フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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Lvアップのアレコレは……オリジナルという事で宜しくお願いします。


10 善意

二人の神から『死の宣告』を受けたおじさんだが……。

 

「へー」

 

の一言で返した。思わずテーブルからずっこける二神。

ガタンと良い音がしたが……大丈夫か?

 

「おい、ユースケ……」

「このままだと死ぬと言っているんだゾ!?」

 

起き上がりながら眉根を寄せるサラスヴァティー。テーブルを叩きながら立ち上がるガネーシャ。

余りにもあんまりな反応に二神の顔に怒りが顔を出す。

 

いや、うん。有難いのよ。

態々おじさんの為に心を砕いて、善意で忠告までしてくれて。

それでもおじさんの正直な反応は『へー』なのだ。

 

「いや、うん、ごめんね? めっちゃありがたいのよ? でもごめん。『終わるのかぁ』位にしか思わんわ」

 

燃え尽き症候群の影響なのか、自分の死を告げられても動揺は特にない。

むしろ納得感がある。

だが態々忠告をしてくれたのを無碍にするのは違う気がするし、折角だから延命(?)出来るならそうしよう。

 

「けど別にこのままにするって話じゃないからさ、それで? この話が『何時冒険者になるか?』の質問に繋がるの?」

 

死を告げられた側のあんまりな態度に気が抜けたのか、二人は肩の力を抜いて話し出した。

 

「折角だし最初から話そうか」

「そうだな、まずは少年のスキルに関して」

「ほ? 俺の?」

「覚えている限りで良い、この紙に書き出してくれないか?」

 

洋紙皮を渡されたので突き返して【トラベラー】からノートを取り出す。

そこへ前回の生で判明した効果を記載する。

 

 

 

【引継ぎ】

・シボウ(死亡/志望)時に同存在に引き継ぐ

・スキル/アビリティ/ステイタス/記憶の継承

・トリガー【死亡】

 

 

 

二人して書き出された紙を見て眉根を寄せる。

【死】を前提としたスキルなど見た事も聞いた事も無かった。レアもレア、ある意味反則染みたそのスキルに眩暈を覚える。

 

「これは……どうなんだ? ガネーシャ」

「オレの子供(眷属)達にも多種多様なスキルがあるが……流石にここまで酷いスキルは見た事が無いな」

「酷いて」

 

『今』を否定して『次』へ託すスキル。

良く言えば希望のスキルだが、二神(インド系)にはこのスキルの()()()を考えれば容認出来なかった。

 

「ユースケ、良く聞け。ユガの概要は知っているな?」

 

紙を持ったままサラスバティーが問いかけてくる。

 

「そりゃまぁ、俺の故郷……地球の日本って所だけど。輪廻転生、死んで生まれ変わる奴」

「そうか、ソコは理解してるんだな」

「ほかにあるの?」

 

腕を組んだガネーシャが重い声で口を開く。

 

「少年、ユガの()()()()()()()は知っているか?」

「えーっと『創造→維持→破壊』だっけ? それを繰り返し」

「そうだ、そして繰り返される際の期間は『8()6()()()』だ」

「……86……億?」

「少年の魂は虚無の期間をも覚えているんだろうな。所謂()()()()()()()という奴だ。

 頭では覚えてはいないが()()()()()()()()()()

 

凄い事を言われてるが記憶に無いので実感が無い。

 

「ユガを記憶したまま生き続けている魂。よほどの執着か執念か。

 何を置いても成し遂げたい事があったのか……何にせよ今のユースケには()()が無い。

 このまま行くと待っているのは魂の消滅だな」

 

サラスヴァティーに言われて納得する。【引継ぎ】を覚えてからは精霊に囚われていたと言っても良い。

執着と言える位にはアイツを生かす為に動いていた。

でもソレはもう成してしまい、結果として俺は宙ぶらりんなのだ。実情として現在は目標、指針が見えない暗中模索。

 

「その魂の喪失を防ぐのが冒険者のLvアップだゾゥ!」

 

ガネーシャがチェストポーズを決めながら声高らかに宣言する。

 

「何でLvアップが?」

「うむ! 魂の昇華とはつまる所『人からの脱却』『上位存在への変化』を促すのだ!」

「冒険者のレベルが上がる事でそれ以下の冒険者と実力が隔絶してしまうのは部分的とは言え、上位存在へ移行するからなんだ」

 

つまり?

 

「少年がレベルアップを繰り返すだけ魂の喪失から遠のくゾゥ!」

「だから少しでも早く冒険者に所属して経験値を貯めるのを勧めようと思ったんだ」

「少年はLv2か3位はありそうだが大丈夫! ガネーシャの子供にはシャクティというLv5の第一級冒険者が居る! 安心してウチに所属すると良いゾゥ!」

「ウチもガネーシャ程じゃないし規模は少数だけどLv2なら2人居るしPtとしての水準は割と高い。経験値を稼ぐ間だけでもどうかな?」

 

ふーむ、二人の言いたい事は解った。

 

「要はLvが上がれば上がる程に延命措置出来るから取り合えず冒険者になって経験値稼いでおけと」

 

首を縦に振る二人。

 

「一見悪い話じゃないけど……それだけじゃねーよな?」

「「?」」

 

解らない()()をするな。

 

「ガネーシャはついでにゼノスへの対処法が入ればラッキーとか思ってるだろ」

「ギクッ」

「ガネーシャ……」

 

サラスヴァティーがあきれ顔でガネーシャをジト目で見る。

 

「サラスヴァティーは……善意っぽいけど……どっちにしろ二人共、非常に大きな落とし穴があるんよ」

「「落とし穴?」」

 

とっても大きな落とし穴。それはね

 

「俺、Lv5なんだよね」

「「…………ふぁ!?」」

 

二人共顎外れそうだけど大丈夫か?




二神の善意に応えたいと思う反面、思い悩むおじさん

この問題に対しておじさんはどう対処していくのか

次回、スタンス
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