【Limbus_Company】自囚人と創作キャラの創作物まとめ   作:彩花@clover

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リチョウさんと敦君のお話を数個載せます。
マリアさんもいるよ。



小話1(リチョウさんメイン)

動物に好かれるリチョウさん

 

外にいると意外と動物はいる。そう、普通の動物は色々いる。

だが、ほとんどいない。何故なら他の動物はすぐに死んでしまうからだ。

この過酷な世界では生きるのすら大変で突然変異で普通の動物などほとんど絶滅危惧種だ。

変異しても動物としての本能や求愛をわすれてはいない。

だからだろうか。

 

「みゃぁ…。」

「おや、ネコさんですか」

「みゃあ!」

「足に来るなんて…それに、噛み付いたりもしない…。いい子ですね。」

 

見た目はそれなりに普通の猫だ。三毛の色の猫だ。

まだ子供の猫のようにしているが都市の動物である。

何をされてても不思議ではないが、今回のはなにもされていない様子である。

リチョウは手を下にして軽くなでる。それがうれしいのか猫もその手にすり寄る。

 

「みゃあん!」

「あ、ごめんなさい。ご飯は今持ってないんですよね…。」

「にゃあん!」

「え、違う…んですかね…?」

 

まるでついてこいと言っている様子である。

こまったな、勝手に移動なんてして怒られないか。困っていると。

 

「先生?」

「どうしたのでありますか?」

「あ…。シンクレアくん、ドンキホーテさん…。」

 

足ともに猫が居るのを確認してシンクレアが触ろうとするとリチョウの肩にのる。

ぷいっといった様子だ。

シンクレアは少し悲しそうであるが、リチョウは髪をかまれそうだったので一度降ろすと

 

「すみません、シンクレアさん、ドンキホーテさん。一度離れます。すぐに戻ると伝えてください。」

「え…。」

「わかったであります…。」

「すみません…。」

 

リチョウは猫の後をついて行く。

シンクレアはすぐにダンテに報告に行った。ドンキホーテは少し心配になったのもあるのかこっそりとついて行った。

 

猫の後をついて行くとそこは路地の壁であった。

そこについたので

 

「正体を出したらどうだ。」

 

リチョウから変わって敦になった。

急に変わったからリチョウはまだ認識していないだろう。

三毛猫がそのまま大きくなって普通に潰せるくらいの大きさになった。

柄はそのままで大きくなったので珍しいタイプだなと思っていた。

敦は刀を抜く準備をしていた、だが、三毛猫はぺろんとなめた。

 

「な、お前なんだ!」

「みゃぁあん!」

「……もしかして、敵意がなかったのか…?」

「なぁああん」

 

ただただ体が大きくなるように変異してしまっただけの様子で、

もしかしてリチョウのE.G.Oの姿が正しい姿だと思っている可能性もある。

 

「こっちが本当の姿だ。どこで俺たちの戦闘を見ていたか知らないが。」

「にゃ…。」

「お前は賢いから分かるだろう。」

「な、にゃあ…。」

 

かなりショックを受けた様子だが、何も言えない。

大丈夫そうだと思って少し撫でてそこから立ち去る。

 

「ドンキホーテ戻るぞ。」

「え…、う、うむ…。」

 

何とも言えない気持ちになりつつも二人は戻った。

リチョウが起こられたが、怪我も無く戻ってきたのであまりおとがめは無しという事になった。

 

 

生きている(マリアさん)

 

黄金の枝を取り終えた後、ここに戻ってきた。

戻ってきたというか、やってきたの方が正しい気がするが。

そこはLCCAの居住区兼研究所。LCCAのマリアが管理している場所だ。

よくお世話になっているので来ること自体はそこまで珍しい事でもない。

今日はここで止めてもらうという話になっているらしく、マリアが行う検査を受けつつガラハドが作った料理を食べていた。

やはり彼の作る料理はとてもおいしい物で少し驚いてしまう。

普段どこか粗暴なように見える彼はやはり悪い人ではないのだと。

 

夜も更けてきてほとんどの囚人が眠りに入った。皆上の階の個室に向かった。

ただ、リチョウだけはロビーでどこにでもあるような小説を読んでいた。

それはここのモノの様子で普段リチョウがつけている物でもない様子だ。

 

「眠れないんですか?」

「!…マリアさん。」

「…隣いいですか?」

「顔も認識できないのに?」

「えぇ、顔も認識できないのに。」

 

リチョウはその言葉にどこか安堵した。

自分はねじれのままではないのだと。だけど、それは。

 

「あの、マリアさんは私たちの事はご存知だったんですよね?」

「…まぁ、おおよそは。」

「…そうですか…。」

 

彼女はもしかしたら質問に答えてくれるのではと思った。

自分が抱えているその疑問を。あの疑問を。

 

「マリアさん。」

「はい。」

「…私は、生きていると言えるのでしょうか。」

「………なるほど。それは、かなり質問もしにくいでしょうし、答えにくいですね。」

 

やはり答えは得られないのだろうかと思ってしまった。

少し考えるようなそぶりを見せてマリアは答えた。

 

「生物学上の話をすれば、リチョウさんは死んでいると言っても間違いはありません。」

「…。」

「ですが、あなたの意思がしっかりとそこに存在しているのであればまた話は変わります。」

「え…。」

 

生物学上の話であれば確かにリチョウの肉体は既に滅んでいる。

ねじれとして死んでいる。だけど敦の体にあるリチョウの意思は本物であるのならば変わるのだと。

マリアはいつもと変わらない無表情で告げる。

 

「リチョウさん。あなたの意思がここにあって敦さんを認識できるのであればきっとあなたは生きているのでしょう。」

「敦、を…?」

「はい。」

 

そう言われて自身の胸に手を当てる。

昔から体の弱かったリチョウを心配してくれていたあの敦の気配を感じるかと。

マリアはそう告げる。

心臓の鼓動とマリアの声に反応するかのように暖かくなる心。

あぁ、彼はいるのだとリチョウは確信する。

 

「…います。ここに。敦が。」

「それなら、リチョウさん。あなたは生きているのでしょうね。」

「……そう言ってもらって、何処か気が楽になった気がします。ありがとうございます。マリアさん。」

「いえ…私は作業に戻ります。おやすみなさい、ご両人。」

「はい、おやすみなさい。」

 

そう言ってリチョウはあてがわれた部屋に戻った。

 

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