【Limbus_Company】自囚人と創作キャラの創作物まとめ 作:彩花@clover
美しい女性。だけども彼女は最もやってはいけないことを理解できない。
強い強い愛を求める。
自分の美も求める。そうすれば愛してもらえるから。
私は、まだアニーと言う人物についてどう接するべきか考えあぐねていた。
彼女は愛に生きる女性であるとよく言う。自分でもいうのだから多少はそうなのだろう。
だけど、ときよりふと見せるあの表情が私にはわからないのだ。
羨ましい、妬ましい、それ以上の感情を抱くような表情をしたり、
そして何よりも美しいものを見るかのような恍惚な表情もしたりする。
アニーは何を思っているのか、私にはよくわからないのだった。
今日も業務は終わって囚人たちは後ろに戻って休みに入る。
アニーだけは少し椅子に座って黙っていた。首についているロザリアを手に持って祈っている。
そしてその祈りが終わって私と目があったというか私の方を彼女がみた。
「あら…管理人さん。みていらしたの?」
<まぁ、私がここに残っていることが多いからね。>
「それもそうでしたわ。」
<……何を祈っていたいんだい?>
「あら…そんな事が気になるんですの?」
ニッコリと笑顔で答えられた。気にならないというのだろうか。
というか他の囚人たちも気になっている様子ではあるけれど、熱心に祈っているから触れることが出来ないだけだろう。
一番ロージャが気になっている様子だし。シンクレアもなんで祈りを捧げているのだろうかと思っている。
「…そうですわね…。私が住んでいたところは神様という話を聞きますの。」
<かみさま…。>
「えぇ。神様ですわ。普通はあまり信用しないというらしいですが、私は居たら面白いと思っていますわ。」
面白いで住んでいるのかと思うけれども、多分住んでいたらこんな囚人になったりしないのだろうと思う。
彼女は少し…いや、かなり歪んだ常識感覚を持っているらしく、愛のためならある程度のことは何しても許されるという。
ただ、それで人を殺すことは流石に彼女はしたことがないらしく、驚いてしまっていることから人の生死はあまりみたことが無いのかもしれない。
だけど、彼女はシンクレアと違って死体をみても平然としていた。
彼女は死体に対して驚いたりはするが、恐怖を抱いたりしない。最初に死んだときも土で汚れてしまいましたわ!とお怒りしていた。
「私にとっては些細なことですわ。」
<囚人になったことも、かい?>
そう私がいうと、すっと目に光が消えた。
私に対して怒りではない、飽きれでもない。なんとも言えない感情の瞳をこちらに向けている。どこか、恐怖を抱いた。
その瞳がすっと戻っていつものきれいな光の入った瞳が見える。
「ねぇ、管理人さん。十人十色という言葉をご存知?」
<え…あ、あぁ、一応ね。>
触れて行けない。私はすぐに理解した。囚人というものになったことは彼女に取って不本意なのかもしれない。
みな望んでなったわけではない。正直背中にぞわりとした。
<考え・好み・性質などが、人によってそれぞれに異なることだよね?>
「はい。だから私は思うのですわ。心の数だけ恋の種類があってよいのではないかしら。と。」
ニッコリと笑顔になった。あぁ、彼女は美しい笑顔を私に見せた。
誰もがこの笑顔で虜にされてしまっても不思議はない。
「あぁ、そうですわ。管理人さん。」
<?>
「…私は、一度は許しますわ。だけど、二度は許す気はありませんわ。」
<…気をつけるよ。>
私は、心臓があるのかは知らないけれどバクバク揺らしたあと。
アニーは部屋に戻った。アニーが居なくなったのを確認して息を吐いた。
レフ・トルストイ【アンナ・カレーニナ】より