今回は短いですがどうぞ。
アンドレアsideのところは作者sideもはいってますが気にしないでいただきたいです。
あのあと数日かけて説得して何とか開放してもらえた。。と言ってもいつでも俺の居場所がわかるように尻尾の毛を渡しているから「いつでも会えるよ」と言ったら大丈夫だったのだが、なぜだわけわからん。そのときの笑顔に思考を手放したことは俺のプライドにかけても言えん。この間の記憶はそっと頭の中の箪笥に厳重にしまっておいた。
あと、この時に天照のことを思い出し、和紙に筆で描いた手紙を投函の術で幽世に送っておいた。あいつには悪いのだが、いろいろとめんどくさいことになるので今は会えないのだ。あいつは基本的には日本から出ない、つまりそういうことだ。悪いとは思っているのだが。
かくして自由に身になった俺はドニのところに行くことにした。先日の折、サルデーニャ島のことをドニに揉み消すように頼んだ時、ドニに
「僕と戦ってくれたらいいよ!」
と言われたからだ。何ともやつらしい直球で行ってきたのでこっちも「よろしく頼むぜ、ただ、今どうしても手放せない案件があってそれを片づけてから行くから終わってから行くわ」
と言い、イタリアの地で戦うことになったのだ。普通カンピオーネや神などが戦ったら戦場の跡がすごいことになるのだが、結界を張ることによって被害を抑えることができる。権能を使われたらあまり意味をなさないのだが、自動再生機能を持たせて切られても即再生にすれば大丈夫・・ではないとは思うが。
イタリアの地へ文字通りひとっ飛びした俺は、二月ほど前草薙護堂とサルバトードニの戦場となった、かの地へ行くとそこには、
「やあ、待っていたよ時雨。愛おしいくらいにね。」ドニと、
「あんたも物好きなこった、こんなバカと戦ってやるとはな」アンドレアだった。
「久しぶりだなドニ、言っとくが俺はホモではないからそれ他で行ったら覚えとけよ。それより件の件やっておいてくれたか」
「もちろん。きっちりやっておいたさ」
「やったのはお前じゃなくて俺だ」
「どっちだもいいじゃないか、やったことには変わらないんだから。それにしても僕に頼んでくるなんて珍しいね」
「めんどくさかったから。なんでわざわざそんなことを自分でしなければならん」
「バカが二人がいいると思うと胃が痛くなってきた」
「あの現象のことも教えてほしいけど、そんなことより早く戦おうよ!僕は早く戦いたくて体がうずうずしているんだ」
「わかった。あの現象は勝ったら教えてやらんこともない。場所はここでいいか。めんどくさいし。」
「・・できるだけさっさと終わらせてくれ。後処理は誰がやると思ってる」
「「アンドレアだろ(だね)常識的に考えて」」
「お前ら何時か覚えとけよ」
「まあそんなアンドレア君のために結界を張ってあげよう。特別性だから気休め程度にはなるさ。じゃあさくっとやろうかアンドレア君のために。創造レーヴァテイン」
..
「アンドレアのことを考えて極力被害が出ないようにしてみるね!」
ドニは剣を取り出して自然体となり、時雨はドニめがけてまっすぐ突っ込み心臓向かって剣を振り下ろした
。
そして戦いののろしが上がった。「あのバカ一号(ドニ)とバカ二号(時雨)マジでアイツらどうしよう。カンピオーネとこの例外バカ二号を止められるのはカンピオーネかまつろわぬ神だが・・・。胃が痛くなってきた。この二人といると薬の消費がやばい」
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アンドレアside
最初に一撃はガキンと、音をたて鍔ぜり合いとなった。バカ二号はノーモーションで動いたつもりのようだがあっさりバカ一号に防がれてしまった。バカ二号はバカ一号の力を受け流していったん後ろに下がり、直線で突っ込んでやがる。これもあっさりとはじかれたが、今度は下がらずにひたすらレーヴァテインで斬りつける。あのバカ一号もわざと応戦してるし。
バカ二号がバカ一号の首を狙って斬りつけるが、躱される。逆にバカ二号が首を狙われるがレーヴァテインで受け流しつつドニの心臓向かって斬りつける。だがこれもすぐに剣を引き戻したバカ一号にはじかれてしまう。はじかれた勢いを利用し横に動きながら剣道の要領で脇腹を切りつける。が、この行動を理解していたごとくドニは剣で受け流し、逆に時雨の脇腹を斬りつけた。・・やはり剣だけではいい勝負をするな。早く終わればいいのに。
久しぶりのためか反応が遅れた時雨が慌てて腰をひねり無理やり横へ逃れられるようとするが少しあたったのだろう。脇腹付近の和服には血がにじんでいた。
「いったー。やっぱ最近運動が足りないかな。いくら準備運動とはいえもうちっちっとしっかりやったほうがいいかな?」
「いくらなんでも鈍り過ぎじゃない?これはこれで楽しいけどもっと本気を出してよ!」
「今までのはメラゾーマではないメラだ」
やっぱりあいつらは遊んでいたか。そうだろうとは思っていたが。ただ、剣を振り回していただけだしな。殺意は一切感じられねえし。血ももう止まってるようだしな。
「???メラって何???」
「あーー、手加減してたってことだよっ!」
またもノーモーションで真っ直ぐすっこんでいった二号は先ほどよりも速く、音よりも速くただシンプルに斬りつけた。
「うん。いいね。やっぱりこうでなくちゃ!!」
一号は嬉々として自分からも突っ込み斬りつけた。そこから再び剣の応酬が再び始まった。ただの斬りつけ合いといえ、カンピオーネと大妖怪なんで戦ったらそれだけども地形は壊れそうなんだが、あのバカの結界は役に立ってるみたいだな。胃が楽になってきた。
「いっただろう。今までのはメラだと。」
「やっぱり時雨はいいね!」
あーこのまま無事に終わってくれないかな。
「このままではらちが明かないね。---ここに誓おう。僕は、僕に斬れぬ者の存在を許さない」
「おまっもう使うのかよ。これもこれで面白いか」
あのバカ!
ここからは一転してバカ一号の一方的な攻撃だった。というのも、バカ二号が剣でしか攻撃しないだからだが。やっぱりバカのやることは理解できん。
「俺もちょっとやりますかね」
おびただしい量の呪力がレーヴァテインに送られる。ここから再び何度目かの斬り合いとなった。といってもさすがにバカ一号の権能には負けるらしく、何度かレーヴァテインが切断されるのだがすぐに修復されバカ二号は斬られないように受け流しながら斬りつけてゆく。
数十分後そろそろようやく互いに疲れてきたようで、互いに先ほどよりは動きが鈍っている。とはいってもすさまじいことには変わらないんだが。
「そろそろ休憩にしないかドニ。腹減った」
「そうだね、そうしようか」
・・ようやく終わってくれるか。
「これで終わりだよ!」
互いにぶつかり合ったが一瞬速くバカ一号の剣がバカ二号を斬りさいて・・
「やられたなあ」
地にひれ伏していたのはドニだった。
「はっはっは。まだ負けてたまるか。最後の最後まで気を抜いちゃダメだろ。俺に勝ちたいなら搦め手を使ってこないとな」
地に立っていたのは時雨だった。
side out
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時雨side
一応ドニが怒っていたアンドレアに手当てをされた後、いまだそこに立っていたのだが急に
「はは。また最後に騙されたか。勝てないなあ」
すぐにドニは立ち上がった。まあ、レーヴァテインでぶっさしたといえ、急所は外しているしカンピオーネも回復力は異常だから何日かで治るだろう。
「なあバ・・お前さんは最後どうやってこのバカを倒したんだ?」
「何単純さ。最後に話しかけた時に一瞬目を離したすきに分身を作ると同時にドニの後ろに回り込み後ろから倒したってところかな」
「そうかわかった。で、だバカども。なんで俺が怒っているかわかるか?」
「「まったく」」
「かりかりしてるのはカルシウム不足だぜ。牛乳飲んでるか?」
「大丈夫かいアンドレア。やっぱり疲れてるんだね。休むといいよ」
「・・カルシウムは取ってるし、毎日しっかり休んでる。もう一度だけ聞くぞなんで怒ってるかわかるか?」
「「さっぱり」」
「わかった。バカどもに教えてやろう。俺が怒っているのはな、周りを見ればわかる」
「「???」」
「わかるか友よ。俺には全く見当もつかん」
「僕にもさっぱりわかないよ。友よ」
「この切り刻まれてぼろぼろになった土地はどうしてくれるつもりだ!!!」
「知らんな」「知らないね」
「このバカどもがああああああ!!」
これから数日間ある男の声が聞こえてきましたとさ。男は毎日胃が痛かったという。
アンドレアは苦労人だと思います。ハイ。