母なる海に抱かれて   作:どうしてこうなった?

9 / 10

「今回から急性アルコール中毒およびその仕組みについて詳しく説明していく、が…」
飲酒・喫煙は20歳になってからだ。 そして当小説における描写において法令・条例の違反を推奨する意図は存在しない

「いきなり畏まってどうしたの、せんせ?」

「また本SSに登場する人物は全員20歳以上であるもしくは現実にある酒と全く同じ名前した清涼飲料水を飲んでいる。 …さもなく18歳(MEMちょ基準)であるとする
「ここまでを以降の小説の共通認識としたい。異論は認めない」
「いや、けっこう滅茶苦茶なこと言ってるけど!?」

「いいんだよさりなちゃん。君にはまだ少し早い話ってだけさ。」
「君が20歳になったら、その時は一緒に晩酌でもしようか 奮発してさりなちゃんの食べたいモノを買ってくるし、お酒もとっておきのモノを開けよう!」
「せんせが月一でやってるアレかー うーん。」

「うん。約束だよ、せんせ!」
「私が20歳になったら、せんせの家でお祝いしてくれるって。
美味しいモノたくさん食べて、ちょっとお酒も飲んで、ずっとぜんせとお話したい」

「うっ、さりなちゃん…」(涙目)
「まぁ、その頃には私とせんせは結婚してるんだけどね♪」
「うっ、さりなちゃん…」

(ジーッ)
「さ、さぁ本題に戻ろうか」
「約束、絶対に忘れないからね」

「んーん。声の調子がおかしいのかなー(棒)」
「さて、急性アルコール中毒についてだ。」
「…はぁ。あれでしょ、ドラマとかで見る駅前のゴミ捨て場に倒れてるやつ」
「そうそう、あれを昏睡状態と言ってアルコール中毒の重度の症状の一つだね。実際にはただ寝ているだけだったり、脱水症状だったりと色々あるんだけどそういう認識で問題ない」

「大変そう。倒れるくらいなら最初から飲まなきゃいいのに」
「大人は色々な事情があるのさ…。飲まないとやってられない時もあるしね」
「そうそれ、お酒飲むと気持ち良くなるっていうけど本当なの?」

「本当だよ。お酒を飲む(アルコールを摂取する)とすぐにアルコールが血に溶けて身体中巡るようになる。そして脳へとたどり着き脳の神経を麻痺させてしまう。いわゆる酔っぱらってる(酩酊)状態だな」
「血中のアルコール濃度が高くなれば高くなるほどこの症状は酷くなる。軽度の症状では吐き気・多幸福感、自制心の解放などがある」

「お酒を飲むならこのラインを弁えておくのがいいかな。楽しい飲み会は軽~中度の間であることが多いから」
「こういう飲み会ならしてみたいかも」

「さて、次は中度の症状。嘔吐、異常な発汗、判断力の低下、はっきりとした酩酊などだ。一般的に酔ってるとされる状態だが…この症状が現れた場合は、お酒の量をセーブした方がいい。」
「えっ、吐いてるのにまだ飲み続ける人いるの?」

「あー、今時の子はそんな風に思うのか 残念ながら…というより俺たちの年代だと吐いて飲むのが当たり前だった」
「えぇ…吐いてるなら止めようよ、お酒も勿体ない」
「…返す言葉もない」

「んん。そして最後は重度の症状。昏睡、呼吸抑制、呼吸の停止、低体温などがある。ここまでくると救急車や人工呼吸が必要となる」
「えっ、呼吸できないなら死んじゃわない?」
「その通り。呼吸の停止では勿論、呼吸の抑制された場合でも自分の出した嘔吐物などによって窒息死する可能性がある。駅前でうつ伏せで倒れてる人が居て、近づいても呼吸を確認できない場合すぐさま横向きにして救急車を呼んでくれ」

「実際にそういうことってあるの?」
「確率だけでいうなら救急車で運ばれてくる患者の68%が軽症、残り31%が中等症、残りの0.4%ほどが重症となってる」*1
「さすがにそこまで飲んでる人はいないんだね。良かったぁ」

「まっ。搬送してる間に落ち着いて一つ下の症状になってるケースも多いんだけどな」
「・・・・」

*1
東京消防庁より引用




Grand blue
だいがくせいかつ


「…アクア、アクア!起きろよ」

聞き覚えのある声だ。幼い子供の感情のままに話す声…

 

「…ん。あっごめん。ちょっと眠ってたみたい」

「ったくよ。誘った本人が忘れてちゃダメだろー」

「あはは、そうだね。みんな待ってるだろうし、早く行こう」

あぁ…酷い悪夢を見せられている

「そうだぜ。みんな忙しいんだから…って言えたら良かったんだけどな。子役はあんま仕事ないてうちの社長もよく言ってるし…だから今はしふく?の時だろ」

「そうだね、どうしても子供のキャスティングは偏るから」

子役の需要は少ない。有名な子役が2~3人もいれば埋まってしまうくらい狭い門だ。

 

「あぁ、でも俺はなるぜ大スターに!このまま芸能界を続けてそのうち映画の主演に抜擢されてさ。それで有名になってハリウットにも出てさ~」

「ははっ、ハリウッドだろ?」

「っ、うっせー!そうところ子供っぽくないって言われてるんだぜ」

「悪い悪い。それに自覚はあるよ」

「ふーんだ。アクアには俺のサイン書かない!将来俺が大スターになったときに後悔しろー」

「あっ、愁斗待って」

駆け出した小さな背中を追いかけた。

 

 

俺には才能がない

 

「ごめん遅れた!」

「遅ーい!ずっと待ってたんだよ」

「アクアが悪いんだぜ。収録終わったのになんかぼんやりしてるから」

「まぁまぁ、僕たちもそんな待ってないですし」

「…演技の練習したかった」

「悪いな美咲、また今度練習に付き合うよ」

「ん、約束」

 

騒がしい声が響く楽屋の端の端にある部屋

スタッフに使用許可を貰って子供の番組終わりにこっそり集まるようになった場所。そこには芸能界を夢見る雛たちが集まってた。

 

「でさー、結局どうすれば俺が活躍できんだ?」

「煩いわ!あんたはいつもそれしか言わないじゃない。その為の意見を出せって集まりなのよ」

「ははっ…あっそうだ。みんなで合唱コンクールに応募してみるとかどうでしょうか?うん、バンドとか組めたら目立てると思いますよ!どうでしょうみんなでやりませんかバンド?」

「晴のテンション高っ⁉てかそれ晴だけ目立つやつでしょ!そりゃ私も人並みには歌えるけどさ~…楽器なんてできないし」

「いや、割とありだと思う。晴の声は凄いし、おもちゃの楽器もしっかりしたやつあるからいけるかも…」

「ほんと!?じゃあそれサイヨーで!」

ご機嫌な紗耶香の声で方針が決まる。

 

「…それ、私もやるの?」

「美咲は役者さんになりたいんでしょ?きっと発声レッスンになるわよ!」

「…じゃあ、やる」

「おー!おー!いいじゃんバンド!俺ギターぶっ壊す役やりたい!」

「ははっ…それはデスメタルだよ…」

 

「ふふっ…小学生がやるデスメタル…ウけそうだな」

「あー!アクアがまた悪い顔してるー」

「俺は嫌いじゃないぜ!」

 

帰って事務所に相談すると方針が決まった。ギャーギャーと他愛もないことを駄弁ってから解散した。

 

 

「えっと、アクアくんは…?」

待ち合わせ場所に少し暗い顔した晴がいた。

「晴か、俺は許可取れたけど」

「えっと許可貰えたの僕たちだけみたい、だね」

「…そうか」

 

やることがない…晴と二人で窓の外を眺める。

 

何の力もないガキが考えた小学生によるバンド活動という夢は…始まることもなく終わりを迎えた。

 

 

 

う…っ頭が、割れるように痛ぇ…

ガンガンと鳴り響く頭を押さえて目が覚めた。

年季のいった天井…少しぼろい畳の広い部屋で寝ていたらしい

 

…どこだここは?

おれは確かいず大祭で…

 

「あー、起きたんだね」

廊下から声がした、気のいい美人のお姉さんがそこにいた。

 

「良かったー、キミうなされてたから心配したんだよ」

見た目通りのお人よしみたいだな。

 

「…そうでしたか、ここまで運んでくれてありがとうございます」

擦れてない純朴そうな人だ。辞めたとはいえ首までどっぷりと芸能界の闇に浸かっていた俺が触れ合うべき人ではないだろう。

さっさとお礼を渡して帰るか。

 

「お世話になりました。近場のバス停か駅を教えてくれませんか?」

「もう帰っちゃうの?もう少しゆっくりしていっても…」

「これ以上迷惑は掛けられませんから」

 

 

「これ少しばかりですが…」

帰り際、昼飯代と交通費分を残して財布に入ってた全部の金を玄関先に置いていった。

「えっ

とそんな気にしなくていいんだけど…ってこんなに貰えないよ⁉」

 

 

 

そんな声を後ろで聞きながら丁度来たバスに乗って自宅へと戻った。

 

(ひそひそ)

(えっ、露出狂?)

(でも、結構鍛えらえてるよ。あのシックスパックとか凄い…)

 

周りがやけにうるさい…

学生が多いから話し声が大きくなるのは分かるが

 

(おい、やべーやついるって…)

(どこどこ?…ってアレは関わったらダメな奴だろ)

(そういや講堂前で全裸だったバカが居たって噂が…)

(根暗っぽいのに身体とのギャップが…)

 

暫くたってもざわめきが止まらない。

チラチラ見られている気もするし、なんかおかしな所でもあるんだろうかっ……⁉

 

 

なんで服着てないんだ俺ぇ!?

 

慌てて身体を隠す!

いや、隠すものがねぇからどうしようもない。

おいおい今まで気づかなかったけど写真撮ってるやつもいるし、マジでこれどうすればいいんだ…?

 

今の財布の中身じゃ寮に帰るしかないし、このバスを降りて大通りにでも出ようものなら通報待ったなし!

 

状況が、詰んでやがるッ……!

 

 

そんな時だった。

「これ、やるよ」

いかにも上京してきた感じの学生からTシャツを渡された。彼が来ていたモノだったが…

 

「助かる…けど良いのか?代わりにお前の服が無くなってるが」

俺の当然の質問にその男は遠い目をした。

 

「いいさ。どうせ着てても意味なくなるしな…」

あと俺にも責任がないとは言えないし

 

年に見合わない達観した雰囲気。彼も色々あったのかもしれないな…

深く聞くのはやめた、それより窮地を救ってくれた彼に感謝を

 

「この恩は忘れない…俺は機械工学科の芥マリンだ」

「おっ奇遇だな。同じ科の北原伊織だよろしく」

「あっ、そうだ恩って言うなら今度……」

 

 

半裸の北原と自己紹介を交わし、寮へ帰った。

ふぅ…シャツ一枚でこんなに世界が変わるとは思わなかったな。

 

「ダイビング、か…」

 

海へと潜るマリンスポーツ。奇遇だな俺もマリン、だよ。

そんな陽キャの奇麗なもの俺には似合わない…が、恩人の頼みだし一度は行ってみるか

 

 

 

 

相も変わらない日常が続く。

大学に行き、授業を受け、家で予習と復習をする…退屈な日々だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






大丈夫これ?
温度差で風邪ひいちゃわない?
いや、まだ鬱もシリアスもあるからなんとも言えないんだけどさぁ…


次回「しんせかい」
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