母なる海に抱かれて   作:どうしてこうなった?

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ゴロー&さりな「ゴローと~♬ さりなの~♪なぜ?なに?診療室ぅ!」

ゴロー「これは作者の会話劇やりたいという欲を発散するためだけに作られたコーナーだ。具体的には僕とさちなちゃんが会話形式で推しの子について独自の解釈や病気の症例について駄弁っていく感じかな」

さりな「うわーすごいぶっちゃけた でもそういうところも好き♪(ぎゅっ)」
ゴロー「さりなちゃん… え~コホン。つまりこのままだとアクア(大学生)がのた打ち回る姿を眺めるだけの小説になってしまいそうだからテコ入れをとね」

さりな「そんなに今のアクア(お兄ちゃん)ってマズい状態なの?」(上目づかい)
ゴロー「うん。医者として言わせてもらうならアクア()は大学に行く前に病院に行くべきだ」
さりな「それは…重症だね なんだかすごく落ち込んでる時もあるけど何だかんだ楽しそうにしてる時もあるから大丈夫なんだと思ってた。」

ゴロー「うーん。今アクアが患っている病気は正式名称を「双極性障害」俗にいう躁鬱ってやつだね。これは現代社会において非常にポピュラーな病気でもあるんだ。」
さりな「聞いたことある」
ゴロー「うん。ちなみに楽しそうにしている状態これを「躁状態』、落ち込んでいる状態これを「鬱状態」っていう。鬱状態ならともかく躁状態なら問題ないんじゃないの?って思うかもしれないけどそんなことはない。」
さりな「なんで? 楽しいならいいんじゃないの」
ゴロー「いやそれがそうでもないんだ。躁状態になると気分が高揚してハイテンションになる。けどそれに加えて自重が効かなくなったり、論理的な思考が出来なくなったり、なにより注意力散漫となってしまうんだ。」
さりな「ハイになって自重が効かなくなる… うーん?お酒飲みながらB小町のライブ見てた時のゴローせんせみたいな?」

ゴロー「さりなちゃンン!? えっなんでそれを!?」
さりな「看護師さんが教えてくれたの。勤務時間外とはいえ病室で叫び声上げてて病院内でも噂になってたって。直接みた看護師さんが『アレが医者であることに、いや同じ人であることに疑問を覚えた』って言ってたけどせんせ何したの?」

ゴロー「あれは、その生放送で家に帰るまで我慢できなくなったというか… 感極まってつい貰い物のお酒を開けてしまったというか…」
さりな「でも服脱いで騒いでたって看護師さんが…」
ゴロー「時間もキリがいいし今回はここまでにしよう。次回は躁鬱の何が怖いのかについて詳しく解説していくからな」(ダッ)
さりな「あっ、待ってせんせ」




満ち引き(望月)

目が覚める。壁にかけた時計を見ると単針が水平より少し上を向きかけているところだった

 

過去の黒歴史に後ろから刺されたような気もするが、変な体勢のまま寝てしまって身体がこわったせいだろう。まだ胸にどんよりとしたものは残っているが昨日ほどじゃない。周辺の探索を兼ねてドライブに行くと決めた。

 

PCの設定も終ってる、細々したソフトを入れている間に散らかってる段ボールでもまとめる。

にしても昨日海岸に寄っていった砂浜は良かったな。ドラマやミュージックビデオでの撮影にも使えそうだし、どこかで使うかもしれないし画面映りの良い場所も暇があれば探してみるか。借りてるレンタカーも明日の夕方までに返せばいいし

 

「修理屋寄ってから飯にするか」

 

幸いなことにスマホは液晶が割れているだけでアプリや電話などの機能は問題なく使える。修理屋に預けていれば明日までには確実に直して貰えるだろう。だけど携帯がないのは不便だしなにか使えそうなものがないかと探していると前から使ってるメモ帳があった。

 

「…ふっ」

 

PCで近場で良さそうな所を探しながら見つけた地名と電話番号を書き込んでいく。

 

「こんだけありゃ十分だろ」

メモにはぎっしりと伊豆の名所が書き留められていた。

 


 

駅前の修理屋にスマホを預け海鮮丼を搔っ込んだ俺は海岸線をゆったりと車で走っていた。

修理は今日中に終わるらしい時間があれば取りに行くと伝えた。一応メモしておくか。

 

「地方はいいな。東京は走ってて息苦しい。」

 

ずっと宮崎の片田舎で走っていた影響か免許を取るときは大変だった。道路標識が増えていたのもそうだが、明らかに分厚くなった教本には社会人として当然の常識、運転時の心構え、携帯電話・カーナビの正しい使い方まで書かれていた。

 

「言いたいことは分かるんだがな… いくら教科書に書いてあろうとルールを守らねぇやつは守らないし、破りたくなくても破らざるを得ないやつはいるだろ。」

「大体片手運転ってしちゃダメだったのか?*1昔はビール片手に高速かっ飛ばしてたやつとかざらにいたぞ。*2シートベルトもしてなかったし。*3

 

「はぁ」

 

人が人としてあるべき常識を忘れたから規則が増えたのか、規則があるからそれだけ守ればいいと人としてのあるべき常識を忘れたのか。まぁ堅っ苦しくもなったが交通事故の件数は年々目に見えて減っているそれを喜ぶべきだろう。

 

ある日突然起きた事故で親や子を亡くして呆然とする遺族を見るのは本当にやるせない。

遺体を死亡認定をする為だけに病院に送られることある、運よく命が助かっても下半身不随など後遺症が残ることも多い。連絡を受けて駆け付けてきた親や子たちになんと言葉を掛ければいいのか。

 

「s@kはt@え4yq@?」

 

「・・・・・」

 

 

目的の海水浴場まであと少しだ。

 


 

 

 

晴れ渡る青い空、黄金に輝く砂浜、無限に続く水平線、堤防を歩く釣り人

三月にしては暖かいこともあって海に入っている人も見かける。

 

「暑い… しかし思ったより人がいんな」

 

大学のサークルだろう数人のグループがいくつか砂浜を走っていたり水際ではしゃいでいた。

どこを目指すでもなく砂浜を歩く。ググっと沈みこむ砂の感触か足に伝わってくる。

 

「あの林で囲まれてるところ人も映り込まないしロケ地として使えそうだな」

 

もはや習慣となった撮影関連の目利きが終わり少し離れた木陰で休んでいると

 

「あー!もう汗びしょびしょ」「私も!もうこれ日焼け止めの意味なくない?」「飛び込んじゃう?」「きゃぁ!何すんの!?」「へへーんこっちまでおいで」「服どうすんのー?」「待ってー私もやるー」「水冷たーい」「お前を沈めてやる」「そのうち乾くでしょ?」

 

さっきまで砂浜でバレーボールしていた女子高生くらいのグループが今度は海の中に突撃しようとしていた。前に隣を通った時なかなか白熱していたのでバレー部なのかもしれない。

 

「若けぇな」

 

つい目で追ってしまう。アイドルに夢を見ていたルビーと同じ。今この時を生きてる。一瞬、一瞬を生きているからこそ生まれる本物の感情。役者が相応の時間と血の滲むような努力で表現する。それを当然のように纏って笑い合ってる。

 

「映画の導入に使うなら満点だ。」

 

人差し指と親指で作った枠でその光景を切り取る。

それがスポコン友情のサクセスストーリーなのか、それとも普通の日常から恐怖のどん底に叩き落されるパニックホラーなのかは置いとくとして

 

ルビー…(●●●●●●)

 

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのB小町不動のセンター。一時はどうなることかと思っていたが今は完全に持ち直した。それどころか元とは比べ物にならない輝きを宿してトップアイドルへの道をひた走っている。新メンバーも入ってるが有馬が抜けた今ルビーとそれに次ぐメムの2強状態はとても崩せそうにない。だけど周りのメンバー()もその輝きに当てられ存在感を増してきている。ルビーは人を見る目があるし周りをよく見ている。ミヤコさんも気を配っているからアイの頃のようにメンバー間の仲が悪いなんてこともないだろう。

 

「俺が言うのもなんだが… どこで拾ってくるんだろうな、ああいう人たち」

 

元ADの吉住くんを始め今の苺プロにはルビーが連れてきた人が少なくない。全員仕事できて性格も悪くない…中には癖のあるメンツもいるが芸能界において真っ当な常識人と言い切れる人達ばかりだ。そして全員がルビーのあの純白の輝きに目を焼かれたファン(奴隷)らしく信用できる。

弱小プロから急伸したことによる人材不足もあってミヤコさんもホッとしながら積極的に引き入れているからそういうことなのかもしれないが。

あぁ…だからこそ俺は

 

「君がトップアイドルになるのを見届けるまで俺は」

視界の端で人が海に呑み込まれていく

 

 

 

駆け出した

 


 

 

残り100m

あの倒れ方はおかしかった。少し中に入ったところで遊んでいたさっきの女子高生たち。まるで足が動かなくなったかのように躓き前のめりで沈んでいった。周りの子たちは水深も浅く悪ふざけだと思ってるのか声をかける子もいたがほとんどは笑いながら遊んでる。

 

残り50m

うっとうしい。砂に足が取られる。

もし…もしウミヘビやオニオコゼなどの毒性の高い有毒生物によるもので倒れたとするならば、一刻の猶予もない。周りの子たちもすぐその場から離れなければ危険だ。

一部の子が違和感に気付いたのかまだ沈んでる子に声をかけている

 

残り20m

冷たい、靴の中に水が入ってきた。周りにいた子たちが駆けてくる俺を驚いたように見ている

 

残り0m

沈んだ子のもとへ着いた。藻掻いている。腰ほどの深さもないのに水の中でパニックになっているということは毒のせいではない…?

 

だがパニックになってる人は危ない。力の加減が効かずやたらめったらと手足を振り回すからだ。死に瀕した生物の力を見くびってはならない。

それにこの子の暴れている理由がウミヘビなど毒性生物だった場合、彼女の側で救助する俺も噛まれる可能性が高い。

 

 

「南無三」

 

彼女の後ろに回り込む。そのまま膝を折り垂直に海へ潜った。。

「った」

思いっきり頭を打ち付けられた。だけど胴回りを掴めた。そのまま手を回し抱えて持ち上げる。

 

「っああ!げほっげほ…おぇ、ぇぇ…」

 

抱えられた子は口から水を吐き出したがまだ意識が朦朧としているようだ。

俺は息を整えると

 

「落ち着いて くれ もう 大丈夫だ 」

 

一言一言丁寧に、ゆっくりと、意味が伝わるように、安心させるように、話しかける

 

「深呼吸だ 落ち着いたら 深呼吸を してくれ」

 

「っは、すー、はー すー、はぁ。はぁー」

 

 

呼びかけに答えている。周りを確認している。肢体に痺れなどは見受けられない。

海水に浸かっていたせいか肌が白く血の気が引いてるけどこれは…

 

「今から君を抱えて浜辺に戻る 他の人もそれで良いかな?」

 

そう見回して伝えるとみんな頷いてくれた。

 

前髪が張りつく。一旦彼女をその場に下ろして前が見えるよう髪を後ろに流した。

顔色を確認できるようにそのまま彼女を横向きにして抱え上げ、浜辺に向かいながら話しかける。

 

「ふぇ…」

 

「今日は何人で来たの?」

 

「え、あっあ…ろ、6人です!」

 

「へぇ。じゃあバスとか電車?」

 

「は、はい。市内に住んでるので友人と遊びにバスで来ました!」

 

認識能力に問題なし

 

「泳ぐの苦手だったりする?」

 

「いえっ! 泳ぐのは得意です。あ、あれは足が攣ってしまって…」

 

やはり肉離れだったか。いきなり激痛がして海に倒れ込んでそのままパニックになったと 春先の海でよくあることだ。

だが…

 

「そうなんだ。 でも足が攣る前に 何か踏んでしまったり、どこか痛んだりしなかった? 今痛みがあるところでもいいよ」

 

彼女の顔をじっと見つめる。ここで嘘をつかれると困る。もし刺されたり噛まれていた場合、自分から教えてくれないと見るべき箇所が増えてしまう

 

「…そっその! 大丈夫です! 痛いところはないので、踏んだり刺されたりしてないと思います。はい!」

 

目を逸らし慌てながら何故かハイテンション断言された。

 

 

その大丈夫はきっと大丈夫じゃない大丈夫だ。

 

念のため休める場所に着いたら検診することをマリン(アクア)は心に決めた。

 

 

*1
道交法70条

*2
道交法65条

*3
道交法71条




現在のアクアの自己評価は0(無価値)を通り越してマイナスに突入しております。

一話で纏まりきらなかった… なるだけ早く次話投稿しまS…したい、できれば、いいなぁ
次かその次の話からクロスオーバー要素がお見えする予定です

PS 当小説の描写で法律的に不適切な描写があることがございます。
  これらの描写に法律又は倫理の違反を推奨する意図はありません。
  なにとぞご了承いただけるようお願い申し上げますm(__)m カシコ
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