【Limbus_Company】自囚人と創作キャラの創作物まとめ 作:彩花@clover
少しだけ話をしよう(大人アニーさん)
炳吾はバスの前の方に座っているのでロージャやグレゴールと話している事が多いのだが、今日は珍しくアニーと話をしているのが見えた。
あまり炳吾さんから話し掛けることは無かったのはアニーの高級感が原因なのか不明であったが、その会話を見守ることにした。
ほかの面々もどうやら会話の内容が気になる様子で黙って聞いていた。
「なぁ、あんたはどうして美を求める?」
「どうして、と言われましても。それが愛される事に近づけるのなら正しい事でしょう?」
「……まぁ、人間見た目がと言われるけども、あんたほど執着してるのは少ないと思うけどな。」
その炳吾の言葉を聞いて少しだけアニーは雰囲気が変わったように見えた。その雰囲気の変化にシンクレアが少し驚いたような顔をする。怯えたと言っても変わらないだろう。
「あら、本当にそうですの?」
「……なら、あんたの持論は?」
「そうですわね…。わたくしは美しさと愛されることは比例していると思いますわ。」
「ほう。比例ね。」
比例するというのはどういう事だろうかと思って話を聞いた。内容としてはこうだった。
曰く、人は見た目が一番最初に見られるがゆえ、その顔を愛せるか愛せないかから全ては始まる。枯れてしまった花に興味が湧かないように、咲き誇っている花はとても興味が湧く。それと何ら変わらないと。
美しければ興味も抱けるし、愛して貰えるかもしれない。そこに性格などの付加価値がついて行っているだけ。
美しくなければそもそも興味も抱いて貰えない。そこにどれだけ付加価値があったとしても、無駄な事。
枯れてしまった花は折られる定め。
「ですから、わたくしは美しくなる為努力を惜しみませんの。」
「なるほどな。……だけど、愛ってのは難しいがそれだけじゃねぇだろ?」
「そうですわね。炳吾くんの言う通りですわね。」
「…………。」
炳吾は少し考えている様子だ。
少しだけ雰囲気の変わったアニーから先程のアニーに戻ったのか少し元気になった声が聞こえる。
「だから、ドンべクさん?でしたっけ。彼女は美しかったですわ。」
「そりゃ、あの人はそうだろうよ。」
「あの方のお顔だけでは、花だけではなくて、技術に関しても、深い愛情を感じましたわ!」
「それは俺も同意だ。あの人は美しかった。」
ドンべクの事は覚えてるのかと少し安心した。技術の部分だけは完全に忘れているのだろうとわかったからだ。そのまま話を続けた。
「あとは………。」
「どうした?」
「……美しいと思った人の名前が出てきませんの…何故かしら……。」
「そいつは、もう顔だけ見てたんじゃねぇの?」
「……そうかもしれないですわ…。」
アニーは少しだけ寂しそうな顔をしていた。その人のことを忘れてしまったことに関して後悔と悲しみを抱いているのだろう。炳吾はそんなアニーに対して少しだけ呆れた顔をした。
違和感があった訳(子供アニーちゃん)
「………いやまぁ、ずっと違和感があったが。」
「なぁに?」
「ガチめに子供だったとはな。」
「ごめんなさいって何度も言ったもん!」
「責めてるわけじゃねぇから。」
ぷりぷりと怒った様子だ。アニーの姿がとても小さくなった。のではなく、本来はこちらの小さな姿が正しいのだ。
本人の進言で118cmであることは判明している。どうやら髪型は余り変わらない様子だ。つけていたロザリオは大きかったらしくて今のアニーがつけるとやや大きく感じる。
瞳の色は綺麗な薄水色のみの瞳だ。
顔も身体もとても幼い。
「ほら、膝の上でもどうですか?お嬢様ってな?」
「乗る。」
「ほら、来い。」
先程まで不満気だった顔から少しだけ、普通の顔に戻った。それにしては男性があまり好きではなさそうに見えたが、炳吾は平気なんだろうか。私は少し聞いてみることにした。
<アニー、炳吾は平気なのかい?>
「何が?」
<いや、君は男性が苦手だったり…。>
「好きでは無いけれど、へいごは女性好きじゃないじゃない。」
「お前ね…。」
態度でわかるわと言われてしまっては私も黙る事しか出来ない。大きいから抱き上げてもらってるのではなく、肩車をしてもらう時もあるという。そういえばこの前確かにしてた。
後、違和感とはどういう意味だろうか。これも聞いてみた。
<炳吾、違和感って?>
「あ?……あぁ、アニーに対しての違和感か。見た目の割には行動が子供っぽいと思ったんだよ。」
「あぁ~まぁそこは私も同意だけど。」
「あとは、知識だな。明らかに大人が持っているはずの知識が抜けがあった。」
そう言われるとそうかもしれない。
ロージャも納得していた。わかっていたのかとなら言って欲しかったなと思いつつも私は炳吾が言ったもうひとつの言葉を考える。
難しい話になるとアニーはあまり喋らなかった。成程、知らないことは喋れない。
だから押し黙ったのか。
「ただ、行動に教養のある動きだっただから違和感があったんだよ。」
<チグハグだったと。>
「だな。」
「だって、難しい事言われても良く分から無いもん。」
演技は上手だったぜと炳吾はアニーの頭を撫でた。アニーは不貞腐れているが悪い気はしない様子だ。
その前に座っているロージャにも撫でられて少しだけ恥ずかしそうに笑っていた。
美しいもの(6章ネタバレっぽい)
その人をとても美しいと思った。
名前も、ちらっとそちらを見やる。そこに欠片みたいなものが落ちているように思えた。それを掬い上げる。
私は何故それを掬ったのか理解していた。
それが美しいものだったから。
どんなものだったのかわからない。
みんなぐったりしてて、私とダンテさんとヒースクリフだけ起き上がっていたから。
ただ、私は後ろの方でその欠片を見つけていた。
彼らは何も知らない。
ただ、私は見てしまった。
深く印象に残ってしまった。
それは■■■■■の欠片だった。もうあるはずのないそれを拾い上げてすくい上げて、しまった。
みて、しまった。
そこにあった可能性を。
そう、主人になっている、自身の姿を。
それを見て、私はあぁ、やっぱりそうなのだろうと思えてしまった。
分かっていたことだ。よく似ていた人だったから。
共感しやすかったから。にっこりと、その可能性を見ていることにした。
<……アニーが。>
「あら?どうかなさいましたの?」
<いや、人格が出てきたのかと思って。>
「どんな人格なんですの?」
<………館の主のようだよ?>
「まぁ、素敵!」
ダンテさん?私ね?覚えているの。
だけどもう少ししたら忘れてしまうの。あぁ、なんて悲しいのかしら。
あれだけ美しいものを忘れてしまうだなんて