忘れもしませぬ、あれは拙僧が「ゆーちゅーばー」なる職業をやっていた頃…… 作:匿名
さて、B小町が東京ドームでライブを行う日がやって参りました。
ええそうで御座います。
原作でアイ殿の命日となった日がやって参りました。
しかし安心召されよ!!(本日初のクソデカボイス)
そうならない様に対策を立てております故。
まずは一つ目、拙僧ガード。
要するに、拙僧が怪しい人物を直接捕まえる事ですな。アニメを見たところ、どうやらストーカーはあまり体格がよろしくない様子。拙僧のこの2m110kgの巨漢を、どかすことなど出来ますまい。
そして二つ目、式神。
こちらをアイ殿の警備として自宅内に置いております。
まあこれらの硬い防御を突破したとしても、拙僧が病院まで急急如律令すれば良いだけの話。
どうとでもなるでしょう。
あ、もちろん拙僧の姿は見えない様に隠しておりますぞ。こんな不審人物がいれば、そもそも襲ってこない恐れがありますからな。それに、ここらで真犯人の情報を掴んでおきたい所。拙僧は防御策を講じるよりも、攻撃に転じることを好みますれば。
おや? あれは……。
「もし、そこのお方──
どちらに行かれるので?」
*
「ママのライブ最高だった!!」
「ええ、ええ。拙僧も
「道満も変なストーカー捕まえるなんてやるじゃん!!」
「まあ拙僧、
アイ殿のドームライブも無事終わり、今は打ち上げパーティーをしている最中。
……ん? あの後で御座いますか?
よろしい。教えて差し上げましょう。
あのストーカー……もといリョースケ君、
なんと!! 黒幕の情報を教えてくださったのです。『自主的に』。
ええ、ええ間違えてはいけません。『自主的に』です。拙僧は何もしておりませんよ?
そしてなんと! 拙僧と話し合ったリョースケ君は、拙僧と共に警察へ行って自首すると言うではありませんか。
これには拙僧も大変、感動致しました。
いやぁ……最初にやってきた時は、あんなに血走った眼をしておられたというのに……一体どんな心境の変化があったんでしょうなぁ?
もちろん!
拙僧は何もしておりませんよ?
その後、アイ殿がストーカーに襲撃されたというニュースがネットを駆け巡り、ファンからは心配の声が。しかし! B小町はその様な出来事があったとは、微塵も感じさせぬ見事なパフォーマンスを演じ、無事ドームライブも終了したというワケで御座います。
ちなみに。
ドームライブまで少し時間が御座いましたので、黒幕の方とも『お話』しに行ってまいりました。
ん? ええ、『お話』で御座いますよ。拙僧、暴力は反対で御座いますからな。
やはり命を奪うというのは良くない事。『殺しは』しておりませぬとも。『殺しは』、ね……。
*
side アクア
無事ドームライブも終わり、B小町──特にアイは伝説となった。
なんかストーカーが捕まったとか言ってたが、また道満がなんとかしたのだろう。胡散臭いがなんだかんだで頼りになる奴だ。
「犯人は大学生の男で──」
これは……アイを襲おうとしたやつのニュースか。
ん?
コイツは俺を殺した男と同一人物じゃないか!(唐突)
何故、アイが入院した病院を突き止められた?*1
何故、引っ越したばかりの新居に来た?
犯人の男はなんのスキルも無い学生だった。
そんな探偵みたいなことが出来たとは到底思えない。
「情報提供者が居る」
それもアイの相当近いところに。
病院のことを知ってたのは、俺の知る限り社長だけだ。
けれどあれだけ大事にしてた自社の看板にそんな事するか?
同僚?
いやB小町の仲……はまあ結構良かったけど、多分そんなことする感じには見えなかった。
アイに親族が居ないのは分かりきってる事だし、連絡先も知らない様子だった。
だとしたら残るは──
「道満」
あと僕らの父親。
クソッ……やっぱりあんな奴を信用するんじゃなかった。きっとアイからの好感度を上げるために、マッチポンプを仕組んだんだ。そうに違いない。
「いや……」
でもあいつの計画がそんなに上手い事いった試しがあるか?
「ないな……」*2
あいついっつも「ここで
「じゃあ父親か……」
俺たちの父親は芸能界にいる。
危うくアイは死にかけたのだ。
そんな奴が芸能界にいる。
そいつと俺に血縁関係がある以上、毛髪から遺伝子検査で割り出せる。
「必ず見つけ出して殺してやる……」
「あ、父親の方は対処しておきましたぞ」
「!?!?!??!?!」
うおっ!
……なんだ道満か。
……え? もう対処した?
「ええ、ええ。安心召されよ」
マジか……やっぱりこいつ結構有能だな。
……いや有能すぎないか?
まあ良いか。
一応アイの命を救ってもらったしな、感謝し…………こいつに感謝いるか?
「普段の言動と合わせたら、ギリギリマイナスだもんな……」
「ソソソソソソソソ……なんだか酷い事を言われ……痛たたたた! おやめなされ! アクア殿、拙僧の髪を引っ張るのはおやめなされ!」
ムカつくから、とりあえずこいつの毛髪は鑑定しとこう。
決して髪を引きちぎりたいワケではない、決して。
かくして
「おいまだかかるのかルビー」
「もーっ! ちょっと待ってってばお兄ちゃん! この制服カワイイけどフクザツなんだもん……」
「初日から遅刻は勘弁してくれよ」
ピーヒョロロロ!!(クソデカ笛の音)
「でもほんとかわいいーっ♡」
「……………スカート短すぎないか?」
「お兄ちゃんて昔からおっさんくさいよね」
ピーヒョロロロ!!(クソデカ笛の音)
「あ! ママ行ってきます!」
「いってらっしゃーい……アクアは言ってくれないの?」
「……行ってきます」
「よし! いってらっしゃい!」
──新たな幕が上がる
ピーヒョロロロ!!(クソデカ笛の音)
「ってうるせぇぞ道満!! そのクソでかい笛の音はなんなんだ!!」
「ええ、ええ。拙僧、アクア殿とルビー殿が新たな門出を迎えると聞きまして……これはお祝いせねば! と馳せ参じた次第で御座います」
「どっから聞いたんだよ! 誰もお前には教えてねぇはずだぞ!」
「調べました」
「コイツッ!」
そして俺と道満の愉快な珍道中は始まらない。いや始めさせてたまるか。
まだ続くよ