クトゥルフ神話原産の神秘持ちが行くキヴォトス生活!   作:見切り発車侍

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第3話 衝撃

 アビドス高等学校のマサの部屋。そこに2人の少女がいた。

 

「で、これからどうしようか……取り敢えずキョウには暫く潜伏してて貰いたいんだけど大丈夫?」

 

「モグモグ……ングッ……構いません。生贄さえ頂ければ問題無く活動も出来ますので」

 

 さっきコンビニで買ってきた二十個はあったおにぎりとサンドイッチを10分足らずで全て平らげて忌まわしき狩人こと狩野キョウはそう言った。ちなみに名前は俺がつけた。

 

「それでは私はこれで。また今夜生贄を受け取りに来ます」

 

 そう言って窓から羽を広げて飛び立った。

 

「あの羽で飛べるんだ……」

 

 俺の部屋の窓は正門とは逆側を向いてるから見られる可能性は低いが見られない訳では無いからな、次からは学校の外で会うとしよう。

 

 さて……今日何しようか……

 確か今日セリカが攫われるんだったよな……

 まぁ、夜まではすること無いしなぁ…………

 

 不良狩りにでも行くか? 今なら"似姿の利用"で顔とかを変えられるから俺に辿り着かれることもないだろうしセリカの誘拐イベントも良い感じに妨害出来るのでは? それに"似姿の利用"の発動条件の新鮮な死体もブラックマーケットの路地裏とかに転がってるだろ。

 そうと決まれば思い立ったが吉日よ、さっさと行くぜ!! 

 

 あ、ホシノ先輩 え? 何処に行くのかって? 散歩ですよぉ〜

 それじゃ行ってきますねぇ。

 

──────────────

 

 と言う訳でやって来ましたブラックマーケット!! いやぁ実に陰気な所ですね。顔はフードで隠してるし服も私服を着てきてるからそうそうバレへんやろ。

 

 死体を探しながら路地裏を彷徨い続けて大体2時間半が経過した頃雨が降り始めた。

 

「うわっ……傘持ってきてねぇや……最悪ぅ」

 

 てかブラックマーケットってもっとワンコ蕎麦みたいなノリで死体が落ちてるものじゃないの? クトゥルフだったら大体落ちてるぞ。

 

「あぁ〜、マジでどうしたもんかなぁ……一旦切り上げるかぁ?」

 

「やぁ、お嬢さん。こんな天気で傘も持たずにいるだなんて風邪を引いてしまうよ? 良かったら私の傘を使うかい?」

 

「あ、ありがとう……ござ……い……」

 

 雨が止むまで何処かで雨宿りしようかと思いながら丁度いい場所を探していると後ろから声をかけられて振り返った俺は驚愕した。

 振り返った先にいたのは褐色の肌と対になった綺麗な銀髪、頭の上に浮いている三つの赤い目がピラミッド状に配置されたものを円で囲んだヘイローを持つ美しい女…………否、ニャルラトホテプがそこにはいた。

 

「ハロー、マサちゃ〜ん初めまして。いや、ある意味では久しぶりかな?」

 

 いやいやいや、初めましてだが? なにこの前会ったよねみたいなテンションやねん。

 え、もしかして銃とネクロノミコン擬き寝てる間に直接置きに来てたの? それやってるニャルの絵面想像したらちょっと笑えてきたww

 

「え、突然笑い出してどしたの……怖ァ……」

 

「いやwwごめんwwwちょっとツボったwwwww」

 

 さっきの絵面がツボに完璧にハマって抜け出せなくなっている俺を他所にニャルは要件を話し始める。

 

「ま、まぁいいや今日君に会いに来た要件なんだけどさ、単刀直入に言うね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……アビドスから手を引いてくれないかな?」

 

 さっきまでのふざけた雰囲気が一変して周囲の空気が一気に張り詰め、冷える。

 その変わりようにまるで津波のように迫っていた笑いの波も一気に引いた。

 

「は? 何だよお前ゲマトリアにでも入ったの?」

 

「まぁ、そんなとこだね」

 

 ニャルが組織に所属している? あの別名先生大好きクラブのゲマトリアに? あのニャルが? 妙だな……何が目的だ? 

 ダメ元で聞いてみるか。

 

「何が目的だよ……」

 

「うぅん? ただの暇つぶしさ僕が暇つぶしに突拍子も無いことをするのは君がよく知ってるんじゃない?」

 

 ニヤニヤしながら言ってくんのクソウゼェェェェ。

 

「それで返事は?」

 

 待ちきれなくなってきたのかニャルが返答を急かしてきたが俺の答えは最初から決まっている。

 

「ノーに決まってんだろクソ邪神が」

 

 中指を立てながらそう告げてやった。

 

「あっそ…………それは残念だねぇ」

 

 そう言ったニャルが傘を捨て右手を上げるのと同時に路地の角からカイザーの兵がゾロゾロと10……いや20人出てきた。

 

「へぇ〜、何? 言う事聞いてもらえないからってこういう事するんだ?」

 

「そりゃ計画の邪魔になる存在は消すか計画終了まで監禁するでしょ」

 

 ちょっと流石にこの人数はキツイなぁ。しかも神格もいるし。

 けど逃げる事に専念すれば逃げれなくはないかなぁ。最悪キョウがいれば"門の創造"で離脱できるんだけど。今は多分近くには居ないだろうなぁ。

 

 色々思考を巡らせながらパーカーの下に隠していた俺の愛銃にゆっくり手を伸ばして抜き、弾を前にばら撒く。今ので2~3人は行動不能に出来た。

 敵から浴びせられる銃弾の雨はなるべく避けるか"被害を逸らす"で別の方向に逸らす。それでも6発に1発は"肉体の保護"の壁に直撃する。

 まずいな……保護も貼り直してないからこのまま続いたら10分後には剥がされて蜂の巣だな。

 

 さっさと離脱したいけど弾幕が厚くてなかなか反撃させてもらえない。

 包囲の穴を探しているが流石は本職と言ったところか全然見つかんねぇ……

 こりゃもう賭けだな。

 

 ニャルがいる方向とは逆方向に振り向き跳躍、"ヨグソトースの拳"を発動して敵を10m程吹き飛ばす。

 それによって出来た人一人分しかない穴に飛び込んで全力で逃げる!! 

 

 俺は逃げるのに必死でニャルが浮かべていた笑みを見ることは出来なかった。

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