フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 1alternative   作:タラバ554

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エイナと別れた後、【ワールドテレポート】で自宅へ戻る。

家族への挨拶もそこそこに自室で横になる。

改めて知り合いが居ないっつーのは……何か空しい。

 

それから暫くは日本の色んな農家に直接出向いてじゃがいもや野菜、酪農加工品を直接買ったり。

PCに保存してあった各種レシピを引っ張り出して母と姉妹、一緒に各国のじゃがいも料理を作って見たり。

試食には家族全員であーだこーだと言いあう。

オラリオには色んな人種が居るから家族だけだとサンプルとして少なすぎると思い、スタントの仕事がある日にスタジオへ料理を持ち込んでスタッフに感想を聞いてみたり……。

まさかコロッケがアメリカに無いとは……まぁ似た様な物はあるけど日本式は無いし、この年代的には日本料理って世界進出なんてしてないからな。珍しがられるのも当然か。

ディブスなんて俺が日本料理を持っていった事で国籍が日本だって事を初めて認識した位だし。

折角だから色んなスタッフさんに軽食として配って感想を求めてる、態々俺に合わせてゆっくり話してくれたり色々良くしてくれるから俺も何か返せないかとつい思ってしまう。

 

あんまり入れ込み過ぎるとイカンなと思いながらおっさんのサンドウィッチとジャガイモスナックを交換して食べる。

何かおっさんがしたり顔で頷くのは何の意味があるのか。

ちらりとお腹を見ると……若干出て来てるな。腹。

チクチク言葉を言うべきかと思いつつ、遠回しに話題を振る。

 

『ディブス、奥さん、体、平気?』

『ああ、ボーイのお陰で運動を始めてるぞ。最近はジムに行くのが楽しいらしくてな、偶に俺も誘われるんだが……体力がなぁ』

『体、動く、大事』

『本当だよ。お前さんのおかげだ』

『おっさん、お腹、育つ?』

 

自分の腹を叩いてみせる。

 

『あー、少し出て来た……かな?』

『ディブス、それは少しじゃないでしょう。奥さんからスタジオでボスを運動させるように言われてる私の身にもなってくださいよ』

 

そう言っておっさんの後ろから声をかけるのはTHEアメリカ美女って感じのアディーさん。金髪色白の碧眼でキャリアウーマン。

なんとおっさんの秘書兼会計士らしい。何でも奥さんの友達でプライベートで交流があるとか。

やっぱ奥さんもおっさんの腹が出てき始めてるのを心配してるらしい。明らかに食べる量増えてるからな、そりゃ心配もするわ。

アディーさんにお小言を貰ってるおっさんを見ながらサンドウィッチをパクついてるとスタントシーンの打ち合わせ時間が来た様で、スタント統括のダルが声を掛けて来たので席を立つ。

 

 

 

『ふー、わかった。今度カミさんとジムに行くから勘弁してくれ』

『あらそう? じゃあ電話でアンナに言っておくわね♪』

 

すぐ横にある現場に備え付けられた固定電話を持ち上げワイフへ電話するアディーを見てから、ダルと打ち合わせをしているボーイを見る。

どう考えても10代で有色人種の少年。国籍は恐らく日系アメリカ人。

恐ろしい迄のフィジカルモンスターで多少の無茶振りならフィジカルで正面からねじ伏せるし、無理難題でも金を積むとどうにかしてしまえるモンスターっぷり。

正直に言えばこの規模のスタントマンとしては破格すぎる少年だ。

それにあの奇跡の様な技術。然るべき手順で商売をすればそれだけで億万長者は確実。

今は本人の希望で日雇いだが出来るなら正式に契約を結びたいのが本音だが……。

 

『アディー、結局ボーイの足取りは?』

『無理、あの子の本気の動き見たことある?』

『? そりゃスタントで何時も見てるぞ?』

 

盛大に溜息を吐いてから此方へ向き直るアディー。

 

『スタントの時の動きなんてあの子の半分以下よ。スタジオを出てから一歩踏み出したら即見失うのよ? 分かる? 一歩! カメラで録画してみたら何処にいたと思う? 向かいの建物の屋上よ! ジャンプ一回で屋上にまで飛び上がるような子なのよ!』

 

言われた事が理解出来ずに居ると一本のビデオテープを渡され、それを再生してみるとスタジオ前の映像。

横からアディーがソレを操作すると画面に映し出されるボーイの姿。

 

『ココね、良く見てて』

 

そう言ってスロー再生で流れる映像。するとコマ送りの映像から突然少年が消える。

 

『一体どうなってる?』

『だから、向かいの建物の屋上に跳んでるのよ』

 

そう言って別のビデオテープを再生、別のアングルで向かいの建物の屋上が映っている。すると急に少年が画面に映る。

画面の少年はまるで水たまりを飛び越える様に軽い動作で屋根を飛び跳ねて進んでいく様が映像の端に移っている。

目の前の映像が信じられず何度も巻き戻すが映像は変わらない。

 

『おい……アディー、こりゃ……』

『言ったでしょ、『スタントの動きなんて半分以下』だって』

 

おいおい、スタントしてのスペックはまだ上があるのかよ……何処までも規格外の少年だな。

 

『これで本人にもうちょい欲があれば楽なんだがなぁ』

『ある意味何時でも稼げると解ってるんじゃない?』

『それは……そうかもな』

 

少年から受けたアンナに対する恩を返す為にもコレからも気を付けるとして……監督としてはこんな映像見たらスタントに入れたくなる!

 

『おいボーイ! ちょっとこの映像のコレやれるか!?』

 

今撮ってるアクションの一部を変更してシナリオも改善が必要だな!

 

 

 

おっさんのリクエスト通り超ジャンプを披露した。だがジャンプ以上に瞬間移動めいたおじさんストライク(脚部限定)に驚かれた……見せた事無かったっけ?

 

 

 

所変わってオラリオのバベル。

ある意味何時も通りの朝を迎えたエイナの前に現われたのは彼女の担当するベル・クラネル。

そして彼女は先日会った少年の親であろう『彼』の事を尋ねるのだった。




段々と地球でおじさんのスペックが顕わになっていく。

驚愕と興奮を覚えるディブス

一方その頃オラリオでは?
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