カンピオーネ!~風変わりな男(仮)   作:八雲さん

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今回から原作に入って行くんですが、最初のほうは長々とやっても面白くないので巻いていきます。

ではどうぞ。


第一章~
気分は工場見学


時は平成の世。今現在は世界に6人のカンピオーネがいる。正確に言えば時雨も神殺しではあるのでこれに当てはまるのだが、人ではないので省かせていただこう。幾重にも折り重なった幸運を持ってまつろわぬ神を殺め権能を簒奪せし魔王。カンピオーネとなった人は肉体が不老となり呪術などは効きづらく相当タフであり、いづれのカンピオーネであっても思考捻くれたもので変人である。逆に言えば凡人には到底なしえないことでありここまで多くのカンピオーネが同時に存在できているのも珍しい。

 

 古来より、盛者必衰は世の理で、力を持つ者は何時かは滅びる。人の短い世の中一人の人間が権勢を振りかざせるのはせいぜい数年か長くても数十年だろう。これまでの歴史をひも解いても例外はなかった。

 

 少し後イタリアの地で新たなる日本人の神殺しが生まれる。そのものは古代ペルシアの軍神、あらゆる障害を打ち破る者にして、常勝不敗の神を倒せしめる者。

 

 かの者にはあらゆることを引き付ける力があり、それは運命にして定めである。

 

 かの者の生活は一変する。 

 

 かの者もまた変人であろう。 

 

 かの者にはどのような未来が待ち受けているのだろうか?

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 ある日、あの出来事があった日から時雨は幽世に居候もとい天照監修の元折檻されていた。本来ならば高天原であったのだが、頼み込んで「せめてこっちで」と命を賭してしばらく一緒にいるからと言ったら許可された。なんだかんだで天照は時雨と一緒に入れればいいのだ。

 

 数年たったある日、地上に何体か放っていた使い魔(陰陽師風にいうなら式神)から、日本から遥か西の地で膨大な神力の衝突を感じ取った。

 

 おそらくまつろわぬ神であろう。と推測した時雨は今すぐに飛び出していこうとしたが、ふと考え直し。深夜布団からこっそり抜け出し、置手紙を残してロキから奪った権能「トリックスター」で全力で隠蔽しながら足早に幽世を飛び出していった。

 

 帰ってきた後のことを考えずに。

 

 -ちょっと出かけてきます。多分すぐ帰ってこれないので探さないでください。

 PS絶対に探さないでください。お土産買ってきます。

                by時雨

 

 これを見た天照が屋敷の一部を吹き飛ばしたのがあったとかなかったとか。

 

 

☆★☆★☆★

 

 使い魔からの情報を詳しく分析したところによればここからずっと西に行った遠いイタリア辺りでまつろわぬ神同士での戦いがあったようだ。とにかくそっちの方向へ目につかないほど高高度の高さから神速の速さで飛んで行った。

 

 イタリアの地へある程度近づいたあたりから速度を落とし痕跡を探しながら飛んでいると一つの島にたどり着いた。

 

 普通の『人間』に変装してから痕跡を求めて歩き回っていると、戦ったであろう場所にたどり着いた。たいがい、というかほとんどの場合で神同士もしくは神とカンピオーネの戦いの場所になったところは半壊以上はあたりまえで大災害並みもおかしくないので見つけることには困らないのだ。

 

 しかも、周りの住民が普段どうりの生活をしているのならなおさら特定できる。大災害並みの出来事が起こっているのにむしろ行動を起こさないのがおかしいのだ。

 サルデーニャ島と呼ばれるこの島は地中海でも有数のリゾート地であり景色は美しい。あの後入念に探したのだが特に詳しいことは解らなかったが、どちらもまだ消滅したわけではないことが分かった。

 

 どうせ神は戦いを好む傾向があるので、そのうちまた現れて勝手に争い始めるだろうと結論づけたところで、せっかくだからこの島を観光することにした。

 

 春だったこともあり過ごしやすく、食事もおいしかったので満足だった。適当なところで宿をとり寝た。なんだかんだで疲れた。

 

 引きこもっていたニートが外に出た結果であった・・・。

 

 次の日当たり前のように昼に起きた時雨は、特に何もすることはなく適当にそこら辺をふらついていたらふと近くで神力を感じた。(まつろわぬ神・・いやこれは神獣の類か)怪しまれない程度に急いで向かったのだが(幻術などを使うには一度元の姿に戻る必要があり気取られたくなかったため)既に神獣?はいなかった。

 

 やはり人というのはめんどくさいものだなと思ったが、後の祭りであった・・・。

 

 

 

 寝過ごしたりとタイミングがなかなか合わなかったので神が現れるまでおとなしく待っていることにした。お金なら幸いたくさん奪っ・・取っ・・貰っているので問題はない。

 

 そうしてだらだらと過ごしていたら、ある日二人の人間が夕暮れ時だというのに遺跡・・確かサン・バステン遺跡とか言ったか、向かっていくのが見えた。しかも片方の人から妙な気配を感じたし、もう一人の金髪の女・・エリカ・ブランデッリと言ってたやつは確か赤胴黒十字の騎士だっけ?とりあえずこっそり抜き足差し足でついて行った。

 

 鬱蒼とした森の中で前が見ずらい闇の中であっても時雨にとっては全くなんともなかった。タクシーの後をついていくのは腰が折れたがあきらめて途中で元の姿へと戻り念には念を入れて権能を使ってタクシーと並列して走って行った。

 

 遺跡に近づいていくのが分かったあたりから尾行をやめ、そこらへんに潜んでいることにした。神殿の入り口と思しき辺りに呪力を感じた。

 

 式神を男の背後に投げて忍ばせ、二人が中へ入って行くのを見送った。

 

 話を聞いているとそこにいたのはまつろわぬ神メルカルト真の名をバアル、おそらくこいつが二体のうちの一体の神だろう。・・そこそこえらい神様でなかったっけ?

 

 そのあとあわてて出てきた二人を視界に入れつつ相も変わらず隠れていると森の外に強い呪力、目を凝らせば白馬が見えた。

 

 ここにあいつが見えるということはつまり・・

 

 「久しいのう、小僧、それに魔女よ。こんなところをまだうろついておったか。」

 

 奴はこっちに気付かず二人に話しかけた。妙にイケメンな奴はもう一体のまつろわぬ神であろう。対話を聞いているとブランデッリが不敗なる東方の神といった。

 

 そうか・ならばあいつはウルスラグナだ。

 

 今までと今あらわれている神獣はだいたい10、そしてあいつは10の姿に変身して常に勝利する常勝不敗の神。しかも古代ペルシアの軍神であるから間違いない。

 

 メルカルトとウルスラグナ・・か。どちらも強き神であることには間違いはなく、戦ってみるのも面白そうだが、まあここは成り行きは見送ることにしよう。

 

 ・・と思ったのだが、少年、護堂らしいが何やら石板を使って白馬を奪ったと思えば、ウルスラグナはメルカルトの結界に阻まれ一度引き返していった。

 

 朝になれば戻ってくるらしいがそれまで暇である。もう一度言おう・・・暇である。だからと言ってここで眠る訳にはいかない。

 

 眠るわけにはいか、いかなzzzzzzzz。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 目を覚まし、まず目に入ったのは見知らぬ天井というわけでもなく、石版、魔導書プロメテウス秘笈からほとばしる青き焔と二つの棍棒を二振りの黄金の剣を以て切り裂いた満身創痍のウルスラグナの姿であった。

 

 また寝過ごしたよーと落ち込んでいると近くから護堂が出てきた。と思っていたのもつかの間、ぼこぼこにされていた。

 

 いやだってさ啖呵を切って出てきたんだぜ。何かあると思うだろ?と思ったらサンドバックになってたんだぜ?訳が分からないよ。

 

 これで終わりかと思ったら、護堂がプロメテウス秘笈を使う博打に出た!そんなことをすれば自分も無事ではいられまいに・・・。

 

 秘笈より迸った白き焔はウルスラグナを飲み込んで・・・相打ちと相成った。

 

 

 ・・・くくく、はははは、ハハハハハハ。まさかあの所業をこの目で見れるとはね。これだから人は面白い。あの状況からの大逆転。何百何千という確立を引き出すとは、護堂とやらはよほど恵まれて、いや呪われているのに違いない。

 

 なんにせよ、せっかく立ち会ったのだから挨拶位していきますかねえ。あの幼女も出てきたことだし。

 

 

 「やあやあみなさんこんにちは?こんばんわ?いやおはようかな?」

 

 「おぬしは物の怪の類か?」

 

 『お主は何者だ?』

 

 「あら、時雨じゃない。また嗅ぎ付けてここに来たのかしら?」

 

 「嗅ぎ付けたとは失敬な。だが間違ってもいない、から否定もできないし。まあ、とりあえず、自己紹介をするならば、俺はただの長生きが取り柄のしがない九尾で時雨と申す者。聞いたことがありますかな?」

 

 「ほう、九尾であるか。」

 

 『見るのは初めてよ。』

 

 「気持ち悪、なにその言い方。」

 

 「あーはいはいこれでいいですか。ここに来たのは、まあ、暇つぶしを兼ねてきたら思いのほか面白そうだから戦ってみるのもいいかなーくらいの気持ちくらいだったんだけどねー。最近運動不足だったしまさかこうなるとはね・・。」

 

 「何が言いたいのだそなたは。我には時間がないのだ。」 

 

 「・・いや別に何でもないさ。では、挨拶もこの辺にして、あの秘儀やるんだろパンドラさんや。どうぞおかまいなく。」

 

 「・・ええそうね。」

 

 おおーやってるねー。それにしても再び会うまで誰にも負けるな、か。さすがに勝利の化身といったところか。これで人のカンピオーネは7人か。・・多くね?ここまで多いとアイツが出てきてもおかしくないのだがな。どこで眠っているのやら。

 

 儀式は無事に終わったようでウルスラグナは消滅したが、またいつかこっちに来るのだろう。神話が続く限り。

 

 さて日本へそろそろ帰るとしましょうかね。・・・おとなしくしていてくれればいいんだけど。かえりたくねーなー・・・・・。おお、こわいこわい。

 

 あ、お土産忘れてた。めんどくさいけど適当になんか買いますかねー。プレゼントはいいものだ。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 この後少年、草薙護堂はカンピオーネとして初めてメルカルトと戦うのだが、見にはいかなかった。だって長期滞在はねえ・・・うっ嫌な思い出が。

 

 とにかくここまで近くに来たのだからちょっと会いに行きますかねえ彼女に。一日くらいなら大丈夫だよな。

 

 地中海をさまよって捜し歩けば、遅かれ早かれ会える。姿は少女なれどその本質は古代の女神。

 

 「久しぶりだな、相も変わらず美しいな。前に会ったのは数十年前かな?」

 

 「久しぶりなどではないぞ!妾はずっと待っておったのだぞ。」

 

 「これには深いわけがあって、会いに行けなかったんだよ。この通りごめん。」

 

 といっって日本の伝統技DOGEZAをかましたのであった。土下座すること数秒間。

 

 「・・これでは怒れないではないか。ここは妾の寛大な心で許してやろう///。」

 

 「ありがとう女神か!って女神か。」

 

 「ただ。」

 

 「ん?」

 

 「その・・」 

 

 「なんだって?」

 

 「何でもないわ!それよりも妾は忙しい。私は行くぞ。そっそれと、また会いに来るのだぞ!」

 

 「?わかった。」

 

 と言って颯爽と去って行った。こんなにすぐに行かなくてもいいのに、体調でも悪かったのかな?顔赤かったしな。

 

 

 かくして草薙護堂との出会いは一方的な出会いとなるのだが再び会いまみえる日は決して遠くはない。  




メルカルトはカットカットカット!というか11巻はまるまるカットでいかせていただきます。

これ原作と齟齬ないよね。大丈夫だよね。




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