忘れもしませぬ、あれは拙僧が「ゆーちゅーばー」なる職業をやっていた頃…… 作:匿名
拙僧は何もせぬと申しておりますのに……拙僧、悲しい。(笑)
(なんかめちゃくちゃでかい人いる……)
などと思われているのでしょうなぁ。
あ、言い忘れておりました。
拙僧、本日は映画撮影を見にきております。
ええそうです。五反田監督のやつで御座います。
あの後も色々御座いました。
まずはB小町関連。
アイ殿と他B小町メンバーの仲が、若干良くなっております。なんでも最近アイ殿にまとわりつく、怪しい大男への結束感なんだとか。
やはり共通の敵というのは、団結力を生みますからな。
それにしても怪しい大男とは……はてさて、誰の事なのでしょう?
まあ欲を言えば、もう少し腹を割って話せるような関係になって欲しい所ですが……現状はこのような所で良いと致しましょう。
お次はアクア殿とルビー殿について、で御座います。
そう! あれはある晴れた日の事……いや雨だったかもしれませぬ。(ガバガバな記憶力)
拙僧が書類整理に励んでいた所、斎藤社長とアイ殿がやって来て言うわけで御座います。
この子たち私の子なんだ、と。
ええ! ええ! きっと拙僧の事をようやく信頼してくださったのでしょう。拙僧、嬉しい。
まあ定期的に気付いてるようなことを、匂わせたりはしておりましたが。
まあその後社長がこれ以上コイツに隠し続けてたら、俺の胃が死ぬと申しておりましたが。
きっと拙僧の事を、信頼してくださったに違いないのです!!(クソデカボイス)
いいですね?
……おっと、こんな事をしている場合では御座いません。
拙僧、本日は双子たちのお目付役として来ておりますからな。すぐに楽屋へ向かわねばなりませぬ。
アクア殿! ルビー殿! 道満が参りますぞ!!
*
「道満が参りましたぞ!!」
そう大きな声をあげて楽屋に入る拙僧。楽屋挨拶は大切ですからな。
「うわ道満だ」
「うわ道満じゃん」
入った途端に双子からそう言われる拙僧。大変、当たりが強いですな。
ちなみに有馬殿は、まるで化け物でも見たかのように震えておいでのご様子。おお、可哀想に。
「まま、二人ともそうおっしゃらずに……拙僧が悲しみますぞ。ところでそちらのお方は?」
「コイツは今日の──」
アクア殿が紹介しようとすると、すっくと立ち上がる有馬殿。
「あ、あ、あ、あんたなんかに言われなくても、自己紹介くらいできるわよ! 有馬かな、今日の出演者!!」
そう気丈に振る舞う有馬殿。
まるで生まれたての小鹿の様ですな。脚が震えておいでですぞ。
「おお! あなたが『10秒で泣ける天才子役』と名高い、有馬かな殿でしたか。これはこれは……拙僧、苺プロで雑用係兼タレントをやっております、名を蘆屋道満と申すもの。以後お見知りおきを」
「ふん! 聞いた事ない名前ね、どうせ木端俳優かなんかでしょ! かなの邪魔だけはしないでよね!!」
「おやこれは手厳しい……そうですな、拙僧も有馬殿を見習って精進せねば」
「立場をわかってる奴は嫌いじゃないわ! せいぜい頑張りなさい!! ……ADさん、かなのカバン持って!!」
そう言って楽屋を出ていく有馬殿。
最後の方は緊張もほぐれておりましたな……感心、感心。
「嵐のようなお方でしたな……ところでお三方は何を話していたので?」
「あ! そうだ聞いてよ道満! あいつママの悪口言ったんだけど! 許せなくない!?
コネで役とったとか何とか……」
「落ち着けルビー、あいつはまだガキだ。命までは取らないでおいてやろう」
そう話すアクア殿とルビー殿。ずいぶん物騒ですな。
……ん?
「拙僧も、なかなか罵られていたと思うのですが……擁護して下さらないので?」
「道満はいいや」
「道満はいいよ」
ソソソソソソソソソ……拙僧、悲しい。
*
「今のかな……! あの子より全然だめだった……!」
そう言って泣き出す有馬殿、原作の
ンンンンン……甘露、甘露。
「やだ! もっかい!! お願いだから!! 次はもっと──」
ただいま、有馬殿が落ち着くまでの小休憩中。
ちなみに肝心の彼女は、他のスタッフになだめられております。
……おや、あれは監督とアクア殿。どうやら何か話しておいでのご様子。
はてさて、原作では何を話しておりましたかな……?
「──俺の意図を読み取るのも、一つのコミュ力だ。もちろん演出や意図を理解して演じるのは役者の基本だ。だけど言語化できない意図まで、読み取ってくれる役者ってのは貴重。こっちからしたら喉から手が出るほど欲しい」
なるほど。確か、役者にもコミュ力が必要
「演出家の頭の中には正解の画があるんだからな。お前はすごい演技よりぴったりの演技ができる役者になれ」
「いや……役者にならないし……」
そう言いつつも、ちょっとニヤけるアクア殿。
いやあ……原作でもなかなか良い話でしたが、あらためて現実で見るとさらにグッとくるものがありますな。拙僧も大変感動いたしました。
このまま感動的な感じで終わらせても良いのですが……。
ですが………………………。
ここで
「コミュ力ならば拙僧も持っておりますぞ!!!」
「うおっ! びっくりした……なんだお前か」
やはり人を驚かせるのは楽しいものですな。
「それにアクア殿も満更ではないご様子。ンンンンン…… 僥倖、僥倖!」
「茶化すなよ道満……」
人をいじるのも楽しいですな。
「んー……お前、蘆屋道満って言ったか」
「はい。拙僧の名は蘆屋道満ですが……どうかなされましたか、監督?」
おやおや、何やら拙僧に話があるご様子。一体何でしょう?
「その不気味さ……お前やっぱり出てみねぇか?」
「ンンンンン!?」
*
あの後のことを説明いたしましょう。
急遽、映画に出演する事になった拙僧。
ですがさすがはこの道満ボディ。監督の求める演技をすぐさま理解し、一発OKを頂きました。
ンンンンンン! 御馳走様ぁ~っ!!
という話はさておき。
原作通り、映画はアイ殿が全て持っていきました。それは良い、良いのですが……。
どうやら拙僧も一部界隈で、若干話題になった様子。
何でも不気味ながらコミカルな動きをする大男が、一種の清涼感になっているのだとか。
うーん、ここでこのような目立ち方をするつもりはなかったのですが……まあ良いでしょう。
ん? これは監督のインタビューがのった雑誌ですな。
どれどれ……。
〜〜インタビュー始まり〜〜
──いやー、アイさんの演技凄かったですね。彼女を起用したのも監督だとか、慧眼ですねぇ。
──それほどでも(笑)
──そういえば出演者ですが、もう一人。アイさんほどではないですが、少し話題になった方がいましたよね? 名前は蘆屋道満! 変わってますよねぇ。何でもコミカルな動きが特徴だとか。
……彼の起用はどういった理由で?
──ああ彼ですか。そうですね、最初は私も少し悩みました。実際は素晴らしい演技をしてくれましたが、一歩間違えれば作品も彼のタレント人生もおしまいですからね。ですが……。
──ですが?
──ですが……考えているうちに、おぼろげながら浮かんできたんです。『
〜〜インタビュー終わり〜〜
ンンンンンン!! また後ほど!!
道満はいくらいじめても心を痛めずに済むからいいね。