【Limbus_Company】自囚人と創作キャラの創作物まとめ   作:彩花@clover

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ギャグかとうかは知らないけれども載せておきたいので…。
ちなみに、創作やってる人にとってはクソと言われました。今回の敵、大分ですね。


XX.5章【ライブラリー/オア/デッド】

 

炳吾の件が終わって、その後にD社にある。本屋に行ってきてという指示があったらしい。

なんでもねじれ関係であるため、向かってほしいということで向かうことに。

その場所はリチョウが知っている本屋であった。本屋の名前を開いて懐かしいという顔をしていたのとことだった。

私が直接見たわけではなくてイサンが見たらしい。

 

「いと懐かしと言ひしけしきなれど、そこはいかなるかたなりや?(特別意訳:とても懐かしいと言った様子だったが、そこはどのような場所なのか?)」

「え…。あぁ、実はそこの本屋は私と妻がよく通っていた本屋なんです。そこ で本を買って二人で感想を言い合っていたんですよ。」

「………仲がいと良ささうになにより」(特別意訳:仲がとても良きそうでなにより)

 

とそんなことを言っていた。意外と二人は喋るのかと思っていると更に後ろから炳吾さがちらっという。

 

「そう聞くと普通そうな本屋だなぁ。」

「えぇ、とてもいい雰囲気の本屋です。…だから、ねじれ関係で行くのは少し、寂しいですね。」

「先生…。」

「っとそんなことを言っている場合ではないですね。 しっかりと仕事はしますとも!」

 

シンクレアが心配そうに話しかけて居た。まぁ確かにいい思い出がたくさんあったろうにこんな形で行くことになるのはどこか寂しいところはある様子だ。

シンクレアの方を見て大丈夫ですよ。と言わんばかりにリチョウは言った。

まぁ私は戦闘になったら何もできないのですがということも追加で言う。それを聞くとなんとも言えない気持ちになる。

 

ふと、思い出す。そういえば、前にリチョウに聞こうとしたことがあった。

E.G.O使用時の話だ。アレのとき少しだけ貴方がでてきているような気がして。

だけど、そのことを聞こうとしたら敦がでてきて、開くなと言った。

おそらくだけども、リチョウはあれを使っている自覚はないのかもしれない。

後、敦が意図的に記憶を消している。のかもしれない。そこを開く勇気だけはなかった。おそらく彼らの最もなタブーだからだ

 

「あぁ、ここです。ここ。」

「おぉ…随分といい感じのまぁ…このノスタルジーな感じな本屋だなぁ…。」

「えぇ、古臭いだけじゃないのぉ?」

「いいえ、ここは本が焼けないように最低限の光しか入れてないんです。それにこの外見から変な人は殆ど入ってきませんから…。」

 

リチョウが案内をしてくれてついた。そこはレンガの建物だった。どこか優しい雰囲気を醸し出しているような気もしていた。

茶色のレンガがきれいに並んでおり、たしかに窓は殆どない。上の方に空気調整用なのか窓らしきものはあるが、あそこは届くのだろうか。

本に取ってはいい環境であると、どういう環境が良いのかを把握している二人にはここはいい場所だとわかるのだろう。

ロージャは古臭いだけだと思うけどなぁといった雰囲気だ。ヒースクリフやイシュメールも同じ様子である。

 

「でも、どうしてここなんでしょうね。」

「さぁな。…はぁここで調べ物なんてすることになったら、勘弁願いたいぜ…。」

「私も~!」

「び・よ・な・く。」

「美術に関する本があれば読んでもいいが、なければ首を落とす、ですか!?」

 

リチョウのふとした疑問に対して、ヒースクリフが答える。ロージャもそれに同意する。

確かにこの中で調べ物は厳しそうだけども、大体今回はなんでこういうことになっているのかもわからない。

やはり二人は活字が嫌いなんだろうなと思う。そういえば冊子は決して読まない二人だった。

そして良秀は興味のあるものだったらしっかりと読んでいるのだろうか。意外とさらっと言うものだと思った。

 

リチョウが鉄の扉を開けようとしていた。少し重たい様子で、力を入れていた。

なぜここだけ鉄製なのかと思ったけど、まぁガラスのほうが危ないなと気がついて黙ってしまった。

中に入ると少しだけ薄暗い。だけども温かみを感じる明かりがついている。仄暗いのに少しホッとしてしまう。

おそらくそういう明かりを使っているのだろう。そう考えると、この店はしっかりとしていていいものなんだと思える。

しかもここは巣の中でよっぽどのことがない限りは安全であるはずだからいいのだろう。

 

「おぉ…。」

「店主さんいらっしゃいますか?」

「おぉ…。お前さんはあのときの…調子はどうだい?」

「今は大分…。そうだ、今日はですね…。」

「リンバスカンパニーのバス部署です。事前にお話はビフォーチーム(LCCB)からお伝えしているとは思いますが。」

 

炳吾がいい場所だと言わんばかりに声を上げると、リチョウはすぐに店主を読んだ。

昔からリチョウのことを覚えているだけはあって割りとスムーズに話が言った。

いつもこのくらいスムーズだといいのだけどと思ってしまう。

店主は大分御老体の様子だった。珍しいとも言えるが。結構長い間ここで店主をしているのだろう。

流石に用件を伝えなければ、と思ったのかリチョウが伝えようとしたが、ファウストが先に伝えた。

その言葉を聞いてなるほどと言った様子で次の言葉を言った。

 

「ほう…では、ここにある本を直していただけるということですな…。」

「どういう、ことです?」

「じつはの…最近ここだけではなくて、他の本屋の本も中身が変えられてしまうという現象が発生しているのだよ…。」

「え…!?」

 

本の中身が変わっているという、どういうことだろうか?と話を聞いてみる。

理由はわかっており、この前この店にきた人の形をした何かが本棚に触れていた。

本は決して手に取られなかった。そうしたら本棚が緩やかな光を放っているのが見えたので、何をしているのかと見たら。

そこには明らかに人外の何かが存在したのだという。しかもとんでもなく大きな声を出されてしまったので一度腰を抜かしてしまった。

追いかけようにも歳のせいで追いかけられなかったのもあるのだが、すでに扉を開けられてしまっていたから追いつかなかった。

仕方なく触れていた本棚の本の中身を確認すると…中身が変わっていたそうだ。

 

「そ、そんなことが…!」

「で、偶然フィクサーに相談しようと思っていたら、リンバスカンパニーの方々が来ての…。」

「ち、ちなみに…どこの…。」

「ほとんど全てだよ…。これじゃあ商売にならない…。」

 

まさかと言わんばかりにリチョウはとある本棚へ向かう。

炳吾もなにかに気がついた様子で店主に純文学の棚はどこだと場所を聞いた。今彼が向かったほうだよと聞いてすぐに向かった。

こちらは理解ができていない状態ではあるが、急いで追いかける。

いやまぁ、なんとなくは予想できるけども…。

 

「……………こんな…こんな姿にされちまって…!」

 

炳吾が何冊か本を漁っていた。中身を見てとても悔しそうに呟いている。

何なら拳をぐっとしている。

リチョウはその場から動けないでいる様子だった。

 

<え、えっと…ふ、ふたりとも…?>

「たかだが本でうるせぇな…。」

「おい、ヒースクリフ…今なんつった?」

「は…?たたかだか本で…。」

「馬鹿野郎お前!この本たちがどれだけの天才達から生み出されたのか知らねぇのか!?どんな天才が作り出した本なのか!

 例えば、このエドガー・アラン・ポーの【黒猫】なんてあれは、もう名作で天才から生まれた作品なんだぞ…!

 他にも…あぁ!おい、有島武郎の【カインの末裔】もやられてるじゃねぇか!くそっ…あ…?」

 

あの炳吾が珍しく作品を推してヒースクリフはその圧倒的な姿に少々どころか、かなり引いている。

そして何か発見した様子にとある本棚に向かった。そこで何かが見える。本のタイトルはかろうじて読める。

【夫婦善哉】と、【女生徒】と書かれた作品のように見える。それを手にとってわなわなと震えている。

中を少しずつぺらぺらとめくってすぐに閉じて、無表情でこちらを見てきた。

 

「ダンテ、ねじれの場所を探すの手伝ってくれや。速攻で殺す。」

<え、えぇ!?>

「本の中身をこんなくだらねぇものに、変えちまうなんて正直生きてる価値がねぇ。」

<へ、炳吾…落ち着きなよ…!というかリチョウがさっきから動かないんだけど…。>

 

リチョウはとある本を持って黙っている。ようである。

そしてぱたんと、その本を閉じた。その腕も肩もわなわなと震えている。

 

「…………す。」

<り、リチョウ…?>

「ぶっ殺す…。」

<!?!?!?!?!>(ボーンボーン)

 

あの、穏やかなリチョウからとんでもない言葉が飛び出した。・

今まで絶対にそんなことをつぶやかなかったのに急に言ったのに全員そこそこ驚いている。

シンクレアとロージャとグレゴールとイシュメールとドンキホーテとホンルとヒースクリフあたりが驚いていた。

私ももちろん驚いたとも…。

あの穏やかなリチョウがぶっ殺す!?え!?!?と言った様子である。

 

「鏡花先生の…美しい本を…こんな、こんな!!くだらない内容に変えるなんて!」

 

絶対に出さないであろう声で出していた。こんな声量出せるんだと思ったけれど、おそらくこれは感情が高ぶっているから行けるだけであり

普段は絶対に出せないのだろうことは予測できた。私はそう思っている。とても大きな声である。

リチョウは今そこに置かれている本を切ってしまいそうな勢いだ。

腰にある刀を抜こうとしている。流石にシンクレアが止めに入った。後ろから羽交い締めしている。

前からはドンキホーテが本から離れるように体を押す。

 

「あのねじれ野郎この私の手でぶっ殺してやります…その肉体を市中引き回しにして」

「せ、先生落ち着いてください…!」

「その後体をバラバラにして幻想体に喰わせてやる…!」

「お、落ち着くのでありますよ!先生!!」

 

シンクレアが背後から羽交い締め。ドンキホーテが前から刀のさやを抑えている。抜けないよにというか前に行かせないようにであれでは抜けてしまう。

だが、リチョウは刀が抜けない様子である。それなりの力でただただ引き抜こうとしている様子だが、抜けてない。

私は刀に詳しくはないが、いつも敦が簡単に抜刀しているから簡単なのだと思っていたが、とふと思った。

 

「ど、どうしてぬけないんですかぁ!体が、覚えているはずなのにぃ…。」

 

その場にへなへなとしゃがみこんでしまう。その時シンクレアとドンキホーテは少しずつ離れていた。

刀はしっかりと抱えており、何度か抜けないか試していたがやはり抜けない。

落ち込んでしまった様子だ。しょんぼりとしている。

と、思ったらすぐに立ち上がって刀を腰に挿していた。おそらく敦が出てきたのだ。

 

「………。やつが暴れたみたいだな。」

「そうだな…。」

「ともかく、これをしたねじれを探すぞ。」

 

深い溜め息を吐いていた。リチョウが暴れたことに対してなのか敦は頭を抱えていた。

グレゴールが少し驚きつつも答えてしっかりと任務をしようとする敦が出てきたお陰で問題ないと思った。

だけど、炳吾が本を見つつとあることに気がついてしまった様子で敦にとある本を差し出した。

 

「…おい、これリチョウの書いたや…あ。」

「見せろ。」

 

炳吾が取っていた本を敦が奪って見た。敦は眉を顰めていた。これは大丈夫なのかと不安になった。

敦は流石に言わないよな…と私は思っている。彼は仕事はしっかりとする仕事人だ。

変なことは言わないしねじれを調査することには変わらないはずなので暴れたりもしないはずだ。

 

「おい、管理人。」

<な、なにかな!?>

「…今回、ねじれは説得だなんて考えるな。殺す。」

<え…あ、敦?>

「全く持って不愉快だ。行くぞ。」

 

本屋を一足先に出る。炳吾ももちろんと言わんばかりにそれに続いた。

私達も続いた。とりあえず店主にはなんとかするようには伝えた。

流石に何も理由なしにねじれを説得できる可能性もあるのにそれをしないのはどうなのかと思ったので、

二人を説得することにしようとした。

 

<ふ、ふたりとも!ねじれを殺すつもりみたいだけど…、説得する気は…!>

「ないな(ねぇな)」

「そ、即答…。」

「改心の余地ありとは思はねば?」(特別意訳:改心の余地があるとは思わないので?)

 

シンクレアが驚きつつも改心の余地がないのかと言わんばかりに言う。

更にイサンまでもそういった。

改心するかもしれないと私は思っていた。以前のあの店長を思い出す。

あの人はねじれてしまった理由が理由だからできるんじゃないのかと。

だが、二人はこちらを見ないで答えた。

 

「はは、いいか?あの本の中身はまるで元の作家を馬鹿にした内容に置き換わってた。馬鹿が読んでもわかる内容になってた。純文学なのに。しっかりとしていた描写もぼかされてて気に食わねぇ。」

「物によっては好評していたものを批判する内容に変わっていたな。」

「そんなふうに本来見せるべき内容を雑にされた本。まがい物でつまらねぇもんにした。わかるか?ダンテ、これは作家への冒涜だ。」

「俺は違うが…やつが心血注いだものが酷い形に歪められたのが気に食わない。」

「つまりだ。おそらくこのねじれは芸術家だ。かなり自分勝手な。しかも作家になろうとしてなれなかったやつだ。」

「作家であるものとわかりあえるわけがないということだ。芸術家というのはそういうものだ。」

 

炳吾と息ぴったりで話す敦を見て、あれ、意外と仲良し…?とか思ったが、それ以上に言いたいことがあった。

行くぞと言ったけれども、場所がわかるのかと思った。

店主から話を聞いてもどこにいるのか全然検討もつかない。だが敦が先導する方角にねじれっぽい気配がする。感覚と言ったほうが正しいが正しい気がするけれど。

 

「ねじれの場所、わかるんですか?」

「感覚でな。」

<え!?>

「これは、憶測の域を出ないが、やつの魂が虎であることが影響している可能性がある。」

 

イシュメールのふとした疑問に敦は答えた。

確かに指針があって動いているのでなければイシュメールは納得しないだろう。

敦は言葉を続けた、リチョウの魂が虎であること…が影響している?……!あぁ!ねじれていることが関係していると言いたいのか。

え?虎…であること。え?…つまり、だ。ねじれていること。リチョウは今もまだねじれたままでその体に居るということ!?

今始めて聞いたんだけども!?

 

<え…?>

「やつは気がついてないから言うなよ。」

「それって、大丈夫なのぉ?」

「問題ない。魂がこの体を離れなければ…この前みたいに抜けなければ虎になることはない。E.G.Oは別だが。」

 

ロージャが心配そうに言った。敦は淡々と答える。そうだ。

よくよく考えればあの日のそれはリチョウがそれなりに長い間魂が外に出てしかも黄金の枝の影響を受けた結果だ。

あの虎と対峙することになったのはそういった要因があったからだろう。普段はそんな気配はミジンコもない。

つまり、敦の体にリチョウの魂があり続ければ、虎とは対峙しないと。それは普段のリチョウが証明していることだった。

 

「それにしてもねじれの場所がわかるなんて便利ですねぇ。」

「…全部ではない。…ただあの場所に力の残滓…言い方を変えるなら痕跡が残っていた。それをいまは辿っている。」

「まるで犬みたいですね?」

「…例えだ。今はその残滓を感覚ではあるが追っている。そう遠くはないな。」

 

ホンルのそれをいなしつつ到着すると言った。

少し歩くとそこはなんとも言えない場所だった。

 

ボロ屋と言われればそのとおりだった。昔は大分綺麗だったのだろうと思われる場所は全部煤けてしまって廃墟になっている。

外見からおそらく二階建てであることは予想ができた。広さもそれなりの館だ。

ここからどこに居るのかを探すだけでもかなり困難になりそうで少し面倒そうと言った様子だ。

扉を警戒しつつ開ける。そこにはおどろおどろしい雰囲気があった。

シンクレアがヒッと声を出していた。

確かにそこの雰囲気はどこか恐怖を煽るような真っ暗加減ではある。

 

外はまだ昼だけども窓がないこの場所はあまりにも真っ暗で見えない。

敦がため息を吐きつつ炳吾を見た。どうやら何かを持っているらしい。

ベストの胸ポケットから小さな懐中電灯を出した。それをスイッチを入れてあたりを見渡す。

近くには敵はいない様子だ。

 

「入るぞ。」

「だな。」

<私も懐中電灯を出そう…。>

 

炳吾を見習って持ってきている懐中電灯を出した。

全員扉の中に入ると扉がバタンとしまった。シンクレアがヒエっと声を出す。

すると、どこから声がする。反響するような声がする。

まるで強者であるかのような言葉だ。

 

【おぉ、まさかここに来るとはな!ゆうしゃ…】

「茶番は終わりだ。」

「すぐにお前のところに行って」

「「その喉元突き刺してやるから待っていろ(やがれ)。」」

 

二人のどすの低い声がする。本当に仲がいいのかもしれない。

…まぁ、二人が本気でお怒りしているんだろうなと思った。

小さくヒエっと言う声が聞こえた気がしたが聞こえなかったことにしよう。

二人がとんでもないくらいにやる気なのでここはもう二人に任せることにしよう。

 

「…あちらだな。」

「よぉし!本業とその一番近いファンを怒らせるかどうなるか思い知らせてやろうぜ!」

「…ふん。」

 

二人はすぐにねじれが居るだろう方へと向かう。しかもショートカットして居る。

おそらくここは二階建ての建物だろうが、階段をショートカットして登る。

普段は炳吾もここまでやらないだろうにその長い脚で階段の段数をかなり飛ばして登った。

私達は普通にのぼったが、二人はすでに奥に向かっていた。。

階段はかなり下の段から何段かは登りにくいように何かがついていた。

どうやらかなり強力な接着剤でドンキホーテが次の段に上がろうとしてコケていた。

 

「ぐべっ!」

「ふたりともこれに気がついて階段を…!?」

<多分炳吾は気がついてないと思うんだよね…。>

「あの堕落野郎が気がつけるわけねぇだろ。強いののあとに付いていっただけだろ!」

 

シンクレアはすごいと思った様子ではあったけれども、おそらく本当に炳吾は気がついていないだろう。

敦の後についていった結果踏まなかっただけに過ぎない。

ドンキホーテのそれをなんとか解いて上に向かう。

 

そこにはすでに地面に伏せたねじれがいた。敦の刀にさされて貫かれて、炳吾のクナイが手らしきものに刺さっている。

頭だと思われるところに炳吾は銃を構えている。

 

顔の隠れたシルクハットで黒い。肌は真っ白で人形らしいところは全然残っている。

ただ、炳吾のクナイが刺さっているのをよく見ると、腕に刺さっており、手はかぎ爪みたいになってそこから黒い液体が出ている。

真っ黒な紳士用の服を着ているようにも見えるから元はもしかしたら男かもとは思うが、もしかしたら女性かもしれない。

周りには本が浮いており、そこから文字らしきものが浮かび上がっているようにも見える。

 

【な、なぜ…!私は…!】

「はっ!お前みたいな二流は俺が相手してやるくらいが丁度いいのさ。」

「……確かに二流以下だがな。」

 

フルボッコとはこのことをいうのだろうか。本当に言葉が容赦がない。情けもない。

 

【わ、私が二流!?そんなわけがない、私は私は、もっと優秀な文学者だ!】

「…馬鹿が、文学者に優劣はない。」

【な…!?】

「敦の言うとおりだな。文学者はそれぞれ違う感性を持ってる。その感性をどう文字に表すかだけだ。優劣なんて無い。」

 

敦は意外と本を読んでいるのだと思った。よくよく考えればリチョウのときの記憶も持っている様子なのだから少し考えれば当たり前かもしれない。

敦はリチョウのときは目を見て起きているのだろう。

ならば、彼の魂は、一体いつ眠っているのだろうか。

きっと、彼はそんなことを気にする意味など無いって言うんだろうな…。

 

【私が、簡単に負けるわけがないのだ!私が書いたものは、素晴らしいものだ!】

「いいや、違う。」

「あれは、お前が書いたものじゃない。おまえがやったのは。」

「元ある作品の改悪だ。お前自身の作品じゃない。」

 

敦が、炳吾が真実を突きつける。敦が最後に言い張っている。

 

【な…。】

「お前にはリスペクトの心が感じられねぇのさ。作家は元に作品に尊敬の念をいだきながら書くものだ。」

【そ、それなら中島敦だって!人虎伝を…!】

「…最大級の尊敬を意を持って書いているに決まっているだろう!」

 

敦は一度引き抜いて、再度、心臓があるであろう場所に刀を突き立てた。

 

「もう聞こえていないだろうがな。リチョウの文章を、勝手に解釈をして歪めるな!」

 

ひとつきで、ねじれは仕留められていた。最後の心臓への一突きが、トドメになった。

やはり思う、敦はリチョウのことがとっても好きで、愛しているのだと。

それが家族の間としても、それ以上だとしても。きっとどちらでもいいのだろう。

彼らは、もう離れないでそばにいてそして、いつか二人で生きるのだろうから。

 

本屋に戻ったら文章が全部戻っていた。

 

「あぁ…!鏡花先生の本が戻ってます…!」

「あぁ、あいつらの本もしっかりと戻ってるな。」

「良かったです…!」

 

リチョウが嬉しそうにいつも以上に輝いた笑顔をしており、眩しいと思えてしまった。

炳吾もどこか嬉しそうである。

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