重なる音に呪いを籠めて   作:ZG

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ZGです!
やっぱり戦闘シーンの描写は難しくてかないませんね。
それはそうと予告していた通り5話でライブまでの話は収まりそうです!
もう少しで原作開始までこぎつけられそうなので楽しみにしていてください!


奏でる音と響く言の葉

「未来これないの⁉」

『叔母さんが怪我しちゃって……』

 

待ちに待ったライブの当日、集合場所で響と合う事は出来たものの未来がどこにも見当たらず時間が迫っていた。

 

「私って呪われてるかも……」

「まあまあ、トラブルが起きたんならしょうがないさ」

 

福眞はそういうとドームの入口とは別の場所へと響を連れていく。長蛇の列が出来ている入口ではない裏口の方へと向かう福眞を見て響は首を傾げる。

 

「入口はあっちだよ?早く並ばないと開演に遅れちゃうよ」

「大丈夫大丈夫、未来には悪いけど開演前に良いもん見せてやるよ」

 

困惑する響の手を引きスタッフの人に軽く挨拶をするとドンドンと奥へ入っていく。

しばらく歩いていくと舞台裏にたどり着き、お目当ての人物を見つける。

 

「よ!二人とも!」

「おお!来たか福眞!」

 

今回の主役、風鳴翼と天羽奏がそこにいた。

本当はファンに徹していようと思っていたのだが、せっかく来たのだから良い思い出になって欲しいという思いと、面白い反応が見れそうという福眞の気まぐれで響を連れてきたのだ。

 

「来るのが遅いぞ~!来たら連絡しろって言っただろ!」

「間に合ったんだから別に良いだろーそれよりも調子の方は?」

「私達を何だと思ってるんだよ。問題無しに決まってんだろ!なあ翼」

「ええ、今日のライブは今までで一番上手くいきそう。ところで福眞、その子は?」

 

翼は福眞の後ろで呆然としている響を見てそういう。当の本人は目の前にトップアーティストの二人がいることが理解できずにショートしているようだ。

 

「あ!あの……私……」

「立花響……だろ?」

「え?」

「福眞から話を聞いてたよ未来って子の事もな、写真だって見せてもらったんだぞ!」

「写真は俺のスマホから勝手に盗んだんだろうが」

 

福眞の文句を無視して奏はスマホの画面を見せると某夢の国に行った時の福眞達の写真が写っていた。

 

「お前まだ盗んだの持ってたのか!」

「ちゃんと全部二課のデータバンクに保存してあるからいくら消したって無駄だぞ」

「何で本部に⁉」

「諦めなさい福眞。こうなった奏はもう止められない」

「そういう翼だってこっそり貰ってたろ」

 

見知らぬ所で自分達の写真が出回っているという怖い話をしれッとされるが、何喰わぬ顔でするもんだから響もツッコむ事を忘れてしまう。

暴れる福眞をヘッドロックで沈黙させながら、未だに知られていたという衝撃が抜け切れていない響に笑顔で話しかける。

 

「なんにせよ、家の弟分と仲良くしてくれてありがとうな」

「えっと……その…私の方こそいつもふー君には助けられてて」

「福眞が笑うようになったの貴方達に会ってからなの」

「ふー君が?」

「あたしらが何やっても笑わなかったこいつがだぞ」

 

響と未来があったのは中学に入ってからの福眞だ。だからそれ以前の福眞の事は全く知らず、本人も一度も話そうとしなかったので二人も聞こうとすることは無かった。

 

「だからありがとうな」

「これからも仲良くしてあげて」

「はい!」

 

少しすると会場の方の熱気が上がってきたのを感じる。スタッフの方もさっきよりも忙しそうに動き回っているのが見える。気が付けばもう少しでライブの時間が目前まで迫っていた。

 

「さて。もっと話たいところだが他の奴らを待たせるわけにもいかないからな、あたしらもそろそろ行くか」

「そうね、貴方達もそろそろ席の方へ行きなさい。あそこの通路から行けば観客席に行けるはずよ」

「もうこんな時間!あの!私今日がライブ初めてなんです!だからすっごい楽しみなんです!」

 

響がそういうと二人は嬉しそうに微笑む。

 

「ああ!これ以上ないくらいに楽しませてやるからな!最後までついて来いよ!」

「私たちも全力で楽しむから、貴方も全力で楽しんできなさい」

 

響は笑顔で大きく手を振り今度こそ自分の席へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慌ただしく走り去っていった響を見送ると、ようやく福眞を開放する。

 

「本当に良い子だなあの子」

「だろ?今のご時世あんな良い子そうそういないぞ」

「自慢は良いから、貴方も早く行きなさい。誘った本人がいなくてどうするの」

「分かってるって、じゃあ俺も行くよ」

 

福眞も響を追うように出口に向かっていくがドアを開ける直前に二人の方へ振り向く。

 

「頑張ってな、二人とも」

 

少し恥ずかしそうに頬をかきながらそういうとドアを開けて出ていく。中々いう事のない応援の言葉を聞いた二人は少し驚いた表情を見せるが、すぐ笑顔に変わり二人とも舞台の方へと歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いよふー君!」

「お前が置いていったんだろうが」

 

始まるギリギリにたどり着いた二人はボルテージが上がっていく会場にあてられながらも興奮が抑えきれないようだった。響は持っていたサイリウムの一本を福眞へと渡し、折った方をブンブン振っていた。

 

「サイリウム買ってたっけ?」

「さっき会ったマネージャーって言ってた眼鏡の人がくれたんだよー」

 

心当たりがある人の事が出たが、まあ気にしないようにしようと。気持ちを切り替えて福眞もサイリウムを折ると会場が暗くなっていく。

そしてついに二人の……ツヴァイウィングのライブが始まった。ただでさえ高かった会場の熱気はライブが始まると同時に最高潮まで上がり、凄まじい歓声が響く。

何処までも響き渡る歌声を聞きながら福眞と響のテンションはどんどん上がっていく。

ドームの天井が開き夕陽が二人を覆うように差す。美しく、雄々しく、そして何より誰よりも楽しそうに歌う二人を見て福眞も嬉しそうに笑う。

 

 

 

あっという間に一曲目が終わり。際限なくボルテージが上がっていく会場に圧倒されそうになりながらも、精一杯の歓声を上げ続ける。

 

『まだまだいくぞー!』

 

その一声で今までにない程に歓声が上がり、次の曲が始まろうとしたその直後、会場に凄まじい爆発が起こる。

爆発と音が観客を恐怖に陥れ、その恐怖が人から人へと伝播していく中で煙に紛れて巻き上がる黒い物体を間近で見ていた福眞はこれがただの事故ではないことを察する。

 

 

 

 

「……ノイズが来る」

 

惨劇が始まってしまった。




「なあなあ、どっちが本命なんだよ?」
「いや本命とかないから」
「まさかお前両方……」
「絶対に違うから!」
「背中に気を付けることね福眞」
「翼さん?冗談だよね?」

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