慎重術師   作:コケ

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護衛任務・前編

 

 五条と夏油は星漿体護衛の任務を任され、天内理子とその世話係である黒井美里との接触を果した。

 

 そして、天元様の命令で天内の要望に全て応えろ。とのことで天内は学校に行ってしまった。天内の護衛のため夏油は学校付近に呪霊を20体置き、呪詛師に狙われないようにした。

 

 しかし、その内の呪霊が1体祓われてしまい。夏油、五条、黒井の3人は急いで天内の回収の為に学校へ向かった。学校では五条、夏油と黒井の二手に別れ天内を探し回った。

 

 途中、盤星教でも『Q』でもない呪詛師に絡まれることがあったが五条は無事に天内を回収することできた。

 

 夏油は黒井と共に呪詛師を片付けたが、1人の呪詛師が口にしていた1000万の懸賞金がかけられていることを知り、五条に電話で伝える。

 

「万が一ということがあります!! 夏油様の方が速い。先にお嬢様の所へ!!」

 

 黒井は夏油にそうお願いするが、夏油は拒否する。

 

「それはできません」

 

「何故ですか!?」

 

「理子ちゃんは黒井さんのことを家族だと思っている大事な存在です。恐らく、黒井さんが人質に取られた場合、人質交換という形になるかもしれません。そうした場合理子ちゃんは必ずそれに応じます。黒井さんは人質の価値として非常に高いです」

 

「しかし・・・」

 

「分かりました。それなら黒井さんに私の呪霊をいくつかつけときます。30・・・いや、50は必要だな」

 

 夏油は50体の呪霊を出す。黒井の周りには4級から2級までの呪霊がいる。

 

「それと携帯です。この携帯にGPSが搭載されてます。少し異変が起こればすぐに黒井さんの元へ向かいます」

 

 夏油は手持ちにある3台の携帯のうち、スペアのスペアを黒井に渡す。

 

「少しでも怪しい人がいたらすぐに電話してください。ほんの少しでもいいので電話してくださいね?いや、人だけじゃない。そこにいる鳩にも注意してください。もしかしたら鳩になりすましているかもしれません。常に辺りを見回してください。それとーー」

 

「も、もう分かりました!早く行ってください!」

 

 黒井はここで止めておかなければ夏油は永遠に喋り続けるのではないかと思い、遮る。

 

 黒井は考え過ぎだと思っていたが、実際に呪詛師が現れた。しかし、黒井の周りには50体もの呪霊がいる。呪詛師は見事に返り討ちに遭った。

 

 そうして、五条、夏油、天内、黒井の4人は無事に合流することができた。五条と夏油は天内が同化まで後少しであるため、天内の行きたい所に行かせることにした。そこで沖縄に行くことになった。もしかしたら、空港が占拠される可能性があるため、後輩の七海建人と灰原雄に見張りをお願いした。夏油は竜宮院にもお願いしていたが、やることがあるらしく断られた。

 

 夏油がもう時間が来ているため、帰るように言ったが、天内の残念そうにしている姿を見て次の日まで延長することにした。そして、4人は沖縄を存分に楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

 ある薄暗い部屋にパソコンを眺める1人の20代くらいの女がいた。そのパソコンの画面には天内理子の写真が貼ってあるサイトであった。

 

「今、沖縄にいるのか。ちょっと予定がズレたけど、まあいいや。それにしても楽しみだなぁ。ぐへへ」

 

 女は特殊な性癖を持ち合わせており、この日のために貯めた大金を費やして計画を実行していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

 時刻は15時。4人は高専の結界内に着いた。

 

「やっと着いたな! これで一安心じゃな!!」

 

 天内は元気に振る舞う。

 

「・・・・そうですね」

 

「・・・・」

 

 黒井と五条の2人は気が落ちる。そして、残る夏油は・・・・

 

「おい、傑。なんでそんなにキョロキョロしてんだよ」

 

 五条は夏油が高専の結界内という安全な場所にいるのにも関わらず辺りを見回している。

 

「分からないだろう? 高専の結界内では未登録の呪力が発生すればアラートが鳴る。しかし、それは未登録であった場合だ。登録されている人が狙ってるかもしれない」

 

「いやいやそんなことねぇーって・・・・・・いや、あるか?」

 

「黒井、何でそんなに落ち込んでおるんじゃ? 早く行くぞ!」

 

「・・・・はい。五条様、夏油様、行きましょう」

 

 薨星宮へ向かう途中、夏油は辺りを警戒。五条と黒井は元気がなく。天内はこの数日間の出来事を時々声を震わせながらも楽しそうに語る。

 

 そして、4人は高専最下層、薨星宮参道へ着いた。

 

「私はここまでです」

 

 黒井は天内に涙を浮かべながらお辞儀をする。

 

「理子様・・・どうか・・・」

 

 その時、黒井の頬に天内の手がスッと置かれる。

 

「黒井、大好きだよ」

 

 天内は黒井をぎゅっと抱きしめる。

 

「ずっと・・・!! これからもずっと・・・!!」

 

 黒井は天内を抱きしめ返す。

 

「私も・・・!! 大好きです・・・!!」

 

 そんな姿を五条と夏油の2人は眺める。

 

 そして、黒井と別れて薨星宮本殿へ着いた。

 

「階段を降りたら門をくぐってあの大樹の根元まで行くんだ」

 

 夏油は指を差しながら言う。

 

「そこは高専を囲う結界とは別の特別な結界の内側。招かれた者しか入ることができない。同化まで天元様が守ってくれる」

 

 天内は高専の結界内に着いた時に見せた元気さがなく、下を向いていた。

 

「それか引き返して黒井さんと一緒に家に帰ろう。いや、家に帰るのは難しいかもしれないから他の場所になるかもしれないけど」

 

 夏油の言葉を聞いた時、天内の目は大きく開かれ、顔を上げた。

 

「・・・・・・え?」

 

「傑と話し合って決めたんだよ。天元様と戦うことになっても俺達でなんとかするって」

 

 五条が天内の疑問に答える。

 

 五条と夏油は星漿体である天内が同化を拒んだ時、どうするか話し合っていた。夏油は同化しなければ天元様の術式が暴走するということを完全には信じていなかったが、暴走する可能性の方が高いと思っていた。それはとても危険なことだ。それに尊敬する師匠である竜宮院は必ず同化させるであろう。少しでも危険があるならその可能性を潰しとく人だ。だから、夏油は迷っていた。しかし、天内と黒井と共にいてそのような残酷な選択はできなかった。恐らく、竜宮院のことだ。同化しているか確認するため待機している。その時は2人で対抗しようと決めた。

 

「私達は強いんだ。理子ちゃんがどんな選択肢をしようと君の未来は私達が保障する」

 

 天内は涙を浮かべ自分の気持ちを吐露する。そして、自分がどうしたいのかを述べる。

 

「もっと皆と・・・一緒にいたい。

 もっと皆と色んな所に行って、色んな物を見て・・・・・・もっと!!」

 

「帰ろう、理子ちゃん」

 

 夏油はそう言い、天内に手を差し伸べる。

 

「・・・・・・うん!!」

 

 天内がその手を取ろうとした時。聞き覚えのある声が・・・・・・

 

「何をしている」

 

「し、師匠・・・・・・」

 

 背中に何かを背負っている竜宮院が現れた。

 

「俺達、センパイでも容赦しねぇーよ」

 

「私も決めました。同化はさせません」

 

 五条と夏油の2人は天内の前に出る。

 

「そうだ・・・・! 黒井は! 黒井はどうしたの!」

 

「師匠、黒井さんはどうしたんですか?」

 

「黒井? あぁ、参道にいた人か。そいつなら眠ってる」

 

「そんな・・・・黒井が・・・・」

 

 天内は竜宮院の無慈悲な宣告を聞き、膝から崩れ落ち、涙を零す。

 

「センパイ!」

 

 五条は青筋を立て、怒鳴る。

 

「ほら、これをやる」

 

 竜宮院は五条と夏油に向かって白い袋に包まれた大きな物を投げる。

 

「師匠、これは?」

 

「開けてみろ」

 

 夏油はそう言われて一瞬躊躇うが、袋を開ける。すると中には人形が入っていた。

 

「これは・・・・?」

 

「天内人形だ。それを上手く使って死亡を偽装すればいい」

 

「「えっ?」」

 

「何を驚いている。同化させたくないなら、殺されたことにすればいい」

 

「し、師匠は同化させるつもりじゃないんですか?」

 

「護衛の任務は俺に任されたものではない。お前らが決めたことに口を出すつもりはない。そもそも、俺は天元の術式が暴走するなんて信じていない。もし、術式が暴走した場合の止め方は既に考えてある」

 

「えっ、じゃあ黒井は!黒井は無事なの!?」

 

 天内は竜宮院の言葉を聞き、すぐに黒井の心配をする。

 

「だから言っただろう。眠ってると」

 

「え? センパイ、それ本当に眠ってるだけだったの?」

 

「あぁ。俺はお前らが同化をさせないだろうと思っていたからな。同化はしないだろう、とそいつに言ってやったから緊張が解けて眠ってしまったんだろう」

 

「そっか・・・・よかったぁ・・・・」

 

 竜宮院の返答を聞き、天内は安堵する。

 

「なんだよセンパイ〜、ビビらせんなよ」

 

「師匠、ありがとうございました」

 

 夏油は礼を述べる。しかし、その直後に竜宮院は天内の側に立つ。そして、銃声音が聞こえた。だが、竜宮院は呪具で銃弾を防ぐ。

 

「あーあ、防がれちゃったよ」

 

 現れたのは右手に拳銃を持つ謎の女。

 

 




文章を上手く書けるように頑張ります
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