチュチュチューニング!」

(来る…!!)

再びシンクロ召喚のため、チューニングリングをくぐる《森の盗賊チップ》。

シンクロ召喚を告げる緑色の光がやがて闇の瘴気と同じ色へと変わっていき、同時に《琰魔竜レッド・デーモン》と同じ威圧感を感じ始める。

「鋼の逆鱗に触れたい奴はご自由に!シンクロ召喚!《機械竜パワー・ツール》!!」

ところどころに黒い装甲が装着され、まがまがしい気を放つ《パワー・ツール・ドラゴン》。

ツインアイは赤く染まり、獲物であるヒイロにその目を向けていた。

 

機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃2300

 

「気をつけろ、ヒイロ!!そいつ…やべえぞ!!」

「わかっている…」

「シンクロ素材として墓地へ送られた《ハクビ》と装備カードだった《シンクロ・サポーター》の効果、使っちゃうよー!まずは《ハクビ》!こいつの効果でデッキから永続罠《リビングデッドの呼び声》を手札に加える!更に、《シンクロ・サポーター》の効果。このカードを装備したモンスターがシンクロ素材として墓地へ送られたとき、墓地のこのカードを手札に戻すことができる。そして、手札に戻った《シンクロ・サポーター》を《パワー・ツール》に装備!これで、《パワー・ツール》のレベルと攻撃力がアップ!!」

 

機械竜パワー・ツール レベル7→8 攻撃2300→2800

 

「そして、《パワー・ツール》の効果発動!装備特典!自分のターンに《パワー・ツール》が装備カードを装備した時、1ターンに1度だけ、デッキからカードを1枚ドローできる!そして、さらに俺は手札から《森の旅人ニャント》を召喚!」

《機械竜パワー・ツール》の頭の上にデフォルメされた猫の二本の前足が出てくる。

そして、それで体を持ち上げて現れたのは猫の肉球が大きく描かれたTシャツをつけたかわいらしいトラネコ型のモンスターだ。

そのモンスターも、《ディフォーマライズ》から放出されたヘッドギアが装着された。

 

森の旅人ニャント レベル2 攻撃500

 

「更に、俺は手札からフィールド魔法《深き森》を発動!」

発動と同時にスタジアム全体が揺れ始め、コースを突き破っていくつもの木々と草花が生えてくる。

障害物が増えたコースを2台のDホイールは走り続ける。

「《深き森》はお互いのフィールドに存在するレベル4以下の獣族と銃戦士族を攻撃対象にできなくする!これで、獣族の《ニャント》は攻撃対象にならないよーん!そして、《ニャント》の効果!俺がフィールド魔法を発動した時、相手フィールドのカード1枚を破壊できる!俺は《ゾンビバスター》を破壊!!」

木々の影に飛び込み、身を潜めた《森の旅人ニャント》はヘッドギアから送信される情報から《C:Hゾンビバスター》の弱点を割り出す。

そして、影から飛び出すとその弱点となる腹部に向けて、どこからか持ち出したボウガンからボルトを発射する。

ボルトを腹部に受けた《C:Hゾンビバスター》が無理やりそれを左手で抜こうとするが、そこから発生する毒によって体が溶けて、消滅してしまった。

「《ゾンビバスター》が破壊されたことで、俺は墓地の《ネオン》の効果を発動。墓地のこのカードと破壊された《ゾンビバスター》をデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする」

「ドローしても無駄だよーん。今のフィールドには《ブレイブロッカー》しかモンスターがいないし、攻撃力は《パワー・ツール》が上じゃーん!《パワー・ツール》で《ブレイブロッカー》を攻撃じゃーん!重装解体!」

龍亜のDホイールが加速するとともに《機械竜パワー・ツール》が左腕に装備されているショベルで《C:Hブレイブロッカー》を叩き潰そうとする。

ギターを盾にしてしのぐ《C:Hブレイブロッカー》だが、彼女の力では抗いきることができず、押しつぶされて消滅した。

「ぐおおおお!!(この感じ…骸骨騎士とは違うが…!)」

 

ヒイロ

LP4000→3600

 

わずか400のダメージにも関わらず、衝撃が襲い掛かるとともにバランスを崩しかける。

それと同時に、頭に感じる頭痛とは違う違和感。

「プププ…やっぱり偽物なんてこの程度ー。じゃあ、《ニャント》で…」

「俺は‥墓地の《ランナー》の効果を発動。俺のフィールドのC:Hシンクロモンスターが相手によって破壊され、俺のフィールドにモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを特殊召喚できる」

木の上からヒイロに向けて毒のボルトを放つ《森の旅人ニャント》だが、再びフィールドに現れた《C:Hランナー》がボルトで一蹴りで粉々に砕いた。

攻撃が困難だと考えた彼は再び森の中へ姿を消した。

 

C:Hランナー レベル5 攻撃2200

 

「何やってるの、あいつ…死んでない…」

「まあまあ、龍可ちゃん。有利になってるんだから焦らないでー。俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドぉー」

 

龍亜

手札2

LP4000

場 森の旅人ニャント(《ディフォーマライズ》の影響下、Dモンスター扱い追加、機械族扱い追加) レベル2 攻撃500

  機械竜パワー・ツール(《シンクロ・サポーター》装備) レベル7 攻撃2800

  工作箱(永続魔法)

  伏せカード1

  ディフォーマライズ(永続罠)

  深き森(フィールド魔法)

 

ヒイロ

手札1→2

LP3600

場 C:Hランナー レベル5 攻撃2200

  伏せカード1

 

「まずいぜ…《工作箱》の効果で毎ターンデッキから装備カードを手札に加える上に、《パワー・ツール》の効果でカードを1枚ドローできる。どうすんだよ、ヒイロ…」

放置していると、どんどん龍亜はハンドアドバンテージを手にしていく。

《工作箱》か《機械竜パワー・ツール》を排除しなければ、どんどんヒイロが不利になっていく。

「俺のターン!」

 

ヒイロ

手札2→3

 

「俺は手札から《C:Aガンフォックス》を召喚」

 

C:Aガンフォックス レベル2 攻撃800(チューナー)

 

「《ガンフォックス》の効果。自らを《ランナー》の装備カードにし、装備モンスターの攻撃力を400アップ」

 

C:Hランナー レベル5 攻撃2200→2600

 

「無駄だよーん!《パワー・ツール》の効果発動!1ターンに1度、フィールド上の他のモンスターが装備しているカード1枚を奪うことができる!これで《ガンフォックス》を…」

「何言ってるの…?《パワー・ツール》に装備できないカードを奪うことなんてできない…馬鹿」

「うぐ…龍可ちゃん、辛口ー…」

「《ガンフォックス》の効果。レベル5の《ランナー》にレベル2の《ガンフォックス》をチューニング。屍を切り刻む刃よ、戦士に鎧を与え、冥府の番人とせよ。シンクロ召喚。現れろ、《C:Hゾンビバスター》」

再びフィールドに出現した《C:Hゾンビバスター》だが、腹部に受けた傷が完全に回復しておらず、左手で腹部を抑えていた。

だが、それでも闘志は消えておらず、チェーンソーを《機械竜パワー・ツール》に向ける。

 

C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600

 

「うわ…死にぞこないが出てきた…。うざいんだよ…ちゃんと死んでないと…」

死んだくせに再びフィールドに現れ、闘志を捨てない《C:Hゾンビバスター》の姿に龍亜はいら立ちを隠せなくなる。

「…フィールドを離れた《ランナー》は除外される。そして、《ゾンビバスター》の効果。相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にし、効果を無効にする」

毒を受けて倒れたのなら、毒で返す。

左手の鉤爪に毒液を宿し、その状態で《機械竜パワー・ツール》に向けて突撃する。

「無駄だよーん、俺は墓地の《DDT-ディフォーマー・ダブル・チーム》の効果を発動じゃん!墓地のこのカードを除外することで、《パワー・ツール》を対象として《ゾンビバスター》の効果の発動を無効にする!」

木の陰から出現した《DDT-ディフォーマー・ダブル・チーム》のソリッドビジョンが盾となり、《C:Hゾンビバスター》の毒の爪を受け止める。

毒を阻まれた以上、今の《C:Hゾンビバスター》には《機械竜パワー・ツール》を攻撃する手段がなくなった。

「へへへ、やっぱ偽物は偽物。大したことないねー。ほら、さっさとサレンダーして、消えなよ。俺たちの前からさ」

「悪いが…それはできない。遊星に約束した以上はな」

セクトを救う手段を求める遊星を押しのけてまで決闘疾走をしている以上、ヒイロにとってそれは自然なことだ。

それに、ダメージを受けたとはいえ、まだライフが3600ある以上、勝敗は分からない。

ヒイロにとって、この程度はサレンダーするには程遠い。

「ちっ…偽物が、いきがって…」

「(それに…きっと、お前たちのことだろうな。俺が、ここにいる理由は)俺は手札から魔法カード《マスターズ・ヴィジョン:ヒュプノレイ》を発動。俺のフィールドに存在するモンスターがサイボーグシンクロモンスター1体のみの場合、相手フィールドの最も攻撃力の低いモンスター1体を装備カード扱いとして俺のモンスターに装備させる。俺は《ニャント》を《ゾンビバスター》の装備カードにする」

《マスターズ・ヴィジョン:ヒュプノレイ》から放たれる紫の球体型ビットが周囲をスキャンし、森の中にいる《森の旅人ニャント》の位置を特定。

背後から接近し、ビームでヘッドギアを破壊すると入れ替わるように彼の頭部にとりつく。

いきなりヘッドギアが壊れ、無理やり頭にとりついてきたそれに混乱する《森の旅人ニャント》だが、やがて動かなくなり、ビットに引っ張られるように《C:Hゾンビバスター》のそばへ行く。

そして、その姿を三本爪へと変化させ、鉤爪を取り外した《C:Hゾンビバスター》の左腕に装着された。

「龍可ちゃんのモンスターが…!」

「そして、この効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分、装備モンスターの攻撃力がアップする」

 

C:Hゾンビバスター レベル7 攻撃2600→3100

 

「バトル。《ゾンビバスター》で《パワー・ツール》を攻撃」

足でチェーンソーを起動させ、回転する刃から放出される毒が新たに装備された爪にも宿る。

毒のチェーンソーと爪による同時攻撃で敵を倒すべく、《C:Hゾンビバスター》がとびかかる。

「くっ…!俺は手札の《森の重戦士ベア》の効果を発動!このカードを破壊される《パワー・ツール》の身代わりにする!」

両腕の工具でチェーンソーと爪を受け止める《機械竜パワー・ツール》だが、背後に出現した重量のある鎧姿だが、デフォルメされてかわいらしくなっている大きなクマの幻影から力を受け取ったことで破壊から免れる。

しかし、衝撃波と毒まで防ぐことはできず、それらが2人を襲う。

襲ってきた毒は龍可のフードをかすめる。

「龍可!」

「痛い…」

ジュッと焼けるかすかな臭いが龍亜の鼻孔に伝わり、フードには焼けた痕が見えた。

幸いにも龍可自身は目立ったダメージはないものの、それでも彼女を危機にさらしたという事実は龍亜の中では変わらない。

「ごめん、龍可…」

 

龍亜

LP4000→3700

 

「メインフェイズ2に、俺は手札から魔法カード《リベンジャーズ・ドロー》を発動。俺のメインフェイズ2に、俺のフィールドに存在するモンスターが1体のみで、相手フィールドに存在するカードが俺のフィールドに存在するカードの数を上回る場合、俺はデッキからカードを2枚ドローできる。そして、カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

龍亜

手札2→1

LP3700

場 機械竜パワー・ツール(《シンクロ・サポーター》装備) レベル7 攻撃2800

  工作箱(永続魔法)

  伏せカード1

  ディフォーマライズ(永続罠)

  深き森(フィールド魔法)

 

ヒイロ

手札3→0

LP3600

場 C:Hゾンビバスター(《森の旅人ニャント》装備) レベル7 攻撃3100

  伏せカード3

 

(その伏せカードに賭けてるんだな、ヒイロ…)

《C:Hゾンビバスター》の効果も攻撃も結果としてかわされ、《工作箱》が存在する以上は次のターンで《機械龍パワー・ツール》の攻撃力がさらに引きあがることは明白だ。

そして、確実に《C:Hゾンビバスター》を破壊する。

「よくも…よくも、よくも龍可を…妹を傷つけたな…」

だが、自らにとっては有利な今の状況など今の龍亜には関係ない。

龍可を危機にさらしてしまった。

しかも、相手はよりによって自分が知るヒイロにそっくりな男によって。

それは彼にとっては大きな屈辱だった。

「お前なんかにーーーーー!!!」

龍亜が叫ぶとともに《機械龍パワー・ツール》のツインアイも赤く光り、闇の瘴気が勢いを増していく。

「俺のターン!!」

 

龍亜

手札1→2

 

「俺は罠カード《戦線復帰》を発動!その効果で墓地の《森の潜伏者モグリン》を守備表示で特殊召喚する!」

 

森の潜伏者モグリン レベル6 守備1000

 

「更に《工作箱》の効果を発動!俺が選ぶ装備カードはこの2枚だ!!」

 

・団結の力

・パイル・アーム

 

「どちらも攻撃力アップの装備カードか…!」

これで、《機械竜パワー・ツール》の攻撃力は《C:Hゾンビバスター》を上回ることになる。

裏向けでヒイロによってえらばれた装備カードが龍亜の手札へ向かう。

「俺が手札に加えた《パイル・アーム》を《パワー・ツール》に装備!これで、《パワー・ツール》の攻撃力を500アップ!」

左腕のドライバーがパイルバンカーへと換装され、攻撃力が増加するとともに《機械竜パワー・ツール》の闇の瘴気が強まる。

 

機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃2800→3300

 

「更に、《パイル・アーム》を発動した時、相手フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊できる!俺はお前の伏せカードを1枚破壊!!」

装備されるパイルバンカーから発射された杭がミサイルのように飛び、ヒイロの伏せカードを撃ちぬく。

撃ちぬかれたカードは消滅し、ヒイロの助けとなるカードが1枚消えた。

 

破壊された伏せカード

・救世の導き

 

「そして、《パワー・ツール》の効果発動!装備特典!デッキからカードを1枚ドロー!そして、手札から装備魔法《団結の力》を《パワー・ツール》に装備!これで、《パワー・ツール》の攻撃力は俺のフィールドのモンスター1体につき、更に800アップする!!」

 

機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃3300→4900

 

「攻撃力が4400に…!?」

「まずい…今の《ゾンビバスター》はサイボーグ装備カードによってシンクロ召喚された状態だ。その状態では、破壊されても次のスタンバイフェイズ時に復活できない」

今のヒイロの手札は0枚で、次のドローで召喚可能なモンスターが手札に加わるとは限らない。

そして、《戦線復帰》によって復帰した《森の潜伏者モグリン》の効果が仮に使われた場合、《機械竜パワー・ツール》の攻撃力は更に上昇して5200になる。

「装備対決は俺の勝ちじゃん!そして…偽物はここで死ね!!《パワー・ツール》で《ゾンビバスター》を攻撃!重装解体!!」

先ほどの攻撃と仲間を奪った憎き《C:Hゾンビバスター》を葬るべくとびかかる《機械竜パワー・ツール》を前に、《C:Hゾンビバスター》が両腕に装備されている武器で防御しようとする。

だが、突き立てられた《パイル・アーム》から発射される杭は装備を貫き、さらには《C:Hゾンビバスター》の胴体を貫いてヒイロを襲う。

「ぐおおおお!!」

 

ヒイロ

LP3600→1800

 

「まだ…まだ死んでない!!俺は墓地に送られた《ニャント》の効果発動!フィールド魔法が発動している状態で俺のシンクロモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、このカードを墓地から除外することで、そのシンクロモンスターはもう1度攻撃できる!!」

ヒイロのフィールドにモンスターは存在せず、先ほどの一撃を受けたことでDホイールが転倒しかけていた。

この一撃を受けたら敗北どころか、下手をするとヒイロの命も危ない。

「ヒイロ!!」

「死ね、偽物おおおおおおお!!!」

《機械竜パワー・ツール》が右手のショベルを振りかぶり、ヒイロに迫る。

すさまじい闇の瘴気を放つそのモンスターを前にヒイロは動くそぶりを見せない。

「逃げろ、ヒイロぉ!!」

 

(お父さんと、お母さんが誰なのか…僕も龍可にも、わからない…。気が付くと、僕も龍可は雨の中、震えていたことは覚えてる…)

「これは…」

あの攻撃を受けた瞬間、ヒイロがいたのはスタジアムでもストライクチェイサーの上でもなく、シティの路地裏。

そして、今よりもさらに小さい二人の前に立っていた。

体を見ると、かすかに透けている状態で、二人には自分の姿が見えていないようだった。

(捨てられたのかも、もう死んでいるのかもわからない。2人きりで、ごみをあさったり、通りかかった人から少しだけ食べ物をもらったり…盗んだりして…生きてた。でも…それももう限界だった)

目の前の龍亜も龍可もやせており、雨に濡れた体で震えていた。

その路地裏に入ってくる一人の少年の姿。

(そんな中、僕たちは彼に会った…。僕たちと同じでボロボロな彼は…僕たちを連れて帰った。そして、僕たちに住む場所をくれた…。僕たちを救ってくれた彼の名前は…ヒイロ)

疲れ果てて動けない龍可をおんぶし、龍亜とともに去っていく少年の姿を見つめるヒイロの見る光景が今度は彼らが暮らしていた家へと変わっていく。

拾ったカードでデッキを作り、それをヒイロに見せている様子だった。

(ヒイロは優しかった…。彼も、僕たちと同じで貧しくて、お父さんもお母さんもいないのに…仕事をしていて…ごはんと…たまにお菓子をくれた。そして、僕たちにイラストを見せてくれた。かっこいいモンスターとか、きれいな景色とか…いろんなイラストで、これをカードにするのが夢だって言ってた。僕たちを助けてくれたヒイロにお礼がしたい。それで、僕たちでアイデアを出し合ってイラストを作り、それでできるかもしれないカードの効果を考えるのが日常になった…)

(今日は、すごいことが起こった。今日ヒイロが持って帰ってきたのはご飯だけじゃない。僕たちが乗れるDホイール。手に入れるのは大変なはずなのに、どうやって手に入れたのかはわからない。けど…うれしかった。Dホイールとカード…そして龍可がいれば、僕たちは負けない。それから僕たちは賭け決闘疾走をして、それで少しずつお金を手に入れていた。ヒイロには言ってない。だって、危ないからとか、そのためにDホイールをあげたわけじゃないって止めるかもしれないから。でも、たとえ言われたとしても止めない。だって、このお金はヒイロにお返しするために使うって決めたから。ヒイロのDホイールをあげて、一緒に決闘疾走したいから…)

(夕方に家に帰ってるとき、龍可が言ったんだ。もうすぐ、僕たちがヒイロに会ったのと同じ日になるから、何かをあげたいって…。それを言ってた龍可の顔がほんのり赤くなってたのを今も忘れられない。ヒイロのことが…好きなんだ、龍可は。悔しいけど、ヒイロだったら仕方ない。それに、もしヒイロと本当の家族になれたら…もう、本当に寂しくなくなるから…)

(ある日…夜に目を覚ました。トイレに行きたくなって…。トイレをすませて、もう1度寝ようと思ったとき、ヒイロの部屋から物音が聞こえた。寝ている時は部屋に入らないでほしいってヒイロに言われてたけど、少しだけ…中を見た。それで、わかってしまったんだ…。ヒイロは、病気だったんだ。血を吐いてて、しんどそうにしてた…。でも、僕たちにそんな姿を見せなかった。僕は決めた。強くなるって。強くなって、今度はヒイロのことも助けるって…)

「病、か…」

きっと、これは手帳に書かれた日記の破られた部分の話だろう。

仮に病のためにこの世界のヒイロが命を落としたというのであればつじつまが合う。

そう思った矢先に、再び龍亜の声が響く。

(ある日…龍可が体調を崩した。ひどい熱だった…。ヒイロが今日中にお金を用意するって言って働きに出たけど、あんな病気でしんどいのに…無理だよ。それに、お医者さんを呼ぶお金は今の僕たちのお金だと足りない。だから…今日は一人で賭け決闘疾走をした。そして…負けた)

負けた、その言葉と同時に光景が街中へと変わり、そこには傷だらけの龍亜と賭け決闘疾走の相手と思われる三人の男の姿があった。

ヒイロのいる世界ではチーム・カタストロフのメンバーであるヘルマン、ハンス、ニコラスがおり、ニコラスが拳を振るっていた。

(負けたくせに払える金がない…。龍可のためのお金が足りなかった僕が高いレートにしたからだ…。僕が持っていたお金全部でも足りなくて…そして、今日決闘疾走した相手はすごく…怖い人だった。殴られて、蹴られて…それでも、飽き足らなくて…ナイフを出した…。怖くて、足がすくんだ…。逃げなきゃいけないのに…)

「やめろ…!」

干渉できない、そんなことはわかっているが、ナイフを龍亜に向けるニコラスを止めようとヒイロはとびかかる。

だが、やはりというべきかヒイロの体がニコラスから透過する。

そして、ナイフが龍亜を襲おうとしたとき、別の人影が割って入り、その腹にナイフが突き立てられた。

(訳が分からなかった…。あの人たちも…そんな風に思ったかもしれない。ヒイロが…僕を、かばった…。あの人たちは怖がって、逃げた…。僕はどうにかして出血を止めようとしたけど…血が止まらなかった…。雨が、降ってきた…。そんな時、龍可も来た。毛布で体を包んで、辛そうにしながら…。僕のことが、心配になったからって…。ヒイロは、僕のせいでこんなになったのに、僕を…責めなかった…。頑張ったんだね…って言って…血だらけの手で…今日、稼いだお金が入った封筒を、僕たちに渡した…。そして、僕の頭を撫でた後で龍可のほっぺを撫でて…ちょっとだけ笑って…そして、動かなくなった…。僕の、せいだ…僕が、僕が…ヒイロを…龍可の大好きな人を…殺したんだ。僕は…許せなかった。僕の弱さを…。そんな中で、ピエロみたいな見た目のおじさんが来た。それで…こんなことを言った。「かわいい妹たちの面倒は私たちが見てあげましょう。この方を葬り、この方の命を奪った連中に相応の裁きを下しましょう。その代わり…決闘竜の儀式をあなたに受けてもらいます」、って…。強くなりたい…。ヒイロの分も、龍可を守るために。もう僕のせいで、誰かが死なないように…。だから、覚悟を決めて、手にした…。決闘竜《機械竜パワー・ツール》を…)

 

「…ろ、ヒイロ!!」

耳にかすかに聞こえる遊星の声。

同時に現実へ引き戻されたヒイロはダイレクトアタックをしかける《機械竜パワー・ツール》を見て、カードを発動する。

「罠発動!《セカンド・サイボーグ》!!このターン、俺が受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持つサイボーグ1体をデッキ・墓地から特殊召喚できる!俺が特殊召喚するのは《C:Hアンノウン》を特殊召喚する!」

ゾンビの装甲を失った《C:Hアンノウン》がヒイロをかばうように現れ、《機械竜パワー・ツール》の一撃から守る盾になる。

無事な様子のヒイロを見た彼はニヤリと笑った後で消滅した。

「ぐ、うう…死にぞこないが…!!俺はこれで、ターンエンドだ!!」

 

龍亜

手札2→1(《リビングデッドの呼び声》)

LP3700

場 機械竜パワー・ツール(《シンクロ・サポーター》《パイル・アーム》《団結の力》装備) レベル7 攻撃4900

  森の潜伏者モグリン レベル6 守備1000

  工作箱(永続魔法)

  ディフォーマライズ(永続罠)

  深き森(フィールド魔法)

 

ヒイロ

手札0

LP1800

場 伏せカード1

 

「…この世界の俺は、お前たちを守るために、死んだ…」

あの記憶の中で見た二人と、自分自身。

そして、時折見た夢の中での自分自身と手帳に刻まれた彼の記憶。

突然この世界に召喚された自分のやるべきこと。

それを知ること以上の目的がヒイロの胸に宿る。

「お前たちを…この世界の俺が助けたお前たちを救うこと…それが、俺がここに呼ばれた理由かもしれないな」

ヒイロはデッキトップに指をかけ、二人と《機械竜パワー・ツール》を見る。

「俺のターン!!」

 

ヒイロ

手札0→1

 

「俺は墓地の《マスターズ・ヴィジョン-ヒュプノレイ》の効果を発動。俺のフィールドにモンスターが存在しないとき、墓地のこのカードとサイボーグシンクロモンスター1体を除外することで、俺のフィールドに《C:Hスレイヴトークン》2体を特殊召喚する!」

紫の球体型ビットが2つ、再びフィールドに出現すると、それが頭部となって全身黒づくめの二人の人型のトークンが生み出された。

 

 

C:Hスレイヴトークン×2 レベル3 攻撃1500

 

墓地から除外されたカード

・C:Hゾンビバスター

 

「そして、俺は手札から《C:Aビルドディアー》を召喚」

 

C:Aビルドディアー レベル2 攻撃1000(チューナー)

 

「《ビルドディアー》の効果。このカードを《C:Hスレイヴトークン》の装備カードにする」

黒づくめのトークンに装着される鉄骨の鎧。

その周囲に浮かぶ武器のうち、巨大なハンマーをそのトークンは手に取る。

 

C:Hスレイヴトークン レベル3 攻撃1500→2500

 

「《ビルドディアー》の効果。墓地の《ナックルベアー》を除外する。そして、レベル3または4のC:Aを除外したこのターンの《ビルドディアー》の効果を発動。僕のサイボーグカード3枚をデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする」

 

墓地からデッキの戻ったカード

・セカンド・サイボーグ

・C:Hアンノウン

・サイボーグ・サプライ

 

「そして、そのモンスターの効果でレベル5のシンクロモンスターをシンクロ召喚!?そんなモンスターの中に《パワー・ツール》を倒せるモンスターはいないよーん!」

「俺は《ビルドディアー》の効果を発動!装備されているこのカードを効果を無効にして特殊召喚する」

装備されたばかりの鎧と武器が《C:Hスレイヴトークン》から離れ、それらを管理する鹿型の機械の体にそれらが装着された。

 

C:Aビルドディアー レベル2 攻撃1000(チューナー)

C:Hスレイヴトークン レベル3 攻撃2500→1500

 

「レベル3の《スレイヴトークン》2体にレベル2の《ビルドディアー》をチューニング」

大きく飛び上がった《C:Aビルドディアー》が2つのチューニングリングとなり、中へ飛び込む2体の《C:Hスレイヴトークン》が一つとなっていく。

「世界をつなぐ広大な海の水底に眠りし龍よ、静寂を守るため、今一度甦れ!シンクロ召喚!現れろ、《異海龍マリンフォース》!!」

骸骨騎士により渡されたこの世界における《マリンフォース・ドラゴン》というべき決闘竜がヒイロの元へ顕現する。

 

異界龍マリンフォース レベル8 攻撃2600

 

「これが、ヒイロの決闘竜!?」

「ついに出たね…偽物の手に渡った決闘竜!けど…たかだか攻撃力2600?今の《パワー・ツール》に勝てっこないじゃーん!プププー!なら俺は《モグリン》の効果を発動。相手のメインフェイズ時、相手フィールドに存在するモンスターが自分よりも高い攻撃力を持つモンスターのみの時、このカードをリリースすることで、墓地から2体の森のモンスターを特殊召喚できる!俺は《ニャント》と《チップ》を特殊召喚!」

森の中へ消えていく《森の潜伏者モグリン》と入れ替わるように飛び出す《森の旅人ニャント》と《森の盗賊チップ》。

2体には《ディフォーマライズ》によって与えられたヘッドギアが装着される。

「そして、モンスターが増えたことで《パワー・ツール》の攻撃力はアップ!」

 

機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃4900→5700

森の盗賊チップ レベル4 守備1200

森の旅人ニャント レベル2 守備600

 

「そして、《深き森》の効果で《チップ》と《ニャント》は攻撃対象にならない!お前が攻撃できるモンスターは攻撃力5700の《パワー・ツール》だけ!これで俺の勝ちじゃん!」

「俺は《マリンフォース》の効果を発動。この効果はお互いのフィールドに存在する攻撃力が元々の攻撃力と異なるモンスター1体に対して発動する。静寂水陣(サイレント・ウォーター)!」

《異海龍マリンフォース》が咆哮し、羽根をはためかせるとともにフィールドに様々な色の大きな泡が発生する。

それらの泡が《機械竜パワー・ツール》に集結し、巨大な泡となってそのモンスターを包む。

「《パワー・ツール》が!?」

「そして、その攻撃力の差分、このカードの攻撃力をアップする。《パワー・ツール》の元々の攻撃力は2300」

 

異海龍マリンフォース レベル8 攻撃2600→6000

 

「攻撃力6000!?」

「その後、対象となったモンスターの攻撃力は元々の数値と同じになり、効果が無効となる」

 

機械竜パワー・ツール レベル7 攻撃5700→2300

 

「いくぞ…《マリンフォース》」

《異海龍マリンフォース》が突き出した両手の掌底を合わせ、指先を揃えてから上下に開く。

両手にはドラゴンの頭のような水の幻影が出現する。

「あ、ああ…」

「偽物に負ける…つまらない男…」

「いけ、《マリンフォース》!龍化激流(ドラゴニック・レイジング)!!」

両手から放たれる龍となった水が二人に襲い掛かる。

「龍可!!」

背後から《機械竜パワー・ツール》を貫いて襲う水から龍可の盾となるべく、龍亜はDホイールを反転させて自らを盾とする。

そして、水は二人に接触すると同時に爆発を引き起こした。

 

龍亜

LP3700→0

 

 

 

森の盗賊チップ(漫画オリカ:調整)

レベル4 攻撃800 守備1200 効果 地属性 獣族

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズ時に発動できる。手札からレベル4以下の獣族モンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動した時、自分フィールドにフィールド魔法が存在しない場合このターンの自分バトルフェイズはスキップされる。

 

森の使いハクビ

レベル2 攻撃600 守備600 チューナー 地属性 獣族

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できず、(2)の効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):このカードをS素材として「森の」SモンスターのS召喚に成功した時に発動できる。デッキから永続罠カード1枚を手札に加える。

 

ウェポントレード

速攻魔法カード

(1):自分フィールドに存在する「C:A」装備カード1枚をデッキに戻すことで発動できる。自分のデッキに存在するそのカードと名前の異なる「C:A」モンスター1体を装備カード扱いとして自分フィールドの「C:H」モンスター1体に装備する。

 

森の潜伏者モグリン

レベル6 攻撃2100 守備1000 シンクロ 地属性 獣族

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):相手メインフェイズ時、相手フィールドに存在するモンスターがこのカードの攻撃力より高いモンスターのみの場合に発動できる。このカードをリリースし、自分の墓地に存在するレベル4以下の「森の」モンスター2体を表側守備表示で特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。

(2):自分フィールドにフィールド魔法が存在する場合、自分フィールドの「森の」モンスター1体をリリースすることで発動できる。墓地に存在するこのカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドから離れる時、除外される。

 

ディフォーマライズ(漫画オリカ:調整)

永続罠カード

このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

(1):自分フィールドに存在するレベル4以下のモンスターはすべてルール上、「D(ディフォーマー)」としても扱い、種族を機械族としても扱う。このカードが表側表示で存在する限り、自分は「D」「パワー・ツール」Sモンスター、または「パワー・ツール・ドラゴン」をS素材として指定しているSモンスター以外のモンスターをEXデッキから特殊召喚できない。

 

DDT-ディフォーマー・ダブル・チーム(漫画オリカ:調整)

通常罠カード

(1):自分フィールドに「D」「パワー・ツール」モンスターが2体以上存在する場合に発動できる。このターン、自分フィールドに存在するモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘で発生する自分へのダメージは0となる。

(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドの「パワー・ツール」「ライフ・ストリーム」Sモンスターが相手のモンスター効果の対象となった時、このカードを除外することで発動できる。その発動を無効にする。

 

森の旅人ニャント(漫画オリカ:調整)

レベル2 攻撃500 守備600 効果 地属性 獣族

(1):1ターンに1度、自分がフィールド魔法を発動した時、相手フィールドに存在するカード1枚を対象に発動できる。そのカードを破壊する。

(2):自分フィールドにフィールド魔法が存在し、自分フィールドのSモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した自分バトルフェイズ時、墓地に存在するこのカードを除外し、そのモンスターを対象に発動できる。そのSモンスター1体はこのターン、もう1度攻撃できる。

 

深き森(漫画オリカ)

フィールド魔法

(1):お互いのプレイヤーはフィールド上に存在するレベル4以下の獣族・獣戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事ができない。

(2):このカードのコントローラーのフィールドに獣族・獣戦士族モンスターが存在する限り、相手プレイヤーに直接攻撃できない。

 

C:Hランナー

レベル5 攻撃2200 守備1800 効果 地属性 戦士族

このカードは通常召喚できない。

自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドにモンスターが存在する場合に特殊召喚できる。

(1):このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドに存在する「C:H」Sモンスターが相手によって破壊されたとき、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れたとき、除外される。

 

マスターズ・ヴィジョン-ヒュプノレイ

通常魔法カード

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに存在するモンスターが「サイボーグ」Sモンスター1体のみの場合に発動できる。相手フィールドに存在する最も攻撃力の低いモンスター1体を装備カード扱いとして自分フィールドの「サイボーグ」Sモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力はこの効果で装備カードとなったモンスターの元々の攻撃力分アップする。

(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地に存在するこのカードと「サイボーグ」Sモンスター1体を除外することで発動できる。自分フィールドに「C:Hスレイヴトークン」2体を攻撃表示で特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。

 

C:Hスレイヴトークン

レベル3 攻撃1500 守備1500 トークン 地属性 戦士族

「マスターズ・ヴィジョン-ヒュプノレイ」の効果により特殊召喚される。

 

森の重戦士ベア

レベル4 攻撃0 守備2200 効果 地属性 獣族

(1):自分フィールドに存在するSモンスターが戦闘・効果によって破壊されるとき、代わりに手札に存在するこのカードを墓地へ送ることができる。

(2):自分のフィールドゾーンに存在するフィールド魔法カードが相手によって破壊されるとき、代わりに墓地に存在するこのカードをデッキの一番下に置くことができる。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。

 

リベンジャーズ・ドロー

通常魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズ2に自分フィールドに存在するモンスターが1体のみで、相手フィールドに存在するカードの数が自分フィールドに存在するカードの数よりも上回る場合にのみ発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。

 

パイル・アーム(漫画オリカ)

装備魔法カード

(1):装備モンスターの攻撃力を500アップする。

(2):このカードの発動処理時、相手フィールドに存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。

 

異海龍マリンフォース

レベル8 攻撃2600 守備2200 シンクロ 水属性 ドラゴン族

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):フィールド上のこのカード以外の元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスター1体を対象に発動できる。ターン終了時までこのカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力と元々の攻撃力の差と同じ数値分アップする。その後、この効果の対象となったモンスターの攻撃力は元々の攻撃力と同じ数値となり、効果が無効化される。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

救世の導き(漫画オリカ:調整)

通常罠カード

(1):自分LPが1500以下となった時に発動できる。自分のデッキから攻撃力1500以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分はS召喚以外の方法でEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。


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