忘れもしませぬ、あれは拙僧が「ゆーちゅーばー」なる職業をやっていた頃…… 作:匿名
「道満には気をつけた方がいい?」
「そう」
映画撮影から半年ほど前、B小町のメンバーはアイに話しかけていた。
道満について注意するためだ。
「アイツ、絶対怪しい壺とか売りつけてくるタイプだよ」
「そうかなあ……」
「絶対そう!! 大体どう考えてもおかしいよ! なんで社長はあんなのを雇ったの!?(当然の疑問)」
アイ以外のB小町メンバーは、道満の働きを忘れたかのように彼を責め立てる。
全くもって度し難い。*1
「え〜?でもみんなも助かってるでしょ?実際」
「まあアイツがなんやかんやした結果、私たちの人気も出たけど……」
「じゃあいいじゃん」
「でも!!絶対なんかやばい手段使ってるよ!!」
「そうかなあ……」
「絶対そう!!」
絶対そうらしい。
「アイは道満のヤバさをわかってない! アイツの怪しいところは、まだまだあるんだから! ほらご飯食べに行くよ!」
「な、なんで?」
「アイツのヤバさを教えるために決まってるでしょ!」
「……うん!!」
嬉しそうなアイ。
この後アイが末っ子のように、B小町メンバーから可愛がられるのはまた別の話……。
*
「ひまー。道満なんか面白いことして」
とある日。
双子の面倒を見ていると、ルビーにそんなことを言われる道満。
「ンンンン……いきなりの無茶振りですな。ふむ、ではタロットカードなぞどうでしょう?」
「お前、陰陽師じゃねーの? なんで西洋の占いなんだよ」
アクアに突っ込まれる道満。
「最近登録者数が伸びてきたとは言え、マンネリ化が進めば飽きられてしまいますからな。そこで拙僧、西洋のものも取り入れようと考えた次第で御座います」
「ふーん……Youtuberも大変なんだな」
「ええ、ええ。わかって頂けたようで何より」
そう言うと、道満はどこからともなくカードの束を取り出しシャッフルしだす。
はっきり言って物理法則を無視しているとしか思えなかったが、双子はすっかり慣れた様子だった。
「それでは皆様、御笑覧……ところで何を占いましょう?」
「それはやっぱりあれじゃない? ママのこれからとか」
「ルビー殿はアイ殿がお好きですからなぁ……」
「だってママだもん」
そんなやり取りをすると、道満はカードを裏向きにして並べ出す。
どうやら混ぜ終えたようだった。
「では参りますぞ……まずは1枚目。おや、これは女帝の正位置ですな」
「どんな意味なの?」
「ふむ……家族や恋人など大切な人の愛情を実感できて、幸福感にあふれるとの事。大変良い未来を示唆しておりますな」
「やったじゃん!」
道満は微笑みを浮かべながら、2枚目のカードめくる。
「次は……死神の逆位置ですな」
「死神!? ママ死ぬの!?」
「いえいえ、これは逆位置なので良い意味ですぞ。どうやら状況がほぼ180度変化し、まるで生まれ変わったような状況が訪れるとの事」
「おお! よくわかんないけど、悪い部分が好転するって事!? すごい良いじゃん!!」
「そうですな。では3枚目」
道満は3枚目のカードを表にする。
「おや、3枚目は……Qカード」
「Qカード……Qカード!?!?」
驚くアクア。
「どういう意味なの?」
「普通に受け入れるなルビー! これタロットじゃねぇ!」
「どうやらスターがたくさん出るようですな」
「お前も普通に説明するな!」
「やば! ママのスター性が、これからよりたくさんの人々に受け入れられていくって事じゃん!!」
「すげえ! なんかぴったりな感じの解釈してる!」
国語力もどんどん上がっていくルビー。
「次は!?」
「次は……Aカードですな」
「突っ込むのも疲れたな……どういう意味なんだ?」
「NPがたくさん貯まって、必殺技が打てるようになります」
「やば! ママ必殺技打てるようになるの!?」
「説明がヤケクソじゃねぇか」
アクアのツッコミを無視して、5枚目をめくる道満。
「最後はBカード」
「………………」
「どういう意味なの!?」
「火力が大変高いですぞ」
「すご! ママがパワーも身に付けたら最強じゃん!!」
「……で最終的にはどういう結果なんだ? それは」
しばらく考えた後、道満は答える。
「大変火力の高いマイティチェインとなっておりますぞ? 多分」
「やっぱり適当じゃねぇか!!」
ちょい短めやけど許して