忘れもしませぬ、あれは拙僧が「ゆーちゅーばー」なる職業をやっていた頃…… 作:匿名
忘れもしませぬ、あれは拙僧がライブ会場の入り口で止められていた頃……
皆様はじめまして。
拙僧、名を蘆屋道満と申すもの。職業は「
ちなみに。
リンボマンではなくあえて! DOMANとしたのが拙僧のこだわりポイントで御座います。
……おや。どうやらここまでのお話、ついて来れていない方々もいらっしゃるご様子。
では! 改めまして最初──拙僧がこの世界に転移したところから始めるといたしましょう。
………………。
まま! そうつれない事を言いなさるな!
「おや、ここは一体……」
気づけば俺は森の中にいた。
どこだここ? というかこの喋り方は一体……俺さっきまで自室にいたと思うんだけど……。
てかなんか目線高くね? ひょっとしてこれ異世界転移ってヤツか?
チートキャラってヤツか?
そんな事を考えてワクワクする俺。
まあいきなりこんな事になって、心配がないと言えば嘘になる。
まあ前世(?)のことも気になるが、悩んでいても仕方がない。
帰る方法を探すにしろ、この世界に残るにしろ今どういう状況なのかが何もわからないのだ。
てかもしかして俺死んだのか?
……駄目だ、自分の部屋にいた記憶しかねぇ。
……まあとりあえずの現状の把握だな。容姿の確認は大事だ。
もしかしたらなんかの原作キャラとかかもしれんしな。
という事で、とりあえず自分の姿を確認する事にする。
「ンンンン……こういう時は、近くの川などで確認するのが定番……」
そんな事を言いながら歩く。てか勝手にこの喋り方になるのな。
…………………………。
なんか嫌な予感がする。
すごく嫌な予感だ。
いや、ものすごく嫌な予感だ。
「おや? あれは」
音が聞こえてくる。川のせせらぎの音だ。俺は急いで駆け寄る。
「…………………………」
転生特典リンボじゃねーか!!
まあそんな感じでこの世界に転移した、というワケで御座います。
まあ剣と魔法の
腹が減っては戦はできぬ。
なんとかして日銭を稼がねばならぬワケですから。
そこで拙僧の目に止まったのが「ゆーちゅーばー」だったというワケで御座います。
なにせ異能バトルも無さそうな現代日本。
拙僧、能力は折り紙つきでありますから、手品の一つでも見せれば大ウケ間違いなし。
そう考えたワケで御座います。
しかし残念。
実は日本においては、まだ
まあしかし。拙僧、蘆屋道満でありますから。なかなかの認知度を得ておりますぞ。
ん? なになに?
……ンンンンン!! まさに! 正論!!
まあそこはほら。そのうち
……ああ! 戸籍関係の問題は然るべき方々と
ええ、ええ。彼ら大変! 心良いお方々で拙僧、大変感動。
おっと、安心めされよ!(クソデカボイス)
お命は頂戴しておりません。
……え? 内心の口調も変わっている?
ええ、それはまあはい。
精神は肉体に引っ張られるというヤツで御座います。
しかし安心めされよ!(2回目クソデカボイス)
拙僧悪事を働くつもりは御座いません。
決して! そのような事は考えておりませぬとも!
……おやもうこんな時間。
そろそろ日課の散歩と致しましょう。
ええ、ええ。いつかは
ただでさえ東京は流行り廃りの激しい街、少しでも目を離せば、あっという間に置いて行かれる事間違いなしで御座います。そこで流行を肌で感じるために散歩を日課として取り入れた拙僧。
それに情報はアシで稼げとも言いますからな。
宜しいですかな? では「ぶらり東京散歩」、参ると致しましょう。
*
「ンンンン!! 拙僧! 決して怪しい者では御座りませぬ! 何卒
「そんなナリして『怪しくない』は無理あるだろ! いい加減にしないと警察呼ぶぞ! ……いやてか力強いな!」
困りましたな……それに怪しいとは失礼な。
こう見えて人々を喜ばせる仕事をしていると言うのに……拙僧悲しい。
おや。皆様、今の状況が理解できていないご様子。
そうですな、誠におっしゃる通り。
では、少し時を遡ると致しましょう。
急急如律令!!
「
小町と言えば小野小町。
平安時代の女流歌人で、絶世の美女としても有名でありますな。きっとそれだけ美人が揃っているという事を、喧伝したいのでありましょう。
……ええわかっておりますとも。
『推しの子』。
でありましょう?
ええ、ええ。拙僧、前世ではアニメも嗜んでおりましたからな。
よく知っておりますとも、しかし!!
残念ながら拙僧、原作の方は存じ上げておりませぬ。
誠に! 己の不勉強を恥いるばかりで御座います。
ですが、分からなければ学べば良いのです。
というワケでまずはライブを鑑賞しようと、そうする事で少しでも情報を得ようと、拙僧そう考えたワケで御座います。
「おい話聞いてんのかテメェ!」
そこで話は冒頭へと。
この
はてさて。一体全体どうしたものでありましょうかな。
「──どっからどう見ても怪しいだろうが!!」
それに怪しいとは? 拙僧、理解に苦しみます。
あ。言い忘れておりましたが、拙僧の格好は第一再臨の肩を出していないバージョンを、思い浮かべて頂ければ宜しいかと。
肌の露出面積もほとんどなく、色味も原作より若干抑えたと申しますのに……。
ええそうです。
こう見えて結構稼いでおりますからな拙僧。
……おっと、話が逸れましたな。今はこの場を収める事に、注力すると致しましょう。
「そう仰られましても……ほら! 拙僧、きちんと
「だから! そういう問題じゃないの! お兄さんの服装がおかしいって言ってるの! てかゴリ押しで突破しようとするな!」
「おや! これは失敬」
「ようやく止まった……」
いけません、いけません。これでは『推しの子』ではなく、『ゴリ押しの子』になってしまうところでした。拙僧、うっかり。
「これはこれは……大変申し訳ない。拙僧、昂っておりました故。そうですな。やはり格好は大事ですからな」
原作キャラとの初邂逅だというのに、こちらが原作の服装と違っていてはいけませぬ。
「肩を出しまして……色味も元に戻してと……よし! では! 道満が参りまするぞ?」
「いや、よし! じゃねぇんだよ! さっきより酷くなってんじゃねぇか! てか今どうやって服の色変えたんだ!?」
「そこはほら。拙僧、陰陽師でありますからな……では! 道満が参りまするぞ?」
「いや待て待て待て! そのごまかし方は無理あるだろ!? あとそのセリフはなに!? 」
全く面倒な……服が伸びるではありませぬか。
「なにと仰られましても。やはり意気込みを口に出すのは大事ですからな……意思表示というやつで御座います。では! 道満が参りまするぞ?」
「何で意思表示したら許されると思ったんだ!?」
とまあそんなやりとりをしていた時。
「あ……あなたは! もしやDOMANさん! DOMANのカンタン陰陽チャンネルの、DOMANさんじゃないですか!」
拙僧たちの耳にそんな声が入ってきまする。
どうやら拙僧のことを知っている、
「おや、拙僧の事をご存知で? 不躾で申し訳ありませぬが、こちらの方が拙僧の事を少々勘違いしているご様子。もし宜しければ、説明しては下さりませぬか?」
「はい! わかりました!」
これは重畳。きっと斎藤殿もわかってくださる事間違いなし!
で御座います。
「ユーチューバーねぇ……なんか聞いたことはあるな」
「ええ、ええ。あなたもようやく理解してくださったご様子」
「ようやくって……普通、お前みたいなのがきたら怪しむだろ……まあいい。変なことはすんなよ」
「ええ! ええ! 拙僧にお任せあれ!」
「信じていいんだよな!? それは何もしないって意味だよな!? 大丈夫だよな!?」
ンンンンンン!! 昂りますぞ!!
全然アイまで辿り着けないやん。もっとリョースケ君見習ってもろて。