慎重術師 作:コケ
虐待された女の子2人を見た夏油傑。
なんで呪霊生まれんねん!?→非術師のせいじゃん!?→「外に出ましょうか」ニッコリ
ここはあるステージの裏。そこには2人の男ーー夏油傑と孔時雨が話しながら歩いている。
「盤星教は解体されたハズだが?」
夏油はそんなことを孔に聞く。
「別の団体でも根っこは同じさ」
孔はそう答えたあと、夏油に今からやることに関して載確認をする。
「本当にやるんだな?」
孔は聞いたのはこれで10回目。それほど今から夏油が行おうとしていることは常軌を逸している。
「あぁ、やるさ。目的を達成するにはこれが1番理想的だ」
「本当にその格好で出るのか?」
孔は夏油の服装ーー五条袈裟を見て言う。
「いいだろう? ハッタリは大事だ」
夏油は最後の確認をする。
「揃っているな?」
「各支部長、代表役員会長、その他太客お揃いで」
それを聞いて夏油は表舞台へ出て、大勢の人がいる前でマイクを手に取り、喋り出す。
「あーあー、皆さんお待たせしました。それでは早速本題に」
夏油は満面の笑みで
「今、この瞬間からこの団体は私のモノです。名前も改め、皆さんは今後私に従ってください」
そう言うも、多くの者が反対する。
「困りましたね。そうだ!! 園田さん、よろしければ壇上へ。そう!アナタです!!」
園田と呼ばれた男は前へ出るーー
ツルッ ドンッ!
園田は滑り、転倒してしまう。
それを見て、夏油は口を開く。
「今、アナタは周りを確認しなかった。慎重に歩いて壇上に上がれば転倒することはなかったんですよ。ほら、床をよく見てください」
床をよく見るとテカテカとした輝きを見せている。
その輝きの正体は液体ーーサマーオイルだった。
「サマーオイルを事前にぶちまけといたんですよ。私が姿を現すまでかなりの時間があったと思います。周りを注意深く観察していれば気づくはずです。
しかし、アナタたちは気づかなかった。なぜだか分かりますか?それは慎重さが足りなかったからです。慎重に行動すればこういった事故を未然に防ぐことができます。慎重になれば大抵のことは解決できます」
例えば、と夏油は続ける。
「重い病気にかかったとしましょう。病気が見つかったころにはもう手遅れ、手術ができない状態にあります。こうなってしまえば後は死あるのみ。しかし、慎重になればどうでしょうか?定期的に検査を受けに行くことにより、早期発見に繋がります。」
他にもあります、と続ける。
「いつ通り魔に遭遇するか分かりません。ストーカーがアナタを狙っているかもしれません。自分は被害に遭わないと思っているそこのアナタ!それは甘い考えです。いつ誰がどこで被害に遭うか分かりません。そこで何も対策をしていない人はもう手遅れです。
しかし、慎重に行動するとどうでしょうか? 常に防弾チョッキを着ていれば通り魔に刺されても問題ありません。防犯ブザーを10個常備していれば、その状況で1番作動しやすい防犯ブザーを作動させることができます。そして、防犯ブザー1個では音が届かない場合もありますが、10個を同時に鳴らせば音が響き渡り、すぐに近くの人が駆け寄ってくれます」
夏油は慎重になることのメリットをあげる。
「いいですか? 慎重になることはたくさんのメリットがあります。私は皆さんを少しでも慎重にしたい。だから私に従ってください。絶対に後悔はさせません。そして、私には尊敬する師匠がいます。その師匠の功績、在り方をお話したいと思ってます。そして広めてほしい。慎重になることの素晴らしいさを!!」
夏油は盤星教を乗っ取り、慎重教を新たに創設した。
そう、非慎重者を慎重者にするためにーー
▽▽▽▽▽
夏油は虐待を受けた双子が檻に閉じ込められているのを見て、考えた。
呪霊は非術師によって生み出される。
なら、全人類が術師になればいいのか?
ーー不可能だ。
なら、非術師を皆殺しにすればいいのか?
ーーそれも不可能だ。というか、ダメだ。
非術師を皆殺しした後の呪術師はどうなるのか。
呪霊を祓うことが己の価値を示すような呪術師が呪霊のなくなった世界でどう生きればいいのか。
呪術師は非術師より圧倒的に数が少ない。
そんな中、非術師を皆殺ししたら日本はお終いだ。
夏油はなぜ九十九が非術師を皆殺しにすることを肯定したのか分からなかった。ただの冗談で言ったつもりであり、夏油はその場で何て返せば分からず黙ってしまった。しかし、冷静になった時に自分は取り返しのつかないことをしてしまったと後悔した。あの時、すぐに否定しなかった。もしかしたら、近いうちに九十九は非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るなんて馬鹿げたことを言い出すんじゃないかと。だから、九十九に会ったらちゃんと否定してあげようと決めた。
では、どうすればいいのか、夏油は考えてある答えに辿り着いた。
呪霊を完全にゼロにすることは不可能。でも、数を減らすことができる。
呪霊が生まれるのは恐怖によるものが多い。
では、恐怖を覚えないようにすればいい。
それにはどうすればいいのか。
灰原が以前言っていた『みんな慎重になればいいのに。でも、僕じゃ力が足りない。みんなを慎重にする力が僕にはない』と己の無力さを嘆いていたことを
夏油は確信した。慎重になれば呪霊は生まれない、と。
慎重に行動すれば火の消し忘れによる火事がなくなる。
積極的に防犯グッズを取り入れればそれを警戒して犯行に及ばなくなる。
空き巣の被害を防ぐために鍵を何個も取り付け、外出の時は何度も鍵が閉まっているか確認をする。
運転する時、常に安全に気をつければ事故は少なくなる。
手洗いうがい、適度な運動、十分な睡眠を取れば病気にかかるリスクを減らせる。休みの日は必ず病院に行く。
慎重になることは恐怖からくるものではない。安全に、快適に生活を送るために慎重になるんだ。慎重に行動したその先を想像して穏やかな気持ちになれば恐怖とは真逆の感情が生まれる。それを伝えることができれば呪霊が生まれる数が減る。
そう考え、夏油は閃いた。
慎重教を創設しよう、と。
決意してからの夏油の行動は早かった。
まず、村の人間を外に集めて夏油は警察に連絡をした。夏油は毎回任務の時はボイスレコーダーを作動しているため、村の人間の発言がしっかりと録音されていて警察に提出。村の人間は豚箱へ。
虐待されていた双子の女の子ーー美々子と奈々子は呪霊が見えるため保護しようということになり、後日高専に引き取られた。
それから、竜宮院に一連の流れを説明して竜宮院は一切の責任を負わないという縛りを結んだ。
夏油はどうやって創設しようかと考えていた時に孔に出会い、話し合った結果、あの憎き盤星教を乗っ取り、非術師に慎重になることがいかに大事かを説くことにした。
高専の任務を受けながら布教していくのは大変だが、心強い同志に支えられていた。
それから、五条、夏油、家入は高専を卒業して各々の道へ行った。五条は教師になるために、家入は医師免許を取得するために勉強を。
そして、夏油は慎重になることの重要性を非術師に説く。同志達と共に。
「夏油、竜宮院ニハ、イツ会エル?」
この男の名はミゲル。夏油が海外任務に行った際に出会った男だ。海外は日本と比べ呪術師や呪霊が少ない。その中で見つけた呪術師。夏油は海外任務の影響で竜宮院の素晴らしさを語れる存在がいなかったためストレスが溜まっていた。そこで出会ったミゲルに今まで溜まっていた分を吐き出した。するとミゲルは見事に竜宮院という男に憧れを抱き、夏油についていくことになった。
「んもう! ミゲルちゃん、まだ言ってるの? 最近ずっとそればっかじゃない!!」
ミゲルにそう返す男の名はラルゥ。上着を着ず、上半身を露わにしている。そして、両乳首はハート模様で隠されている。いや、乳首がハート模様なのかもしれない。
「ラルゥモ、会イタイダロウ?」
「そりゃ、会いたいわよ! あんな素敵な思考をしてるんだもの!!」
「この前電話したら来週空いていると言ってたよ。ちゃんと会う約束もしたよ」
興奮している2人に夏油は今度会えるというのを伝える。
「ソレハ、本当カ?」
「あぁ、本当だよ」
「ソノ言葉、録音シタ。嘘ダッタラ、恨ムゾ!! 夏油!!」
ミゲルがボイスレコーダーを両手に言う。
「嘘じゃないよ。会えるよ。そして知ってほしい、師匠の凄さを」
夏油はもう止まらない。もう誰にも止められない。
「九十九さん、非術師皆殺しはダメですよ」
「へっ?」
Q:闇堕ちですか?
A:いいえ。慎重堕ちです。
性格変えすぎちゃってるけど改悪してないし、原作にいないキャラがちょっとずつ影響与えるのってアリだよね? 夏油のぶっ飛んだ思考は原作のままだし。
見てくれるか分からないけど活動報告あげます。進捗具合とか投稿頻度に関してです。