【Limbus_Company】自囚人と創作キャラの創作物まとめ   作:彩花@clover

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リチョウさんのメインストーリー
これも長くなりそうなのでわけます

因みに元ネタ有ります。

リンバス兼創作垢
→@yukinano2254


XX章【消させない】 前編(リチョウさんのお話)

今度の黄金の枝の探索場所はD社だという。

あの時はダンテが黒い森で襲われていたが、その時かまだ感知されていなかったので行けなかったという。

D社に行って黄金の枝を探すとなった時、後ろの方に座っているリチョウが遠い目をしているのが、シンクレアには見えてしまった。

いつも先生と慕っている彼だからこそだろうか。

 

「先生…?どうかしたんですか?」

「え…あぁ、すみません、感慨深く思ってしまって。」

「もしかして…。」

「えぇ、私が住んでいたんです。D社の巣に。」

 

まるで子供をあやすような優しい口調で話すから大丈夫なのかと思ってしまうが、表情は少し暗いままだ。

行くのが怖いという感じではない。だが、行く事を望んではいないようにも見える。

そうだ、これは。彼にとって遠い物であるようにも思える。

バスを降りて目的地へと歩きで向かう、リチョウはおそらく自分が住んでいた近くにあるのでしようと案内をしてくれた。

だが、確証があるわけでは無いからと前置きをする。

 

目的に到着した。そこは少し前に廃墟になったままといった様子だ。

木材は折れて、建物の壁は壊れて、壊れたぬいぐるみは、血痕も残っていた。

奥には学校の様な大きな建物、数件の壊れた家。誰も住んでいないのは明らかだった。

リチョウがここを離れたのがいつくらいだか分からないが、それよりも前に廃墟にされた様子でもあった。

普通ならば建て替えなど行われると思ったが特にそんな様子はない。完全に人が居ないのだ。

 

「ねぇ、リチョウいくらなんでもここ、人いなさすぎない…?」

「…そうですね…。ここは一応巣のはずです。何故でしょうか…?」

 

ロージャが聞く。だがリチョウも知らないというのだ。

リチョウはまぁ、人が居ないのであればいっそ探しやすいのではないかという。

それは事実だ。私たちはリチョウの案内で先に進んでいた。

先に進んで何もいない訳もなく、そのあたりが黒く汚れていた。そこに在ったのは血痕ではない。墨だ。

墨がその辺にばらまかれていた。

そしてその墨が獲物が来たと言わんばかりに形を作り出す。羊の様姿だったり、鉤爪を携えた人の姿だったりと様々だ。

相手が戦闘態勢を取ってきたのならばこちらも戦闘態勢を取る。

 

「戦闘準備!」

「へっ、歩いてるだけで退屈してたんだ!」

「き・ち(気を紛らわすには丁度いい)」

「すぐに終わらせる。」

 

ウーティスの掛け声で、ヒースクリフと良秀が駆け込んで行った。すぐに戦闘の時に出てくる荒々しい方のリチョウもそう告げていた。

後ろの面々も戦闘に参加していく。

様々な姿でこちらを攻撃してくる。ある者はそのかぎ爪を使って、ある者は鞭の様な何かを使って、ある者は銃の弾丸で撃ち抜いてくる。

それを普通に回避する。だが、当たってしまうと、どうやら精神が削られる様子で、特に影響を受けやすいシンクレアがダウンしそうになっていた。

ブツブツと何かを言っている。

 

<成程どこからの攻撃をもらっても精神ダメージになるのか…。>

「おちびちゃんE.G.Oの侵蝕受けてない!?」

<うーん、ぎりぎり、もう一度当たったら多分乗っ取られるかな…。>

「いったんシンクレアを下げて突破するぞ!」

 

グレゴールの言葉ですぐにシンクレアを下げたのはドンキホーテだ。

彼女も素早いので色々出来てシンクレアは私のそばに置かれた。

まだ、こまごまとした墨の敵が残り続けた。どうにかしてここを突破しないと消耗戦で全員がこの墨でやられてE.G.O侵蝕で暴れることになる。

だが、そんな時だ。

 

「リチョウ君!」

「!」

 

イサンがリチョウの名前を呼ぶ、だが、既に頭上に巨大な虎が居た。おそらく白虎だったのだろうか。

牙は赤く。炎のような明るさだった。足は黒で強靭な爪を持っていた。

尾も刃の様に研ぎ澄まされていた。

リチョウは躱すことが出来ずそのまま食われた。その姿に驚きつつも暴れるリチョウの姿を見た。

頭だけではない。頭から腰まで食われている。

そこからごりッと聞こえて下半身だけがその場に残った。

その虎が居なくなると周りにいた墨の敵までもいなくなった。まるでもう用事は無いと言わんばかりだ。

 

「ま、まさか半分食われるとは…。」

<と、とりあえずすぐに治すよ…。>

 

ダンテが時計を回す、全員が回復して、精神ダメージが大きかったシンクレアも何とか立ち直った。

リチョウは起き上がる。だが、雰囲気がいつもの柔らかい雰囲気ではない。

険しい雰囲気だ。これはおそらく戦闘時に先ほど居た方のリチョウだ。しかし、何故だろうか。

普段はここで柔らかいリチョウが出て来て終わったのかと聞いてくるくらいだ。

その後血を見たりして気分が悪そうにする事が多々あるのに、今日はどうやら違う様子だ。

 

「…奴がいない。」

「はぁ?」

「…奴って…?」

「普段、出て来てる先生のこと、ですか?」

「それ以外に誰が居る。すぐに探す。」

 

リチョウはすぐに歩き出してしまう。だが、今一人で急いでも彼を助けられない気がした。

探すと言ってもどこを探すのか、と。ただでさえもこの辺には詳しくないのだから待ってほしいと私はリチョウの手を掴んだ。

手を掴まれたことにいら立ちを示している様子で私もこの殺気には普通に恐怖を覚える。

正直今顔を見れない。だが、私は彼を止めて少しでも一緒に行こうと言わないといけないと。

 

「奴を取り戻さなければいけないんだ。」

<そ、それはわかっているけど…!>

「ならば…!」

「…!?…お、まえ…は。」

 

驚いたような声が聞こえた。そちらを見る。

そこには白い髪のとても優しそうな顔をしている男性だ。普通にスーツを着ている様子でそれなりにお金は持っていそうだった。

リチョウは男の方を見ていないのはすぐにわかった。

男はとりあえず自己紹介をした。彼はエンサンと言うらしい。

ここには会社から指示で人が住める状態ではないから様子を見て欲しいと言われてきたのだという。

エンサンは顔を合わせないリチョウに話しかけた。

 

「……ここに来たのは新しい会社のお蔭か?」

「お前に言う必要はない。」

「…だろうな…。なぁ、ぁ」

「その名前は当の昔に捨てたといったはずだが。」

「…すまない。でも、俺は…。」

 

二人はどうやら既知の友人である様子だ。だが、リチョウからはそんな話を聞いた事はない。

リチョウは自身の友人の話もそういえばしていなかった。妻の話や娘の話をよくしていたように思う。

彼は一人っ子だと言っており、姉が居るのはどんなだったとか、よくそんな話をシンクレアやドンキホーテとしているのを聞いていた。

家族の話をするのは嫌いじゃない様子ではあったが、友人の話は一切なかった。

 

「……リチョウならおそらく、森の方へ向かったんじゃないか?」

「だろうな。」

「貴様、分かっていて管理人様に言わなかったのか!?」

<まぁまぁ、とりあえずリチョウ一人でいかないで、私達と共に、ね。>

「勝手にしろ。」

 

ウーティスは怒っていたが、リチョウにも何かしらの理由があったのだろう。

リチョウは全て気づいていた様子で、すぐにでも森に向かおうとしていた。私やエンサンの事をおいて。

流石に一人で行かせるのは問題があるだろう。

おそらく旧L社支部の場所を知っているのだとしたら全員で向かうべきだ。

どんな敵が出てくるかもわからないのだから。

 

「…共に行かせてはくれないか。」

「…それはこの時計頭にでも聞け。」

<わ、わたしぃ!?>

 

急に振られて驚くが、確かに管理人としては判断するのは私だ。だが言葉が届かないのはどうするかな…。

 

「えっと、確か先ほどの会話で管理人といわれていたね。…どうか管理人殿、大切な友たちの事を見守らせてほしんだ。」

 

そう言ったエンサンはしっかりとお辞儀して頼み込んできた。

大切な友たちといった。彼らからは何も聞いてないが、きっとどこか言わないでいたい間柄なんだろう。

うん、あとでこっそりついて来られて何かあっても後味が悪いから連れて行く事にした。

 

<うん、まぁ、危険であるからあまり前に出ないでくれるとの、邪魔をしないでくれるなら。>

「…肯定だそうだ。邪魔にならなければいいとのお達しだ。」

「…わかった。邪魔にならないように気を付けよう。」

 

なんかウーティスがいったからか嫌味の様になってしまった。

そんなつもりではなかったが、まぁ仕方ないか!とあっけらかんとなってしまった私はどこかこのバスの旅に侵されているのかもしれない。

うーん…。ダメではないけど何とも言えない気持ちになるな。

エンサンは連れて行ってもらえることに関してだけでウーティスの嫌味はあまり聞いていない様子だ。

実際問題あんな大きな虎の化け物が居るのだから危険であろうというのは事実だ。

ただ、リチョウを見ている時の表情がどこか寂しそうで、少し気になってしまった。

彼は本当に友人を憂いているように見える。

 

旧L社支部に向かっている最中もこの幻想体は襲ってくる。

仮に名前を付けるなら「人の想い」という事になった。

理由はまるで墨が人の想いに反応して動いているように見えるということからだ。

人の想いはリチョウを襲う、だがリチョウの刀はスパンっと切り裂く。

その時、ふと思った。リチョウの刀は研ぎ澄まされており、一瞬の様にも思えた。

そう言えばちゃんと戦っている所をこうしてまじまじと見ることは無かった。

基本的に相手の急所ともいえるかもしれない所狙って的確に切り落としている。

 

「ほう…。」

「……なんだ。」

「いや、その太刀筋はいいと思ってな。……人を何度も切った事のある切り方だ。」

「……そうか。」

 

良秀はそう告げた。人を何度も切った事のある切り方だという。

確かに今まで何度も切っているだろう。立ちふさがるならば人を斬り落として進んできた。

だが、良秀が言いたいのはそういう事ではないのだろう。

おそらくバス部署…囚人になる前から人を、斬り殺していると。

だが、リチョウは普通の教師であったはずだ。当の本人がそう認識している。

でも実際はどうだ。戦闘になると彼が出て来て。すべてを斬り殺している。

エンサンはその太刀筋をみて感嘆な声を上げる。

 

「はぁ…あぁ、やっぱり綺麗な太刀筋だな…。」

「え…?」

「…!あぁ、ごめんね。えっと私の記憶が確かなら彼は剣術を学んでいたんだよ。」

「教師…なのにですか?」

「…あ、あぁ、そうなんだよ。ほら、この世界は少し残酷だからね。」

 

近くにいたシンクレアは少し驚いた声を上げる。言葉を聞かれていたと焦った様子でエンサンが答えた。

少し困った様子であるのが見受けられる。

イシュメールの疑問も全うでまた言葉に詰まる。何かを言おうとしても近くにリチョウの刀の切っ先がある。

エンサンは言い訳に等しいがまぁ確かにそうだと思える一言を言い放った。

だが、この二人が何かを隠していることが確定になった。今は何も言えないものなのだろうと理解する。

森の方へ向かうと確かにそこに存在した。旧L社支部。リチョウはその中に普通に入って行く。

本当は走って行きたいのだろうが、途中で死んでも意味がないと理解しているからか、しっかりと置いて行かれないレベルで先行してくれている。

私達も続いてはいる。G社の生き残りたちがあの支部に似た構造で、同じ様な扉などが並んでいる。

だれもいない様子だった。と思っていた。

 

「……。」

 

かなり小さな声だったが、聞こえた。助けてという声がした。

その声の方を見る。扉の間のがれきに小さな女の子が居た。薄い氷のような髪で優しい黄色の瞳をしていた。

リチョウはその姿を見て少し驚いた様子であった。

 

「何故…。」

 

エンサンはかなり驚いた様子で少し青ざめてもいたくらいだ。

その子供が誰かに似ているのかと思ったが、思いつく相手に誰もいない。

何故二人が驚いているのか誰も理解が出来なかった。まさか驚いた二人の子供かと思ったが似ていない。

 

「……お父さんを、かいほうして。」

 

リチョウに向かって行った。リチョウはその頭を突き刺した。ドンキホーテが何か言いたそうだったが。

霧散した子供にたいして何も言えなかった。

どうやら何かの幻覚を見せられたらしい。それにしても後味の悪い幻覚だ。

ロージャやシンクレア、グレゴールなんかは気が滅入りそうである。

流石の私も気が滅入ってしまうと思えた。

 

「……似ても似つかないな。」

 

リチョウは小さな声でそうつげていた。

 

<アレは、だれか聞いてもいいのかな…?>

「…。」

 

リチョウは答えない。エンサンは私の声が届いてないから答える訳もない。

ふと、思う。あの子供まがいはお父さんを開放と言ったのだ。

お父さんとは誰の事だと、リチョウに聞いても答えない。

答える気が無いのだと理解する。だが、ふと思うのはあの髪はリチョウの髪の色素を薄めたと思えるような髪だったと。

奥に進んで行くと、そこには、墨で汚れた本を持っている人型の墨の幻想体「人の想い」が居た。

どうやらそいつが小型の奴らや他の奴らを生み出している元凶の様子だ。彼が地面に墨をたらすとそれが形作る。

体躯が大きく、周りのが攻撃させないように庇っている。

 

「…どうやら先ほどから飛ばしてきていたのはこれの様だな。」

「そのようだ。」

「それでは!これを倒せば!」

「あぁ、おそらく細々としたのは消えるだろう。」

 

リチョウは軽く分析をする。ムルソーも同意見でドンキホーテは少し沸き上がったような言い方だった。

何故かと思ったが、精神ダメージが意外と辛いというのは皆重々承知だろうし、早めに処理できる方がいいと判断したのだろう。

だが、先ほどと同じようにやっても墨でやられていくだけだ。どうすればいいのか。

基本的に周りの奴はほとんど無視で、最高速で最奥の「人の想い」を撃退するしかないという。

事実確かにそうだと思える。

前に突っ込むのは、リチョウとムルソーとドンキホーテだ。それ以外は先にE.G.Oなどを使ってサポートに回る事になった。

 

<まずはイサン、貴方のE.G.Oを!>

「わかれり」

 

ここに来るまでにE.G.Oの資源はそれなりにためていた。

まずはイサンのE.G.O[烏瞰刀]で相手の攻撃性を下げて味方の速度を上げる。

これで墨の回避が大分やりやすくなったはずだ。

精神が低下したらファウストE.G.O[表象放出機]を使用する。周りを一掃しつつ、精神を回復していくのだ。

外の時ほど威力がない。おそらくここではクリフォト抑止力がある程度働いているのもあるだろう。

シンクレアはロージャと共にハルバードとその斧を振り回してこまごまとした「人の想い」の小さいのを倒していく。

 

「おおい、ですけど…!」

「まぁ、外の時よりはましかなっと!」

 

かなり大降りに振るが、綺麗に吹っ飛ばせる。

グレゴールなどは少し影響が出やすいみたいで何度か後ろに下がってきた。

確かに腕のそれも体の一部だ。その墨そのモノに精神にダメージがあるのならグレゴールは大分ダメージが酷いだろう。

 

「だぁ~くそ…!」

「貴様、それでも元軍人か!?」

「うるせぇ~、結構ダメージ来るんだよ…!」

 

大分弱っているグレゴールに対してウーティスが文句を言うが、まぁ体の一部で体に当たると精神のダメージなのだから仕方ないだろう。

人格を変更するべきだったかもしれないと思った。

せめてバラ工房がよかったのかもしれないとふと思うが今変えてしまおうか。

と、少しアイコンタクトを取る。すぐすぐにバラ工房のグレゴールに変更する。

 

「へ、全部ぶった切ればいいんだろ!」

「わぁお、バラ工房のグレッグって割と楽しそうよね~。」

「テンションがハイになってるだけだと思いますね…。」

 

ロージャが斬りながら言う。シンクレアもつられて返してしまう。

君達、前をしっかりと見なさいな…。

良秀は斬れている様子だけど、手ごたえがほとんどないのがつまらない様子だ。

ヒースクリフも吹っ飛ばせてはいるが水みたいになるのが嫌な様子だ。

このままでは長期戦になる。一度広域なE.G.Oで戦況を変えるべきだと判断。

 

<ウーティス!黒の枝を!>

「了解しました。」

<ファウストも、水袋を!>

「はい。」

 

二人はすぐにE.G.Oを展開して広域でかなりの数を減らす。

リチョウは使わせろと言わんばかりだ。確かに精神も問題ない。

ならば

 

<リチョウ!4本目のマッチの火を!>

【炎はお前を焼き、お前をこの刃でも殺す】

 

刀に炎が巻き付いており、その炎が先に「人の想い」に向かっていくまるで逃がさないように。

その後急接近して切り上げて爆炎を上げる。その炎はそれなりに美しい物だと思えた。

まるで燃え尽きてしまう紙の様に消えていく。そして墨の卵が出来上がる。

どうやら討伐が完了したのだろう。

 




マジ戦闘書きたくないって。
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