慎重術師   作:コケ

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慎重術師

 

 今日は転校生が来るって先生が言ってた。呪術師は人手不足で私の学年は私を除いて1人もいない。

 

 私が高専に入るってなったとき呪術師の数が少なくても5人くらいは同級生がいるかなって思ってたくさんお喋りして、たくさん遊んでってことができると思ってた。まあ、呪術師は忙しいからそんな時間は少ないのは分かっていた。それでも新たにできる友達のことを考えてワクワクしていた。

 

 でも、実際は同級生なんていなかった。呪術師はただでさえ血生臭い仕事なのに同級生がいないなんて苦痛でしかなかった。

 

 しかし、そんな日々は今日でおさらば。転校生が来るんだから。

 

「おはよう庵」

 

 筋肉質な男の先生が教室に入ってきた。いかにも筋肉が恋人ですって感じの彼は私のクラスの担任の先生。

 

「先生、おはようごさいます」

 

「昨日伝えたが転校生が来る。おーい竜宮院、入ってこーい」

 

 先生が転校生を呼ぶ。

 

 廊下から教室へ入ってきたのは180センチを超える身長。やや長めの黒髪と、心まで覗かれてしまいそうな鋭い切れ長の目。体は細身だが、制服の上からでも分かる鍛え上げられた体をしている。

 

 イケメンだ・・・

 

 私は彼が入ってきた瞬間そう思った。

 危険な任務が多い呪術師だけど、これなら私の呪術師としての日々に色がつく。

 

 ん? 転校生は教室に入ってきて辺りを見回している。あぁ、緊張してるのね。ここは私が安心して過ごせるように優しく接してあげましょう。

 

 ん? ん? 棚の中や壁に掛かっている時計を外して何かを探してる?

 

「竜宮院? 何をしている?」

 

「この部屋には盗聴器が仕込まれてる」

 

「と、盗聴器!? 本当か、それは!?」

 

「その可能性がある」

 

「か、可能性?」

 

「もしかしたら、弱みを握ろうと俺を盗聴している可能性がある」

 

「心当たりはあるのか?」

 

「心当たりがあるかどうかではない。可能性が少しでもあるならその可能性を潰しておく必要がある」

 

「いや、考えすぎじゃないか? 盗聴器なんてないだろう」

 

「本当か? 嘘ではないな? 確認のため縛りを結んでもらうぞ筋肉ダルマ」

 

 おい、今先生に筋肉ダルマって言ったぞ。まぁ、確かに筋肉ダルマではあるけど・・・

 

「おっ、良いところに目をつけたな! 俺の筋肉はなーー」

 

「うるさい。お前の筋肉に興味はない」

 

「きょ、興味が・・・・・・ない?」

 

「うるさい、早く縛りを結べ」

 

「べ、別にそこまでしなくても良いだろ」

 

「早くしろ。信用ならん」

 

「分かった。だが不安だから俺が1回確認する。ちょっと待ってくれ」

 

「1回じゃ足りん。3回はしろ。そのあと俺がする」

 

「何でそんなに」

 

「つべこべ言わず早くやれ」

 

 えぇ、何が起こってるの? 私、完全に空気じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これで終わりだ」

 

「はぁ、やっと終わったぁ」

 

 やっと終わったみたいだ。それにしても念入りすぎる。ルーペまで取り出して確認しだした時は流石に引いてしまった。それに結局無かったし。潔癖症なのか?

 

「やっと自己紹介に入れる。竜宮院、自己紹介をしろ」

 

竜宮院(りゅうぐういん)聖哉(せいや)だ」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 え? それだけ?

 

「・・・おい、それで終わりか?もっとあるだろ」

 

「これで終わりだ。何故自ら個人情報を教えなければならない。相手に自分の情報がつつ抜けにするのはバカのすることだ。どんな情報が弱点になるのかも分からないのに教えられるか。できれば名前も教えたくなかったが、仕方なくだ」

 

 え? もしかしてイケメンだけど中身がヤバいやつなの? 残念イケメンって奴? ・・・・・・いや、このくらいどうってことない。これから共に学ぶ仲間なんだから、少しずつ打ち解けあっていけば大丈夫よ。それに緊張して空回りしてるだけかもしれないし。そうだ、間違いない。

 

「はぁ、じゃあ庵も自己紹介しとけ」

 

「私は庵歌姫。たぶんスカウトされたんでしょ? まだ呪術師として日が浅いと思うから分からないことがあったら遠慮なく聞いてね?」

 

「別にいらん。この場に相応しくない巫女装束を着た珍妙な生き物に教えてもらうことなんてない」

 

 ち、珍妙!? な、なんなのこいつ・・・! こっちが優しく教えてあげようとしてるのに・・・!

 

 いや、落ち着いて歌姫。緊張してるのよ。生徒は私たち2人しかいなくて、さらに男女なんだから"慎重"にいこう。呪術師の先輩として優しく対応するのよ。

 

「そう? でも、自分1人じゃ分からないことが出てくると思うからね?」

 

「はぁ、もうそれでいい」

 

 なんだその態度は!! こっちが下手に出てればいい気になりやがって・・・・・・!

 

 ふぅ・・・ 落ち着くのよ歌姫。ここは笑顔で対応よ。

 

「これからよろしくね」

 

 私は好意的な態度で微笑む。

 

「・・・」

 

 こ、こいつ・・・! 無視しやがった! 

 

 あろうことか無視するだけでなく、こいつはゴミを見るような目で私を見てくる。

 

 く、くそっ! 同級生ガチャハズレた・・・・・・

 ふぅ・・・まあ、いずれ私の大切さが分かるだろうから我慢するのよ。わからせてあげればいいのよ。

 

 

 

 そして、この男ーー竜宮院聖哉が後に伝説を創ることを今はまだ、誰も知らない。

 

 

 

 

 




読み返して思った、文章がアレすぎる。時間がある時修正します。
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